大規模工場閉鎖の恐怖

中国が、国民を豊かにするために外貨準備を仮に国民に均等分配すると一人当たりいくらにもなりません。
仮に13〜14億人しかいないとしても、一人1万円で13〜4兆円、ひとりあたり10万円でも130〜140兆円必要ですから、(100万円の場合その10倍)外貨準備を全部使ってしまう訳にも行かないので、国内底上げ福利政策に使うには足りません。
(一人っ子政策の結果違反して生まれても戸籍届け出来ないまま・・戸籍のない人が億単位でいると言われていて、実際には20億人近いとも言われていますから大変です。)
冷蔵庫や洗濯機テレビ・クーラーなどを1台ずつを配ったら終わりと言うか、その行き渡った後はその維持コスト・・電気代等(資源輸入)が毎年跳ね上がり生活費の上がった分を賄うには、人件費を上げるしかなくなりますから、国際競争力の低下・・貿易黒字が減ります。
たまに報道される中国のローエンド製品工場(独餃子事件の工場や最近期限切れ非衛生で問題になった鶏肉唐揚げ工場など)をカイマ見ると、何千人から万単位の工員の働く大規模な工場が多いのに驚きますが、言わば低賃金と人海戦術で世界の工場・輸出基地の地位を確保して来たことが分ります。
餃子や唐揚げの技術が優秀であるから世界市場を席巻しているのではなく、大量加工向け人件費の安さのみが取り柄です。
人件費が上がってこの種の工場が殆どなくなってしまうとすれば、これを高度部品工場に入れ替えて行くだけでは(これが仮に成功しても)何十分の1の工員数で足りますので、中国で大規模な失業が発生してしまいます。
日本のように手仕事に頼っていた零細町工場が、機械化された大規模工場に負けた場合、もとの技術を利用した転進の道・・成功するのは何割しかないしても・・があります。
零細加工業から大企業への過程を省略して、低賃金を売りした大規模工場がこつ然と現れた後進国では、バングラデッシュやインドネシア等の更なる低賃金国に追い上げられて工場閉鎖になると工員には何の技術もないので転進の道がなく大量失業になります。
日本でも工場が海外移転→閉鎖すると工員が自力で何か始められる人はごく少数ですからその点は同じとも言えます。
ただ日本の場合、近代化に負けた零細企業ばかりではなく、しぶとく生き残ってニッチな部品等で世界のオンリーワン企業に育っている例が一杯あります。
大きな木が倒れて、その空き地で小さな新芽・生命が一杯出てくるような状態です。
中国の場合、大規模低賃金工場が駄目になって来たのですが、日本のように大工場跡に部品工場が生まれる訳がないので、何とか日本から高度部品を進出させたくてウズウズしている状態です。
最近では部品輸入に対して独禁法違反等の嫌がらせを始めてトヨタなどでは、部品値下げを事実上強制されている状態です。
多分部品輸出するばかりで現地工場を建てないと「際限ない嫌がらせをするぞ!と言う脅しのつもりでしょう。
最近のアメリカ企業子会社の食品工場の期限切れ鶏肉問題の大々的なテレビ報道と言い、もう外資はいらないと言うメッセージとも読めます。
米企業子会社に対する大々的報道の後では、独禁法違反等で外資中心に嫌がらせを始めたのは、この流れかも知れません。
ただ、食品工場の不潔大報道の結果、中国政府の思惑・・アメリカが中国の太平洋2分割論を認めないことに対する意趣返し?目的とは裏腹に、日本人の中国製食品離れが大きく起きて、(飲食業関係で中国製を使用していると言えば顧客離れが起きるのが普通です)結果的にタイや周辺国からの食品調達へ動きが加速してしまいました。
これで懲りたので、特定企業摘発よりは独禁法で締め上げる方が良いとなったのかも知れません。

