フラット化対応5(品質競争の重要性)

商店が一杯あって買い物に自由に出掛けられるのと他人を自宅に泊めてやらねばならないこととは別問題・・貿易拡大・物品流通拡大・人の移動拡大と移民自由化とは別問題でしょう。
国際流動化時代を生き抜くには長期的には民族レベルの底上げこそが重要であって、たとえば平均レベルが60点台にあれば60ポイントの賃金を払っても国際競争力があり、ひいては80点台の人との収入さが僅かに20ポイントしかない・・格差縮小可能です。
格差縮小するには末端労働者の能力を無視して賃金をあげれば良いのではなく、(経済原理無視で賃上げすれば、東南アジアに工場が逃げられた中国のようになるだけです)能力差を縮小する努力こそが求められます。
移民・・多くは後進国から入るので工員の品質が落ちます・・民族レベルが劣化すれば・未熟練者・貧困層が増える一方で,他方で金融のプロなど高額所得者を誘致(シンガポールなどが有名ですが・・ロンドンもその1例です)するので、格差拡大が余計進んで行きます。
イギリスの国民投票結果から見ても金融関連で潤うロンドン周辺では残留支持が多く、元々の製造業地域では離脱派が多いと言う地域分布から見ても明らかです。
シンガポールのような都市国家であれば金融特化してもその周辺で恩恵を受ける比率も高いのですが、(ロンドン独立論は冗談のようでいて、実は経済合理性のある意見です)一定規模以上の国家の場合、資源・金融や知財特化では国民全般の底上げには無理があります。
農業社会から工業国への以降は筋肉労働の必要性などから移行が簡単でしたが、それまでの製造関連従事者が金融や知財・サービス業にイキナリ特化出来る訳がないし,世代交代後はサービス業その他に適応出来るとしても元製造業が吸収していた多数従事者がいりません。
1回の金融取引が10億円から200億になってもキーボードを叩く手間は同じ・・一人でやれます。
サービス業従事自社は、スターバックスやコンビニ・スーパー店員を見ても明らかなように非正規中心・・格差拡大・・末端が増える一方になります。
製造業が国際的賃金平準化に負けないためには品質競争=従事者のレベルアップすべきであって、これを怠って低賃金競争に参加するために底辺労働力補充を低賃金=低労働能力者である移民流入に頼るのは、仕入れ品の値下げ圧力や人件費を削る=品質を落とす・・単純値下げ競争に入ったのと同じです。
移民導入策は、手間暇のかかる商品品質アップ・・労働者レベルアップ努力による新興国との品質格差競争を諦め、賃下げ競争参加策(職人のスキルアップを諦めて1流仕入れ先から2流仕入れ先への変更・レストランで言えば1流料理人から3流料理人への変更)による低コスト化を採用したことになります。
仕入れコストや人件費を下げれば、有能な人材が集まらなくなる→労働者や職人の能力低下が進むのは明らかですから、結果的に全般的低賃金化が進みます。
経営者利益維持のための低賃金化進行+経営利益維持策→格差拡大ですから、移民導入で新興国との値下げ競争参加→低賃金化による国民へのしわ寄せしてきたことに対して欧米諸国の労働者が遂に怒り出したことになります。
欧米労働者自身がスキルアップの努力しないで3K職場に就職したがらないで移民に仕事を奪われているのは自業自得ですが、経営側が賃下げ競争モードに入っていて個々の労働者の向上意欲を阻害して来たことも原因です。
アメリカでは反ウオール街・・格差拡大反対・・これを突き詰めて行くとその原因になっている移民政策の間違い…アメリカやイギリスの移民反対〜西欧の難民拒否等が正面テーマになって来たのはキツネに化かされた人が正気を取り戻した状態であり、論理的であり感情論ではありません。
ただ国民・労働者が移民反対を言う以上は、3Kはイヤだと言うのでは一貫しませんし新興国並みの低賃金で働くか、先進国だからと高い賃金を要求するならば新興国労働者と品質競争に勝つために自助努力を出来るかどうかにかかっています。
