利害調整能力7(価値観激変時代1)

いざという時に真っ先にかけつけ「先陣をやらせてください」くらいの意気込みがないと、次に自分が困った時に応援を渋られます。
このために、いざという時に「着到」順の名簿書きに真っ先に駆けつけた(もちろん騎馬何名と動員戦力の書き込みも重要です)実績が重視されて皆一刻も早く旗幟鮮明にする努力を怠らなかったのです。
このように日頃恩義を感じている関係の場合には、武士団も無償奉仕を厭わないでしょうが、何の義理もない天下り着任したばかりの守護からの動員命令では、(前任守護には義理を受けている地元豪族がいても新任の守護になんの恩義も受けていない)無償奉仕の負担感は大きかったはずです。
恩賞にこだわるというと金に汚いようですが、日頃義理のない関係で物事を頼むには行動にはコストががかかるということです。
北条氏が各地守護に名を連ねても、私兵として本当に利用できる軍勢はすぐに増えるわけではありません。
吉良で言えば、足利家先祖伝来の領地ですから、北条家の誰かが仮に三河国の守護になっても吉良一党が従うかどうかは足利本家からの下知優先だったでしょうから、鎌倉幕府または三河守護が三河国で何かしようとする場合には、まずは幕府内で足利本家に「ご協力お願い」の根回しが必要になっていたでしょう。
鎌倉末期における足利家の強みは、つる草のように各地に一族の根を下ろしこれが、各地に土着して強力な血族集団を形成していたことでしょう。
全国展開・・軍の移動には、各地宿営を重ね進に連れていく先のより正確な情報・兵糧等の補給が必要ですが、2〜3日歩けば身内の村落があると安心です。
義朝が平治の乱で負けて東国の地盤に落ち延びていく途中、長田庄司に謀殺されますが、このように気心の知れた一族を頼りながら移動していくものです。
強固な信頼関係で結ばれた家人が、主君を裏切るとは当時としては驚天動地の出来事だったでしょう。
源氏が天下を握った後この長田の庄司の運命がどうなったのでしょうか?
蒙古襲来・防備目的で西国方面で北条一族が守護として名目地位を得たものの、私的な兵の動員力が高くなったのではなく逆に守護の地位を追われた元々の武士団や九州北部防備のために駆り出された不満をもたれたことになるでしょう。
竹崎季長のように奮戦して(もしかしてもらえるならば)近隣領地を少し広げる方が、5人でも10人でも農民を増やし一族郎党の拡大になると言えます。
足利直義は御成敗式目の思想を理想とする・正義一直線傾向があって(特定論文意見しか知らない・私は暇つぶしに読んでいるだけですから多くの論文を読んでいない・・受け売り意見です)あやふやな態度に終始した老獪な尊氏に負けてしまったように見えます。
あやふやといえば無能そうですが、価値観激変時代には硬直した価値観ではやっていけない時代であったといえます。
今の世界は19〜20世紀型価値観の再編成期ですから、柔軟対応能力が問われる時代に入ったというべきでしょう。
尊氏の政治的立場は、楠木正成討伐軍として出動しながら、京都郊外に布陣したまま動かず最後に反幕府を旗幟鮮明にしたために(・・応援にきた背後の大軍が敵方となれば前線は壊滅です)鎌倉幕府軍潰走の原因となり、観応の擾乱でも当初は高一族と行動を共にしながらも最後は直義と袂を分かつなど巧妙な動き方は、保元〜平治の乱で清盛がどちらつかずで有利な立場を築いていった点で似ています。
足利氏と新田氏は鎌倉幕府内で源氏直系高貴な血筋として同列競合関係にあったのですが、宮廷工作的能力に欠ける新田氏が長年冷や飯食い的立場に置かれてきたのと比べて官僚的立ち回りの巧妙さで鎌倉幕府内で重きをなすようになり、徐々に全国各地に飛び地的所領を獲得していき(吉良のように各地に勢力を扶植し各地の土着力となり)存在感を大きくして行ったものです。
ドチラつかずの宮廷官僚的生き残り能力は、官僚としては有効な能力ですが、トップの能力としては問題があります。
専制支配までは必要ないとしてもトップに立った以上は揉め事の採決や決断すべき時にはビシッと決める能力がトップには必要でしょう。
悪く言えば優柔不断の典型でしょうし、結果的に際限ない武力抗争を引き起こし、最後の応仁の乱で収拾不能な結果をきたして文字通り「天下が麻のごとく」乱れてしまい戦国時代に入って行き、将軍家権威が完全喪失してしまいます。
現在社会で言えば、オバマ政権の柔弱政治が中国による米国に対する「鼎の軽重を問う」動き(太平洋2分論〜一帯一路政策)につながり、現在の国際価値観混乱の元になっているのと同じです。
「まだまだ行ける、バカにするな!」と最後の力を振り絞って、強権政治に切り替えたのがトランプですが・・。オバマの柔弱政治は米国の力が弱ったことを前提に無理しない賢明な姿勢とも言えますが・・。

