信義を守る世界9(価値観の共通)

1〜2ヶ月前から大騒ぎになっている尼崎の角田とか言う女性犯人による親族関係者に対する連続殺人事件は、いわゆる在日系(時々「李」と韓国人らしい姓が出たりします)を中心にする親族関係者の連続殺人事件らしいですが、マスコミ報道でははっきりしません。
100年以上住んでいる日本人と帰化した1〜2世の日本人と在日外国人との犯罪性向については推測の域を出ません・・。
最近も学問の自由のテーマで書いたことがありますが、現在社会では、タブーが多くて学者によるこの種の調査統計研究が出来ない・・あるいは発表されないからです。
社会のあり方をまじめに議論するためには社会構成員や出身母体別の生活保護等の受給者の比率、少年事件の人種別比率など基礎データ自体を調査しデータを提供しないと合理的な議論が出来ません。
外国人労働者誘致をマスコミが熱心に宣伝していますが、日本語の分らない子弟の教育費にどのくらい余計にお金がかかっているのか、少年事件の人口比率、生活保護受給率がどうかなど、客観データを出すと外国人労働者誘致に政策に不利だから出さないのではないかと憶測されます。
自治体での外国人向け相談事業やいろんな分野での多言語表示のコストなど多種多様なコストを総合的にデータ化して発表すべきです。
私は外国人が現に日本にいて差別を受けて苦しんでいれば、弁護士として(弁護士でなくとも一人の人間として)これを積極的に救済すべきだと考えています。
障害者も同様で、生まれてしまった以上は救済すべきでしょうが、敢えて障害者の出産を奨励すべきではないのと同様に、あえて日本社会への適応能力の低い外国人を誘致する必要がないというのが年来の意見です。
彼らに救済すべき事情が生じても弁護士費用を払えないのが普通ですから、国選その他公的資金の投入も増えるでしょう。
彼らはそもそも言葉も充分に話せないので、同じ犯罪者でも通訳費用等が日本人よりも余計にかかっています。
日本語の理解能力が低いので各種サービスを受け損ねるし、勿論日本国の法を理解することも出来ないような弱い立場の外国人、あるいはもっと弱い彼らの子供達をより多く生み出そうとする政策に反対しているのです。
企業の方は目先の賃金さえ安ければ良いという発想で、こうした弱者が増えるに任せて、一方で我々弁護士が手弁当で(あるいはボランテイアの助けを借りて)彼らの救済に奔走するのはおかしなことです。
弱者が増えると社会全体でマイナス費用の負担が増えますが、企業はその方面は知らんぷりです。
原発の事故リスクや廃炉等の費用をコスト計算しないで、原発は火力より安いし環境に優しいと今まで宣伝して来たのと共通の思考方法です。
弱い人が増えれば、社会コストが増えるのが普通ですから、トータルコストをデータ化して開示すべきです。
社会コスト計算が仮に難しいとしても平均的能力以下の人材はそれ以上の人材から見れば平均点を下げることになるので、企業でも社会全般でもお荷物・・社会保障給付の受益者になるという大」ざっぱな視点で考えても良いでしょう。
即ち弱者を呼び寄せれば、これをたぶらかして安く使う人は儲けるでしょうが、社会全体では持ち出しになるということです。
これは親戚でも友人・企業関係でも皆原理は同じで、だからこそ誰でも羽振りの良い人と付き合いたいし企業は有能な人材を欲しいのです。
観光客も同じで日本に来るのは高額だということで金持ちだけしか観光客が来なければ儲かりますが、三谷のドヤ街に泊まりながらでも旅行出来ると言って食うや食わずの人がいくら来ても、公的インフラの無償利用者ばかりでは、来れば来るほど日本は持ち出しになってしまいます。
客観的データ収集をタブー視して建設的意見交換を封じると、却って無用な憶測を生み人種偏見を助長することにも繋がりかねません。
外国人は観光客やお客さん(一定期間の出張等の仕事)で来る限り、(上記のとおりルンペン的観光者は困りますが・・・)誰も反対しないでしょうが、そのまま居着くとなれば話は別です。
日本人同士でも来客自体は歓迎(笑顔で迎えるのが普通)ですが、来た客(親戚でも)が帰らないで自分の家に居着くとなれば話が全く別です。
まして言語の違う生活習慣・・価値観の違う人々が直ぐ近くに居着くとなれば面倒なことになるのは当然です。
日本に限らず世界中の諸民族が外国人(異民族)と仲良くするには、外国人が訪問するのは良いとしても他所の国に居着かないことが重要ではないでしょうか?
中国人や最近の韓国人は世界中に移動しては居着く傾向があるので、嫌われ者になっています。
自分の国自慢ばかりしている中韓の人たちに限って、世界中で他所に居つきたがる最大の人種なのですから、主張が強過ぎる場合の真意がどこにあるかの例証です。
慰安婦で騒いでいる韓国が世界中に売春婦を大量に送り込んで、どこでも社会問題になっている現実とも平仄が合っています。

