建前と内実

商売で言えば、創業当初立ち上がりの成功のためには寝食を惜しんで=豊かな生活を犠牲にしていても良いのですが、立ち上がりに成功すれば、工場建家や職場を綺麗にするなど社員の福利厚生や自宅新築や家族の生活水準引き上げ等に目がいくのが普通の流れ・・バランスの取れた行動様式です。
国家も一定の黒字を稼げるようになって新興国の段階を過ぎれば、次には国民の生活水準向上・・内需率アップに向かうべきですが、韓国は財閥とその取り巻きだけが豊かになって庶民は極貧のママですし、中国の場合世界一の外貨準備を蓄積してもなお貿易黒字を続けることをやめられない状態です。
そもそも、中韓両国では成長で得た富みを国民に還元する気持ちがないからではないでしょうか?
中国による内外使い分けは貿易黒字に見合った内容が伴っていない実態を表している点では、ある意味正直なところがあって、立ち回りが狡いばかりとは言えないようです。
中国人のネット投稿を見ても、中国社会の遅れた状況把握している冷静な意見が多く見られる点が韓国人の希望や夢想と現実を合体させている意見一色とは大きな違いです。
政治制度的にも、中国は共産党独裁制度である・・国民重視政治ではない点を隠す必要もなくむしろ開き直って・・言論弾圧や少数民族弾圧を臆面もなく実行しています。
対外的にも自分は紳士的ではない・・ヤクザ国家そのものだと言う態度を隠しません。
表向き民主国家・・国際ルールを守る国であると言う建前に縛られている韓国よりは、行動様式がすっきりしています。
韓国では、軍事政権から民主政権になった→OECD加入で先進国の仲間入りしたと鬼のクビでも取ったように大げさに宣伝をするものの、実際にはこれまで何回も(最近では8月16日)書いているように、大統領制度の本質は任期限定の独裁制です。
この任期中国民の意見など聞かなくとも強権的政治出来る仕組みですから、言わば半民主国家状態です。
(利害調整を怠って強行採決ばかりしていれば、国会は強行採決するための装置でしかなく存在意義がありませんが、これが独裁制しか知らない国の結末です。そこで1昨年・李政権末期に強行採決を事実上できなくする国会先進化法が漸く通りましたが、この法律が必要になるほど、強行採決ばかりして来たのです)
韓国では国会があっても妥協する能力がないので、強行採決ばかりして来たことについては「韓国民の行動様式13(話し合い社会へ1)September 1, 2013のコラムで書いています
民主政権になって先進国の仲間入りしたと大宣伝するし、ちょっと景気がいいと日本を追い越したなどと、宣伝が激し過ぎるので実際には騙されたようなもの(羊頭狗肉)ですが、国民は期待してしまう結果、却って強権政治に不満を持つようになります。
任期中の強権政治に対する不満が大きいことが、任期満了すると大統領周辺が検挙される繰り返しの原因でした。
戦果?を宣伝し過ぎると却って政権が苦しくなる点は中国も同様です。
日本を今にも追い越すことが中韓の国是と言うか、夢想の第1に仕立てて上げて毎年のようにもう少しで追いつき追い越すとやって来ました。
この結果いつも日本を追い上げていると言う虚偽データしか発表できなくなってしまい、その挙げ句には、数年前には遂に日本を追い越してしまったと発表せざるを得なくなってしまいました。
次は追い越したならば、何故日本侵略の仕返しをしないのかとなって来て実体のない軍部は困っている状態です。
それで中国に比べて掛け値なしに弱いフィリッピンやベトナム方面へ繰り出してお茶を濁しているのが現状でしょう。
韓国も負けていられないのですが、さすがに軍を出すには国力が不足し過ぎているので、元々不法支配している竹島に大統領アが上陸するパフォーマンスをした上で、天皇が土下座して謝りに来いなどと、威勢のいいことを言うしか出来なかったのですが、遂に日本を怒らせてしまい、大変なことになってしまいました。
次の朴大統領も更に一歩踏み出さないと国内的に持たないので、国内政治を放りっぱなしで世界中に反日宣伝行脚をするようになっています。
このように実態直視を避けて誹謗中傷を際限なくエスカレートするしかない政治では、いつか行き詰まって破綻するしかありません。
韓国社会レベルから見て、まだまだ民主制の建前通りの社会になり切れないならば、この実態を認めて「自分たちは、この程度のレベルだからみんな頑張りましょう」と謙虚にやれば健全な発達が出来るでしょう。
建前や幻想にあわせて虚偽宣伝にこだわる結果、「実際は違うじゃない!」と言う国民の不満が嵩じて行きますので、これをそらすために苦し紛れに反日に走るしかなくなっているのが不幸です。
無理して日米に歩調を合わせて文化国家・先進国になったと宣伝するよりは、中国に接近するついでに独裁制・・ミャンマーやベトナムよりちょっと進んだ程度の制度に戻った方が無理がないと思われます。
(レベルの高過ぎる高校に入って苦労しているようなものですから、自分のレベルにあわせて中国とつき合う方が楽でしょう)
要するに我が国とは価値観共有する国ではないのです。

