豪華クルーズ船対応批判7(米国の対応1)

当時の日本で初めてのクルーズ船対応では限られた人材と時間、設備で応急的に決めた現場作業ですので、ここをこうやれば動線として合理的だったかという議論は建設的ですし、専門家内で意見交換するのは後々のためになりますが、専門家委員間の意見交換をする前にツイッターで全否定のような公開意見を発表しその翌日だったかには外国人特派員を相手に記者会見をしてしまう。
外部者の評論報告なら別ですが、実務家として政府施策参加者が内部意見交換を飛び越した結果批判だけでは、専門家の行うべき手順を踏まない独りよがり的批判でないかの疑問があります。
6月13日や20日に紹介したように、岩田氏の現場発表後米国のCDCに比べて日本のシステムはお粗末という洪水のような批判報道が続いていましたが、アメリカでも3月4日頃から船内感染が判明した同じ企業運営のクルーズ船、グランドプリセンセス号が、サンフランシスコ沖にとどまっていて対応をどうするか検討中のニュースが出ました。
日本批判してきたと言われる(私の検索能力不足もあって?海外で批判されているというだけで本当にどこの機関が批判してきたのかすら不明です)アメリカがどういう対応できるかに、関心が集まりました。
何しろ日本の失態!を批判しているのであれば、少なくとも批判意見を発表(したとすれば?)その時点でアメリカ政府・CDCならばこのような対処できるという意見が基礎にあったはずです。
感染症対策の総本家の基準に合わないことが日本批判の中心だったのですから、米国は日本のクルーズ船入港以後約一ヶ月間も準備期間があった以上は、日本の経験を生かしてもっと鮮やかにスムースに対応できるはずです。
お願いしかできない日本と違い米国の場合国内法で強制権があるので、法律上船内か、下船後の検査かを迷う必要もありません。
やり易い方を自由に選べます。
紆余曲折の後に着岸・下船後、入院者以外の経過観察グループも米軍基地内やホテルへ分散収容できたのはその結果でしょう。
https://www.asahi.com/articles/ASN4767GVN47UHBI01X.html

緊急事態宣言、コロナと闘う国々 強制力はそれぞれ
米国は州権限で外出禁止
・・・米国の「連邦制」は地方政府に大幅な自治権を認めており、州政府の権限が極めて強い。各地の州政府はすでに強制力を伴う自宅待機命令などを発出。米メディアによると、州政府レベルの命令は、全米50州のうち41州で発令中という。
首都ワシントンに近いメリーランド州は、食料の買い出しなど一部の例外を除き自宅待機を命令。違反者に1年以下の禁錮と最大5千ドルの罰金を科す。ニューヨーク州も3月22日、州知事令で「原則100%の在宅勤務」を義務づけた。企業が違反し、従業員らに「深刻な身体的危害」を及ぼした場合、最大1万ドルの罰金となる。
イタリア、移動制限違反に罰金
世界最多の死者が出たイタリアではコンテ首相が1月31日、6カ月間を期限とする「国家非常事態宣言」を出した。宣言に基づく「政令」に議会の承認は不要だが、「15日ごとに議会に報告する」とした。国内感染者は当時2人だった。

以上の解説は、自宅待機を強制できると書いているのみでホテル等への「収容ができるか」まで書いていませんが、承諾を前提とする社会の日本とは違い強制権を前提とする米国その他の国とはトータルの制度設計が違っています。
日本の場合ホテルを借り上げていても利用者はホンのチョツト・6分の1程度しかいないと報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57824390Y0A400C2000000/
2020/4/10 2:00

