共産党支配下の人民1(天安門事件)

中国では政府発表は政権維持のための宣伝機関と位置付けられている以上は、不都合なデータを改ざん捏造するだけではなく、あることないことを宣伝するのも当然となります。
一般の広告の場合、あまりにも事実に反する広告をすると消費者が信用しなくなるので、逆効果を恐れて出来るだけ事実に反しないようにする努力をします。
中国政府の場合、専制支配の延長で言論の自由がないので、「馬を見てこれを鹿と言え」と嘘でも臆面なく強制できると信じている体質がそのまま海外でも出て来ます。
韓国の現代自動車があろうことか燃費性能を大幅に誤摩化して宣伝していたことが米国で明るみに出ましたが、韓国や中国ではこう言うことが仮に発覚してもどうってことのない社会・・実際米国では、売れ行き激減ですが、中国や韓国では何の問題にもなっていません・・であるから成り立つのです。
政府発表でさえ実態と大幅にかけ離れている以上は、広告宣伝は元々嘘で当たり前・・嘘と分って何で驚くの?というのが、中韓両国民の反応でしょう。
話を戻しますと、中国では今でも国内言論統制が厳しいのでどんな虚偽意見も弾圧もまかり通る社会ですが、海外との人材交流が自由化されている以上は外国人のウオッチを遮断できない時代になっている点が解放前と後の大きな違いです。
この違いが天安門事件での国際反応の激しさで、中国政府としていつものとおりに普通に鎮圧したつもりだったでしょうが、世界標準から見るとその粗暴さに驚きました。
何しろ、学生運動に対し戦車出動→実弾発砲したのですから、自国民に対してこんなことやるの?と野蛮さに世界中が度肝を抜かれてしまいました。
中共政府にとっての人民は、(何故か国民と翻訳しない理由です)愛すべき国民ではなく、統治・搾取の対象であり、イザとなれば世界で最も政権転覆に走る可能性のある身近で危険な敵と言う認識です。
言わば西欧諸国が植民地支配していたときのアジアやアフリカの現地人の扱いと同じです。
政治体制としては植民地の人民がイギリス等本国の政治に参加する権利がゼロである点は中国人民が政治に参加できないのと同じです。
中共政府にとっては人民は欧米にとって植民地の現地人同様に支配の対象である以上は、敵対する・・いつ政権転覆運動に走るかもしれない最大の仮想的の関係です(歴代王朝はいつも人民の蜂起によって倒壊してきました)から、身近にいる分、世界中で最も警戒すべき相手です。
学生運動であれ反政府運動であれ、刃向かうもの刃向かう恐れのあるものを徹底して弾圧するのは古来からの中国地域のやり方です。
中国地域では、漢楚の興亡時代に章邯が漢中平野に進出して秦軍を破ったときに20万人を抗(穴埋め)したと言われるように、相手が弱いとなれば温情などかける余地がなく叩くべきときには、徹底して叩く・・皆殺しにすると言うポリシーで容赦なく行動するのは古来から当たり前の行動です。
章邯は抗穴埋めしたことで有名ですが、前漢末の騒乱には結果的に人口が3分の1に減り、後漢の終わりの三国志の時代には人口が約6分の1に減少したと言われていることからも分るように、騒乱時代に戦闘で勝つ度に相手をほぼ皆殺しにして来た習慣であるからこそ、こんな大変なことになるのです。
日本は戦国時代にも人口が増え続け、(明治維新でも大した騒乱にはなりませんでしたし)社会文化がジリジリと進展し続け安土桃山文化が花開いたのに対して、中国地域では王朝崩壊の都度、1からやり直しになる理由もこにあるでしょう。
モンゴル襲来時の壱岐・対馬その他での被占領地での現地住民に対する残酷・残虐な仕打ちは、今も日本人の記憶に新しいところですし、日中戦争発端の大きな切っ掛けになった中国での通州事件での日本人に対するむごたらしい行為は(日本人は多いに怒りました)今では報道写真に残っていますので、戦後秩序が公平に見直される時代が来れば、中国人がナチス以上に残虐な行為をしていた事件として世界歴史に記憶されて行くべきでしょう。
これは近代に入ってからの事件ですから、今でも、もしも日本の一部でも占領されるとそこの住民は悲惨・・残虐な仕打ちを受けることは想像に難くありません。