ただ移民を排斥・追い出したからと言って、人件費が上がる訳ではない・・品質競争のないまま賃銀だけ上げれば、新興国との競争に負けます・・ことを繰り返し書いてきました・・要はレベルアップ努力出来るかの民度の問題です。
数年前から仏独で民族主義主張が増えて来たし、アメリカでトランプ現象・今回のイギリスのEU離脱国民投票・・全て、移民を入れる値下げ競争では疲弊するばかり・・国民が耐えられなくなって来た現実が表面化して来た「裸の王様」が寒くて震え出した状態です。
企業の値下げ競争は製造工程変革によるコスト下げをしないで仕入れ価格引き下げや人件費引き下げによる場合、従業員や納入業者の疲弊→民族劣化進行しかありません・・値下げ競争に入った多くの企業・商店は早晩行き詰まるのが普通です。
本来の競争に勝ち抜くためには、品質で勝つしかない・・民族劣化を如何にとどめるか・・民族水準点を引き上げることこそが国際競争に勝ち抜く本質です。
民族、環境のレベルアップを考えるには、高給レストランやホテルに浮浪者が出入りしていたのではいくら従業員教育しても、ホテルやレストランのグレードが下がるのは避けられません。
日本は移民を入れる値下げ競争に参加せずに品質競争で勝負する・BtoB・・高度部品製造に舵を切って努力し・・農業でも量ではなくうまいものを少量作るパターンを追及して来た結果、今や成果が出始めていることは周知のとおりです。
構成員レベルの底上げ作業は大変な事業ですが、優秀な人材を誘致し、低レベル構成員を弾き出せば簡単に平均レベルが上がりますので、移民排斥論も自己努力を怠る考えである点は移民導入論の裏返しの議論です。
資源に頼ったり個人で言えば、親戚関係・コネ賄賂利用・・国際政治力を利用してFTAその他有利な地位を築くなどの外部環境に頼るのでは真の解決は出来ません。
日本の場合には折角自己努力による民度アップに取り組んでいるのですからこれ以上移民が増えて平均点を下げないように努力し、他方で国民レベル向上策の更なる努力こそが重要であると正面から認識して行くべきです。
西欧やアメリカはこの困難なテーマに取り組むの怠って移民導入による安易に(人件費の)値下げ競争をして来たツケが回って来たのです。

国際政治力学流動化5(ウルグアイラウンド中断→FTA)

今回のサミットの大得点は(毎年そのときのテーマ・・数年すれば忘れてしまうテーマに過ぎない多くの首脳宣言よりは)オバマ大統領の広島訪問でしょう。
被爆者代表のオバマ大統領に対する対応姿勢は、百万言を要しない、日本の蓄積して来た文化をそのまま表しているもので、日本人的に見れば完璧・・感激した人が多いでしょう。
ルーズベルト政権による戦争開始以降アメリカ国民に対してデマ報道で煽って来た日本悪玉論とその締めくくりとして強行したでっち上げ東京裁判の酷さ、このでっち上げ裁判批判から逃れるために噓の上塗りとして戦後70年にわたる日本に対する道徳批判・日本敵視政策を陰陽にして来ましたが、(中韓を煽る慰安婦や南京事件の創作後援)を1昨年頃から修正し始めたのは対日敵視政策変更の一環です。
TPPの意義について少し書いておきます。
元々自由貿易主義とは、競争優位の国にとって土足で踏み込む権利を認めろと言うのと同じですから、アメリカが国際競争上圧倒的優位だった期間中にじぶんの都合で推進してきた原理であったことが明らかです。
ところが自分の決めたルールなのに、特定分野で日本に負けるようになって来ると日米繊維交渉や電機交渉などの個別通商交渉などで日本からの輸出規制を要求するようになって来て、(スポーツで日本が勝ち進むとイキナリルールが変わるようなことが経済界でも行なわれて来ました)自由貿易主義の本家アメリカのイメージダウンが進んでいましたが。
その後、個別規制ではどうにもならないほどアメリカや西欧諸国が日本に負ける分野の裾野が広がって来ると個別交渉濫発では、自由貿易の旗手のイメージダウンが気になって来たらしく、自由貿易主義の旗印を守るために急激な円高にして日本に大幅なハンデイを負わせる方針に切り替えた(スポーツで言えば、ルール変更ではなく日本人は片手で戦えと言うようなものか?)のがプラザ合意でした。