国外就職1(韓国7)

卒業時1割しか内定がない→大卒時に9割の学生が内定のない状態で卒業しその後の就職活動で、何処かになんとか潜り込んで就業率67%に上がったとしても・卒業後に就職できた57%のほとんどが不本意就職というべきでしょう。
格好付けにフリーランサーを名乗っていても結局は不本意(不安定)境遇になっている現実を直視すべきです。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/article/476103

韓国就職難、若者は日本へ 2年で3割増、初の2万人超え 政権後押し補助金30億円 早期離職も多く
2018年12月28日 06時00分 11月に韓国・釜山市で開かれた日本企業の合同就職説明会。日本企業112社に対し、千人を超える韓国の若者が参加した
韓国では就職難が深刻化しており、韓国政府は国を挙げて海外就労を支援。人材不足や訪日外国人の増加など日本側の事情もあり、日本で就労ビザを得て働く韓国人は2017年に初めて2万人を超え、15年から2年間で3割増えた。
韓国の昨年の失業率は3・7%。20~24歳が10・9%、25~29歳が9・5%と若年層で際立って厳しい。対照的に日本の10月の有効求人倍率(季節調整値)は1・62倍と高水準で推移。11月に韓国・釜山市であった日本企業の合同就職説明会には、千人を超える韓国人の若者が参加した。
松清社長が問題視するのは、韓国政府が力を入れる海外就職支援事業「K-ムーブスクール」だ。韓国の大学や専門学校と提携し、語学研修費など学生1人当たり約80万円を各校に支給する制度。朴槿恵(パククネ)前政権時代に始まり、事業費は年間約30億円に上る。
同制度は提携時に学校側へ支援金の7割が支給され、残り3割は学生の就職実績などによって「成功報酬」のような形で支払われる仕組みだ。一部の学校は支援金目当てに学生の希望や資質に合わない業種でも就職を勧め、失望した学生が早々に会社を辞める構図が生まれているという。

https://www.sankei.com/premium/news/180907/prm1809070004-n1.html

韓国人の日本就職急増…2万人突破 雇用環境悪化で韓国政府も後押し、目標は「今後5年で1万人」
2018.9.7 07:00
外交面では日韓関係の改善が進まないなか、日本企業への就職を目指す韓国の若者が急増している。母国の雇用環境の悪化を背景に、韓国人留学生らの日本での就職者数は昨年、初めて計2万人を突破。韓国政府も後押しし、日本での就職者数の目標を新たに「今後5年で1万人」に設定する支援策を打ち出している。(インターン記者 門間圭祐)

上記の通り、国内では政府主導で反日運動が盛りあがっていますが、日本企業就職予備校?的利用としての日本留学が増えているようです。
以下は17年データのようですが、
http://ponko69.blog118.fc2.com/blog-entry-4992.html

法務省の統計によると、2017年末時点で、大学での専攻などを生かして日本で業務にあたる「技術・人文知識・国際業務」ビザ(査証)を取得した“ホワイトカラー”の韓国人は2万1603人。前年末(1万8936人)比で約14%増加した。
日本留学を目指す若者も増えており、日本学生支援機構によると、外国人留学生が日本の大学受験の際に利用する「日本留学試験」(6月実施)で、韓国での受験者数は3669人に上った。過去5年間で3倍に増加し、国外受験者の約6割を占める。

日本に大挙押し寄せているとニュースになっている韓国からのニワカ求職学生のほかに、2年前から日本留学をしておく事実上の就職活動が先行しているらしいですが・・・。
韓国では海外就職のために英語熱が盛ん・あるいは子どもの時から英語圏に母子転居する雁家族同様の発想でしょう。
マネーロンダリングならぬ学歴ロンダリングでしょうか?
ついでに比較のために日本大卒就職率を見ておきましょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30672610Y8A510C1MM0000/