日中の制裁合戦6(バブル崩壊7)

カエルが腹一杯膨らませて身体を大きく見せかける寓話がありますが、これが破裂して身の丈に戻る過程が始まったのを世界中がバブル破裂近しと見ているのです。
(破裂すれば本来の能力以下に体力消耗します・・中国で言えば経済が希望観測で膨らみ過ぎていた期待による過剰投資・在庫調整期間はマイナス成長になるだけではなく、実体以上の評価を維持するために国土・国民の健康等安全面に過度の負担をかけていた公害・・土壌汚染等のマイナス効果が出て来ます)
中国経済の現状は国土を食い物にして国土の持続可能性を維持するに必要なコスト負担を先送りして来た結果、公害が表面化して来てにっちもさっちもいかなくなり、他方で適正コスト負担を先送りして破格に安く生産していたにも拘らず、東南アジア等との競争に曝されて貿易で稼げなくなって来ました。
昨日の夕刊で政府による7,45%成長発表にもかかわらず同期間の卸売物価が下がり続けている・・3%下がっている様子が報じられています。
企業は在庫の山で呻吟しているのですから、卸売物価(企業間取引価格)は下がるしかない・・この状態で7%以上もプラス成長って本当?とだれもが疑うでしょう。
公害の測定結果をアメリカ大使館が発表しているのを中国政府が内政干渉だと問題にしていましたが、今や測定しなくとも大気の汚れがあまり酷くなったので隠せなくなりました。
言論統制の結果誰も正面から反対できないとしても、政府統計があまり実態からはなれ過ぎると誰もが信じなくなってきます。
先行きの見込みがないとして外資が引き上げ始めると、当然国内資金が足りなくなってきます。
資金連鎖の最も弱いところ・・シャドーバンキングにこの兆候が現れ始めたということでしょう。
2014-5-4「日中の制裁合戦5(バブル崩壊2)」以来バブル崩壊に話がそれましたが、経済制裁の話題に戻ります。
中国の尖閣諸島周辺への領海侵犯行為の繰り返しと対日暴動以来、経済交流の相互縮小・・最大投資国であった日本による新規投資の急減により事実上の経済制裁が始まっていたことになります。
経済制裁とは大規模な連合体で行なう場合を言うのでしょうが、個々の国同士で言えば「制裁」しなくとも個人が喧嘩してお互いに交際をやめたり縮小して行くと、限定された二国間で同じような結果が生じます。
お互い交流を縮小して行く状態になっているのが、現在の日中関係です。
昨日あたりから国際大問題になっている中越の衝突事件でも、(例によって中国の海艦によるベトナム巡視艇への衝突行為)ベトナム政府は怒って中国との交易縮小・停止を主張し始めています。
中国はこうした行為の繰り返しによって周辺国から嫌われ者なって行くしかないですが、このマイナスを気づかない・・暴力団同様の精神構造で「どうだ、俺に逆らうとこんな痛い目にあうぞ!」と粋がっている様子です。
喧嘩ばかりしていて周辺と交流が縮小して行く結果を見ると、片や日本企業は史上最高益更新の決算企業続出の景気状態ですが、中国の方は経済規模が縮小し始めていろんなひずみが吹き出しつつある状態に陥っていることが分ります。
中国が今年の春先の成長率が7、4%成長と発表していますが、資源国が中国の資源需要の急減で困ってる・・資源輸入量を現状維持さえ出来ない・・減少しているローエンド生産国の中国が、何故プラス成長しているかとなりますので、正確には資源輸入量の減少率にほぼ比例して何%減であるのが正しいでしょう。
5月2〜3日のブログで書いた求人の減少・大卒の就職難もこうした実態経済の苦難の何の一端・現れを表しています。
この数年前まで大量に資源輸入してくれる中国になびいていたオーストラリアが、中国の輸入急減に愛想を尽かして親日国に豹変し、1〜2ヶ月前に日豪の貿易協定が成立していることから見ても実態が明らかです。
鉄鉱石その他資源輸入が何割も減少しているのですが、マイナス幅を誤摩化すならばまだ可愛いものですが、マイナスをプラス成長と逆に発表する中国政府の神経は尋常ではありません。
こんな子供でも分るようなまやかしを続けるしかないのが、中国政府の苦しさを表しています。
このやり方を何十年も続けていたので、(年に1割ずつ水まししていると?)本当のGDPは実質的には、公式発表の半分以下の可能性があります。