 民主主義と正義9(選出母体の支持獲得1)

フランス革命以降の政治は王族の血統だけで自然に為政者になれる時代が終わり、(それまでの王位継承の争いは血統が正統であるかが大きなテーマでしたが・・)支持母体の支持によるしか為政者になれなくなった以上は、為政者になりたい人(立候補者)は自分が為政者になれば何が出来るか、何をしたいかをあらかじめ支持者に訴えて行く必要が生じてきます。
為政者になりたい人+その選出母体グループにとっては、「何をするか」よりは、次期選挙で他の支持母体との政権獲得競争に勝つことに主眼・目的があり・・そのための方便として有利そうな「何をする」という公約を発表するようになります。
民主政体になると本来の政治目的であるべき「何をするか」が政権獲得の手段になり、何かをするための手段であるべき政権獲得が「目的」になって政治活動の目的と手段が逆転してきました。
公約は政権獲得の方便ですから大した重みもないし、政権を取ったらそのとおり出来るとは限りません。
選挙権者が拡大して大衆化して来ると、大衆受けする公約と選挙資金を提供する層との意見の分離が生じてきます。
この辺はこの後でオバマ政権誕生(再選)と巨額資金の辺りで詳しく書いて行きます。
労働者代表の共産主義政権・・1党独裁政権(これも民主政体の一態様です)が生まれてくると、これに対してアメリカは差別化を図るために自由主義・陣営と言い出しました。
民主主義革命を経ているというだけでは、選出方法が民意(血縁世襲でないというだけです)によるというだけで、民選形態も共産主義独裁もナチス独裁もファシスト独裁もあるので(大分前に書きましたが、独裁も、選出法方法としては世襲ではなく民選ですから民主主義の一種です)価値観が何も決まらないことの証左です。
では自由主義と言えば価値=正義が決まるかと言えば、何を言っても、やっても自由というだけでは何も決まっていない・・逆に予め何も決めないことに価値を見いだす政体です。
そのときどきの多数決によると言っても、その時々の国際情勢等の流れ・風潮次第になるので、定まった価値・正義はありません。
(絶対主義王政に対する相対主義世界の出現と言われる所以です)
共産主義(これは唯一の価値である共産主義を強制するので絶対主義の一種でしょう)の浸透に配慮して、20世紀には完全な自由ではなく、修正資本主義・・社会的修正をする方法が流行りましたが、どこまで修正したとしても自由主義と言う以上は強い者の自由を保障する本質を否定することが出来ません。
社会主義的修正は、強い者が恩恵的に社会保障費用を負担するだけであって、本質は強者・拠出者の意向にかかっています。
強い者の自由が戦後世界秩序だった・・この反作用として核兵器拡散の必要性が現実化して来たことを2012年11月15〜16日頃から書いてきました。
ところで、ソ連崩壊・共産主義政体の失敗で、単一利益代表形態はうまく行かないことが分り、今では先進国の大政党は多くの利害関係者を包摂した政党になっています。
従来は社会党や共産党あるいは自民党と言えばそれぞれが利益代弁する階層が明らかでしたが、こうなると大政党は何を・誰の利益実現を目指すのかさっぱり分りません。
そこでマニフェストの事前公開が盛んになって来たのですが、経済現象は複雑ですし、予め金利を上げますとか下げますと公約出来る性質のものではないのと同様に、世界情勢の変化その他いろんな事象に対して、予め固定した約束をする事自体がナンセンスです。
予め言ったことに責任を持つとすれば「経済危機があれば臨機応変に対処します」「国民第一」などと言う精神論くらいが、関の山でしょう。
その意味では、公明党の「公明」清潔を売り物にするだけで何をするのか内容不明の政党名は時代に合致していたことになります。