【8】ホテル代は誰が負担する?
厚労省は「入院措置と同様の費用負担とすることが考えられる」と見解を示している。だが、東京都は入所費用を全額公費でまかなう見通しだ。
新型コロナウイルス感染症の軽症者らを対象としたホテルなどでの宿泊療養が、全国的に進んでいない。軽症者が自宅で重症化して死亡する事例や家庭内感染が増えたことを受け、国は宿泊療養を基本とするよう方針転換したが、療養先の隔離生活に慎重な人も多い。中でも東京都内の自宅療養者は宿泊療養者の約三倍の六百三十五人に達しており、都は宿泊施設への移行に力を入れる。 (松尾博史)
都は四月七日から、ホテルを借り上げて軽症者に滞在してもらう仕組みを開始。五つのホテルで約千二百人を受け入れる態勢を整えたが、最近の一日あたりの滞在者は二百人前後にとどまる。小池百合子知事は定例会見で「ペットがいる、面倒を見なくてはいけない人がいるなどの事情で、自宅を選ぶケースが多い」と話す。
都は対策として、ペットを預かるための電話相談窓口を開設。感染者の家庭に子どもがいる場合は自治体などと協力し、医療機関や児童相談所の一時保護所で子どもを預かる。外出や面会ができないホテル利用者のストレスを和らげるため、精神科医らが対応する電話相談も始めた。

画一強制しない社会では人それぞれのいろんな実情に応じた対応を取るしかない・・為政者や上に立つものはいつも関係者の納得を心がけるための工夫・ソフト対応が発達するし、親身に聞いてくれると国民も為政者を裏切りにくくなり、期待に応えようとします。

無制限検査とCDC賞賛意見

先進社会が重視しているのは、中国による価値観戦争・・専制支配・その一方法である監視社会の方が良いという思想の代理運動を許さないということではないでしょうか。
中国のやり方をほぼ踏襲したこのような方式を韓国が採用できる基礎には、日本支配〜米軍政下にあった期間を除けば古代からずっと専制支配下あった民族性があってできることではないでしょうか?
朝鮮族は当時(幕末から明治)清朝の属国として満足していたのに欧米の開国要求や日本の圧力で無理やり中国(清朝)から独立させられてしまった・・以降現在に至る外からの近代化について行けない苦痛が朝鮮族の苦労の基本です。
下関条約・日清講和条約は冒頭に朝鮮の清朝からの独立が宣言されていますが、日清間で朝鮮独立が決まった瞬間でした。
https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit#

下関条約1895年
第一條[編集]
淸國ハ朝鮮國ノ完全無缺ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ淸國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ

朝鮮独立を第1条に掲げるとは最重要事項・・日清戦争は朝鮮の独立をめぐる戦争だった本質が見えます。
韓国民の本心は無理に親から引き離された悲しさ・一刻も早く慣れ親しんだ中国支配下への復帰でしょうが、まだ米国の力が強いので実家の傘下に戻れない・・様子見の状態にあると見るべきです。
蝙蝠外交を見抜いている北朝鮮によるこの1週間〜数日の激しい韓国ユサぶりでしょう。
北朝鮮が、古代の専制支配そのままの体制で安定しているのは、これが民族性レベルにあっているからです。
こういう社会では、任意協力に頼れないのでスマホ等の位置情報で追跡して何時何分にどこにいたという人を根こそぎ追跡する韓国式調査(日本で言えばプライバシー侵害の遣り過ぎ)が必要なのでしょう。
米国は流石に個人監視まで真似できないので、得意の物量作戦・発症者が出れば無制限に検査に応じる方式しか真似できない・・感染源に届かないので拡大を防げない状態のままです。
これでは医療資源の無駄遣いで国費・人材の浪費です。
米国の物量作戦方式を手放しで称賛するのが、我が国大手メデイアであり、CDC賞賛意見です。
2月末から3月初め当時の米国CDC賞賛意見の例を紹介します。
以下の例を見ると、ちょっとブームになると時流に遅れまいと旗を振る学者(メデイアの勧誘にそのまま乗る・・自分の考えがないのかな?)が多いのに驚きませんか?
ちなみに、このコラムでクルーズ船対応批判シリーズを始めた6月13日「暫定的隔離の必要性2(岩田氏の豪華クルーズ船対応批判1)」に紹介した岩田氏のインタビュー記事を東洋経済が掲載したのも3月12日でした。
https://toyokeizai.net/articles/-/335971?page=7