ウクライナ政変7と経済停滞2

英仏7年戦争が原因でフランス革命が起きたと書いてきましたが、中ロ等の後進国でもフランス革命時のフランスと同程度に国民経済が進化して来ていると、(原始的経済にとどまる北朝鮮とは違い・・)経済不振を誤摩化すために排外行動をすれば、より一層経済が損なわれてしまい、却って国民不満が高まる一方になるリスクがあります。
今のロシアや中国は、7年戦争当時のプロシヤオーストリヤレベルの自給自足経済ではありません。
2国間だけならば10対1の国力差の場合、双方同率のダメージを仮定すれば、大きい国にとって経済のダメージ率はそれほどではありませんが、道義に反することをして国際的経済制裁を受けると、相手とだけの関係では10対1の比率でも、逆に100対10の関係になることがあります。
まだ本格戦争・・本格経済制裁が始まってもいないのに、この可能性のリスクだけで昨日書いたようにロシアではこの1〜3月までの3ヶ月間で昨年1年間の合計資本流出よりも多くの資本流出が始まっていますが、逆にウクライナは西欧諸国からの支援が期待できる関係です。
ところで、現在社会では企業が損をするのを待って株価や債券相場が変動するのではありません。
例えば、来年または再来年の大幅損失が予想されれば、損をしてから株価が下がったり、債券価格が低下するのではなく、予想された時点で株価や債券(企業の社債)が大幅値下がりします。
儲けが出てから変動するのではなく、儲けが予想されるだけで相場が上がります。
現在のプーチン政権の苦境は新興国景気の停滞=資源価格下落/輸出停滞によるものですが、戦争になる→ロシアの資源輸出が更に停滞するのが必至・・さらに景気悪化する→株価値下がりが見込まれるとなれば、金融資本家は、一刻も早く株や債券を売って逃げ出したくなるのは自己保身のために当然の行動です。
ドイツ等の西欧諸国の企業やトヨタ、日産など既に進出した産業資本家は直ぐに逃げられないまでも、売れ行き不振を見越して生産を縮小したり新たな投資計画を中止したり抑制に動きます。
今回のウクライナ紛争が現実化すると日本がロシアからの輸入予定で進んでいた各種プロジェクトは西側の結束上、中止か先送りを余儀なくされるのは明白です。
この種の案件は、日本よりも関係の深い西欧諸国との関係ではかなりあると思われます。
この穴埋めを中国がになえるかどうかとなりますが、中国も従来必要な限度で買っていたものですから、イキナリ必要以上に大量に輸入を増やす=無駄な買い物を大量には出来ないので無理があるでしょう。
生産計画の見直しは実際に経済効果が出るのは半年単位先ですが、発注の見直し等は直ぐに関連産業・下請けに伝えられますので、金融資本に比べて即効性がないとしても、心理効果は直ぐに出ます。
この行動形態は外資に限らずロシアの民族資本家でも・・天然ガスの売れ行きが見込めなければ生産拡大や物流関連投資を停止して様子を見たり、生産縮小するしかしない点は同じです。
ソ連崩壊後のロシアは自給自足的社会から、西側諸国の経済原理を持ち込んで新興国の仲間入りした・・国際金融・産業資本を受入れている以上は、この経済原理から逃れられません。
計画経済のときには、在庫がふくれあがっても(国民に隠して)一定期間無理して生産を続けられたでしょうが、長期的無駄な生産継続が遂にソ連崩壊をもたらしたことが記憶に新しいところです。
比喩的に言えば、日米よりも多くの◯◯生産という統計のために需要がないのに生産継続していても(統計も誤摩化していたことが明らかになっていますが・・)いつかは無理が来ます。
如何に政府べったりの人材(プーチンの腹心)ばかりを送り込んでいるとは言え、ある程度民営化しているので、売れないものを営々と生産し続けることは不可能になっています。
逆に腹心である彼ら経済人の影響を受け易くなっているからこそ、プーチンは経済停滞を無視できず、必死になっているのです。

