民族摩擦とヘイトスピーチ8

これまで書いて来たように、異民族と接触の少ない人の異民族評価は、パターン化した評価になるのは間違いどころか合理的です。
ヘイトスピーチ批判で民族に関するマイナス評価を禁止するのは現実の必要性から言って無理がありますので、不満を押さえつければ、解決出来る問題ではありません。
アメリカで問題になっている例で見れば、(暴動が起きると略奪の対象になり易い韓国系商店や・・ファストフード店で差別されるなど)日々の暮らしで不満を持たれている韓国系人に相応の原因がある筈です。
襲撃相手を批判するよりは、違法行為と承知しながらでも襲撃するほどの不満がたまっている現実を本来自省しなければならないのは、被害を受けた自民族の日常生活のあり方です。
アメリカでは韓国人が見下げている弱者(マイノリティー・不法入国者など)に対する人種差別行動に対する反韓感情が最近噴出していることから見ると、良きアメリカ人になろうとしていない現状が分ります。
以下ニューヨークタイムズの記事そのものではなく、引用する記事によって表現が違うので正確性を期すために、何種類か引用しておきます。
反韓感情噴出に対する反省よりは、韓国系州議会議員を動かして民族挙げての猛烈な巻き返し・抗議行動をしている様子が報道されています。
以下はhttp://www.recordchina.co.jp/a108386.html2015年5月9日(土) 23時45分
2015年5月8日、韓国・ニューシスによると、米紙ニューヨーク・タイムズは7日(現地時間)、ニューヨークのネイルサロン業界の労働法問題などについての特集記事をインターネットサイトに掲載した。
「素晴らしいネイルの醜い面」と題する記事によると、ニューヨークのネイルサロンの70~80%は韓国人が経営しているが、多くの従業員が不当な扱いや人種差別、虐待に苦しんでいる。
多くの従業員が最低賃金よりも低い賃金で働いており、ニューヨークの裁判所にはネイリストからの訴状が多く届いている。また、現地のネイリストによると、韓国人経営者らは日ごろからほかの民族を卑下する発言を連発しており、ヒスパニック系と非アジア系従業員を一番下に位置付けているという。韓国人以外の従業員が飲む水の料金を請求したり、お客さんが少ない日には賃金を払わないこともある。そのほかにも、「韓国人以外の従業員は12時間の勤務中に一言も話すな」、「韓国人以外の従業員は小さなキッチンで食事をするように」と指示されたという。従業員らは「なぜ私たちを差別するのか?私たちは皆、同じ人間だ」と訴えている。
以下は、http://www.recordchina.co.jp/a108701.htmlからの引用です。
NPR(ニューヨークの公共ラジオの意味らしいです・・稲垣)によると、ニューヨーク州のクオモ知事は11日、州内にある2000店以上のネイルサロンの悪質な経営実態を調査することを明らかにした。きっかけとなったのは、ニューヨーク・タイムズが11日、ニューヨーク州のネイルサロンで賃金搾取や研修期間の賃金未払いなど不法行為が行われている実態を報じたことだと伝えている。
ニューヨーク・タイムズの報道では、同州のネイルサロンでは日給10ドル(約1200円)で働かされている従業員がいるほか、研修中には賃金が支払われていないことなどが明らかになっている。また、人種差別的な序列制度が横行しているとも報じており、韓国人が韓国人以外の従業員の2倍の賃金を得ているという実態があると伝えている。韓国人の次に高い賃金を得ているのは中国人で、ヒスパニック系やアジア系でない従業員は非常に低い賃金で働かされているという。

以下はhttp://www.nanamegiri.com/article/418937759.htmlの引用です。
「アメリカで韓国の人種差別の実態が明らかに!韓国は差別と逆ギレ!!
2015年05月14日 09:39 | 国際
「ニューヨーク州のクオモ知事が、州内にある2000店以上のネイルサロンの悪質な経営実態を調査することを明らかにした。NPRによると、ニューヨーク州のクオモ知事は11日、州内にある2000店以上のネイルサロンの悪質な経営実態を調査することを明らかにした。
きっかけとなったのは、ニューヨーク・タイムズが11日、ニューヨーク州のネイルサロンで賃金搾取や研修期間の賃金未払いなど不法行為が行われている実態を報じたことだと伝えている。
レコードチャイナより転載
韓国人経営者が従業員の待遇を差別しているとの報道だ。他の従業員より2倍もの賃金与えていた様だ。これが、報道され知事が調査に乗り出すと言うことはかなりの数の経営者が差別し、それを裏付ける資料が有るのだろう。
また、アメリカの何処の地域での暴動でも同様の被害になりので韓国人の黒人差別は一部の人だけでは無いというのが伺える。また、韓国人の身内贔屓も有名だ。一人でも韓国人を役職者にするとそのコネで別の韓国人を採用する。
そして身内贔屓で採用、昇進を繰り返し会社を乗っ取ってしまう。日本の会社なのに日本より韓国を優先する報道関係の会社や韓国製品ばかり販売する会社は無いだろうか?もしかしたら、韓国人に乗っ取られているかも知れない。
今回の報道で韓国人のネイルサロン協会は訴えようと準備している。もし、事実無根ならば勝訴出来るだろう。しかし、もし事実ならばどうするのだろうか?帳簿を改竄するつもりなのか?何千人といる従業員と口裏を合わせられるのだろうか?
この手の裁判で韓国が勝利したのは記憶に無い。もし、自らが訴えた裁判で捏造すれば更に信用を失い、嫌われる原因を作り兼ねないだろう。」

