外出規制緩和9(韓国の実験と監視社会化2)

コロナ禍による行動監視や歩行禁止は、個人の意向など無視できるほどの社会防衛の必要性があるのでしょうか?
昔の言い方で言えば、法定伝染病に罹患していれば公共の福祉・・社会防衛のために強制入院を命じられるのは元々の法原理ですが、感染している証拠がなくとも

a「感染させる恐れ」
b「感染する恐れ」

だけで道路を歩いたり人混みに行くのを禁止できるかの疑問です。
上記bの場合、本人がリスクを取ればいいだけで国家が直接強制する必要がないでしょう。
多量の飲酒や喫煙が健康に害があるとしても、政府がキャンペインや増税したり歩行中喫煙や公共空間での喫煙禁止などの間接的抑制を図るのは別として、飲酒や喫煙自体を直接処罰するのは行きすぎです。
上記aの場合、検査しても陽性でなく発症もしていないが、まだ「潜伏期間」かも知れないから危険だという思想でしょうが、いわゆる濃厚接触者・・感染者が多数出ている艦船の同乗者、あるいは、感染拡大中の地域から来た人や帰って来た人に対する相応の嫌疑をかけて潜伏期間とされる2週間ほどホテル等指定箇所で外部接触を絶っていただくのは一応の合理性があります。
前後の状況、挙動不審等の相応の嫌疑根拠があれば警察〜検察が一応の証拠で令状によって、合計約22日間逮捕〜勾留できるのと似たような機能です。
ホテル等と留置場とでは待遇がまるで違う点があって許容性が高まるでしょうが、現状は「陽性反応もないので自宅に帰る」と頑張られると強制できない運用です。
軽症または未発症の陽性反応者でさえ、隔離ために自治体がホテル等を大量に確保したのに、(入院の必要がないならば陽性反応者でさえ)ホテルへの移動に大多数が応じていない現状が国民意識を物語っています。
法で強制する方向の議論は起きていません。
陽性反応どころかなんら感染の疑いもない人をある地域に住んでいるといいうだけで政府が一定期間自宅やホテル等へ強制軟禁するのは憲法違反の人権侵害でないか?というのが現在日本人の大方の意識ではないでしょうか?
半径100〜200メートルまで自由なら良いと言えるでしょうか?
出歩かないように協力お願いが限界というのが国民意識ではないでしょうか?
お願い程度にすべきという意見は、根底に国民の大方が自主判断でやるだろうとの信頼があるからでしょう。
欧米では非常事態宣言が出て特定人目的でなく、その地域住民全員に対する客観指標による強制の場合、恣意的に行わないので公平だという考えでしょうが、よほどの必要性とのバランスでしょうが、日本ではそれも許容範囲外です。
まず自粛でやってみて、それでどうにもならなければ一段の強化を考えるという順序です。
欧米では一足飛びの刑事罰のある外出禁止ですが、人権人権という割に、国民に対する信頼感が低い証左です・というか、もともと国民の権力に対する信頼感がないから人権人権と騒ぐ必要がることも何回も書いてきました。
監視社会に戻します。
本人の意思に関わらず日常的に細大漏らさずデータが蓄積される社会になっていてコロナ禍等の特別なときだけ権力支配ができるとしても、サイバーテロのようにちょっとした能力さえあれば侵入して特定人物の行動を監視できる社会になるのはおぞましい限りです。
個人特定情報拡散防止規制があっても、国際スパイ網はこれへの侵入を試みるでしょうし、権力闘争者も与野党を問わず裏情報としてこれを利用する誘惑にかられるでしょう。
個人情報保護規則を如何に精密にしても「盾と矛」の矛盾関係で精密な防御技術を作る能力のある人はそれを破る能力もあるのが原則で、100点の技術者が一人で2番手が90点以下のように突出した能力がある場合破るのが難しいとしても100点代の技術者が1000〜1万人いる場合、全部を権力・体制内に囲い込めないのでそのうち数人でもアウトロー側に回れば、簡単に防御陣が破られる原理です。
剣の達人で言えば、ど素人が不意を襲っても達人に負けるとしても、甲乙付け難い能力者同士の戦いでは正面からの正式試合でさえも、当日の体調や事前練習の仕上がり次第で勝ったり負けたりの3勝2敗等で勝敗が決まっていくものです。
テロ・攻撃側は密かに相手の隙を狙う点で、剣の達人が寝ている隙を狙って、あるいは背後からいきなり切り掛かるようなものですから、100点対80点程度の実力差があっても勝てるような関係ですから攻撃可能な人材の裾野はものすごく広くなります。
だからこそ、情報収集自体を許さないという「のほほんとした」個人情報保護規制が発達してきたのですが、そういう「のほほんとした」時代が終わりつつあることが白日の下に晒されたということでしょう。
防犯カメラはそれ自体では事件が起きてから時間をかけて巻き戻して見るしかなかったので、(千葉県弁護士会館でも防犯カメラが設置されていて事務局の奥に映像が常時流れていますが、誰も映像を見ている暇がなく、日常的監視不能でそれほどの被害がなかったのです。
現在ではコンビニその他でのカード利用と結びつけてそこでの防犯カメラの膨大な映像によって、(Aに対する縦横斜めの立体映像が完成していて)スマホ等の位置情報と紐付けたうえで、AI駆使によって瞬時に・・ある事件現場のお店の防犯カメラに片足しか写っていない人物特定が可能になってもおかしくない現状です。
権力者やスパイ等が、Aの日々のリアルタイムの情報が欲しければ現在どこの高速道路上で、どこに向けて走っている・車中から誰に電話中か、メール中か、どの動画視聴中かも分かる・・3日〜1年前に遡ってBと会話していないか・・同席していないかも分かる時代が目前にきているかもしれません。
日本の場合、全て忖度、自粛・自主判断に委ねる社会であって、守らなくとも処罰される社会ではありません。
メデイアはしきりに忖度を批判しますが、周りの空気を読んでこのように動くべきと自主的判断で行動する社会・魚群のような無意識で一体行動のとれる社会と上からの指示命令に反しない限り何をしても良い・・自主的に気配・・価値観を察知する訓練のない社会とどちらが良いかです。
自粛・自主判断重視社会では処罰がない分、基準もファジーで済みますので厳格な監視社会に繋がりにくいでしょう。

