アメリカの指導力16(引き蘢りのリスク4)

アメリカの軍事・政治的立場縮小の補完を日本が性急に進めると逆に警戒されるので、少しでも長くアメリカ自体の政治力を維持出来るように、アメリカの顔を立てながら(恥をかかさないように)注意して補完を進めるべきでしょう。
ケネデイ大使を無能だとバカにするのではなく、無能ならうまくおだてて利用出来るか敵に回すかこそが、我が国の智恵の出しどころと書いて来た所以です。
裏約束があっても表向きだけでも米中角逐が長引けば、その間に中国も・・もしかしたら共産党政権が倒れて、(ネットウヨの予測ではもうすぐ倒れるとも言いますが・・)民主化される期待が持てます。
民主化されてもアラブや韓国同様に自己統治能力が低いでしょうから、新たな建国後に統治能力不足の目くらましとして再び日本敵視政策が始まる可能性がありますので、この辺は何とも言えません。
現在の中国による対日好戦的態度は民主化されていないから生じているのではなく逆に民意をそらすためのものですから、この辺は民主化によって却って民意重視度が上がるので好戦的態度が上がることこそあれ,下がることはあり得ません。
中国が民主化されて対日攻撃が強化されれば,「民主的価値観共通」という安倍政権のキャッチフレーズによる対中差別化は意味を失い,米中同盟に進む可能性を孕んでいます。
中国共産党瓦解後に東北地方とモンゴル、チベットや沿海部、ウイグル等の4〜5カ国に分裂すれば、日本の安全保障にとって最善です。
東北部(元満州)は日本支配の経験があって彼らは本音では親日ですから、親日国家になる可能性がありますので、朝鮮半島と一部の国だけ今のような反日スローガンでやって来てもそれ程心配がなくなります。
中国地域が分裂しなくとも普通の国・文化を重んじる国になってくれれば、日本が自衛のために必死に軍備拡張に走る必要がなくなります。
その他のアジア諸国同様に仲良くつき合えば良くなれば、今の20分の1も兵力が要らなくなるでしょう。
現在までの経過を見れば、ロシア、中韓を除いた国相手ならば、・・台湾その他を考えれば分りますが・・そもそも軍備がいるのかな?と言うくらい平和な関係です。
非武装中立論者の多くが、平和思考の東南アジア贔屓ではなく、元はソ連贔屓であったし今は好戦的な中韓びいきなのは、不思議な矛盾関係です。
中国人民の価値観を金儲けや恫喝(威張り散らすこと)ばかりではなく、平和を愛し環境を愛する文化国家に善導して行けば日本は安泰ですから、この方向へ努力することは日本に課せられた課題です。
豊かでないと文化や清潔さや礼節の価値観が理解出来ないのですから、お金を欲しがるのも分りますが、現在中国では度が過ぎていることが問題です。
・・日本は明治〜大正〜戦時中とずっと貧しかったですし、敗戦後の貧しいときもお金亡者になりませんでしたし、日本人には理解不能な国民性です。
勿論神戸(阪神淡路)や東北大震災でも困ったときには略奪が起きず、逆に助け合いが生まれました。
この違いは,何回も書いていますが、中国や朝鮮では2000年に及ぶ過酷な専制支配の隷属下にあっていつ理不尽なことでいつ何時命を失うか知れない不安定な生活をして来たこと・・先のことまで考えていられない歴史経験によると思われます。
(その他大陸と島国の気候風土の違い・・これが専制支配を必要とした土壌ですし、これをこの後で書いて行きます。)
いつでも逃げられるように金銭にこだわる・・今の共産党幹部・高官も裸官と言って逃げる準備をしていますが、・・こんな状態で郷土愛が生まれない・・同胞意識が希薄なことは仕方のないことです。
この辺も簡単に町を棄てて行くアメリカ同様・・これでは両国とも環境維持・・町の美化・・インフラ整備よりは、自分のお金の方が大事・・環境に対する心が育たないでしょう。
郷土に子々孫々まで住み続ける気持ちのない・・郷土に対する愛のない・環境に関心のない国民は、ひいては長期的な信頼関係=法を守る意識など歯牙にもかけない・・警備が破綻した災害時に略奪に走るのはこうした結果ですし、国民性に連なります。