岩田健太郎「非科学的なコロナ対策が危ない」
クルーズ船の失敗を繰り返してはならない  2020/03/12 5:30

https://www.nippon.com/ja/news/l00270/

新型コロナウイルス:専門家が政府に提言-日本版CDCの創設や、医療コンテナ導入を
社会 医療・健康 2020.03.04
大きな予算と人材をそろえ、米国の感染症対策の陣頭指揮をとるCDC(疾病対策センター)の“日本版”の創設や、病院内などにウイルスを持ち込むリスクを低減する「医療コンテナ」の導入などを盛り込んでいる
感染症危機管理システムを構築する必要があり、感染症だけの専門家ではなく、情報学や、免疫学など幅広い分野の人を集めた専門家チームを結成し、政府に提言する仕組みを作る。
米国のCDCは人員が1万数千人、年間予算8000億円を超え、情報収集、国民への説明、検疫作業まで幅広く行っている。これに対し、日本の国立感染症研究所は人員が約300人、予算が約80億円と大きな差がある。感染症危機管理の司令塔となり、人材や施設の充実したCDCを手本とした新組織の立ち上げを急ぐ。

http://blog.ricoh.co.jp/RISB/new_virus/post_548.html

日本に求められる感染症対策「司令塔」
=米国はCDCとカリスマ所長が主導=
2020年04月15日

CDCの巨額経済規模に仰天している論調・子供の憧れ表現のようで、大金を投じてだから?何が日本より良いのかが見えません。
ざっとこんな具合でなんでもかでも米国流が良い、この基準に合わない日本の制度は時代遅れ、頑迷固陋集団かのような論調でした。
岩田氏のツイッターに始まる厚労省官僚批判はこのお先棒担ぎになる快挙!だったように見えます。
岩田健太郎氏のクルーズ船対応批判論に戻ります。
何が船内検査に決めた理由が何であったかの論争前提をボヤかしたままでは、「こういう結論を採用する以上はこのようにすべき」という論拠が成り立ちません。
入国させて仕舞えば、内国人待遇しかない・・国内法はお願い以上の強制ができない日本の法制ですから、外国人も入国してしまえば陽性の証拠もないのに外国人だけ入院や隔離強制(ホテル収容?)できません。
「日本人は要請に応じる率が高いが外国人は応じない率が高いから」という理由で外国人だけ特別不利な法律を作って強制するようなことは許されません。
そもそもそういう法律ができるとしても今回のクルーズ船対応には間に合いません。

米韓式コロナ対策

PCR検査の韓国や米国の大量検査方式がなぜその方が良いかの説明がないまま大量にやった方が良いというイメージが流布され日本方式・政府に対する根拠ない批判が流布されています。
濃厚接触者を辿り検査する・・日本の狙撃方式に対して、米国は物量に任せる散弾銃や機関銃の大量発射方式であり、国民対処方法としては自粛要請・・個性対応重視・国民信頼社会と自主行動に委ねるとほとんどの国民が守らない・災害等で治安が緩むとすぐ略奪に走る社会経験から、国民不信が前提にあって画一的に外出禁止するしかない社会の違いが結果に現れたのです。
命令による奴隷労働の方が効率が良いか、自分で考えて働く方が効率良いかの違いです。
幕末に米国の外交官だったかが、日本人は命令するとあまり働かないが、任せると頼んだ以上のことをしてくれるという日本人気質が現在にそのまま繋がっているのです。
濃厚接触者を一人一人辿っていく調査が効果を上げているのも、国民の多くが調査に気持ちよく協力するから成立する方法です。
この1週間ほど新宿区のホストクラブを中心とするクラスターが相次いで発見されていて東京都の感染者が昨日41人に増えています。
ニュースでは、いかにもイカガワシイ場所で起きている悪いイメージ流布ですが、逆から見ればいかがわしすぎる?場所でも、都が検査協力を求めれば出入りした人の流れが早期に把握できる有難い国民性です。
このような流れがあるので、都は最近の新規感染増加に拘らず、20日頃予定通り全面解禁すると発表しています。
この意味が重要です。
米韓は、感染源を辿るより最末端で発症すれば検査希望に応じる・不安に応じる受け身形→来るもの拒まずの大量検査方式採用の点で共通ですが、原因を断つ方式でないといくらやってもキリがないでしょう。
クラスターになりそうなホストクラブに目をつけて自主検査を求めてこれに応じてもらい、無症状の感染者を早期発見に結びつけたのはいわばホームラン・・日本独得狙撃方式の深化というべきです。
クラスター発生前に先制検査方式に進化しているのが日本です。
こうして見つけた潜伏患者を大量に出たのを危機の高まりと評価するより、1〜2週間放置して数百人に広がった感染者のうち最初に出た5〜6人の発症者が発見されその後急拡大するのを待つよりも高効率です。
先に出る大きな芽を積んだという評価で予定通りの緩和に進んでいます。
韓国の場合、大邱で最初に大規模発生したときに集会参加者の把握に教会が協力しない点が大規模拡散の原因と報道されていましたし、最近ソールでの第二波の震源地になったナイトクラブの名簿記載の住所や偽名が半分ほどいたために7次感染までひろがった原因と言われています。
https://www.newsweekjapan.jp/kim_m/2020/06/2-1.php