それまでは欧米が競争優位を前提に世界的な関税撤廃交渉・・自由貿易主義の旗印で「ガット」その他(プレトンウッヅ体制)を運営して来たのですが、日本の台頭で自由貿易主義強調による欧米の旨味が日本に奪われて来たので、戦後の自由貿易体制から日本を排除しようとして来た流れがあります。
第二次世界大戦に日本を引きずり込んだことの焼き直しです。
EUも結成目的は、戦前のブロック経済の再開の意味であったと書いてきましたが、ウルグアイラウンド.包括的関税撤廃交渉がその後全く進まなくなった原因は欧米が自由化を進めると日本が得をするほうが多く欧米にメリットが少なくなって来たので妥協しなくなったからです。
86年に始まったウルグアイラウンドでは結局合意らしき合意もなく頓挫したままになっていることは周知のとおりで、その後全加盟国に効果のある包括交渉が停滞し個別FTA交渉に移行して行ったのは偶然ではありません。
日米交渉の例で言えば、アメリカの圧力で牛肉の関税引き下げをするとアメリカより安い豪州の牛肉ばかりに輸入が増えた例がありますが、一般的関税引き下げ交渉が成功しても下がった関税で得をするのは競争力のある国です・・国際競争力の下がった欧米にとって得になる場合が少なくなくなっていたのです。
そこでみんなが恩恵を受ける一般的な引き下げ交渉よりは、特定国同士だけの引き下げ交渉・・FTAに移行して来たことになります。
プラザ合意以降欧米による日本孤立化政策の一環と言えるかどうか不明ですが、結果から見ると、WTOの包括的関税引き下げ.ウルグアイラウンドの失敗・・と言うよりは欧米による事実上推進凍結方針により個別のFTA交渉主流に転換したと見るべきです。
個別交渉になれば、自国より競争優位の国との相互関税撤廃をすれば弱い方が損に決まっていますから、いろんな分野で競争力のある日本とFTAをしたい国は滅多にありません。
たとえば、フランスやイタリアが特定ブランド品では日本へ輸出で有利としても、その何倍もの日本の工業製品が低関税で流入する場合トータルでは仏伊にとってフリですから日本とのFTAを渋ります。
その結果欧米の応援を受ける中韓は、ドンドンFTAを締結して輸入関税を逓減しているのに対して、世界最強競争力を持つ日本だけどこからも殆ど相手にされない孤立化政策にはまっていました。
円高政策とFTA包囲網造りが進んだことが失われた20年と言われる基礎状況でした。
米韓は別にFTAを結んでいますし中韓FTAも締結していますが、世界中が日本に対して表向きFTAを拒否しないものああだこうだと言いがかりをつけられてはFTAを殆ど締結出来ていません・・。
最近韓国で日産車の燃費偽装の有無が問題になっていますが、報道によると英国生産品だったことが分ってきました・・隣の韓国へ輸出するのに英国で作らねばならない・・日本製を輸出出来ない仕組みが世界中で張り巡らされてこれが完成していることが分かります。

西欧の長期的衰退5と中国接近7

企業・スポーツ団体・組織でも自分より優秀な人を排斥してレベルの低い人ばかり優遇していれば自分の地位が脅かされず安泰ですが、組織全体は劣化します。
競馬界ではイギリスが本来名門ですが、世界の名馬になったディープインパクトの西欧デビュー先から外されてフランス凱旋門賞へのデビューとなりました。
イギリスやアイルランド競馬界に修行に行った日本人が散々辛酸をなめさせられた逸話があった関係でイギリス行きの声が出なかった可能性があります。
イタリアへ料理修行に行くともの凄い嫌がらせが続くことが有名ですし、フランスもディープに対して相応のイヤガラセをしたようですがイギリスの嫌がらせよりマシだったと言う程度です。