米中韓の価値観一体性5

アメリカでは何か行事のある都度、戦争に必須の国旗に異常なほどの熱意を示すのは、(普通の演説程度で国旗に何故そんなにこだわるのか不思議に思う人が日本人では多いでしょう)外敵に向かって団結することしか団結理由になるものがないからです。
国旗・・軍旗が敵味方の目印として始まったものですから、我が国では徳川家の紋章や信長の旗に異常な敬意を払う場面は歴史上知りません。
個々人や所属する組織への忠誠心が問われるだけであって、年がら年中旗指物に敬意をあらわす国民性ではありません。
源平の赤と白の旗も、合戦のときだけ敵と味方の区別を分り易くするために重宝していたに過ぎず日常的に軍旗を飾っていたことはありません。
我が国では国旗の外に海軍旗(旭日昇天旗)という区分けがあるのはこうした歴史に依ります。
団結・忠誠心の基礎には郷土を愛し守り抜く基本思想があって、その上に郷党組織の一致団結があるのです。
アメリカには日本のように郷土を愛する共通価値観がないことが,外的に対抗するために団結する意識しか育たなかったことが分ります。
住んでいる土地が都合が悪くなればあっさりとゴーストタウンにして棄てて行くアメリカ人には郷土愛そのものが理解不能でしょう。
郷土愛には攻めて来る外敵から守ることも含まれますが、それは滅多にない一部の機能であって、災害や飢饉等から郷土の仲間をを守ることなどを中心とする幅広い愛・団結心です。
日本は人間の外敵から守る必要が千年に一回あるかないかの国でしたが、気候不順による凶作や災害の方はしょっちゅうやって来るので、災害時の助け合い意識が根付いています。
日本では災害が発生すれば助け合いに飛び出して行くのが国民性で,この機会に略奪するなど考えられない国ですが、米国の場合,都合が悪ければゴーストタウンにして棄てて行く国民性ですから、郷土を守ると言っても外敵の攻撃から守る程度しか共通目標がありません。
だから警備機能が麻痺するような大災害があると、助け合うどころか逆に100%の頻度で略奪が発生します。
実際にアメリカが侵略の危険を感じたのはいわゆる独立戦争のときだけですから、結果から見れば建国後現在までアメリカが必要として来た外敵の必要性とは、いつも自分が侵略・膨張目的で外敵と戦うことだったことになります。
国旗を中心にいつも気勢を上げるしかない政治・・逆から言えば政治家・指導者が地位維持のためにはいつも外敵を必要としている点では、中国・韓国の政治家と共通です。
アメリカ建国以来の近隣侵略膨張の歴史は誰でも知っているとおりですが、国家制度の成り立ち・・構造要因と言えるでしょう。
第二次世界大戦で日本から南洋諸島や奄美諸島〜沖縄や小笠原諸島などを奪った後には,自分が正義の戦いだったと宣伝している以上は,植民地拡大が許されなくなって、これ以上膨張が出来なくなると世界の警察官と称して,実質的世界支配を拡大・侵略を続けて来たのがアメリカの歴史です。
中韓両国が日本を非難する主張を聞いていると自分の悪い点をそのまま相手がやっていると思い込んで宣伝している・・自白しているかのように見えます。
激しい非難の場合、自分が過去にやって来たことを全て日本もやっていると想定して相手に押し付けて非難していることが多いのですが、日本を軍国主義と決めつけたのはアメリカの制度設計の弱点を言いたかったからでしょう。
日本の政治は平安〜鎌倉、足利、徳川とどの時代をとっても明治憲法でも軍国主義どころか、内政中心で外国と戦うための国・制度設計ではありません。
(幕府成立と言うと如何にも軍事政権のようですが,支配階層が武士層に移ったと言うのが本質であって、武断・恐怖不政治をして来たのではありません・・鎌倉府は史上初めても問注所を作るなど利害調整に腐心してきました)
利害調整能力に優れた人材が党のトップに立ち、総理になって行く我が国では元々対外交渉や攻撃用指導者を前提としておらず、これを必須とする韓国・中国やアメリカはまるで成り立ちが違います。
日本政治家は対外戦争目的の行動力ではなく、内政調整能力が最初に問われる資格です。
アメリカとどちらが軍国主義に馴染み易い体制か?となります。
話題を元に戻しますと、アメリカに限らず大統領制の国では、選任された以上は原則的に一任する制度・・任期中独裁権力行使が前提であることを民意に基づく政治2(大統領制と議院内閣制1)July 14, 2013〜「民意に基づく政治4(大統領制と議院内閣制3)」July 16, 2013等で以前書いたことがあります。