個々人の生き方としては、以下のような記事が出ています。
http://blog.livedoor.jp/zzcj/archives/51846460.html
2014年1月17日、中国新聞網によると、米ニューヨークのマクドナルドで数人の韓国系の老人が席を占拠し、店が警察を呼ぶ騒ぎとなっていたことがわかった。
この数人の老人はほぼ毎日のように来店。フライドポテトだけを注文し、1日中新聞を読んだり、雑談をしたりして過ごしていた。いずれも定年退職しているとみられる老人らは、「ファストフードが食べたいわけではなく、ただ時間をつぶすために来ている」と話している。
店員は、「多くの客が商品を購入後、座る席がなかったために返品を要求した。店の営業に支障をきたし、仕方なく警察に助けを求めた」と話す。老人らは警察が来ると一度店を離れるが、警察が引き揚げるとまた店内にもどり、いたちごっこが続いているという。
在米韓国人「マクドナルドの対応は差別的だ!我々はマクドナルドを不買運動をします!」

上記は昨年の記事でしたが、この続きの事件・・マクドナルド店で韓国人が暴行を受けた事件があった報道を数日前に見たばかりですが、どこに消えたか探せませんが、しょっ中この種の事件を起こしている印象です。
日本人の智恵から見ると先ず個々人が現地社会に良き隣人として溶け込む努力をするべきですが、特定店舗・企業の労働問題や個人の生き方を韓国系社会全体の問題に自ら拡大して大騒ぎにしているようで、逆効果を目指しているように見えますが・・・。
個人の問題と思っているアメリカ社会にまで「韓国人は・・」と言う集団的・民族別印象を植え付けることになるでしょう。

中国過大投資の調整9(資金枯渇3)