国内生産過剰8(人口縮小策2)

経済の活性化=国内生産が減るのを防ぐには、輸出用国内生産維持・拡大の見通しが立つようにすることが必要です。
輸出産業が、ドンドン海外立地して出て行くのは止めようがないのですから、新たな輸出産業を育成しない限り国内産業は内需向けばかりになってジリ貧です。
長期的な成長戦略としては農産物輸出品育成こそが有望です。
工業品はいくら良い物を開発してもすぐに海外進出するしかなくなるので、今後工業製品の新規開発・研究は労多くして実があまりありません。
研究開発には多大なコストがかかるのに、これを真似する方はジェネリック薬品で知られているとおり安く出来るからです。
サムスンも日本の開発した技術を模倣しているうちは有利でしたが、トップランナーになると(日本企業がこの分野から撤退してしまって、日本の研究開発・技術者引き抜きができなくなったら)行き詰まるだろうと言われていましたが、最近の急激な売上減を見ればその結果が出て来た感じです。
その点、食料品は(特に味付けなどは)簡単に真似できない上に気候性があるので簡単に海外で真似して作れませんので、長期的に輸出品・交易品としての地位を維持出来ます。
日本人の味覚が優れているので、輸出品にするつもりで頑張れば必ず良いものが作れるでしょうし、農業に力を入れて農産物や嗜好品輸出に活路を見出すのが今後有望な選択肢だと思います。
日本はアメリカやオーストラリアと量で勝負する必要がなく味で勝負すべきです。
とは言え、工業製品と違って食糧増産で大量の労働力がいりませんので、工業品輸出時代に増やした人口・・従来どおりの多くの人口を養うのは無理があるので、長期的戦略としては工業品輸出開始前の適正人口に減らして行く必要があります。
人口拡大策に反対の意味でもう一度書きますと、内需用の人口を百倍千倍に増やしても、増えた人口を食わさねばならないし、輸出用生産が減って行き内需分しか生産できない限り、国内総生産が減って行く・・景気沈滞の方向性が変わりません。
しかも貿易赤字拡大傾向のママ内需ばかり増やすと、これまでの蓄積の食いつぶしが早くなるだけであって、経済破綻してしまう時期が早く来てしまいます。
過去の蓄積で次の時代が到来するまで食いつなぐには、植物が葉を落とすように冬の間身を小さくする・・少ない人口で使った方が長持ちできます。
輸出増=貿易黒字国は赤字国に失業を輸出していると言われていましたが、輸入品に押される国では、職場縮小して行くか、賃金下落圧力が高まる(非正規雇用化)と次世代を養えないので(非正規雇用では結婚できないと世上言われています)必然的に窮乏化→人口が縮小して行くしかありません。
イキナリ融資枠を増やして国内消費を増やしても、一時しのぎにしかならず、(今後の赤字補填用資金が早く減るだけで)どうなる訳でもありません。
雇用が減れば雇用できる産業を増やすか、これが出来ないならば労働者の供給を減らすしかないのですが、(企業は売上が減ったら売り増の努力するか、経費・雇用削減の2択しかありません)これを政治家が言えないで、逆に人口増加を叫んでいるのですが、(国民は賢くてこの宣伝には乗らないので助かっていますが・・)こんな政策がもしも実現すれば国の将来を危うくするものであって、言わば国賊ものです。
世界中では、人口を減らしましょうと言える政治家はいないので政治家の自己保身政策としての政治的プロパガンダを真に受ける国民が多く、貧乏人の子沢山と言われるように大量の餓死者を出していてもなお多くの子を産み続けて来たのが、アフリカやインドの現実でした。
最近の人はアフリカの飢饉くらいしか想像できないでしょうが、私の若い頃にはインド飢饉がしょっ中報道されていました。
ウイキペデイアの飢饉の一覧を見ると以下のとおりです。