新型コロナウイルス再発の大きな原因は「気の緩み」

今回、梨泰院のクラブや富川の物流センターで起きた集団感染の大きな原因は「気の緩み」である。
・・・・約5500人のクラブ利用者のうち2000人ほどが虚偽の連絡先を記載したため、連絡がとれず現在も多くの利用者に対する検査が行われていない状況である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e660e71f82e27930d91f753e0d51c7bfeb08c6f

韓国で巨大クラスターが続々発生の悲劇…「文在寅が威張るたびに感染爆発」
6/10(水) 11:16配信
新型コロナの大規模なクラスターが相次いで発生、時計が逆回転したような韓国に何が起きているのか?
“感染再発”の経緯を少し詳しく見てみよう。この第2波の中核となってしまったソウル市内のゲイクラブでは、270人のクラスターが発生。入店の際に義務付けられていた名前と連絡先など個人情報の記入も、約5000人分のうち2000人は虚偽。感染防止には初動が大きくものをいうが、追跡ができないために初動が遅れてしまい、7次感染まで拡大させてしまった。
・・・K防疫とは、いかなる手法なのか。日本が取った手法とは異質であることがすでに報じられているが、感染経路をたどる際、個々人の携帯電話の位置情報、防犯カメラの映像、クラスターが起きた現場付近のクレジットカードの決済記録などを当局が把握、警察官を多数動員して追跡する。日本から見ると、法制度上の問題に加えて、プライバシーを度外視したにわかには受け入れ難い手法に見える。

米国が大規模拡大を抑え込めない原因は、初動調査ができずどこに広がっているのか特定できないので発症者が出てから発症者の自己申告(検査希望者)?対象の闇雲な検査(散弾銃方式)に頼っているからです。
検査に応じられないと国民不満が高まるので大量化しかない因果関係です。
大量検査方式の韓国と一部似ていますが、共通原因は初動調査成功率の低さにあります。検査を大量化・ドライブスルー方式で簡略化しても、それは自発的希望に限られ、新たな感染防止にはほとんど効果がないでしょう。
韓国はデータ監視網利用によるコロナ退治成功と称して世界に売り出し中のつもりらしいですが、中国のしらみつぶしの監視網をほぼ民主国家で再現したものですから、強権支配に馴染む後進国は別として、先進諸国でこの方式を採用する国は出てこないでしょう。
中国がコロナ禍の元凶である責任にほっかむりして世界に自国のやり方を宣伝して世界の顰蹙を買っていますが、韓国は元凶でないからその批判を受けないのでその代役を勤めている気持ち?になっているのでしょうか?

周期的変化7(新規感染者増加率3)

この種のウイルス大感染は20年に1回の大流行とすれば、医療施設を日常的需要の10数倍も空きベッドや集中治療室を設備し、不要な人材を20年間張り付けておくのは不可能ですから、結局は急速な需要・・患者増抑制が最善の方策です。
新たな感染症はしょっちゅう出てるのでしょうが、従来型では対処できない感染力の強さがあるからこそ大問題になるのであって、ワクチンや治療方法が開発されていないことが前提です。
ウイルス特定後治療薬開発にはほぼ1年半〜2年かかるらしいので、この間は自然治癒待ち=治療期間短縮はあまり期待できないので、時間稼ぎの必要からも新規感染抑制には人と人の接触抑制しかありません。
北海道は新規発生ゼロの日があるなど20日ころ緊急事態宣言解除したようで(退院率44%で)収束気味になってきたようですが、次に始まった愛知県も最近落ち着いてきたようです。
厚労省のデータによると3月20日現在(19日までデータ?)以下の通りでした。
3月20日(金)    前日比 現在入院等 退院      死亡
北海道   157    1     82     69   44%    6     4%
愛知県   130    3      111     3    2%     16    12%
東京都   123    11    96     24   20%   3    2%
大阪府   106    4     83          22   21%   1    1%