借入金だけで総額29兆ドルもあると、仮に5年もの国債ばかりでも、年平均6兆ドルの満期・返済期限が回ってきます。
しかもこれが過去の負債全部ではなく、07年以降増えた分だけと言うのですから、それ以前の負債全部になるとどうなっているの?払える訳がない巨額じゃないの?と疑問を持つのが普通でしょう。
07年以降増えた分だけでも支払期限が来るのが年平均6兆ドル=720兆円となり、天文学的数字ですから、(中国の・水増し?公称GDPでも2014年で約10兆ドルしかありませんし、我が国の14年GDPは、約4兆ドルあまり)GDP以上の数字を毎年払えない・・購入者がいないので借換債を発行出来る訳がない・・と推測出来ます。
統計数字は円(ドル)単位と千単位の2種類が多いのですが・・勝又氏の引用記事は単位「千」(ドル)かどうかの読み間違い・・3桁間違っている可能性があります。
数桁間違っているにしても、兎も角中国は対外借入債務を大幅に増やしていること・・これを関係のないドイツ財務相がよその国(アメリカ)で公式懸念発言していることが重要です。
数字の単位正確性を別として、国際金融界では中国のデフォルトリスク(借り換え困難懸念)が極秘で懸念・共有され始めているのをうっかり発言してしまったのではないでしょうか?
中国がデフォルトまたはデフォルト寸前になれば、国際経済に与える悪影響の大きさはギリシャやブラジルの経済危機の比ではありません。
中国のアメリカ財務省証券保有額減少が、アメリカ政府によって発表されて・・中国政府が外貨準備の取り崩しに走っていることをMay 4, 2015「覇道と日本の補完性1」で紹介してきましたが、独財務相発言とあわせて見ると中国の資金繰りが厳しくなっていることが明らかに見て取れます。
日米の国債は、ほぼゼロ金利ですから、市場調達の高利資金でゼロ金利のアメリカ国債を見栄で持ち続ける余力がなくなって来た・・逆ざや債券の保有を続ける体力がなくなったので減少に転じたのではないでしょうか?
元々高金利でしか経済が持たない中国が、日米等先進国の低金利国債を外貨で持つのは逆ざやで大変な損失が生じていることをApril 12, 2012「基軸通貨とは3(逆ざや)」に書きました。
このために中韓等高金利国(経済内容が弱くて金利を下げられない国)では、自国以上の高金利国の外貨を持つ誘惑が高まり・・ひいてはハイリスク・ハイリターンのジャンク債中心保有になる傾向が高いので、リーマンショック以降あるいは今回のロシア・ブラジル・インドネシア等新興・資源国の通貨下落が始まると外貨準備の劣化・・大損が生じている可能性が大です。
最近のギリシャ危機では、国民が自国金融機関を信用出来なくなって、預金払い戻しに走る結果、国内金融機関の資金が枯渇して更に金融危機が強まっている矛盾が報道されています。
ウクライナ危機後のロシアのルーブル急落も、国内からの(国民のルーブル信認喪失による)資金流出が大方の原因と言われているのと同じ現象です。
中国では、裸官と言う高官の国外資金逃避が従来から大々的に報道されていましたが、これは実は目くらまし報道であって、本当はちょっとした資金保有者による国外逃避のうねり・・これが深刻な状態になっている様子です。
経済実態・デフォルト危険感を身近に感じている庶民を虚偽統計発表では誤摩化せませんし、国際機関が極秘検討しているだけでは済まなくなってきます。
限られた大金持ちの資金逃避は規制が容易ですが、庶民大衆による資金の国外逃避が始まると庶民の場合は額は小さくとも大量なので総額では巨額になりますし、ザルから漏れる水のようでそれを防ぐ方法がありません。
国外向け景気の良い虚偽発表をし、海外マスコミを買収して世界を誤摩化していても、足下から資金が漏れ出るようになると、政府はどうにもなりません。
中国では古代から歴代王朝末期にいつも生じていた農民流民化の始まり・王朝崩壊が、最近では資金の国外逃避(特に容易な香港市場への参入)と言う形式で始まっている様子が報じられています。
王朝末期の流民化は同じ国内移動だったので難民化→流民化で自動的な関係でしたが、今は国外逃亡するには言葉の壁もあって簡単ではないので、さしあたり資金から逃げ始める時代・・国民意識を早く反映する・・中国政府発表を忠実に報道する日本のマスメデイア報道よりももっと深刻な自国不信を表していると見るべきでしょう。