新型コロナウイルス対応の巧拙10(中国は成功したか?2)

以下のネット記事が出ています。
https://diamond.jp/articles/-/232141?page=3

コロナ対策を中国に学んだイタリアとイランでなぜ感染拡大が止まらないのか
姫田小夏:ジャーナリスト 2020.3.20 5:35
「コロナ発生国」と非難されたが今では世界の「お手本」に
湖北省武漢市では、蔓延の初期段階において医療スタッフや病床の不足に加え、物資が不足して現場は大混乱となった。だが、瞬く間に5万人の医療スタッフが全国から集められ、10日間の突貫工事で病床が増加し、医療資源の不足は一気に解消された。
ウイルス拡散を防止するために中国政府が取った策は、人の移動を制限する「封鎖措置」だった。1棟1棟の集合住宅から1戸1戸の世帯に至るまで、住人を自宅から外出させないという、水も漏らさぬような厳重な管理ぶりだった。
中国の防疫措置の特徴を分析すると、「間髪入れずしてのスピード」と「一刀両断の徹底ぶり」、そして医療現場の人的不足やマスクなど物資不足を補うための「挙国一致の動員力」にある。そのベースにあるのは、移動の自由など人権の議論を許さない一党独裁の政治体制と経済力、そして何よりも、政府の一刀両断を受け入れる「国民の忍耐力」だった。
安倍政権が新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を発表した2月25日、日本在住の中国人や日本に親族を持つ大陸の中国人から失望の声が上がった。「なぜ積極的に検査しないのか」「企業活動をいつまで続けさせるのか」といった疑問が噴出したのは、すべての力を防疫に注いだ“強制力ある中国式措置”とは異なるものだったからだ。
イラン、イタリアは中国モデルを導入
中国モデルを積極的に採用するのがイランだ。2月19日に新型コロナウイルスの初めての患者が確認されたイランだが、その後も感染拡大が続いた。そこでイラン政府は、3月3日に「防疫措置を中国に学ぶ」と宣言した。
イランは国家動員計画のもと、中国の診療モデルをペルシャ語に訳して公開し、30万の「小組」とよばれる医療グループを組織し、1000万人を対象に各世帯を巡回し感染の実態調査に乗り出した。
イランだけではなく、イタリアもまた中国モデルを手本にした。イタリアは、ローマを旅行中の中国人に初の感染者が確認されると、1月31日に自国と中国の主要都市を結ぶエアラインの運行停止に踏み切った。イタリアで感染者が爆発したのは2月21~22日にかけてだが、新たな感染増加数が60人という段階で、ロンバルディア州の複数の都市を封鎖した。かなり早い段階で、感染拡大を防ぐ措置を採っていたといえる。
中国政府がわずか10日で建設した「火神山医院」を模範に、病院の突貫工事を始めた。住民の外出管理も徹底し、外出のための通行証も必携にした。当局のルールに反すれば「拘留または罰金」という取り締まりも中国モデルに酷似する
他人の処方箋は効き目がない
中国式を手本にし、早期防衛に着手したイランとイタリアの状況がますます悪化していくのはどういうことなのだろうか。
海外の中国人の間でよく読まれている文章がある。欧州在住で4カ国語に精通する中国人女性が執筆したもので、コラムの一部には次のような内容が書かれていた。