貿易黒字(依存率)と内需5

15日引用したグラフ解説者の意見を敷衍すると、まだ貿易社会に参入できない最貧国等は別として、近代化離陸中の国は貿易依存度が高くなるの逆から言えば依存傾向がある・・依存度の高い順に国内経済はまだ未成熟な離陸開始直後に近いと言えます。
(ドイツの貿易依存率の高さは異常ですが、この点については別に書きます)
近代社会に参入したばかりの国では、先ず外貨を稼ぐことが最重要ですし、国内購買力が低いので、自国民相手に物を作ったりサービスするよりは、輸出基地として投資を呼び込み先進国で受入れられるものやサービスに特化して売り込みに励むしかありません。
結果的に自国民相手の経済ではなく、目の前の国民を顧客として大事にしないで、遠くの国への輸出品製造基地として投資を呼び込み、輸出に精出しているのが発展段階の初歩と言うべきでしょう。
中国が輸出基地として深圳特区など作って外資を呼び込み、貿易黒字に精出して黒字を溜め込んでいたのは、この意味で参入当初の行動としては当然の行為であり、立ち上がりに成功したと言う程度のどこにでもある結果です。
商人・産業界が国民を客として重視しない社会では、政治制度だけ国民主権と言っても建前に過ぎず、実際には無理・・国民不在政治になりガチですので、開発独裁と言われるように新興国では独裁政治の方が似合っています。
キャッチアップ型社会では先進国の真似をしていれば良いので、国内で試行錯誤的議論する必要もなく独裁の方が効率的ですから独裁が向いていると言われてきましたが、政治だけではなく、民間経営者にとっても輸出先である外国の顧客志向ですから足下の顧客をあまり意識しない経営体質になっていて、・・社会全般に国民の意向軽視社会で済む点も独裁の下支えになっているのです。
まだ中国が解放直後の立ち上がり段階では、(自由経済参入する以上は共産主義とは矛盾していますが・・)1党独裁のままであったことについては、社会的妥当性がありました。
新興国を卒業してOECDに仲間入りした筈の韓国が、新興国顔負けの貿易依存率100%と言う突出ぶりを示しているのは、外形的高成長にかかわらず、輸出基地として発展開始したばかりの後進国同様に国内経済がなお未成熟であることを証明しています。
韓国は国内経済が未熟なまま無理して軍事独裁政権から民主政権に移行しましたが、経済内実が伴っていないで王朝時代の搾取構造(専制支配の民間版である財閥支配)のままなので、民主政体と噛み合ない結果、政権維持に苦労していることになります。
中国の場合政体と内実が一致しているので、この面では国民の意見を聞くと言う格好を付ける必要がなく情け容赦のない少数民族弾圧を繰り返していますが、韓国の場合表面上民主政体になってしまっているので、内外共に二重に虚偽性を発揮しなくてはならないのが苦しいところです。
北朝鮮や中国と一体化して民主主義国家社会から訣別して開き直った方が楽でしょう。
韓国の大統領制については、実質期間限定の独裁体制であると言う説明を「民意に基づく政治2(大統領制と議院内閣制1)」July 14, 前後のシリーズで書いたことがあります。
民度が熟していない後進国の場合、本当の民主主義政体・・完全な言論自由化にすると、言いたい放題・利害調整能力の欠如からまとめる力がない・・混乱になってしまう点をアラブの春に関して連載したことがあります。
期間限定の独裁体制にすれば、その間政権から引き摺り落とす政治行動が出来ないので、政争から逃れられるのでその間だけでも政権が安定するから後進国向けメニューです。
朝日新聞の30年近い慰安婦報道が虚偽報道だったことが朝日の記事訂正・自白によって明らかになって大騒ぎですが、この意趣返しのためか?朝日の報道を長年批判して来た産經新聞ソウル支局長が大統領の動静を朝鮮日報の記事を引用する形でネットで報じたことが虚偽報道だとして検察への出頭要請されたことがニュースになっています。
民主化したとは言っても、内実は言論の自由・政治家の行動批判すら許されない程度の民主国家だと言うことです。
ルーマニアその他独裁政権が倒れると直後に必ずその復讐があるように、韓国では任期中政権打倒の運動を出来ない代わりにその間の不満の蓄積があるので、(これも上記引用コラムで書きました)これまで政権交代の度に前大統領とその周辺が粛清?されて来ました。

