産地偽装表示や無農薬表示あるいは薬や化粧品の効能書きがその表現から消費者が受け取るイメージと違っている場合に、不当表示や薬事法違反などとする規制が発達していますが、これに対して「表現の自由」憲法違反として頑張っているのを聞いたことがありません。
輸入産品についても製品化のどの段階までを原産地表示すべきかのきめ細かい規則が発達していますが、それが表現の自由・憲法違反という主張や争いもありません。
食品内容の比率次第で(例えばそば粉何%以上含有で「そば」と表示できるか?の規制があるとした場合など)特定商品名を表示できるかの問題も同じでしょう。
これら規制を見ると商品として流通させる以上は、消費者保護のために一定の商品表示には一定の規格範囲の性能品質がなければならないという社会の要請があります。
自分の好みで自己使用や親しい人に無償で配るのに一定率以下のそば粉しか入れないで、これを自己流の「そば」と言っているのは個人の勝手・表現の自由でしょう。
私は、子供らが小さい頃に自宅の庭で真っ白と焦げ茶色のガチョウ2羽を飼っていたことがありますが、名前をシロとクロと付けて呼んでいました。
これを仮に商品として売る場合には、クロと言うのは家庭内の名前であって、黒い色ではないと説明しないで「シロとクロ各1羽」として売れば表示・契約違反となるでしょう。
以上のように、商品名表示や事実表示の定義については、「業として流通させる場合」には、規制当局がココまでの内容があれば、この表示ができると規格規制していても、それは表現の自由の問題ではないという国民合意が出来上がっていることがわかります。
自分が一般と違った意味で使いたければ、「業」的に流通させないで個人的に利用する範囲で変わった表示をするのは勝手ということでしょう。
ネット発信は個人会話と違うのですが「業」商品として流通目的で発信しているとも言い切れないのでややこしいのですが、個人的に言いたいことを(私のように自己満足で?)書いている人と拡散目的で書いている人とでは規制基準が違うべきでしょう。
目的など内心の意思は判定不能ですが、外形からざっくり言えばSNSへの投稿は「ソーシャル」というとおり拡散率が高いのが特徴ですから、内心目的如何に関わらず実際に流通が予定されている以上事実を適時した発信には合理的根拠を必要とすべきでしょうし、金儲け目的が表示されているアフィリエイト系?などはより厳重基準を適用すべきでしょう。
業として表現する場合には、消費者・視聴者等を誤解させないためにも、表現行為のウチで、物品名だけではなく、事実表示と、他人の意見表明部分の紹介記事、さらには発信者の意見(意見の中での論建て前提事実の場合それも区分けする)とを明確に区分けをして発信するルールを大手メデイアの方から率先して行って手本を示してから、その応用ルールを個人の行うネット発信者にも課していくのが現実的でしょう。
人材の揃った大手メデイアがこれらの区分表示を怠ったまま曖昧に自社意見を事実に混入して垂れ流したまま、ネットのフェイク性だけを強調しても迫力がありません。
特に意見の紹介になるとA意見発表があったことが事実としても、ABC意見のうち自社の気に入ったA意見ばかり優先的・好意的に紹介するのでは、不公正になります。
これが放送の中立性に反した偏向報道の問題です。
大手支配の裏の勢力(日本では敗戦→占領支配・・国外勢力が・米ソ中韓と軸足を移しながら事実上牛耳ってきた疑いが言われています・憶測です)が「表現の自由論」で安住しながら「ネット発信が広がるとこれを目の敵にして?「規制すべし」というのは矛盾ですから・・。
日本では敗戦による米軍占領以来外国勢力によって報道機関を支配されてきた歴史もあって、トランプ氏が選挙戦で偏向報道を指摘する前から、慰安婦報道以来これが大問題になっています。http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/755c0843633b7d1a9d901171fee94662
高市早苗総務大臣は、2016年2月8日の衆院予算委員会で、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法4条の違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及しました。
高市大臣は
「行政が何度要請しても、全く改善しない放送局に何の対応もしないとは約束できない。将来にわたり可能性が全くないとは言えない」
この発言が表現の自由を侵害するかのような危険視する批判がメデア界では大方ですが、元々報道の中立性を求める放送法自体を憲法違反というならば別ですが、中立を求める法がある以上は事案によっては「法の適用がありうる」という答弁は当たり前ですから、この批判論はあたかも大手メデイアには一方的な報道権があるかのような開き直りにしか理解できない「思い上がり」でしょう。
電波の希少性によって事実上独占業界になっている「放送利権」については2月10日現在のウイキペデイアによると以下の通りです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/放送利権
今日、所轄官庁である総務省から新規に地上波放送局の免許を得ることは至難、よって新規事業者の参入がおよそできない状態にあり、日本の放送局は既得権益化しやすい[。
日本放送協会(NHK)を含め、地上波放送は基本的に都道府県ごと(県域放送)であり、民間放送局(民放)であれば、これより派生して、東京にある放送局が事実上地方局を支配しているキー局制度、新聞社が放送局の株式を保有するクロスオーナーシップ[1]、放送局が番組の著作権をもち、制作会社や制作者には著作権があたえられにくい映画の著作権なども放送利権としてあげられている。また日本の放送局は、いわゆる「電波オークション」によるものではないことや、諸外国に比べ格段に安い電波利用料なども議論の対象となっている。
免許事業であり、法によりある種の保護下に置かれていること、加えて新規事業者の参入の心配がおよそないことから、既存局あるいは既存系列同士での、複雑な競争と共栄関係が「両立」している。結果、以下のような実態がある。
・・・・。
有限の電波割り当てを受ける特権的立場・「思想の自由な市場競争」の成り立たない放送事業でさえ、「中立違反を放置しろ」と言わんかの如き放送業界と違い、何らの特権も享受していない「ネット発信者だけフェイク規制しろ」というのは無理・・これがアメリカでフェイスブックの自主規制が腰砕けになった原因でしょうか?
上記の通りいろんな商品表示に関する規制も表現の自由に関係するとしても直ちに「憲法違反」という観念的議論ではなく、実態に即して見て行くことが一般的ですが、思想表現も、商品の1種として市場提供されるようになると、ネット配信の場合、民泊の紹介事業者やスーパーに当たるのがフェイスブックなので、事前規制が可能か?で議論になっていることになります。
大手メデイアは「表現の自由」「思想市場論」と言っても限られた電波の割り当てを受けている寡占市場を無視して市場競争論をふりかざせば視聴者の偏向批判を封じ込められたので一方的報道・・「何でもあり」の時代が続きましたが、その終わりが近づいた「危機感」が今回のフェイク騒動の底流的原因でしょう。