価値観外交に頼る危険性5(米ソの欺瞞性)

アメリカやソ連・今のロシアには正義の基準ではなくどちらが強いかの基準しかない以上は、当然正義を問題にしません。
日本は信義を重んじる国ですから、自分を基準に相手を考えて約束をまもる国と信じてポツダム宣言を受入れたら、武装解除を良いことに日本民族を奴隷化しようと企み実行をしたのが25〜26日紹介した占領政治でした。
May 25, 2012「アングロ・アメリカンルール2(和魂洋才)」で」憲法前文で「国際信義を信じて・・」書いてあるのは武力に任せて非道な政治をしているアメリカに対して日本がせいぜい国際的に言える皮肉だったと書いたことがあります。
 アメリカ政府やこれを構成している国民はは国際条約など問題にしない・・占領してしまえば何をしても良いと言う野蛮な山賊国家だったことが分ります。
黒人が弱いとなれば、家畜として扱って来たし、弱い相手であるインデイアンに対する虐殺・・ほぼ民族根絶やしにしてしまった歴史・ハワイ人の言語使用を禁止してしまい、今やハワイ語を話せる人が皆無になっていると言われます。
占領さえすれば、民族の言葉を根こそぎ奪ってしまうような恐ろしいことを、(天を恐れぬ所行)平気で行なえる民族です。
日本占領時にも英語を公用語化して漢字等の使用を禁じる検討までされていました。
実際の歴史を見れば、アメリカ人は如何に非人道な人間の集まり・社会であったかを忘れてはなりません。
1月24日に紹介したように、1919年から対日戦争シナリを研究して来たアメリカは満州事変等のずっと前から如何に日本の台頭を抑制し、隷属させるかに意欲を燃やして来たのが、アメリカであり、基本的対日観です。
何故アメリカが第一次世界大戦ころから、中国寄りになったかですが、中国へ経済進出したい・・今と同様の実利があった外に、ロシアの南下を防ぐために日本を利用したように、中国への食い込みで先行している日本に対抗するには現地人を利用した方が良いと言うのが第一の視点でしょう。
現在も解放後の中国へ最も進出している日本を撃退するには尖閣諸島で反日運動を盛り上げるのが一番になっているのと同じです。
(裏でアメリカが反日をけしかけていることは何回も書いています)
これは戦後もソ連に対する抑止力として中国を利用して来た戦略に繋がります。
戦後の冷戦が20世紀中に米国勝利に終わったのは、共産圏を中ソ対立による分裂→米中連合に持って行ったからです。
それにどうせ有色人種が台頭するのならば、・・アジア人解放を掲げる日本よりか、専制的にアジアで君臨したい意欲満々の中国に任せた方が良い・アジア支配が簡単と思って来たフシがあります。
反抗的な独立運動家より、旧弊な現地君主・有力者を利用した方が植民地・属国支配が簡単という欧米の植民地支配方式の踏襲策です。
占領軍が天皇制を残したのを感謝している人が多いと思いますが、アメリカとしては地元名家のある場所・・東南アジアや中東で地元有力者を王家に格上げしてやると地元名家は喜び忠誠を誓います。
(中東の王族と言ってもせいぜい第二次世界大戦前後からの創設です)
地元名家のない地域では軍事政権を樹立させる・・韓国・フィリッピンや中南米でのやり方ですが、持上げられた王家や軍事政権は後ろ盾の米国の言いなりになります。
天皇制維持は・・・・中東等で急遽成立させた王家や、韓国中南米等の軍事政権を利用して間接支配に便利だから利用して来たのと同じ、冷徹な計算があったと思われます。
実際この結果、日本の民族主義者は感激して占領政治への抵抗運動をするどころか、逆に協力者になって黙ってしまいました。
アメリカは戦後韓国・中南米・ベトナムその他全ての場所で非民主抑圧的な軍事政権や王家(中東諸国)を創立支持・応援していたことと、民主国家・・民主主義を広めるために日本と戦争をしたという主張・宣伝と矛盾していることに注意する必要があります。
戦後民主主義の伝導・普及を大義名分にしていたのは、対日戦争の大義を維持することと、非民主国の共産圏に民衆の不満を高め内部崩壊またはその対策に手を焼かさせる目的があったことが明らかです。
この辺は、今でも現在のプーチン大統領が国内民主化運動は外国の手先によると非難している点が一部当たっています。
だからと言って圧政が良いと言っているのではありません。
外国の内政に対して人権や正義を声高に宣伝するときには、背後に国策が絡んでいると書いているだけです。