健全財政論9(中央銀行の存在意義3)

中央銀行が低金利にしたくとも、スペイン危機による国債金利相場上昇の例をみれば分るように、政府や中央銀行には国債の金利を決める能力がなく、市場が(国際収支の状況によって)金利を決めてしまう時代です。
危機状態でなくとも、普段から金が余っている国は資金需要が弱いので金利が低くなるのは当然ですし、資金不足・・国際収支赤字継続国は資金需要が高いので金利が上がるのは当然です。
市場実勢に反した金利政策は無理があることから、日銀の金利政策は天気予報のような機能(気象庁が天気を決める能力はなく兆候を報じる)しかないこともどこかで書きました。
ちなみに、国際収支赤字トレンドの資金不足国で市場実勢に反して国内だけでも低金利に出来るでしょうか?
国際収支赤字国では資金不足→資金需要が元々強いので実勢よりも低金利・量的緩和すれば、借り手・顧客には不自由しないでしょうが、貸すべき国内の資金不足(仕入れが出来ません)に陥いります。
国際収支赤字国の銀行の貸し出し資金手当のために中央銀行がドンドン紙幣発行すると、借りた企業や人は海外からそのお金で輸入を続けるのでさらに国際収支赤字が膨らみます。
(貿易収支赤字トレンド国は、消費構造が輸入に大きく頼っている状態ですから、お金があって消費が膨らめば、ほぼ同率で輸入赤字が増大します)
国際収支赤字が連続している国では赤字分だけ国際決済するべき外貨不足状態ですから、決済資金としての外貨を外資から手当するしかありません。
貿易赤字ということは、物品サービスの購入対価として同額の商品サービスを提供出来ないことですから、売れなかった不足分=差額赤字を自国通貨を売って(自国通貨を輸出して)外貨を取得して穴埋めするか、借金(自国通貨の代わりに借用書を輸出して)で外貨を取得して決済するかによって収支均衡を保っている状態です。
すなわち、赤字同額分の自国通貨流出または借金の発生・長期の場合これの累積となっています。
国際収支赤字の穴埋めのために自国貨幣を売り続けると急激に自国通貨価値が下がるので、これを緩和するために支払期を先延ばしするか決済資金の借入(借用書=国債の海外引き受けなど)に頼るので両方が膨らむことになります。
・・貸す方は、将来の為替相場下落も見込む必要があるので、これを見越した高金利でないと貸せ(国債の場合買え)ません。
赤字国の資金は国際収支赤字の度合いに比例した高金利で外貨を確保するしかないので、国内でこれを決済用資金にして貸すにはそれ以上の金利でないと採算が取れません。
以上の結果、国際競争力(国際収支)を無視して国際取引上・市場原理で決まって来る金利と切り離した国内だけの低金利政策は出来ません。
ギリシャ・スペインのように国際収支が赤字になると中央銀行が金利を下げたくとも逆に上がってしまいます。
ユーロ圏のギリシャ、スペインの場合、自国紙幣を発行出来ないのでこの関係がストレートにそれぞれの国債相場に出ているだけで自国紙幣のある国でも結果は同じです。
他方、国際収支が40年以上も黒字が続いている=金あまりの日本では、強い立場だから実勢に反して何でも出来るかと言うと、強い国でも市場相場に反した金利政策は出来ません。
仮に高金利にした場合、資金あまりの日本では借り手がないことは明らかですから、(今朝の日経朝刊に民間需要が低いので国債購入だけではなく自治体への融資が急増している実態が報道されていました)集めた資金に対する高金利利払いに(仕入れ資金・・預金金利も連動して高くなりますので)窮してしまいます。
客が少なくなった商店で、商品値上げしているようなものですから自殺行為になります。

新興国の将来9(治安予算1)