愛知県のデータhttps://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000613045.pdf

新型コロナウイルス感染症患者の発生について (県内149~153例目)
2020年3月25日(水) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課

となっていますので、5日間で23名増加の報告です。
愛知県のコロナ対応病床指定は160床とかで(今後軽症者むけ拡大予定?)ですから、今のところ間に合っていますが、1日5〜6人規模で増え続けると対応能力ギリギリになります。
そこで中軽症者向け施設100床分追加確保したとかのニュースを見た記憶です。
愛知は始まったばかりだからか?入院が増える一方で退院率はまだ低くて今は大変ですが、1日数人〜4〜5人程度の新発生で10日ほど持ち応えれば、その間に先行入院患者の退院循環が始まるでしょう。
(ただし愛知は、介護施設での発生のために死亡率が高くなりそうです)
大阪は、ライブハウスのクラスターで一時増えましたが、ほぼ収束に向かってきた様子ですが東京同様大都会型・・人の往来が激しいので、今後感染源不明の都会型感染がじわじわ広がるリスクがあります。
昨日の報道では東京が25日1日で41名もの新感染というもので、急激な増加に驚きました。
小池都知事による東京封鎖直前のような危機感が強調されました。
厚労省データを見ます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10465.html

3月26日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(3月26日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、3月25日日報から下線部分を更新しました。)
国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は1,292例となりました。
内訳は、患者1,140例、無症状病原体保有者144例、陽性確定例(症状有無確認中)8例となります。国内の死亡者は45名となりました。
国内での退院者は、昨日より49名増加し、359名(患者320名、無症状病原体保有者39名)となりました。

3月20日に出た厚労省データは以下の通りでしたので、5日間で308人増加(1日平均約60人)です

3月20日12:00現在、国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は950例となりました。

一方で前日1日だけで退院者が49名に達していて、この1週間ほどの日々増加数(60人前後)にほぼ匹敵する数字になってきた点が心強いところです。
日本平均60前後で推移していたところへ東京だけで41人というのは衝撃的でした。
東京の近況は手に汗握る展開で目を話せませんが、1月から始まった感染後のこれまでの経過とすれば、世界最優秀対応というべき状態です。
とはいえ、東京の今後の展開次第では、日本も大変な事態になりそうです。
米国や欧州のようにオーバーシュート状態になって都市封鎖となってしまうかの瀬戸際状態になってきました。
世界大拡大による経済への影響は甚大ですが、日本は長期間オーバーシュート状態回避に成功してきたので経済への影響力の低さも際立っています。
これは医療部門の健闘と国民の協力によるところ大・・全面移動禁止による極端な消費消滅がないだけでなく、各企業の内部留保(緊急事態向けも現預金確保)の厚さが世界で群を抜いていることによります。
無駄に現預金を抱え込んでいるとエコノミストの批判の的でしたが、(私の周辺の井戸端談義では、「いざというとにお金が回らなかったら誰が責任をとってくれるんだよ!」というのが素人の大方の意見でしたが・・。
現在意外に有事の円高にならないのは世界中がパニックになって現金を手元に戻す動き・回収に動いているのに対し、日本企業は手元資金潤沢なので海外からの投資回収の必要がないから外資が一方的資金引き上げするばかりだからです。
11年の東日本大震災の時も、世界の投資家が日本が復興資金需要のために海外投資を引き上げる動きに出る→円高予想で円が買われ円高が進みましたが、日本は国内資金潤沢ですのでその程度の復興資金は手元資金で賄えるので資金回収が進まず、円高にかけた国際投資筋は損しました。
慌てふためいて引き上げているのは米国投資家中心ですので、ドルだけ上がり園が上がらないのですが、frbのほぼ無制限ドル供給政策が始まるとファンド系の狼狽が収まり、資金引き上げ=ドル手元資金化の動きが収まったようです。
日本は国際エコノミストのいう通り動かない国です。