アメリカの指導力低下5(太平洋2分割)

話題を米中関係に戻しますと、今後中国政府の基準に合わせないと、中国市場から閉め出されるリスクの方が多くなる時代が始まりそうです。
アメリカに従って(忠勤に励んで)一生懸命にやっていると、あるとき頭越しに米中協定が成立して今度は主戦派が米中友好に邪魔だとしてイキナリ切り捨てられるリスクがあります。
米中対等と言うか二頭体制で世界秩序を決めて行こうとなると普通に考えられるのは習近平氏の提案どおり太平洋を二分して相互に相手の領域内は口出ししないという密約でしょう。
西洋の大航海時代に活発に行なわれた教皇子午線を巡る線引き交渉の現在版です。
ポルトガルとスペイン間で世界中を植民地化する大競争をしていてこれの勢力範囲を教皇の裁定によって決めてもらおうとして、繰り返された交渉ででした。
その後マゼランの世界1週成功後は、大西洋上の子午線分割だけでは、アジアの境界が不明になったので、(特にモルッカ諸島の帰属でポルトガルとスペインは激しく争っていました)アジアでも分割が必要になって子午線交渉が続きましたが、当時の新興勢力であった蘭英仏は蚊帳の外でした。
新興国が教皇のお墨付きを無視して勢力を広げるには、政府の関知しない海賊行為(イギリス)に頼るか、ローマンカトリックの権威を低下させるしかなくなりました。
結果的に新興国で新教に頼るしかなく、これが宗教改革に結びついて行ったことになります。
(イギリスでは新教以前に離婚事件を契機に国教会樹立でローマンカトリックと縁を切り、平行して海賊行為で旧秩序への挑戦を続け、武力でスペインの無敵艦隊を破ってしまいます。
その後ビューリタン革命で精神的にも完全にカトリックと縁が切れましたし、オランダは宗主国スペインへの反抗を兼ねて根っからの新教国です。
フランスは新旧両派の混在であったこと・・その分、旧秩序への挑戦が曖昧だったのでフランスが近代での世界競争で世界の覇者になり損ねたことになります)
現在の中国による太平洋2分割案は同じ歴史を繰り返すのでしょうか?
2分割を認めるとアメリカが一方的に支配領域を中国に譲る関係ですが、いろんな交渉ごとがうまく進まないとイヤになってしまい、世界の警察官役をやめたいと投げ出す段階・・もめ事に巻き込まれるよりは楽だという気持ちになるリスクを検討しておく必要があります。
アメリカが投げ出すかどうかは、警察官役を努める努力の割に経済メリットが少ないかどうかにかかって来ると思われます。
いろんな分野での交渉で覇権を握っている国は有利な立ち位置が保障されているのですが、シリア問題等で露呈したようにアメリカの指導力にかげりが出ると,アメリカの指導力に応じたアメリカの国益に沿うようなプラスアルファの交渉がうまく行かなくなります。
TPP交渉等で言えば、「アメリカが守ってくれるから、ある程度アメリカのゴリ押しでも受入れるか」と言う従来型妥協が(守ってくれるかどうか分らないとなれば)し難くなって来たのです。
アメリカは豊かな資源をバックに超大国としてやって来たのでしぶとい交渉は苦手ですから、国際交渉が何もかもうまく行かなくなると短気を起こして覇権(世界の警察官役)を投げ出す可能性があります。
アメリカだけは、太平洋2分割を自発的に受入れれば権益を譲ってやる代償もあって、中国市場参入の権益が保障されるでしょうし、アメリカ自身図体が大きいので、中国もアメリカには直ぐには手を出せませんので何の心配も当面ありません。
尖閣諸島〜沖縄等の防御ラインをなくしても、当面中国によるアメリカ本土攻撃の心配がないでしょう。
アメリカに従っている日本や東南アジア等中小国は、イキナリハシゴを外されると本隊の撤退後に前線に取り残された前線基地のようなもので、直ぐにも攻撃される心配が生じます。
突き放されるのが嫌ならTPPその他の交渉でアメリカに大幅に譲れというスタンスでしょうか?
韓国のように、そんなことなら中国につきますという選択肢も生まれます。
中国市場の方が大きくなると、少しくらい中国に無茶言われてもアメリカに守ってもらうために大幅譲歩するより、中国に従った方が良いかと言う国が出て来てもおかしくありません。

マスコミの信用失墜10(都政と原発政策)