大卒就職率98.0% 18年春、3年連続で最高  2018/5/18 8:56

19年春の統計はまだ出ないでしょうが、ほぼ(ミスマッチによる就職拒否などを除けば)100%と見るのが普通です。
韓国では10人に一人しか(しかも卒業までかかる教育費が半端ではありません)学歴に応じた就職ができないのでは、若者の不満は半端でない・・腐るでしょうし、借金地獄に苦しみながらようやく進学させた親も困ります。
移民熱に合わせて国民こぞって英語教育に熱心・・金をかけて育てて、成人すると外国移住するのでは亡国の兆し・始まりに見えます。
日本の地方経済疲弊の原因・・・せっせと時間をかけて育てた次世代が、学業であれスポーツであれ優秀な順に東京に行ってしまう・・地元に人材が残らない構図を15年ほど前に書いたことがありますが、これが国単位で行われているようです。
韓国では、国外脱出熱がフィーバー状態で、幼児期からの英語教育が盛んです。
日本人学生ではおよびもつかないほど多くの学生が高得点を得ていると言う報道もしょっちゅうですが、移民熱に裏打ちされているのでしょうか。

英語先進国「韓国」と英語後進国「日本」という結果を招いた3つの違い

2015/11/04
英語先進国「韓国」と英語後進国「日本」という結果を招いた3つの違い
TOEICテストを作成しているETSの報告書によると、2013年のTOEICの平均スコアは、「韓国632点」に対して「日本512点」と100点以上の大差をつけられています。
1.英語がなければ生き残れない状況の「韓国」
韓国の大学生における財閥企業への入社願望は非常に高いものがあります。当然、企業側も志願者には高い英語力を求めます。あるデータによれば、韓国の約8割の企業が、就職時の志願者に一定水準の英語能力を求めるということです。まさに、韓国人にとっての英語は、なければ生き残ることができないものなのです。
2.インプット能力を重視した「日本」、アウトプット能力も重視した「韓国」
3.受験競争が過熱する「韓国」社会
最終的な目標となる大学受験を目指して小学生の頃から自由時間を犠牲にして、夜遅くまで塾に通うのは当然とされています。
また、韓国の保護者が子供にかける教育費はOECD加盟国の中でトップだそうです。何よりも受験競争を優先する意識は国民に浸透しており、入試会場に遅刻しそうな生徒は警察が白バイで送ってくれます。離島に住む生徒には陸軍がヘリを使って送迎してくれることもあります。

不満社会9(韓国1)

不満・ストレス社会化のテーマから余談に逸れましたが、製造業の自動化→非正規化の急進展、事務作業のIT化の進行によるホワイトカラーの早期切り捨てなどが日本より急速に進んでいるのが韓国です。
何ごともこれが良いとなれば、後先見ずに?ラデイカルに変えていく韓国社会ではこの変化に適応できない人のストレス蓄積が半端ではない・・いつでも発火点にありそうな雰囲気が伝わってきます。
いつも私が批判しているところですが、韓国では学歴エリート・秀才が国政を牛耳り過ぎている・・日本の政治家のように国民の草の根の声を聞く歴史経験がなく欧米の聞きかじり・観念論で政治をするからではないでしょうか。
4月6日日経新聞朝刊10pではサムスン電子の60%減益発表関連の記事・・・減益に関しては単なる一過性のものか将来的にダメになっていくかを論じるメデイアが多いのですが、日経もその一環で「機能偏重・コスト高・カリスマ不在」の副題・将来性も暗いと言いたいようです。
この中で、「韓国経済低迷で安定志向が高まり10年に7、8年だった平均勤続年数は18年に11、8年まで伸びた」と紹介されています。
最近リストラ年齢が切り上がってきた結果平均年齢が上がって来た=人件費の切り上がり・日本より大幅に安い人件費が競争力の源泉だったのに今ではトヨタよりも高くなっている・高コストになっている点が不安という解説です。
上記日経新聞記事によれば「30歳で肩たたき」という従来一般的だった評判・噂?は過去のものになっているようです。
肩たたきで退職してもその後の悲惨な状況(あんちょこな個人商店開業が多いようですが、多くはすぐに倒産する悲惨さが日本に伝わってくるほどですから)を学習しているので肩叩きに応じないで必死にしがみつく人が増えてきたようです。
30歳が34〜5歳に切り上がっても、その不安に耐えている人たちの不安ストレスは並大抵ではありません。
以下は2年ほど前の日経ネット記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO15321100U7A410C1X17000/