競馬後進国日本の名馬が西欧を下に見て世界で活躍するなど許しがたい点では、第一次世界大戦後アジア人のくせに台頭した日本を許せなかった意識で日本潰しのために団結するようになったのと同じ・・職人等の庶民は国の政策本音をそのまま露骨に出すので分りよいだけです。
イギリスはこれを露骨に出し過ぎたので、以後世界の名馬デビュー先として凱旋門賞出馬の流れが出来てしまい賞金もアップするなどイギリス競馬界は傍流に追いやられてしまっています。
日本外しの先例・効果の1つです。
中国は昨年の経済変調以降日本企業再誘致に必死ですが、日本企業は反日デモの教訓を得たので慎重姿勢を崩しません。
態度の大きい国・・小心過ぎて謝る度量もない点は韓国同様で、更に強迫したら日本が謝って来たと言う形式をとりたいらしく、未だに天安門事件などないことを反日教育したり、領海侵犯を更に酷く繰り返している状態です。
こんな状態では・・ソモソモ日本人の中国に対する怒りが収まっていませんので企業もこっそり協力するしかない状態でしょう。
新興国側は旧宗主国への憧れ等ないまぜにした感情で、(応仁の乱や明治維新で落ちぶれた旧家の姫様を妻に迎え入れるような感覚です)憧れの企業を買収するのですから元々経済合理性がありません。
新興国・技術下位の企業なのに資本がある・・その多くが低賃金を武器にして発展した企業です。
こうした場合、買収側の経営人は低賃金活用による成功体験しかないので、資本家が口出しするとすれば(技術部門は学ぶ方ですから)人件費関係しかないのですが、先進国では賃下げが不能なので自国等人脈のある国の低賃金労働者の利用・・移民に頼る経営指導になり勝ちです。
上記が中韓など新興国資本中心で資本を入れて来た西欧が,数十年にわたって低賃金の東欧諸国EU加盟促進や移民受け入れ政策にシフトして来た遠因です。
アジア新興国資本と一緒にアラブ・アフリカの低賃金労働者(マスコミにはトルコ人労働者しか出ませんが、フランスに25年ほど前に行ったときに中国人タクシー運転手その他一杯いました)も引き入れたことになります。
日本を含めて先進国では外国人だからと賃金差別できませんので、外国人を入れることによる人口ボーナス期待は百年単位の長期的期待であって、20〜30年程度では、民族宥和の困難さなど負の影響が先に出てしまいます。
移民受入れ政策をマスコミは折に触れてそれとなく誘導しますが、中短期的な競争力復活に影響しません・・裏から言えば基礎能力の低い移民の失業率が高いので・・ちょっとでも景気減速すると先ず移民にしわ寄せが行く問題があります。
この辺は自国民でも弱者・老人や身障者等に同じ給与を払え,あるいは産休中の生活保障しろと企業に強制すると却って弱者の就職先が減るのと原理が同じです。
女性や老人でも役に立てば仕事がある・・要は彼らの働ける仕事を作ることが重要です。
腕力の必要だった土方やトラック運転仕事が機械化で女性でも操作できるようになる・・ちょっとした工事現場でも必ずトイレ設備を設置するようになったり長距離移動中でもコンビニにトイレがあるなどのインフラとの兼ね合いが重要であって、人権屋が平等待遇ばかり叫んでいても解決しません。
移民に対する能力相応の低賃金であれば、不景気耐性が強い→能力の割に賃金の高い白人下層労働者が不景気で先に削減されますので、白人の失業防止目的で「人権」と称して同一賃金を要求することによって、白人底辺層の意民受入れ反発を防止してるのかも知れません。
白人底辺層と移民とは相容れない関係ですから、白人底辺不満を宥和する=移民に困難を強いる関係→テロ予備軍に追いやるジレンマがあります。
能力に応じた賃金体系・・市場原理を取り入れない=労働能力の低い移民や2〜3世に対して地元フランス人などと同じ賃金だと彼らの賃金が割高になってしまって、結果的に余程景気がいいとき以外には就職困難にしてしまい、ちょっとでも不景気なると失職リスクが高まる・・テロ組織の勧誘を受け易くしています。