ここでは、マスコミの行き過ぎた過去の思想誘導行為が中韓寄り過ぎるとネットで批判されると、今度は現政権にすり寄っているだけで、思想誘導したい性向が改まらない問題点を書いています。
原発をテーマに立候補するのはおかしいとマスコミが一斉に批判していますが、都の政策が国政に与える関係が大きい・・逆にインパクトがあるからこそ、黙っていられなくなって都政に原発が関係ないと言うマスコミ総出の大反発と見えます。
都知事選で原発が良いかどうか、これをテーマに立候補するのが良いかは、マスコミが決める事ではなく都民が選挙で決める事です。
1票の格差を言われて久しいですが、国政で意見を言えと言われても国政選挙では都民の声は比率的に低く抑えられている面を無視した意見です。
排ガス規制の例を挙げましたが、全体の流れを指導する有効な仕組みが都の巨大さです。
民意反映は選挙によるばかりではなく、指導的立場のグループによる先行政治の影響力も無視出来ません。
アメリカの事実上の指導力発揮の御陰で、世界的に民主化が進み女性の地位向上などいろんな分野で前進があった面を否定出来ません。
(アメリカに都合の良い政治もあって反発がありますが、それとは別に国連総会で1国1票の理念論ばかりでは前に進まない事が多いのが実態です。このためにG7などが必要になっています)
原発政策の可否にとって、当面巨額貿易赤字が発生しているので国民が不安に思っているのは確かですが、要は短期ではなく長期的にはどちらが経済パフォーマンスが良いかが問題です。
その他に科学技術の維持発展・安全保障の問題も重要である事を以前書きましたが、都民の選択はどちらかと言えば経済と生活の安全でしょう。
原発事故に伴う生活の安全(放射能リスク)・安定供給となれば、都民だって全く無関係な立場ではありません。
中国のように将来を無視して公害防止に資金を投じないで公害だらけの国にしているのと危険対策費や廃炉費用等を積み立てないで、目先の低料金設定をしているのとはやっていることは同じです。
経済パフォーマンスが同じならば、危険性が高い原発よりはその他電力の方が良いに決まっています。
(火力発電所の大事故があっても都民が一斉に避難するような事態は起きません)
以前から書いていますが、貿易赤字が円安を導いている有利な効果も大きいのです。
現在は僅かに福島一カ所の東電の事故処理だけのためにさえ、どれだけの巨費がかかるのかすら見えていない・・全部の原発廃炉費用がどうなるか、この間の地元対策費・・利益誘導型公共工事の大判振る舞い・・緊急時避難場所の手当、テロ対策警備費・規制委委員会等運営経費等の国費投入のコストなど全部含めて本当に火力その他に比べて安いのかが国民に見えません。
結果から見てはっきりしている事は、東電が自前資金で一カ所の事故処理でさえ解決出来ない・・政府資金投入しないと除染・廃炉その他解決出来ないという事が明らかになっていますが、これは電気料金ではコスト的に賄えていない・・コストに見合った電気料金設定が出来ていない事を証明しています。
原発がないと貿易赤字になるという脅しは、運送屋で言えば「当社は車の修理や事故処理・賠償は政府がやってくれるので他社より運賃が安いでしすよ!」と宣伝しているようなものです。
地元対策費を含めて巨額なコスト負担を政府・・税金に頼りながら、(総合計のマスコミ発表が一切しないで)火力より電気代が安いと言っても普通の人は信用出来ないのではないでしょうか?
ただ都民が経済パフォーマンス以外の要素を重視する(近い将来廃炉技術が確立する事に期待したり・・将来の核兵器保持の手段を残しておくなど)かも都民の勝手です。
選挙はそのためにあるのですから、マスコミが原発問題を都政のテーマにするのがおかしいと宣伝するのは行き過ぎです。
自衛隊元幕僚長であった田母神氏も立候補表明していてそれなりに人気があるようですが、彼は国際政治における保守的主張で大人気になっている人物です。
彼自身も保育所増設やその他都政の細々したことに何らかの経綸抱負を語っているのではありません。
保守か革新かは都政に関係ないとマスコミが決めつけることではなく、どう言うテーマで都民に訴えて選挙するかは候補者の勝手です。
都民だけはなく日本中で石原氏の右翼的発言に溜飲を下げた国民が多かったことを忘れては行けません。
国政でない分、アメリカに遠慮せずに自由に発言出来た効能も否定出来ません。

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