韓国サムスン電子、勤続年数が6年連続増加 2017/4/17 6:30
「サムスン電子の平均勤続年数が伸びている。2016年は10.8年と6年連続で伸長。00年以降で最も短かった05年の6.0年に比べて1.8倍になった。
厳しい環境に耐えて長く働く社員が増える裏には、韓国で広がる経済格差と若者の安定志向がある。
最近は入社4~5年での退職が珍しくなかったサムスンにも変化がみられる。同社が公表した事業報告書によると、15年に平均勤続年数は10年を超え、16年も約半年伸びて10.8年になった。

この何年も肩叩きに耐えて(退職を1年でも2年でも先送りして)やめない社員が増えたのは、低迷する経済にあるようです。
https://japanese.joins.com/article/562/243562.html

韓経:韓国自営業者の「悲鳴」…今年は100万カ所廃業
2018年07月30日10時06分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
国家経済の毛細血管であり庶民経済の根幹である自営業が奈落に落ちている。無給家族従事者118万人を含めた関連従事者688万人で韓国の全就業者の25%を占める自営業がつまずき、所得主導成長を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権になり雇用と所得分配はむしろ悪化の一途だ。
国税庁の国税統計と小商工人連合会などによると、今年廃業する自営業者は過去初めて100万人を超えると予想される。年間開業数比の廃業数で示す自営業廃業率は2016年の77.8%から昨年は87.9%に高まった。今年は90%に迫るだろうというのが業界の推定だ。自営業者10人が店を開く間に9人近くが店を閉めるという話だ。

https://japanese.joins.com/article/485/238485.html

韓国に自営業者が多い理由(1) 2018年02月09日15時29分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国は自営業者が特に多い。2017年現在、韓国全体就業者2656万人のうち25%の675万人が自営業者や無給家族従事者である非賃金労働者だ。賃金労働者は全体就業者の75%だ。
無給家族従事者は18時間以上にわたり家族が経営する事業体で報酬を受けずに仕事をする人を指し、約110万人となっている。無給家族従事者は広義の自営業者と見ることができるため、自営業者の数は600万人を超えるとみてもよいだろう。
ギリシャ、トルコ、メキシコ、イタリア、ポルトガル、ポーランドなどが韓国とあわせて自営業者の比重が先進国平均の2倍ないしそれ以上の水準を示している。
・・・・自営業者はさまざまな理由と形態で存在するため、国別の自営業者比率の違いを一律に説明することはなかなか難しい。
にもかかわらず、既存の研究は▼産業化の程度が不十分▼労働市場が柔軟ではない▼個人所得税や社会保障分担金が多い▼失業給与水準が低い▼租税回避の可能性が高い--などの場合、自営業者の比率が高いと報告している。
・・・所得税を納める人の比率が少なく、所得税率と社会保険料率が高くない韓国に上記のような一般論の適用は難しそうだ。
・・・・韓国に最も適用可能な要因は、租税回避の可能性が高いということだ。あわせて低い失業給与水準も関連のあるほころびだらけの社会セーフティネットに伴う生計型自営業の起業だ。

私の関心は上記意見の関心とは違い、日本の中小零細企業との本質的違いに関心があります。
日本の場合、家内制手工業から工場生産へ以降していく順次経過の歴史があり、いわゆる大田区等下町に残る手工業的町工場に世界のバイヤーが群がるイメージ・・・すなわち日本の将来の芽が凝縮するプラスイメージです。
韓国の場合家内制手工業の経験がなく、いきなり財閥系への先進国技術導入で高度成長を図ったので、効率が良かったものの大手工場に納品すべき下請け町工場は存在しない・日本からの部品輸入に頼ってきました。
いわゆる圧縮経済の問題点です。