「イタリア政府は最大限の警戒感をもって臨んでいたが、かえって封鎖反対の抗議活動やスーパーでの買い占め、監獄での暴動を引き起こし、医療システムを麻痺させるなど国民をパニックに陥れた。イタリア人からすれば、自分の自由を制限されるほど辛いことはない。国情も違えば国民も違うのだ。国家の一声で十数億人を家に閉じ込めた中国はむしろ世界の奇跡だろう」
初期段階での強制措置は、かえってイタリアの人々の心理に大きな不安をもたらしてしまったようだ。文章には「他人の処方箋は、その人と同じ体質でない限り効き目がない」とも綴られていた。中国の感染病の専門家である復旦大学付属華山医院感染科主任・張文宏氏も、「イタリアは早期防衛の失敗例だ」と語っている。
見方によれば、イタリアは中国のように虚偽発表できない・・(普通の肺炎による死亡にカウントし直せないから)増えていることがそのま表面化しているだけかもしれません。
最近の報道ではウイルスの型が、武漢型から変異して行き、中東〜西洋に伝染するころにはそのレベルが上がって凶暴に?なっている・・その結果猛威を振るうようになっていると言われます。
ところで、武漢型コロナウイルスが時代遅れになっているらしく西欧に入ったウイルスはその変異型でより強力になっているらしく・・最近日本に上陸して感染数を増やしているのは西洋からの上陸系ウイルスだそうです。
今後西洋でより一層強力になったウイルスが中国へ再上陸するかも?という段階に入っているらしいです。
そしてアメリカに入ったウイルスはもっと別の強力なものでないか?今はまだ不明という状況らしいです。
3月18日には「戦時下の大統領」というトランプ氏発言もあり、生物兵器による欧米攻撃が本質でないか?などという昔かよくある陰謀説その他入り乱れる状況になってきました。
もちろん私はそういう遺伝子解析の能力・・説明されても、理科学的素養皆無で理解能力もないので噂の噂の受け売りでしかなく合理的批判能力もありません。
いずれにせよ、マスク原料の不織布原料大手が日本企業としても現場を国内にもたずマスクのような軽便な生産品は低賃金の中国生産に依存する・中国次第で国内流通量が限られる国際分業体制のリスクを心配するひとが増えてきたことは確かです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200305/k10012315931000.html首

相 生産拠点の国内回帰を後押しする考え
2020年3月5日 20時20分
新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの電子部品などのサプライチェーンへの影響が懸念される中、安倍総理大臣は会合で1つの国への生産依存度が高い製品は生産拠点の国内回帰を後押しする考えを示しました。https://www.bcnretail.com/market/detail/20200331_164248.html
アイリスオーヤマは3月31日、新型コロナウイルス感染症の影響で品薄状態が続くマスクを日本国内で生産すると決定した。宮城県角田工場の一部を改修し、マスクの生産設備を導入する。6000万枚/月のマスクを新たに生産できるという。同社はこれまで、大連工場(中国・遼寧省)と蘇州工場(中国・江蘇省)の2拠点で24時間フル稼働でマスクを生産し、8000万枚/月を日本国内に供給してきた。今後は、合計1億4000万枚/月を日本に供給できる体制になる。