1965年–1967年 – インドで旱魃のため、150万人が死亡した[67]。
1967年–1970年 – ナイジェリアの封鎖により、ビアフラ共和国で飢饉。
1968年–1972年 サヘルの旱魃のため、100万人が死亡する飢饉が発生[68]。
1973年 – エチオピアで飢饉。政府はこの危機の処理に失敗した。
1974年 – バングラデシュで飢饉。

ウクライナ危機8と中国の学習能力1

現在では、新興国(青二才)が軍事力に頼って政権維持のために排外意識を強調して実際に紛争を起こすと民族意識昂揚による政権支持率上昇のメリットを受けるよりも早く・・資金流出・・生産縮小の動きが始まり、来年以降の損失を待たずに経済活動の急激な停滞に悩まされる関係になっています。
中国の場合、改革開放後政府自体が無理をしないように変わり、地方政府や国有企業、シャドーバンキング等にリスクを負わせる社会に変えてきました。
主役を変えただけで、乗客のいない鉄道網の整備やゴーストタウン等をドンドン作らせて、実需を越えた投資を奨励して来て国力・・GDPの嵩上げ(統計自体に信用性が乏しいことも解放前と同じ体質が指摘されています)に励んできた点では、崩壊前のソ連や解放前の中国経済と本質が変わっていません。
シャドーバンキングのデフォルトに政府は関係がないと放置できればこの責任転嫁政策は成功ですが、・・放置すれば経済大混乱が起きるので実際には放置できない・・何らかの手当が要請されることになるでしょう。
政治責任とは法的に政府に責任があるかどうかではなく、政治混乱を避けられるかどうかを問われます。
中国はこれを回避するために財政投入で破綻の先送りしていますが、(ソ連の先送り同様に)いつか支え切れない日が来るのは明らかです。
ただし他の新興国や旧ソ連とは違い、外貨準備の厚みが大きいことが先送りを可能にしています。
この点アメリカが戦争を繰り返しても長期的弱体化するのみで、即時にドル下落にならなかったのと似た状態になっていますが、これが長引いて外貨準備の枯渇が迫ると基軸通貨国でない弱点が現れます。
これが始まったときの政治不安・大混乱を恐れた中国が、政権批判をそらすために、長年反日教育に励んで来て、レアアース禁輸や反日暴動や尖閣諸島問題を起こしたことをこの後で書いて行きます。
今のところ、プーチンのウクライナ介入効果・・国際制裁がどうなるかを自己の教訓として、必死に勉強しているし、制裁があっても出来るだけ骨抜きにしたい立場で裏でドイツ等に働きかけている様子です。
アメリカの場合、イラク・アフガン戦争など次々と戦争をしていれば長期的には国力低下すると誰もが知っていましたが、その見通しだけではアメリカからの金融資本の引き揚げが起きませんでした。
基軸通貨国の強みと言うべきでしょうか?
アメリカがベトナムやイラク戦争を起こしたからと言って、アメリカ企業の売上が1〜2年先に減る心配が起きません。
これに対して資源輸出国のロシアは、自由主義圏を敵に回して戦争行為に入れば直ちに輸出の激減→経済停滞→株価低下→資本逃避に繋がります。
基軸通貨国でも無理をすればこれが原因で長期的には基軸通貨としての信任が揺らぎます(この結果今のオバマの調整力不足になっています)が、戦争開始と同時または直後ではありません。
新興国であり、資本的には脆弱な国の範疇に入るロシアがアメリカの真似をしても無理があります。
軍事力の大きさと経済力とは別ですから、資源輸出に頼る新興国としての脆弱さを抱えている状態である点を重視すべきです。
紛争を起こすと資本引き上げ加速し易い・・国際的に金融資本の移動が激しい時代には、新興国が大義のない戦争に踏み込めば、ベトナム戦争やイラク・アフガン戦争のように、10年ほどして(現実に損をしてから)国力低下するのではありません。
金融資本は、先の損失を見越すとその時点から売りを急ぎます。
既にロシア併合を決議したクリミア半島では、国際制裁を恐れた銀行の閉鎖縮小が相次ぎ、住民の預金引き出しが滞る事態・・銀行で列を作る映像が日経新聞の20日付き朝刊で報道されています。
映像になり難い企業活動の縮小等ではもっと大きな影響が出ている筈です。
(西側の希望する映像ばかり流している傾向を割り引く必要がありますが・・映像を偽造しているとは思えませんので、実際に列をなしてるのでしょう)