現在の中国政府は地方政府への資金注入に手一杯でその他に財政出動する余力が乏しいので、輸出減で国内企業が困っているからと言ってリーマンショック時のようにもう一度巨額財政出動する余力がないように見えます。
その結果6月8日のコラムで紹介したとおり中国は0.25%の金利下げに踏み切りました。
しかし、金利下げ・・政府がお金を全く使わないで国民の所得移転による政策だけでは・・日本の例によるまでもなく、不景気・成長率鈍化が長引くのが避けられません。
(まして中国ではまだまだ蓄積出来るようになってからの期間が短いので、所得移転すべき国民個々人の金融資産は貧弱ですから大したことにはならないでしょう)
金利下げくらいしか出来ない12年度予算では、内需拡大が出来ない・・景気後退が長引くことを前提に、国民の不満を抑え込むために(開き直って?)12年度予算では公安・軍事関連予算を増やしたと読むべきではないでしょうか?
今年3月の公式発表では12年度の成長目標を8%以下に落としながら、12年度予算として国防予算が11、2%増、公安関係予算が11、5%増となっています。
(中国の場合国防予算外の項目で軍事費を支出しているのでアメリカ国防総省の推定では、それぞれの1、9倍・すなわちそれぞれが約2割増になるそうです)
8%の成長目標自体が実際に怪しいことを書いてきましたが、それを信ずるとしても軍事・公安予算の場合、公式発表とおり(実際はそれ以上に)支出するのでしょうから、国内経済の伸び率から突出し過ぎです。
体制の危機が深刻な状況になっている・・これを軍事力・公安力で押さえ込むしかないという幹部の認識があることになります。
中国の成長率の実態はこれまで書いているようにもっと深刻・・実際にはマイナス成長の可能性すらあるですから、国内不満を抑えるためには、内需拡大用の財政支出を成長率よりも増加させ、それでも落ちこぼれる人のための社会保障政策を拡大する・・その分国防予算関係費を成長率よりも削るのが筋です。
ちなみに韓国の5月の貿易収支発表がありましたが、欧州向けが振るわない外に中国向け輸出が10、6%も減少しています。
このように中国の生産量が8%増どころか大幅減少局面にあることは、日本や韓国の輸出動向(主に生産に必要な中間材の中国向け輸出の減少)からもほぼ客観的に推定されています。
予算規模が成長率と連動している場合、国防・治安予算を成長率よりも増やせば、内需・あるいは社会保障関係予算を成長率よりもさらに減らすしかありません。
仮に、予算規模が成長率と連動しているとした場合、(完全連動型予算はどこの国でも例外でしょう)軍・治安関連に多めに資金を使ってしまうと国内景気縮小を加速させる政策ですから、(軍人を増やせば失業救済にはなるかも知れませんが・・)経済不安から暴動が頻発しても仕方がない・・その代わり公安予算を2割も増やしたという開き直り予算になっている印象が報道されています。
(ただし、上記のとおり経済成長率通りの予算とは限りませんので予算内容の実態把握が先決です・・・増税または国債発行して予算規模全体を2割拡大すればバランスが取れていることになります・・・。)
中国の予算制度がどうなっているか今のところ知りませんので、その内勉強したいと思いますが、私は弁護士業の傍ら趣味で書いているだけですので、中国の予算書自体の入手をするにはマスコミやネットデータに頼るしかありません。
今のところマスコミやネット上では客観的な予算書自体が出ないで、誰かが理解した予算の要点(つまみ食い)しか出て来ていません。
上記私の意見も他人の意見(マスコミの誘導)を基礎に意見を書いていることとなっています。
予算総額が2割以上増えたのかどうかを報道しないで、治安と軍関係の増額だけマスコミが報じても片手落ちで意味不明の報道・・もしも2割以上の増額予算であった場合、日本人の正確な判断を狂わさせアンフェアーな報道だったことになります。

構造変化と格差39(新自由主義9)