新型コロナウイルス対応の巧拙9(中国は成功したのか?)1

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202003/0013191562.shtml

2020/3/14 05:30神戸新聞NEXT
新型コロナ80歳以上の致死率21・9% WHOなど調査、中国の感染者
2月16日から同24日にかけ、WHOが中国政府と合同で5万5924人の感染者などを調査した。日本語版は39ページにまとめられ、WHO神戸センター(神戸市中央区)のホームページで公開している。
同センターと厚生労働省で翻訳。感染者の典型的な症状は、発熱(87・9%)や、痰(たん)の絡まない空ぜき(67・7%)などで、風邪やインフルエンザと似通っているとする。多くの感染者は軽症だったが、呼吸困難などの重症者(多臓器不全などの重篤者含む)が19・9%おり、インフルエンザの重症化率1%未満を大きく上回る。
致死率は3・8%。ただ、1月1日から同10日に発症した人の致死率が17・3%だったが、医療体制の強化に伴い、2月1日以降は0・7%に抑えられた。
基礎疾患がない人の致死率が1・4%だったのに対し、心血管疾患の人は13・2%、糖尿病は9・2%、慢性呼吸器疾患は8・0%など、持病がある人の致死率は相対的に高かった。
以上によると死亡者中で基礎疾患のない人の比率は100分の1、4ですから、98、6%は、なんらかの基礎疾患を持っている人=超高齢者の多い国では死亡率が上がるということでしょう。
高齢化率の高い点で言えば、日本は世界で最も死亡率が高くてもおかしくない人口構造になっています。
日本は4月7日ついに緊急事態宣言を発するなど今後のことは不明としても、今までの経過で見れば日本は感染が始まり1月から約3ヶ月間経過した現在でもなお、人口比低死亡率でなんとか医療崩壊前の状態で持ち堪えているのは官民対応能力の高さによることしか、言いようのない結果でしょう。
致死者は感染後20に平均とすれば20日前の感染者数の遅行しすが、厚労省データです。

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと4月7日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 81,740 3,331
香港 915 4
マカオ 44 0
日本 3,906 80
韓国 10,331 192
台湾 373 5
米国 364,723 10,781
カナダ 16,653 323
フランス 74,390 8,911
ドイツ 102,453 1,735
イタリア 132,547 16,523
英国 51,608 5,373
ロシア 6,317 47
スウェーデン 7,206 477
スペイン 135,032 13,055
ベルギー 20,814 1,632

国民の自発的協力を得る地味な努力こそが民度の高い我が国の取るべき体制でしょう。
論者によっては「安倍政権は無策のままだ!国民にお願いするばかりで政府は何もしない」と批判をする意見が目立ちましたが、非常事態宣言して刑事罰付きの全面的市街の封鎖・あるいは企業・学校の強制閉鎖、食料等必需品以外の商業活動の全面禁止(イタリアなど)等々をする国の真似が良いというかのようです。
そういう批判する政治評論家に限って、政府が少しでも強制力を行使すると人権がどうの・・と鬼の首でもとったかのように騒ぐのでしょう。
幕末日本に来たハリスだったか?日本人召使いは命令するということを聞かないが黙っていると頼まないことでなんでも進んでやってくれると驚いた記述があったようですが、日本人の多くは命令されたり「お願いします」と言われる前でも、その気持ちが分かれば進んでやるものです。
小中学校の休校要請も周囲の助言もなしに独断で決めたとか、如何に国民が迷惑を受けているかばかりが批判論の基本でしたが、今や世界中で小中学校の全面休校は普通です。
トランプ氏は早くから10人以上の集会禁止などしていますが、日本のように要請だけでみんなが守る国の方が世界中では少ないからでしょう。

訴訟と日本文化批判9(スマートだったGPS訴訟)