特定秘密保護法8(世界各国実定法の比較1)

9日に紹介した特定秘密保護法の条文によれば、一般的な政治議論に必要な分野を網羅して特定秘密にするものではありませんが、何を特定秘密にするかの線引きが難しい感じです。
周辺技術資料まで、何でも特定秘密にするとなると健全な議論が出来なくなり民間技術の発展も阻害されます。
この辺は既に日本以外の先進国殆ど全部の国で、(核兵器や大陸間弾道弾などの情報が世界に拡散していませんから)この種の法令が整備されているし運用されている筈ですので、これを参考に決めて行くべきでしょう。
アメリカがスパイ防止法(正式な法律名を知りませんがこの種の法律があることは間違いないでしょうから)運用の結果、先端技術開発が進まないとか航空機技術の開発が遅れているとか暗黒社会になっているという話を聞きません。
文化人はいつも欧米では◯◯と知識をひけらかしながらの議論が好きですが、今回に限って諸外国の実例を紹介して議論しないのが不思議です。
スパイ防止関連法律がないのは世界でも日本だけなので世界のスパイ天国と言われてますが、独裁国家は別として世界中の民主主義国の実例こそ紹介してどのような決め方をしているか、その弊害などきめ細かな議論すべきではないでしょうか?
スパイ防止法のあるアメリカやイギリス、フランス等は文化国家でも民主国家ではなく、ロシアや中国の方が進んでいると言うならば、ロシアや中国のスパイ防止法でも何でも参考にして議論した方が良いと思います。
日本だけが同じような法律を作ったら、暗黒社会になると言う論建てを理解できる国民の方が少ないでしょう。
中韓の主張方式によれば、日本だけが英霊を参拝すると軍国主義の復活と言い、相互防衛協力・集団自衛権行使も軍国主義の復活と言いますが、他所の国同士では世界中で当たり前の条約です。
そもそも軍事同盟というのは相互に助け合うものですから、アメリカに一方的に助けてもらう日米安保条約が世界の例外だったに過ぎません。
どんな条約も(FTAに限らず子供の連れ去りに関するハーグ条約でも犯罪人引き渡し条約も全ての分野で)相互負担を前提に成り立っています。
タマタマ戦後日本に再軍備をさせないという(永久的に日本の実質的独立を認めないという悪意に満ちた)アメリカの基本政策によって,これとの整合性を保つために片面的な日米安保条約が締結されたに過ぎず、この意味では一種の無償援助協定的性格のある特殊なものに過ぎません。
アメリカの国力低下に伴って片務的・恩恵義務を果たせなくなって来て、その分を日本に肩代わりさせる・・再軍備を認めるしかないとなってきた以上・・日本もこれを利用して対中国のために防衛力強化を図る以上は,相応の負担が必要になるのは当然です。
日本防衛の補完を求めるだけではなく、補完勢力として応援参加してくれている共同作戦中のアメリカ軍が危機に陥れば直ぐ近くにいる日本軍が横から応援するのは当然あり得ることですし,古来から共同戦線の合戦では普通にあることです。
A隊が正面の敵に押され気味のときに、友軍のB隊が横合いから突きを入れて救援するような戦術は昔から行なわれてきました。
軍事同盟と言っても自分が戦っているだけしか義務がない・・友軍が危機に陥ったときに知らんぷりというのでは共同戦線は成り立ちません。
日本独自の戦争(中韓からの攻撃しか予想できませんが・・)に対する協力作戦参加中のアメリカ軍に応援してもらっている以上,応援に来た米軍が攻撃されたら応援をすべきは当然です。
日本に対する中国の侵攻の場合にアメリカの協力が必須ですし、これの期待があるから中国の暴発を抑止出来ている意味でも、日本の平和保障に必須であるから日米安保があるのです。
アメリカの戦争に巻き込まれると主張する人がいますが、まるで時代遅れの意見です。
中国の沖縄侵略等があってもアメリカが本当に参戦してくれるか・・イザとなればアメリカが中国と本気で戦争する気がないのじゃないかと誰もが心配しているのが現在の最大の問題です。
この逆に日中が仲良しなのに、アメリカが進んで中国と戦争を始めて日本が巻き込まれる事態(・・相互に核保有国であるから直接の大戦争)は殆ど想定できません。
現在緊迫しているウクライナ問題でもロシアのガスに頼っている欧州が及び腰になっているので、アメリカ思い切った制裁が出来ないように、周辺諸国が平和に過ごしている場合、周辺国の反対を押しきってアメリカが戦争を押しつけることが出来ないのが普通です。
集団自衛権・大規模軍事同盟の方が、参加国の無言の意見が大国による無茶な戦争を抑止する効果があります。