原発問再稼働(司法の限界)9

日経新聞朝刊4月23日記載の「大機小機」論説紹介の続きです。
昨日書いたように裁判所が何%まで許容すべきかを決める権限があるかどうかの重要な議論を省略して、直ちにどちらの結論が正しいかの問題に入って行く展開の仕方は、暗黙のうちに裁判所は何でも最終決定出来ると言う前提意識を国民に無意識のうちに植え付ける・・洗脳機能を果たしています。
これに続けて「ホーリズム」とか「要素還元論」などと難しい聞き慣れない単語を使っているので撹乱させられますが、ホーリズムで考えれば答えは決まっている・・国民・・被害を受ける可能性のある地域の住民は「100%安全性を要求する」に決まっていると言う意見を書いていますので、国民意識を誘導するための論説のように読めます。
これまで書いているように、安全性に付いてどの程度のリスク率があるかを決めるのは当時の関連学会で「科学的に」決めるべきことです。
(この基準の妥当性に付いて門外漢の司法機関が裁定する権限はありません=伊方原発訴訟の最高裁判例も同旨・・あるのは科学界の水準に反しているかだけであってそのときの科学水準を決めるのは学会の構成員の能力です。)
科学界の当時のレベルで決めたリスク率を前提に、どの程度のリスクまで許容するかを決めるのは国民総意によるべきであって裁判所(マスコミ)ではありません。
マスコミが原発絶対反対論ならばその立場を明らかにして書けば良いことであって、中立・公正な意見のように見せかけて結論を誘導するのは国論(国民総意)を歪めてしまう危険性があります。
慰安婦に関するマスコミの偏りが指摘され始めましたが、まだ偏った意見を何気なく刷り込んで行くやり方が多く残っているのに気をつけるべきでしょう。
ちなみに25日朝刊社説では、尤もらしく裁判所が科学者の総意?否定するのは穏当ではないと言う趣旨の社説を書いています。
表ではそう書きながら、同じ日の紙面で裁判所の最終決定権を前提にした論説を何気なく乗せて国民を無意識のうちに一定方向へ誘導しているのです。
基準そのものではなく、国民意思が決めた(例えば80%の安全率なら許容すると言う国民意思が決まれば)その許容範囲に収まっているかを審査した規制委の審査が妥当であったかチェックするのは裁判所の権限です。
原子力規制委員会は専門家委員会らしく100%安全とは言えないと言う報道ですが、地震・津波に関する100%予知能力がないことが知れ渡っている現在の科学水準では妥当な意見でしょう。
一定のリスク判断をした後は(一定のリスク判断すら出来るのか?と国民が心配している状態です)どの程度のリスクで稼働するかは、政治(国民総意)が決めることです。
規制委が100%安全とは言い切れないと言っているから、(福井地裁仮処分決定を良く読めばそんな単純な論理ではないでしょうが・・新聞報道しか知りません)100%安全ではないと同義反復して「停止を命じる」とすれば、司法の役割をはみ出していて、行き過ぎの印象です。
(新聞報道が正確かどうかは分りません・・新聞は誘導的記事を書くことが多いので実態は不明です)
10月17〜18日ころに書いたように、どんな機械でもどんな技術(ソフト)でも100%の安全とは、言い切れないのが原則ですから、司法が100%安全を要求するのは、司法の名において新技術を禁止するのと同じです。
世の中に100%の保障はあり得ないのですから、どの程度のリスクを許容するかは国民の信託を受けた政治が決めることであって、許容限度に付いて非政治家・・民主的選任を経ていない法律界が口出しするのは越権です。
司法に限らず「規制委」と言う政治責任をとらない半端な組織を作ってそこに事実上の政治決定権まで付与している・・政治家が責任放棄している(原発推進か否かを明言出来ない)かのように見える政治家の方にも責任があると考える人が多いでしょう。
原子力政策をどうするかは国家の重大事・・100年の大計ですが、それだからこそ国民の総意も揺れ続けているのです。
国民総意を見極めるために・・あるいは国論が落ち着くところに落ち着くのを待って長期計画を決めたいと言うのも1つの見識かも知れません。

近代法理の変容9(破綻・日本固有の法理1)

殆どの経営者や親は裁判所の・・「もっと監督すべきだった」「監督不行き届きの過失がある」と言うこじつけ的過失認定論理に納得していませんが・・何をしていても駄目(過失がある)と言う裁判に対して、親や経営者としてはどうすれば良いのだと言う不満があります。
元々一家あるいは組織の構成員が何か不祥事を起こせば、その組織全体で責任を負うのは我が国古代からの法理でしたが、西洋近代の個人責任の法理によれば、子供がやった責任を親が負う・・従業員がやったことを別の人格者である経営者に負わせるのは論理的に無理があります。
しかも意思責任を問う近代法理によれば、その事件に直接関係していない親や経営者の責任を等には、何らかの、「故意または過失責任」を認定(擬製)してその責任を問わざる得ませんので、以下のような監督責任を問う法律になっています。
そこで裁判所は、経営者や親が「監督責任」を怠った・・と認定して企業等に責任を負わせる判決をするのですが、親や経営者・企業担当者に対する固有の責任認定・・過失があると言うだけで・・あなたが「悪かった」と端的には言ってませんが、「過失があるから責任がある」と言われている方はあなたが悪かったと言われているような感じを受けます。
親だから・・親方だから、仕事中の事故についてはあなたが、責任を取ってくれと言われた方が納得し易いのです。

民法
(責任無能力者の監督義務者等の責任)
第七百十四条  前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2  監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。
(使用者等の責任)
第七百十五条  ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2  使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3  前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
動物の占有者等の責任)
第七百十八条  動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
2  占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

自分は親として、使用者として子供や従業員の不始末に対して責任を負う必要があるのは分るが、自分に過失があり、悪いことをした本人であるかのように言われると釈然としない国民が大多数です。
車で言えば、国が免許を与えているのを信用して運転手を雇っているのに、経営者が何故運転手の運転ミス・交通事故について「過失」責任を持つのだと言う意見もあります。
要は「あなたが悪い」と言うのではなく、
「従業員・あなたの子供の方が悪くてこう言う結果が出れば、組織体として、親としての責任を取るべきでしょう」
と言う私のような弁護士が説得をすると、古代からの日本社会の価値観自体を否定する人は滅多にないので、(自分が何か悪いことしたかのような裁判には納得していませんが)私の説明には納得して引き下がっているに過ぎません。