新型コロナウイルス対応の巧拙7(周期的変化3)

感染が始まった以上は一定経過で収束するにしても急拡大させない・・管理・制御可能な形で一定期間経過で収束パターンに持ち込めるかが腕の見せ所です。
周期的変化の過去事例では以下のグラフ2例が出ています。
https://bungeishunju.com/n/n143f2c336728#T852a
新型コロナウイルス「致死率2%」でも“医療崩壊” 最悪のシナリオとは?
2020/03/13 08:00

/文・岡田晴恵(白鷗大学教授・元国立感染症研究所研究員)
大勢の感染で医療崩壊
この数週間、場合によっては、この1〜2週間で(本稿執筆時点=2月28日から見て)、対応を誤れば、新型コロナウイルスがあっという間に各地で大流行し、高齢者を中心に多くの犠牲者が出て、経済的にも大きな損失が生じる可能性があります。
なかでも医療現場が混乱し、流行や院内感染の拠点となり、医療のキャパシティーを超えるほど重症患者が発生し、他疾病患者の診療や治療も麻痺するといった“医療崩壊”すら生じる可能性があります。
・・・「スペインかぜ」です。これは、当時の「新型インフルエンザ」で、世界人口が約20億人であったところ、5000万人以上もの死者を出しました。

致死率2%でも甚大な被害・・略
セントルイス市長の英断
地域の行政機関の対応次第で、被害に天と地ほどの違いが出てきます。現在、中国における新型肺炎の致死率は、武漢だけが突出していますが、スペイン・インフルエンザの際にも大きな違いが見られました。
米国の都市セントルイスとフィラデルフィアの死者数の推移(1918年9月下旬から12月にかけて)を比較したグラフがあります。

使用_本誌4月号_グラフ_スペインかぜ_pages-to-jpg-0001

この間、フィラデルフィアの死亡率が0.73%なのに対し、セントルイスは0.3%で、他の大都市と比較しても、最低水準に抑えられました。これは、セントルイス市長のリスクも伴う英断によるものです。
市中の発症率がまだ2.2%の早期に「集会規制・行動規制」を実施した結果、セントルイスでは、グラフが示すように、大流行のピークが生じず、患者発生数は平坦なカーブを描いて、医療サービスや社会機能の破綻も起こらず、最終的に犠牲者も少なくて済みました。

上記のように医療崩壊が起きて大惨事になったフィラデルフィアの方が収束までの期間が短いのです。
短期間に収束すれば成功したことになるのでなく、地域医療資源対応力範囲内で治るかどうか重要です。21世紀に入って以降グローバル往来の拡大(国内地域間出入りも増えています)が半端でないので、地域内政策の巧拙だけで結果が出るとは限りません。
3月21日の厚労省記事から・・千葉県新規感染部分を千葉県のデータで前日の新感染者の内訳を見ると20日正午基準のデータ・・新規感染者5名のうち、オランダ経由入国者(入国検疫に引っ掛からず約1週間自由に動き回っていた)2名が占め、もう一人は都内居住者が千葉県内医療機関で感染判明ということです。
都内居住者の場合都内感染者と3月8日に接触後19日感染判明→20日正午までの厚労省報告→21日厚労省発表データですから、約11日間自由に動き回っていたことになります。
国際間あるいは地域間移動による感染拡大が始まっていることが分かります。
今回は波状的に海外からの感染者流入→国内感染が発生するので、出入国制限・・あるいは入国後2週間の隔離政策なしに短期収束は難しいでしょう。
2日ほど前に兵庫県と大阪市の移動制限が必要という政府要請がニュースに出ていましたが、国内地域間も移動自粛のギリギリの局面に入っているようです。
千葉県のデータは以下で見られますので関心のある方はご覧ください。
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/press/2019/ncov20200318.html

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