野党離合集散1

いわゆる55年体制下の社共両党はソ連や中国をバックにする政党として事実上?(というか国民多くの暗黙の認識)存在してきたので、ソ連崩壊後非武装平和論の公然たる主張は無理が出てきました。
国民支持を受けなくなった結果対応として、社会党のままでの党綱領改変は無理があったので社会党から解党的に大量脱退して(今回の民進党から希望の党への大量遺跡の前身)現実主義路線転換のために新党結集に動いたものです。
同時に選挙制度改正・・小選挙区化により1選挙区一人しか当選できないとなれば一人しか党公認で立候補出来ない⇨現役優先になる結果、新人出現の阻害要因になり優秀な新人が野党に流れる期待・・中選挙区の場合人材が政権党にばかり集まる⇨自民党長期政権可能な下地の破壊⇨政権交代可能にする構造改革政策でした。
野党が自民党公認漏れの新人の受け入れ皿となるには・保守系も受け入れ可能な政党への脱皮を図る必要がありました。
野党=非武装論一本では現実的政策論者を受け入れられないので小選挙区にした効果がない・・この変身過程の離合集散の結果、自民党出身者・・保守系もかなり取り込んだので現実政党らしくなったので国民も安心した結果、初めて自民党が下野して登場した細川政権は、もともと保守的地盤を持ち熊本県知事の経験のある細川氏が総理になったものですし、それを担いだ実力者が元自民党幹事長の小沢氏でした。
自社さきがけ等の連立を経て自社連立となり、自公連立に変わりついにリーマンショック後民主党政権に至ったものでした。
既存政党からの分離組みの初期時代を経て10〜15年を経ているので独自政権のように見える民主党政権でも、初代総理になったのは元自民党員であった鳩山氏であり、自民党創設当時頃吉田総理と争っていた鳩山元総理の孫?です。
現在の国民民主の共同代表は玉木氏は何と自民党の大平正芳元総理の娘婿でその地盤を継承しているイメージです。
玉木雄一郎氏に関する本日現在のウイキペデイアの記事からです

妻・恵理は首相・自民党総裁だった大平正芳の親戚であり、この縁で大平の孫娘である渡辺満子(元・日本テレビプロデューサー、元日本テレビ取締役専務執行役員・渡辺弘の妻)が玉木の公設秘書を務めている。また、地盤である現在の香川2区はかつての大平の地盤(中選挙区時代の香川2区)の一部を引き継いだ地区でもある[46]。