マスコミの情報操作9とネット発達2

国際マスコミ界のなれ合い体質が完成すると、(一種の情報独占企業の誕生です)日本には判で押したような中韓の公式発表ばかり・・真実の外国情報が全く入って来ない・中韓情報でいえば政府発表そのままに日本でも礼賛する報道するしか出来ない状態になります。
駐在員を交換している国に関しては、その国の政策に反する情報は報道出来ない・・独裁国家の情報統制下にある国民同様の情報過疎状態に置かれていたのが、わが国の情報状態でした。
ただし、駐在員に遠慮して中韓の言うとおりにしていたのか、あるいは反日意識の強い朝日新聞等大手マスコミが先回りして教科書問題等を発掘して問題化しておいて、中韓がこの後追いで公式抗議をする筋書きになっていていたのか、どちらが先なのか真実は分りません。
慰安婦問題の展開をみると、元々韓国でそれほど問題にしていなかったのに(いわゆる吉田証言が発表されても日本のマスコミが騒いでいただけであって、当初韓国では問題にされていなかった状況が第三者委員会「見解」に書かれています)、朝日やマスコミがドンドン発掘?して宮沢訪韓直前に関心を最大に盛り上げておいて宮沢総理が韓国内で何十回も陳謝するように仕向けたと言う見方が普通でしょう。
朝日の大報道で、韓国世論が盛り上がってしまい、当時の韓国政府もこれに抗議するしかないようになって行く・・マスコミによるお膳立てが多かったようです。
今回の後藤氏人質事件で言えば、マスコミが政府が集団自衛権や「積極平和主義をするとテロを刺激する」失政だと大騒ぎしていると、テロ組織もこれを利用出来ると言う智恵がつきます。
そして事件が起きれば、「それ見ろこんな事件が起きたじゃないか」と言うお決まりの政府批判です。
これに更にテロ組織が食らいついて揺さぶるパターンはこれまで繰り返された米中韓に関する報道のキャッチボールの経験どおりです。
中韓の対日批判の前に必ず朝日等の批判行動がある・・今回も同じパターンでしたから、今回も後藤氏と示し合わせた「出来レース」だったのか?と言う疑いがネットで発生してしまいました。
歴史教科書問題で中韓政府の僭越な主張も(他国の教科書に苦情を言うなど外交上儀礼上あり得ない内政干渉です)日本はアジアで孤立していると言う主張も、朝日等マスコミが先に(孤立していないのに)架空の意見を造りげて世論を煽り続けるので、それに中韓が乗っかる(しかなかった)展開が多かったように思います。
朝日新聞・NHKなど大手マスコミが反日的立場で大々的に報道する状態が続いていたのですが、豊かになって誰もが海外に出掛けるし、企業の海外展開が増えて海外勤務者等海外経験者が多くなって来たことが、マスコミの紹介する海外の実態とまるで違うじゃないかと言う不満・・・・日本メデイアは中韓の回し者か?と言う国民疑惑が起きて来た原因でしょう。
三橋氏のように、独自にデータ分析して韓国経済の弱点をネット報道すると国民が喝采するようになり、この種独自意見を書いた出版が出ると飛ぶように売れるようになりました。
この勢いを見て続々と独自情報を発信するネット論客が・・マスコミに採用されなくとも食べて行けるようになったことが大きいでしょう・・が誕生してきました。
如何に国民が米中韓の意向におもねる・・あるいは米中韓に有利なように日本のあら探しをしては大々的に報道するマスメデイアの情報支配に、不満を持っていたかを証明しています。
在特会の運動が急激に支持を広げた背景には、在日系に不利益になる報道を一切できない(2015-1-24「第三者委員会の役割6(個別意見1)」で紹介した北岡氏によれば朝日の場合、中国に不利な・・中国政府が否定している限り林彪の死亡を報道出来なかった原因でしょうし・・個人意見には出ていませんが、日本のマスコミはこぞって文化大革命を賞讃していたこともあります。)・・一種の言論規制の結果、不当な特権が増える一方になっていることに対する反発・・事実上の言論の不自由性に対する不満がその始まりだったようです。
ここ数年の慰安婦騒動もマスコミ支配が続いていれば、そのまま日本はやられっぱなし・・マスコミは、従来どおりであれば・・中韓主張どおりに日本は反省が足りないと言う大合唱になっていたと思われます。
これを阻止してねつ造疑惑を追及し続けて最後に朝日新聞が謝るところまで追いつめたられたのは、ネット世論の応援があったからこそでした。
尖閣諸島での中国漁船の横暴が明らかになったことに関しても、(民主党政権は誰のためにか不明ですが、実態を隠していたのですが)愛国心にかられた職員がビデオを公開・・ネットに流したことが始まりでした。

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