GPS判例のときだったか?でちょっと書きましたが、逃走犯人が昔のように空き地を突っ切って逃げたならそのまま追いかければいいのですが、住宅街敷地を突っ切って反対側の路地に出て逃げた場合、追跡中の警官が他人の住宅敷地に侵入できないので、ぐるっと迂回して裏側の路地に行き着くしかないような滑稽な事態になります。
この最たる事例が車社会化の変容です。
例えば15〜20年前に担当した事件では、一晩のうちに夕方はまだ帰宅しない共働き夫婦のいる新興住宅街・・千葉県佐原〜茨城県内で何件か空き巣をして(犯人の説明では日暮れどきに新興住宅街を回って電気のついていない家を狙えばいいので物色する手間がいらないということらしいです・・その後深夜に長野県で、ガソリンスタンドのドアーを破って侵入盗をした事件を担当したことがあります。
今は見張りといってもその家の前で見張っているのではなく、見通しの良いところ(分譲住宅は道路整備されているので割と遠くからその路地に入る車や人を発見できるのと携帯やメールで連絡できるので安全地帯に車を止めて見張っているようです)実行犯は侵入するとまず裏口のドアを開けて、連絡があると一旦裏口から出てこの家の住人が帰ってきたのか窺うようです。
通行人がその家を通り過ぎると侵入し直して金目のものを探して遁走するのを繰り返し、6時半前後になると勤め人が帰ってくるリスクが高くなるので空き巣侵入を切り上げて、今度は夜遅く閉店後の商店を狙うために長野県まで移動して店舗荒らしをしていた事件です。
近隣住宅街で繰り返すと足がつきやすいので、毎回数十キロ離れた住宅街を狙って広域移動する犯罪集団の場合、警察が千葉県や茨城県の被害住宅街付近(自転車圏程度)の素行不良者など聞き込みしているようではとても間に合いません。
佐原署管轄だったか?地元警察だけでの捜査能力を超えています。
GPS事件も窃盗集団の移動把握のために警察が窃盗集団と目星をつけた車にGPSを装着してその運行記録をもとに検挙した事件で捜査の違法性が問題になった事件だった記憶です。
車による長距離移動が一般化すると、犯罪も広域化するので地元素行不良者に目星つける方法や、江戸時代のように尾行や追跡は不可能になっているのですが、GPSがあれば過去どころかリアルタイムで移動経路が一目で判明します。
どこで一定時間停止していたかなど犯行場所との関連づけもおおよその推定可能ですので、連続空き巣犯など犯罪集団の特定絞り込みに有益ですし、一定の場所で停車している場合現行犯逮捕準備としては効力を発揮します。
GPS事件はGPSを無断で取りつけたことが問題になったのですが、あらかじめ捜査目的を説明して取り付け承諾を得るなどは不可能な分野です。
離婚事件等での浮気調査などにGPS利用が一般的に行われているのですが、法理論説明は別として、結果から見ると私益追求のためには問題がなく、(私人間行為なのでそれ自体を問題にする事例に発展しないだけ?のことですが)公益実現の最たる分野である犯罪捜査に使ってはいけないジレンマです。
長年の歴史的慣習で私益実現のためには許されない行為でも、お上がやるときは民間向けのがんじがらめの規則などお構いなしに超法規的にできるかのような無意識的思い込みがまだ強いのが現状でしょう。
この象徴的法諺は、国王の無答責という言葉でしょうか?
国王は、何をしてもも刑事責任を問われないという制度で、現在も王制国では、法律上そう運用されていると思います。
我が国でも天皇は無答責と言われ内閣が天皇の行為について責任を負う仕組みです。
こういう意識からすれば、私益実現の為の違法行為は相手さえ事件化しなければ有耶無耶→違法行為責任を滅多に問われないのに、公権力行使の時だけ違法とされりのはおかしいという印象を持つのでしょう。
民主社会になって、警官になれば好きにしょっぴけるのではなく裁判官発行の令状を示してから出ないと逮捕や家宅捜索できないように、私人には許されない行為が公権力の行使としては許されるものの、その行使には厳しい条件がつくようになっています。
GPSや防犯カメラ等の設置には、新しい分野なのでこの種の条件整備が進んでいない・法定権限が整備されていない・・法不備の問題です。
公権力行使のためには一般人が許されない行為ができる場合が多いのは、予め一定の場合に限り許容されることが法定されているからです。
パトカーが赤色灯をつけてサイレンを鳴らして追跡する時には信号やスピード規制等を守らなくとも良いことになっているように、法制化を工夫すれば良いことでしょう。
とは言え、犯罪容疑にかかわらず誰彼なく個人の車にGPS装置を無断で取り付けて良いという法律ができるとは思えませんし、やるとすればGPS装置装着車しか運行してはならないと義務付けるしかないのでしょうか?
文字通り中国の監視社会の一部実現ですが、これも記録保存義務までは何とかなっても事故事件発生前にどういう根拠で「見せろ」と言えるかですし、「リアルタイムで見せろ」となればなおさら無理そうです。
警察が事件後全容解明のために記録の押収をして調査するのはできるでしょうが(飛行機事故ではボイスレコーダーの解明が普通です)このグループが連続亜skいうあっhライ糸井だけで検挙できる証拠がないから追尾して現行犯逮捕の必要があるということはこれから犯行しそうだから、リアルタイムで監視させてくれということですからまだ罪科のない人そこまで監視して良いのか?となります。
ただ、善良な一般人をやみくもにGPSで追尾監視しようというのではなく、今後も実行しそうなグループとして合理的根拠を得て始めるものとすれば、その程度の要件を満たしているか否かの審査機関(裁判所)を設けて一定期間に限っての監視を許可するのも一方法でしょうが、電波傍受と違い取り付け行為許可の法技術は難しいと思われます。
前提制度として車製造基準としてGPS装着を義務付ける制度設計を先行させて、裁判所が一定の要件合致する場合にのみ一定範囲で傍受を許可するのも1方法でしょうか?
訴訟態度のあり方に戻りますと、仮にGPS捜査自体を禁止すべき!とメデイアで大々的政治主張し耳目を集めていた場合に比べれば、上記弁護士が余計な主張をしなかった・法律上の問題提起に徹したのは賢明・スマートだったという限度での評価です。