自民党でさえ一人しか公認できない小選挙区制になったので、野党の方も選挙協力で候補を一本化しないと小選挙区では完敗になりますので、共産党を除く野党が民主党に大同団結してついに政権獲得にまで進みましたが、政権担当して見ると選挙に勝つための政党結成だった結果、内部意見統一もできないし、実務能力がなく信用を落として終わりました。
その後政権取りのためだけの無理な大同団結の反省から、この数年で民主党が民進党になりさらに国民と立憲と無所属に3分裂した結果、それぞれの主張がスッキリしました。
ここに至る過程を振り返ると民主党は左右混合の現実政党を目指した結果、両翼の支持が混在しているので寄合所帯の矛盾を孕んで二進も三進もいかなくなって来たのが、民主党〜民進党への党名変更後の段階・・最大の弱みでした。
この民進党になった段階では保守と革新に純化・・分党するしかない状態に追い込まれていたのです。
健全野党の成長を待望していた国民が多かった(私の主観?)ので、希望の党はこの期待と野党の矛盾関係に手を突っ込み保守系を引き抜いて一挙に自民党に対抗できる現実的大政党を作ろうと目論んだものでした。
健全野党の出現を期待している国民は心情的に喝采していたと思います。
16年頃に民主党から民進党へ党名変更しても、支持率が低迷する一方で行き場を失って右往左往していた民進党議員は票を求めてすぐにも雪崩を打って希望の党へ大挙入党する勢いでした。
自民党からの野合批判(国民の期待は現実政党誕生であり、原理論者の合流を期待してはいない・核心をついたものです)に小池氏が反応して、もともと保守系大同団結を目指した結党であった以上は、非武装平和系「排除」は譲れない基本として排除発言に追い込まれました。
排除発言されて行き場を失って追い込まれたグループの受け皿として立憲民主党が結成されました。
立憲は結果的に・・反安保等旧社会党的主張へ回帰する純化集団中心の受け皿となり、スッキリした分、当面は旧民主党内でモヤモヤしていた反安保勢力の取り込みで一定のところまでは党勢拡大できるでしょう。
小選挙区制対応のための大合同・実質選挙協力体制でしたから、1選挙区で民主党から一人しか公認候補を立てられないので、ある選挙区では保守思想の候補者が公認されると、その選挙区に住む左翼系の人でも仕方なしに保守系思想の民主党候補に投票したり、逆に非武装系の候補者しかいない選挙区では、民主党内の保守系の人も左翼系の民主党に投票するしかないなど選挙区ごとで歪みが生じていました。
選挙協力・統一候補擁立とはそういうものです。
排除論理による左右分裂・純化路線とは・・各派が別の政党になり選挙協力がなくなったことになります。
立憲と国民民主そして無所属の3派に別れた各選挙区にそれぞれの派閥が独自候補を立てるようなもので、党員にすれば自分の支持派閥にそのまま投票できて気持ちがいいでしょう。
自分の選挙区では民主党内の保守系しかないので仕方なしに民主党の保守系に入れていたか共産党に投票していた場合、立憲が非武装論者を全選挙区で擁立してくれれば、喜んでその候補者に投票できるでしょうから、左翼系では当面共産党と民主党内の保守系議員の票を食う関係になりそうです。
とはいえ、非武装平和論(米国支配よりソ連支配の方が良いという主張を根底にした思想)はソ連崩壊後限界が来たので社会党が事実上解体せざるを得なかった現実があったのですから、(ソ連に変えて中国の支配下に入る方が良いという主張?)立憲民主党が今更歴史の歯車を元に戻すのは無理ではないでしょうか?
立憲民主の目標はニッチな非武装論者の取り込み専念段階では成功するでしょうが、一定率まで伸びれば壁にぶつかるしかなさそうです。
4月7日の統一地方選の結果を見ると立憲の市議が増えた分の主な供給源として、国民と共産党が落ちている傾向が見えます。
民進党の分裂劇は、左右混在の元民主〜民進党の左右純化への流れを表しているとすれば、立憲民主の党勢拡大は、元民主党支持者内の食い合い以上に伸びられない分を共産党支持者を食っているようです。
立憲民主結党以来共産党が、野党統一候補擁立・選挙協力に必死になっているように見えるのは、放置すると立憲民主に共産党支持層が侵蝕されていく危機感から,選挙協力という名の縄張りの取り決めを必要とする背景があるからでしょうか?

不満社会7(IT化と生き甲斐)