日本人でも身障者や移民等に市場原理に反した最低賃金支払を企業に強制せずに最低賃金以下の人には差額に応じた医療費割引き・運賃割引や生活保護・・産休基幹の生活保障も個々の企業負担でなく、失業保険の適用などの別の工夫が良いでしょう。
先進国の人件費が高いのは、相応の訓練(学歴や専門学校)を受けていて高い賃金に見合う生産性があるのですから、・・訓練を受けていない技術力の低い後進国からの移民に同じ給与を与えるべきとする人権?理念自体に無理があります。
移民2世は、両親の言葉や文化蓄積が違うので移民先の教育・職業訓練にうまく馴染めず、元々の居住者に比べて地元教育への適応困難になるのが原則で、2世の多くは移民先の学校での不良予備軍・元々のクラス最底辺層の更に下層に沈み,物心ついたときから学校や遊びの場で孤立していると屈折して育つので成人するとテロの温床に(2〜3世で一番リスクが多く)なります。
移民1世は元々違い・・苦労を知って来ているのでそれなりの覚悟があってそれほど不満がないことをこのコラムで書いたことがあります。
移民の場合、この外に教育(バイリンガル・治安コスト)や社会宥和を含めた能力アップ・・これには、何世代にもわたる時間と金がかかる・・コストから考えて「移民受入れ反対」と言うのが私の持論で、古くは01/04/02「外国人労働力の移入 1」以下その他で繰り返し書いてきました。

西欧の長期的衰退3と中国接近5

ちなみにホンハイの買収資金は日本の銀行が出すと言う報道でした。
シャープに貸していた日本の銀行業界が若干の債権放棄して損を出す代わりに残り何割かをホンハイに借り換えてもらった結果です。
シャープ経営危機騒動をもしも放置すれば、大幅赤字→倒産・・その結果は、金融資本家の大損+解雇・・雇用不安が一般的ですが、実際には能力のある技術者を同業他社が虎視眈々と狙っているので給料分働ける人の雇用不安は起きません。
この段階で給料分働いていなかった労働者が再選別されるだけのことで、社会のスクラップ&ビルド・・活性化に資するから整理淘汰は速やかにした方が良いと言うのが私の持論です。
この辺の理は10/19/02(2002年)「会社更生法と日本経済 1(大手ゼネコン倒産の場合)」10/21/02「会社更生法と日本経済3(金融機関の倒産 2)」01/28/09「公的資金投入と自国産業保護1」に書いたことがあります。
シャープを放っておけば、金融界や資本を出した人は損をしたでしょうが、有能な技術者は遠慮なく他社に移籍出来るので、まとまった技術流出がほとんどなかったことになりますので国益としてどちらが良かったかの吟味が必要です。
(相手が友好「国」?である台湾なので国民は問題視していませんが、これが韓国・中国企業が買収に名乗りを上げていたらどう言う反応になっていたかを考えれば・金融資本救済と技術流出のどちらを選択すべきだったかの本質が分ります・・ホンハイはダミーで裏に中国企業がいるのでないかの憶測もあります)
ただし、シャープ買収が決まると日立などで早速7000人とかの大量募集を始めたので、シャープから優秀な技術者の流出が予定されますので、ホンハイは他所に逃げられないクズだけを確保する結果(ただし設備.研究のやり方などシステムをセットで入手出来るメリットは大きいでしょう)になり兼ねません。
ロンドン金融界も原発受注に対して中国企業には融資出来るが、自国企業には融資出来ないと言うことでしょうから同じ構図です。
中国は外貨準備枯渇進行(手元不如意)にも拘らず、世界中での企業買収やイギリスでの原発工事など猛烈な攻勢をかけていますが、買収資金は市場原理に合う限り国際金融市場等で調達出来るので(ユダヤ系を中心とする金融界は国益よりも取引拡大は大歓迎ですし)外貨準備が流出する訳ではない・・懐具合に影響がありません。
政治力発揮のための不採算工事受注=工事代金全額を中国政府が貸し付けたり長期採算保証する場合、国内で不採算鉄道などを無茶に施工してきたのと同じ発想です。