移民願望と受け入れ国減少(韓国9)

昨日引用した井出 弘毅論文紹介続きです。
2000年台に入って、韓国の国際的地位向上によって住みよくなったからか?移民排出が減ってきて逆に一旦移出した人の還流がふえてきているという紹介です。
ネット上飛び交っている「韓国は終わった」系の噂と違い、上記論文は国家統計データ(住民登録数など)を引用しているので正確でしょう。
韓国はもうダメだというネット記事が溢れていますが、ネットやメデイアの煽りだけで反応していると間違うかな?と心配です。
韓国では安倍政権が危機に瀕しているので、嫌韓感情を煽っているという報道があり、何を言ってるのだ!「盗人たけだけしい」と不快感を持つ人が多いでしょうが、お互い変な煽り報道が出回りすぎているのかもしれません。
ただし、上記論文は12年3月であり、引用できるデータは最新でも2年以上前でしょうから、この4〜5年の韓国経済の流れを反映していませんから、出回っているネット記事と矛盾するとも言い切れきれません。
(国勢調査は日本では5年に一回ですし、その集計結果が公表されるのはさらに2年ほど後です・・韓国の17年2月の大卒就職結果が18年末に公表されているのを見てもわかるでしょう)
ネットはこの4〜5年のアップツーデートなほぼリアル的データに基づいているし、研究者の論文は2010年頃までのデータでリーマンショック以降中国の台頭〜チャイナプラスワンの動きが始まってからの韓国経済低迷が視野に入っていない違いでしょうか?
いつも書く事ですが、学者は過去を学ぶ人であって、過去数十年の動きから将来を知るには有用ですが、発表〜半年前のデータを10日前に公表されたデータをもとにする意見はネットが最も早いのです。
この後で紹介する韓国の今年1〜3月のGDPマイナス統計を見てすぐ反応するのがネット報道です・・要は早いのです。
ただし、韓国人の国外脱出願望も韓国の統計あるいは世論調査によるものでしょうし、この実態はずっと前から出ていたものです。
この願望の強さと移民減少の矛盾関係を何故かこの論文は見ずして、韓国経済の好調による自信回復→移民減少という単線的結論を書くのでは、素人目にもおかしく思われます。
自信回復によって移民が減少したならば、そもそも移民願望・国外脱出熱が同率でしぼむのが普通で・現状維持〜増えるわけがないでしょう。
しかも内心の願望の強さだけではなく、実際の英語勉強熱の激しさ(夫を残して母子で留学する?雁家族問題を見ても)と移民出国の減少と移民願望の強さががなぜ同時的に起きているのかについて相応の検討をしないで、移民減少とUターン帰国する数の増加について自国経済に対する自信回復の結果という結論を導けるのでしょうか。
考え方によれば、移民願望・国外脱出熱の調査自体が捏造という論理もあり得ますが、その場合には、そのように検討したことを理由に書くべきでしょう。
移民願望の強さに全く触れないで、自信回復したので移民が減ったと断定するのは無理がないでしょうか?
https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201609_203080/