明治維新では産業構造の変化で三菱等新興財閥勃興等の成功者が知られていますが、これを支える中間層の需要が広がったので、社会全体では幸福感を感じた人の方が多かったでしょう。
学校教育では劣悪な労働環境(女工哀史など)が教えられ、その結果工場労働法ができたと教えられますが、(その通りでしょうが)元々の貧民層・小作関係や下男下女等最末端では朝目が覚めたときから働いていた人たちにとっては決まった時間だけ働けばいいし、主人の顔色を窺う必要もない工場労働は天国だったかもしれません。
私は池袋で底辺的職種に揉まれて青少年時代を過ごしたのですが、当時の雰囲気では大手工場等に勤める人たちは高嶺の花的存在でした。
個人商店は夜遅くまで開き、朝9時始まりの勤め人などは羨ましいばかり、週休などもありませんでした。
この点は中国の農民工が低賃金など問題にしないで続々と深セン特区の大規模工場に吸い込まれて行ったのと同じです。
明治維新の近代化では中間層の拡大を伴ったので社会全体では幸せを感じる人の方が多かった・元士族でも一定の能力のある人は新政府や、各県政府の役人にそのまま横滑りしていましたので、役立たずの不平士族の方が少なかったので不平氏族の反乱は(薩摩を除けば?)それぞれの地元でもそれほどの支持を受けませんでした。
(明治初期司法制度の歴史のコラムで、いまのように司法試験制度もなかったので、廃藩置県当時各藩の家老や奉行等の経験者が地方判事の給源になっていたことを紹介しました)
今回のIT革命では人口の多くを占める中間層不要化トレンド・・近代産業革命以降増加した職場の縮小・・揺り戻しですから、安定していた生活基盤を切り崩される中間層は膨大で不平層の方が多くなっているのが特徴です。
今後IT時代だと分かっていても消費場面ではスマホの操作能力などで適応できても、生産参加に適応できるほどの人材は少ないのが明らかです。
そもそもIT化が進めば進むほど中間管理職や労働者が不要になるシステムですから、IT開発に関与できる人の数は極小数になる・・それ以外はいらない社会になればほとんどの人は不幸になっていくしかないように見えます。
この流れを防げないとすれば、何に対して幸福感を持てるか不幸とは何かの問題になります。
仕事はさせられるのではなく「仕事すること自体が幸せ」というのが我が国の国民性でしたので、高齢化しても元気である限り何か「仕事」をする・周りに役立ちたい気風が今も続いています。
メデイアは高齢化→現役の負担増ばかり強調して世代間対立を煽っていますが、国民多くの関心は社会に貢献できていない・幸福感喪失をどうやって穴埋めしていくかに関心を持ってきました。
高齢になっても健康な人は何か仕事を見つけて(朝の小学生登校時見守り活動や草刈り等のボランテイアなど)働けば(町内会活動でもいい・・お金の問題でない人が多い)社会が豊かになりその人も幸せではないかという気風です。
「働く」という言葉自体が、お金目的の「労働」ではなくお祭りの準備でも家の周りの掃除でも、何かの役に立てれば幸せという意識を示しています。
西欧的価値観・労働=搾取という発想では、GDPがどうなるか?保険料を如何に負担させるかという方向の論議しか生まれないでしょうが、西欧的教養のない?庶民はもっと高次元で「お金よりは生きがい」を基準に考えていることがわかります。
私の場合で言えば、だいぶ前から収入面での期待感はゼロまたはマイナスですが、高齢化が進むのに比例して・・趣味のためにお金を使うのと同じような感覚で・・事務所経費負担マイナスに耐えられる限度で生き甲斐のために現役弁護士をやっている面が強くなっています。
このコラムは約20年続いていますが、はじめっから収入に100%関係しない意見ばかり書いていますので、コスト的には100%マイナスでしたが、何か自己表現したいからかな?書いているだけです。
これまでのメデイアの議論・関心は、年金赤字解消策・GDP低下に対する処方箋・70歳まで働かせることができないか?という関心が中心議論であったように見えます。
高齢化問題は、高齢化しただけで「めでたい」と終わりにせずに健康寿命の必要性が言われるようになったのは少しでも金銭負担させたい面もあるでしょうが、これと並行して精神面でも健康な状態・・「生きがいを持った高齢者になるようにすべきことがわかります。
高齢世代が増えてすることがなくて幸福感喪失をさせないようにどうするかの視点に立てば、若年無職者(各種障害者)も(失業保険や親の援助などで)お金さえあればいいのではなく、「満たされない自己実現意欲」をどうすべきかの点で共通課題であることがわかります。
最近始まった「こと消費」の流れは、受け身鑑賞、受け身の消費だけではなく自分の体を動かして何かしたい欲求に応える流れが表面化してきたと理解すべきでしょう。
人のために「役立つ喜び」を伴わない自己実現?例えばそば打ちの体験?程度で、(自己満足で持ち帰っても家族が喜ばない?)満足するしかないのでは多分続かない・虚しくなるでしょう。
精神病者に対する作業療法を一般人に広げる試みのような印象ですが・・。
とはいうものの、役立たない自己実現でいえば、各種スポーツ自体がすでに実用性のなくなった格闘や乗馬、射撃、剣道、レスリング等の格闘技〜走る早さを競い、泳いだり過酷レースなどすべて現実世界でほとんど何の役にも立たない不要な競争ばかりです。
パラリンピックはその最たるものでしょう。
日本でのお祭りや少年の部活等のスポーツへの誘導による不満発散による成功を書いてきましたが、お祭り準備等での役割を果たし大勢の観客に喝采を浴びる達成感がありますが、そば打ち家庭菜園程度で(むすめの家に持って行っても嫌がられることが多い)はそういう達成感がありません。
従来は精神病者や障害者あるいは社会不適合者・・その最たるものは失業者群ですので、政策失費の指標や競争落伍者としてこれの増減が重視されてきました。
病気になって仕事ができなくなると収入保障だけで終わりにせずに、病気を治して社会復帰を助ける医療行為が必要なように、失業者に対しても失業保険で生活保証するだけでなく職業訓練による能力底上げが重視されるようになっています。
健康体でないから失業したのではなく健康体で、しかも労働能力があっても失業したのは景気対策や景気変動によると思われている時代には、好景気をもたらすべき政治責任という社会認識でした。

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