イキナリ中国の賃金に合わせて国民平均を10分の1の生活水準に落とすのは無理ですから、この過渡期の解決策として誰か効率の良い稼ぎをしている人からの再分配・・生活保護や社会保障に頼るしかない状態に陥っているのが現在の日本の姿と言えるでしょう。
雇用形態が非正規化して彼らの平均値が従来の正規雇用時の半分の給与になったとしても、なお中国などの5〜6倍の給与水準ですが、本来は同じような単純労働をしている以上は賃金水準が同じであるべきです。
現在の10倍、将来5〜6倍の差になったとしても、日本人が得ているその差は高額所得者からの分配によっていることになります。
世界規模でグローバル化=賃金平準化が進めば、先進国では逆に格差が広がるパラドックスが起きるのは、先進国では生き残りのために知財や研究・高度技術化・金融資本化に邁進しているから、これに乗り換えられた少数の人や企業だけが従来通りの高所得を維持しているからです。
高成長の始まった新興国の方が格差が大きく且つ再分配システムの不備な国多く、先進国では所得再分配システムが完備していることが多いのですが、先進国では再分配・社会保障に頼ることに我慢出来ない人が多いことが社会問題になっている原因と言えます。
ある時期まで対等であった仲間の一人が成功して抜け出して行くのは、うらやましいものの納得し易いものですが、自分が対等だった仲間から脱落して行くのは辛いものです。
貿易収支黒字と所得収支黒字のバランスの変化をリーマンショック前ころに国際収支表を転載して書いたことがありますが、国際収支表の歴年の変化を見ると貿易=国内生産による稼ぎがなくなりつつある姿が明らかですし、その穴埋めとして所得収支の黒字が中心になりつつあります。
(昨年12月と今年の1月には約30年ぶりの貿易赤字でした・この原稿は年初に書いていたものですが、その後、昨年度1年間通じても貿易赤字になり、現在も毎月の赤字が続いている模様です)
所得収支黒字とは海外投資による収益ですから、所得収支が主な収入源になってくればこれに参加しない(労働者でも個人的には株取引している人が一杯いますが・・)給与所得だけの労働者との経済格差が生じるのは当然です。
高度化が進むに連れて一握りあるいは少数になった高所得者から高率の税を取って、これをバラまいているのがここ10年以上の政治ですが、(稼ぐのが一部・少数になったのでバラマキしか出来なくなったのです)このギャップに我慢が出来ないのが格差反対論者の基礎票でしょう。
格差反対とは言え、高収益の知財や高度技術獲得に邁進しないまま従来通りの大量生産だけを続けていれば、低利益率・低所得・新興国とすべて(インフラを含めて)同じ水準に落として行かない限り(ウオッシュレットなど贅沢だからやめないと行けないかな?)国内産業は壊滅してしまいます。
新自由主義批判論者=格差反対論者の意見によれば、高所得者を生まない・・格差をなくすために知財や高度技術開発をやめるべきことになり、ひいては先進国も中国同様の低賃金に引き下げて行くべきだという主張と同じ結果になります。
(実は国内の生産性アップ努力・高度化をやめても、海外収益取得者との格差はなくせません・・海外収益取得をやめろというのかな?)
「貧しきを憂えず等しからざるを憂う」と言う子供の頃に耳がタコになるほど聞かされた共産主義の図式の復活を期待しているのでしょうか?
本家の中国では、約30年前から鄧小平によって「白猫であれ黒猫であれ、ネズミを捕る猫は良い猫だ」というスローガンになっているのに、我が国では未だに「等しく貧しき」を希望する意見が形を変えて主張されているのは滑稽です。
我が国の格差は実際には国民意識もあって諸外国に比べてそんなに大きくありません。ジニ係数などの欺瞞性についてはOctober 28, 2011「格差社会1(アメリカンドリーム)」その他書きましたし、最近ニュースになっている大阪のお笑い芸人の母親の生活保護受給問題でも明らかなように、所帯分離という便法が多用されている結果に過ぎません。
格差批判で高度技術者の高収入を非難しているよりは、高度技術者を大切にして後続者の続出を期待する方が良いのではないでしょうか?
ただし、中国でもあまりにも格差が広がり過ぎたので、国内治安対策の視点から、高度成長にブレーキをかけざるを得なくなったようで、3月3日の報道では全人代が今年度は8%成長目標に引き下げたようです。
実際には海外でささやかれているように昨年から10%前後のマイナス成長になっていて、そのごまかしがきかなくなったので、実態に少しずつ合わせて行くしかなくなったのかも知れません。

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