20~30代の「国外脱出願望」は80%超! 韓国の若者たちが海外を目指すワケ
2016年9月9日 22:00
「韓国が嫌で海外に渡る“移民”を計画する20~30代の青年たちが増えている。ウリナラ(韓国)を地獄にたとえた“ヘル朝鮮”と称し、(中略)青年たちが“脱出”を夢見て実行しようとしている」
まるで嫌韓記事のような文章だが、決してそうではない。韓国メディア「世界日報」が報じた内容を、そのまま翻訳したものだ。最近、韓国では若者の国外脱出が社会問題として取り上げられるケースが目立つが、同メディアは、その問題に真正面から切り込んだ形だ。
韓国では、多くの若者が就職活動に必死になっている。しかし、大企業に就職した先輩たちを見ると、40歳になる前に“名誉退職”やクビになることにおびえている。(中略)将来の展望が不透明な韓国より、もっと大きな世界に挑戦するほうがよっぽどいい」
一時期、日本でも注目を浴び、その後、あまり実情が報じられなくなった韓国の大企業だが、若者たちの間では“お先真っ暗”というのが共通認識のようだ。

上記には後に触れる4〜50才台の自殺率が、韓国で最も高い要因も出ています。
30代後半〜40代でリストラに遭うと50代で危機が来ます。
日本で言えば、見たこともない割増退職金・大金を手にして舞い上がって家族揃ってハワイ旅行したり子供にパソコンを買ってやりデイズニーへ行ったりしているうちにお金がなくなった家族の相談に乗ったことがあります。
韓国では退職金元手に飲食業などの自営を始めるのが人生サイクルのようですから、退職金を使い果たして倒産・娘が売春婦にする危機・自殺ピークが50台に来るのでしょう。
(新装開店した居酒屋なども10年もすると時代遅れになり、次のリストラによる新規参入組に負けてしまう時期です)
ロス暴動に関する19年4月27日現在のウイキペデイアの記事からです。

ロサンゼルス暴動(ロサンゼルスぼうどう)とは、1992年4月末から5月頭にかけて、アメリカ合衆国・ロサンゼルスで起きた大規模な暴動。
・・・日本の報道によるロサンゼルス暴動はロドニー・キング事件に対する白人警察官への無罪評決をきっかけとして突如起こったかのような印象を与えることが多かったが、その潜在的要因として、ロサンゼルスにおける人種間の緊張の高まりが挙げられる
・・・韓国人商店街への襲撃
もうひとつの主たる襲撃目標となったのが韓国人商店である。襲撃による被害額の半分弱が韓国人商店のものであるともされる。韓国人商店主らが防衛のために拳銃を水平発射しているシーンも幾度となくテレビにおいて放映された。ちなみに彼ら韓国人店主らの多くはベトナム戦争の帰還兵だった。ベトナム戦争に参加した韓国人帰還兵に米国政府が移住許可を与えたため、70年代に韓国系移民が4倍も増えた。彼らは主に競合相手のいない黒人街で商売を始め、従業員には黒人でなくヒスパニック系を雇い、閉店すると店を厳重にガードし、そそくさと韓国人街へ帰るというスタイルで商売していた。黒人の間では「自分達を差別しながら商売する連中」というイメージが定着し、そうした黒人による日頃からの韓国系への鬱憤が、暴動時の韓国人商店襲撃へと結びついたといわれている[2]。

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