戦争と国力疲弊5(倭冦1)

4月4日に書いていた英仏7年戦争の話題に戻ります。
フランスはインドや北米の植民地を失った外にオーストリアへの援軍等で財政疲弊したので、フランス革命に繋がって行きます。
ドイツ30年戦争から始まってドイツ地域を舞台にした戦争の繰り返しで最も疲弊したことになる筈のプロシャやオーストリアが破綻しないで、遠くから応援していただけのイギリス(アメリカ独立革命)やフランスで大革命が起きたのは皮肉です。
古来からの経験から言えることは、遠征は割に合わないということでしょう。
秀吉の朝鮮征伐で戦場になった李氏朝鮮が倒れないで遠くから出張して来た明朝や豊臣政権が倒れたのは偶然ではありません。
アメリカのベトナム戦争など出張(遠征)した方が戦場になった国よりは(ベトナムは倒れませんでした)国力疲弊する率が高いことが分ります。
蒙古襲来時の鎌倉北条政権も内実は九州までの出張戦争だったから倒れたのであって、戦場になって大損害を受けた筈の対馬や九州地元諸豪族はいよいよ盛んになり、南北朝時代や応仁の乱を経て戦国大名に成長して行きます。
蒙古襲来に対する高麗や旧南宋地域への報復攻撃を計画した北条政権がこれを実行出来ずに中止してしまったことで、報復感情の収まらない九州地域の体力の余っている荒くれによるゲリラ的感情から始まった?倭冦とその末裔が蒙古軍の主力であった朝鮮半島と大陸(旧南宋)沿岸を荒し回ることになりました。
時の経過で報復感情とは関係がなくなってもこの繰り返しで手に入れた航海術を活かして山田長政のような元気印の日本人が東南アジアに雄飛して行く基礎となっていきます。
ちょうど西洋の大航海時代が日本でも偶然同時時期に始まっていたことになります。
数百年に及ぶ倭冦の航海と交戦経験が、明治以降短期間に海運業の発達や世界に冠たる海軍国に発展する基礎になって行きます。
日本自衛隊が現在でも中国に比べて海軍力では比較にならないほどの実力を有していると言われるのは、この歴史によります。
蒙古襲来時に元と高麗の連合軍が山が丸裸になるほどの努力で作った軍船が2回も壊滅的打撃を受けるなどのトラウマから、朝鮮半島及び中国大陸では歴代王朝が新造船意欲海軍力による領域拡張意欲をなくします。
以後自分で八幡船を追いかける能力がなく、神出鬼没的に突然襲撃して来る倭冦の劫略に打つ手がなくなり、上陸侵略されるとその都度追い払う程度しか出来ませんでした。
元の次の明朝も日本に善処を求める「お願い」程度しか出来なくなり・・結果的に明朝自体が倒れてしまいました。
蒙古襲来以来、大陸と朝鮮では大敗のトラウマから日本との海戦を避けるようになったことから、(鄭和の大船団はアラブ人によるものと言われています)操船経験が乏しいまま現在に至っています。
清朝末期には「定遠」など世界最新鋭の軍艦を購入して日本を威嚇していましたが、イザ黄海(威海衛)で戦端を開くと日本の精緻な操船技術の前になす術もなく圧倒的な軍艦を用していた北洋艦隊は壊滅的被害を受けてしまいました。
日清戦争は(清朝の方が最新鋭軍艦を擁していたのですから、)海軍操船技術差によって勝敗が決まったのです。
日露戦争での日本海海戦で東郷元帥がバルチック艦隊を壊滅的大敗に追い込んだのも、艦船装備力の差によるのではなく・(装備では日本海軍が対抗できる状態ではありませんでした)急激な戦闘態勢の命令に一糸乱れずに対応できる磨き抜かれた操船技術によるところだったことは誰も疑わないでしょう。
東郷元帥の果断な決断だけが賞讃されますが、これを実践できる操船技術や大砲等の射撃術等の優れた技術の裏付けがあってのことでした。
今も中国は装備だけ見れば航空母艦まがいを漸く持てるようになって喜んでいますが、多数船舶の連携でなりたっている現在の精密な操船技術力が未熟なままですから、とても日本と互角に戦えないと言われているのはこうした歴史によります。
戦場になった地域よりは遠征した方に負担が大きいというテーマに戻ります。
ロシアによるクリミア編入でも、現地クリミア住民には大したコスト負担がなく、クリミアを手に入れたロシアの方が、巨大な軍事力移動その他の事務負担や援助で莫大な財政負担が生じています。
ウクライナ本体を西側に引き寄せた筈の西欧も、その分巨額財政支援の必要性に追い込まれています。
中国がイキナリ海洋大国になると宣言しても、それだけでは歴史がないので簡単には行きません。