受注金額が相場よりバカ安くても・・新幹線の損失が出ても全部中国が負担する契約、中国が貸す金・・回収不能を見越した援助の場合・貸す額面が減るだけで実質お金の動きが変わりません・・赤字受注企業には別の補助金で補填すれば同じですから鉄鋼製品ダンピング輸出と同じ原理でやっているのですから日本がインフラ輸出競争では勝てません。
ただし赤字受注・・インドネシア,中米・アフリカ等での政治目的の無理な赤字受注は、元々市場で資金調達を予定していない→中国の自己資金を予定しますので国外の場合紙幣をすればいいのではなく、外貨準備の制約があり、外貨準備枯渇進行で自己資金をこれ以上出せなくなっていろんなところで中断しています。
自己資金で政治目的の無茶な受注が出来なくなったので、他人の金利用なのに自己資金による政治思惑投資と同じ影響力維持を狙って・・都合が良過ぎます・・始めたのがAIIB設立です。
自己資金でない以上は、誰が出すの?市場の信認がないと誰も出資しませんので、結局ポシャったままですが・・。
成長途上の先端企業買収の場合、世界市場で資金調達できるので世界先端企業を買収して先端技術がただ(他人の金で)で手に入ります。
どんなに巨額買収資金を掛けてもどうせ他国の金ですから、・・自国外貨準備が損なわれる心配がないし、技術さえ入手してしまえばその後その企業をデフォルトさせても入手した技術を返したり差押さえられる心配がないので中国に取っては技術の取り得です。
ここまではどこが最後に損しようとも金融業者にとっては仕事が増えてうれしいばかりですが、こう言うのって国益・民族益に合っているかの疑問が起きて来たのが最近世界のうねりです。
西欧で民族主義的主張が増えて来たのは、あまりにも最近のグローバル化の動き・・裏で動いている金融資本家の動きによって民族利益が損なわれ過ぎていないかの疑問が基礎ですし、アメリカ大統領選のトランプ旋風や・反ウオール街気分の盛り上がり→パナマ文書公開などグローバル資本の動きに対する反発の原因です。
いずれにせよ中期的に見れば、バブル崩壊を先送りするためにゾンビ企業の債務を無制約に拡大し、債権者を世界に広げて移し替えて行く(AIIBはその嚆矢です)中国の動きはその内行き詰まるでしょうから、誰が中国負債を引き受けて最後のババを引くかの関心になります。

中韓の反日行動と技術移転1

中国も韓国も反日を貫徹するためには、日本からの部品供給に頼る仕組みを変えるしかありません。
ただ、韓国(慰安婦騒動過激化)や中国の反日暴動や尖閣諸島海域侵犯も実は本来の反日ではなく「もっと技術移転しろ」と言う甘えと脅しのミックスだった可能性の方が高いように見えます。
戦後何十年も言いがかりをつけられると日本政府が「まあまあ」と応じて来た経験がそのような行動を誘発させた原因でしょう。
時あたかも東日本大震災被害で日本が困りきっているこのチャンスとばかりに慰安婦問題を激化させ,中国は領海侵犯と暴動をしかけ韓国は領海侵犯するほどの実力がないので占領中の竹島に大統領が上陸して精一杯の攻勢をかけました。
これは1国がイキナリやったのではなく、中韓が語らってロシアまで引き込んで(ロシアは北方領土への大臣上陸や列島周回威嚇飛行の繰り返し)大掛かりにやったものと想定されます。
ついでですが、ソ連は先の大戦末期に日ソ不可侵条約を破った上で、何十万人の日本人をシベリアに連行・抑留しただけではなく、戦後70年も経過した今でもちょっと相手が弱ったと見ると日本と何のトラブルもなくともこういうことを何のためらいもなくする・・信用出来ない行動をする国であることを肝に銘じて置くべきです。
韓国の反日行動激化に戻りますと、次の朴政権の中国寄り政策は彼女がイキナリ始めたのではなく、前政権が軍事行動として周辺国と謀議のうえで始めた以上それを承継するのは国家としての帰結です。
謀議参加までは行かないまでも、親中韓基本の民主党政権ならば脅せば技術移転に協力すると思ったのか、あるいは親中韓政権と阿吽の呼吸での密約があったのでしょうか?