価値観外交に頼る危険性8(信用出来ないアメリカ)

数日前に紹介したヤルタ協定を見れば分るように、参加していたソ連は粛清ばかり繰り返している非民主・非人道国家であったことは、アメリカもソ連を「悪の帝国」と言っていた以上認めるしかないでしょう。
日本がソ連は非民主国であったと主張すること自体が、戦後秩序に挑戦する違反行為になるというのでしょうか?
中国・現政権も戦勝国と主張するならば、現政権でさえ非民主国のレッテルが貼られているというのに60年以上前には、日本以上の民主主義国だったということになるのでしょうか?
ヤルタ協定は、言わば強盗同士で山分けの議論していたのであって,日本が戦争でとった領土を返すべきだと言うならば、ヤルタ協定やポツダム宣言自体矛盾しています。
アメリカは日本独立後も小笠原や沖縄を何の権利があって戦後何十年も占領していたのですか?となります。
日本が戦争でアメリカからとった領土ではありません。
アメリカの歴史を見れば本質的野蛮性が顕著で人道などは全く問題にしない国です。
こうした残酷性は敗軍の将にその母親の肉を無理に食わせたりするなど、どんなむごいことでも平気に行なってきた中国古代からからの伝統と共通です。
比喩的に言えば、山賊でも天下をとった以上は、少しは表向き正義や人道を言うしかなくなったので民主主義・人道主義などと言っているだけの国でしかないと言えるでしょうか?
中国共産党政権が無茶なのは、まだ世界覇権を握っていないからアメリカのように格好着ける必要がないので生のままで少し乱暴なだけで、中国だって世界覇権を握れば属国同士の争いを裁くには軍事力だけではなく何らかの合理的ルールが必要になる点は同じです。
民主主義や人道主義の価値観がアメリカと共有していると主張し利用するのは良いですが、アメリカの本質・本音は違う・・日本との関係よりは中国と本質的親和性を持っているので、我が国が価値観外交に酔いしれていると大変なことになります。
今のところアメリカのご機嫌を損じることが出来ませんので、アメリカの価値観が素晴らしいと言ってこれに従って、忠実な僕(しもべ)をやってるしかないでしょう。
ただ警戒しながらやるべきだということです。
戦前日本の人種差別禁止解放運動は、黒人運動家やアジアの独立運動家の支持を受けたものの、どこでも植民地支配を受けていたので、国単位としては日本1国だけでアメリカに挑戦する戦いになってしまいました。
左翼や中韓両国は、中韓以外のアジア諸国を無視してアジアで日本が孤立すると宣伝するのですが、(戦前は全て独立していなかったのでこのような主張・論法は正しかったでしょうが)今はその他の諸国も独立しているし、相応の経済力を持っているのですから、いまでも中韓以外の国を勘定に入れていない広告宣伝は時代錯誤です。
今ではアメリカさえ中国にお墨付きを与えれば、中国が好きなように専制支配出来るようになる・・ベトナムやフィリッピン、台湾,インドシナ半島諸国が、あっさりと中国の領海侵犯や植民地支配を認めるとは思えません。
中世(近世の始まり?)の教皇子午線やヤルタ協定のように、強国が勝手によその国の領域を決められる時代ではありません。
これまで書いているように米中の体質が似ているので、最終的に時代錯誤的な結託する可能性・リスクが高いですが、今回は東南アジア諸国もみんな独立しているので、米中で太平洋を⒉分支配しようと言う勝手な談合は効果がないことになります。
効果がなくとも大国同士の理不尽な合意が出来ると、これに対する抵抗エネルギーとのせめぎ合いになって世界混乱の元ですから、注意して行く必要があります。
1480年代から1500年代中盤にかけての教皇子午線の裁定が当事者外の新興国蘭英仏の挑戦で意味を失ったように、勝手に世界分割を話し合っても多分効能が限られるでしょう。
米中の世界分割密約がなったときに、アジア諸国がどれだけ抵抗出来るかが日本にとって死活的重要性があります。
日本は協力国の抵抗力を着けるためには、戦前同様に台湾フィリッピンから東南アジア諸国更にはインド大陸まで至る諸国にどしどし投資して技術移転して彼らの経済力を着けて行くのが最良の選択です。

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