特定秘密保護法7(条文)

特定秘密保護法反対論では、国民に対しては秘密にすべき事柄はあり得ないと言う単純図式化した批判論が中心ですが、他方で治安情報や防衛情報の詳細図面・・警備計画図/警備員の交代システム・・SPの警備能力(射撃能力や剣道何段かなど)等詳細について、一般国民としては何の関心もないのが普通です。
逆にテロリスト等には重要関心事ですから、仮に公開すれば一般国民に出回るよりはこうした関係者に直ぐにデータが出回ることになるでしょう。
どこに高齢者が一人で住んでいるかなど健全な一般国民にとって何の関心もないから、高齢者の情報などいくら集めても公開しても良いのじゃないかと言う人はいないでしょう。
世の中善良な人ばかりならそのとおりですが、高齢者を食い物にする者もいるから問題なのです。
国民ならば何でも公開すべきだという議論によれば、公開するとこれを知りたがっている・本来知られたら困る犯罪集団や外国人やテロリストが真っ先にアクセスすることになります。
こうした弊害が分っている以上は、軍事機密に始まって外国に関連する重要な事柄には、関与して良い国民・・これの調査特定も必要です(・・例えば総理警備員や警察官任用基準など・・)を除いては、国民に対しても秘密にする必要が生じます。
これから捜索すると決めたら捜査担当者には知らせる必要がありますが、一般国民や捜索対象の犯人も国民である以上は、直ぐに知る権利があると言う人は皆無でしょう。
レーダー照射事件で報道されていましたが、戦いの先端ではこちらがどのくらいの受信解析能力があるかを知られること自体が、相手の対応改良を促すのでスパイから情報を得ていてもこれを秘密にするのが普通です。
国際政治で言えば,何月何日何時何分の会話がそのまま漏れていることを相手に言ってしまうと、犯人探しや盗聴器探しが行なわれ、情報提供者の危険に繋がってしまいます。
犯罪捜査も終われば良いのではなく、次の犯罪・証拠隠滅・・内通者探しを防ぐために警察の手の内を報道されると困ります。
これが民主主義・知る権利との矛盾関係ですが、これの利害調整をして解決するのが成熟社会の智恵というものです。
この調整がうまく行かないのが未成熟国家で独立後は軍事政権が普通になっていた理由です。
未成熟のママ成熟国家並みに民主的政権を求めると・・韓国のように標的を日本に求めてしょっ中反日を叫ぶか(・・イランの場合反米で結束しています)アラブの春となります。
国民主権だから何でもストレートに公開すべきであるとか、何でも秘密すべきだという図式論で議論するのは、幼稚な社会でしか通用しない議論になります。
成熟社会である筈の日本でも、野党は批判するばかりで具体的政治経験不足から,図式的主張することが多いので万年野党の汚名を来て来たのです。
漸く政権を担ってみたら実際の政治運営能力がないことを露呈したのが最近の民主党政権でした。
北条政権に食い込んでいて実際政治経験の豊富だった足利氏と、ずっと冷や飯食いであった新田氏の利害調整能力の違いとして、06/08/10「(1)政権交代と実務能力」のコラムで後醍醐帝と足利政権の違いで書きました。
ところで現在問題になっているのは、以下の特定秘密保護法(朝日新聞版・本日現在まだ官報等正式情報がネットで見られない様子です)で規定されているように
「安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて」「特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める」
ことであって、国内一般政治に関するデータを広範に秘密にする秘密保護法ではありません。
安全保障関係に特化した法律です。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障【(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)】に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。

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