中韓露の攻勢に対して日本国内は(幕末のように)騒然となり、安倍政権に政権交代の上、慰安婦問題にも毅然と対応する・反日暴動に資本移転で対抗し、領海侵犯には実力で対応する、レアア−ス禁輸には技術革新と入手先変更で対応することになったので、三国は裏目に出た状態でしょう。
このときのアメリカによる「ともだち作戦」の実行は日本国民のアメリカに対する信頼間醸成に大きな貢献があったと思われます。
困ったととき応援してくれる国と侵略を狙う国の違いがはっきりしました。
中韓露の攻勢に対して日本が想定外に反発したので、ロシアはすぐに手を引き、中韓派は脅しが足りないとばかりに次の朴政権が慰安婦問題で世界的大攻勢を始め中国は領海侵犯行為を激化させ(小笠原まで出掛けて珊瑚礁を破壊し尽くしたこともありました)ましたが、安倍政権が毅然と対応した結果遂に矛を収めるしかなくなりました。
ところで、日本企業の立場になると自社工場が襲撃されると困るので(脅されても虎の子の革新技術を移転には応じなかったと思われますが)企業によっては(日本国民に知られないように)裏でかなりの技術移転が進んだ可能性もありますので中韓による強迫攻勢は一部成功していると思われます。
ですからここで書いているのは大方の傾向です。
たとえば、レアア−スを原料として買うだけではなく、中国国内加工・製品化要求に応じた企業が多くあったと想定されます。
ただし、昔迷惑かけたから謝罪のつもりで進んで協力・移転するのと脅されて仕方なしに協力するのとでは基本が違いますのでこの差が今後どうなるかです。
全体的には脅されても虎の子の基幹技術移転には応じなかったと思われますが、新幹線に関しては以下のとおりです。
以下は5月21日現在のウイキペデイアの記事ですが、これによるとこんな無茶苦茶な条件で輸出に応じたJR東日本は(人質に取られている施設はなかったと思われるものの・・いろんな裏事情があるのは当然ですが、)外見と結果から見れば言わば国賊ものではないでしょうか?
 ttps://docs.google.com/document/中国高速鉄道CRH2型電車
中華人民共和国側は当初、CRHを自国製の高速鉄道車両としてアピールしていくと発表した。これは、中華人民共和国側の車両購入条件として“中華人民共和国へのブラックボックスのない完全な技術供与”があり、その技術も含めた購入のため、「自国の技術」と言い換えることができたためである。
この車両販売に際しては、台湾高速鉄道の主として車両を受注したJR東海が参加を見送り、逆に積極的だったJR東日本のE2系ベースの車両が納入された経緯がある。JR東海が参加を見送った理由は、
中華人民共和国へ全ての技術供与をしなければならず、技術流出が懸念されること
技術供与により次回受注ができず、日本側への継続的な利益が見込めないおそれがあること
本来、新幹線は地上設備等も含めた総合システムとして運用されているものの、車両のみを販売すると安全を保証できないおそれがあること
等を懸念したためであった。」

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