貿易黒字と内需4

韓国の内需縮小阻止のための抜本的解決には、利下げでではなく徳政令あるいは底辺層庶民の所得引き上げ(・・財閥のみ儲かるいびつな社会構造・・仕組みの解体)しかないでしょう。
朴大統領は、選挙戦では、財閥頼りの経済構造を改めたいと公約をしたものの、財閥を敵に回せないのでそのままです。
徳政令・債務削減には朴大統領は、幸福基金とかを作ってそこを経由して一定規模の債務について大幅な元金削減=徳政令を公約した(2000年に入ってから韓国ではこの種政策発動は4回目とか言われています)のですが、財政資金不足のために政権獲得後13年中に実行出来たのはその一部・・恩恵を受けたのは一部でしかなかったようです。
(債権者に単純な泣き寝入りを強制する徳川幕府のような訳に行かないので、政府基金で買い上げと言うことらしいです・・これだと債権者はいくらでも安心してまた貸せますので債務超過の繰り返しになるようです)
要件が厳しく・・多分高利貸しの借金は救済されないでしょうし・・不動産市況対策を兼ねて住宅ローンンなどの債務が中心になった可能性があります・・大規模に出来なかったので、(削減率が低過ぎ?対象を絞り過ぎ?たので)半年足らずで債務が膨らんできたようです。
その結果、債務を減らすどころか、昨年末には逆に100兆円を超えるような債務急増状態が報じられています。
他方財閥解体の方は、思いがけずサムスンの業績変調を切っ掛けに実現しそうですが、韓国経済の屋台骨とも言うべきサムスンがこけて実現するのでは、元も子もなくなります。
そこで窮余の策として金利下げにするしかなったのでしょうが、大金持ちは別として、庶民の借金が増える一方の韓国の経済状態では、政策金利が0、25%下がったくらいでは、消費が増える訳がありません。
政策金利を下げても高利金融からの借金だらけの国民にすぐにはメリットがないので、最低必需品しか買わないでしょう。
日本でもサラ金や闇金の金利は、公定歩合・基準金利の変動に直接関係ありません。
政策金利引き下げは、本来産業界・設備投資動向等に影響するものであって、消費動向には直接影響しません。
今朝の日経朝刊6pには、このために不動産融資条件を緩和するなどして不動産価格維持(不動産価格下落が債務増加の原因ですから下落の先送り)に精出すなど政策総動員と紹介されています。
逆に金利を下げると外資(もしかしたら国内の大金持ちも)が逃げ出すリスクの方が高いので、(上記朝刊では3年半ぶりの金利下げとのことです)長くこの政策を採用できなかったのですが、あまりの消費減退・内需不振にどうにもならなくなったからでしょう。
韓国経済では、国民個々人に経済成長の恩恵が行き渡っていないために借金させないと買えないのでドンドン借金させてものを買わせて、数年に一回徳政令実施と言う流れ(2000年代に入って13年の徳政令実施は4回目とネット報道されています・・・・)・・・従来アフリカ等最貧国にODA援助してその資金で買わしては何年に一回債券帳消しにする債権国会議が繰り返されて来たことを自国民相手にやって来たのです。
国民が貧しいことが内需不振の原因・・外需比率が高く内需比率が弱い原因がここにあります。
以下は、http://www.my-adviser.jp/column/detail.php?id=416からの引用です。
日本の貿易依存度は?

http://www.my-adviser.jp/new_contents/column2011/h_arita_c201106_1.JPG

「“グラフ1”をご覧ください。2007年から2009年までの主要国の輸出入合算の貿易額(サービス含む)の名目GDPに対する割合です。サウジアラビヤ やカナダなどの資源国の貿易割合が高くなっているのはうなづけると思いますが、目を引くのは韓国の驚異的な高さ。対して日本の貿易比率は貿易立国という割 に意外と高くなっていません。EUやアメリカとほぼ同じ比率です。もっともEUはここで反映されている数字はEU域内国とEU域外国との貿易。EU域内国 同士の交易は反映されていませんので、それぞれの国に分解してみた場合、もっと高い数字になると思われます。
このグラフから一般的に言えることは、貿易依存度の高い国は新興国と資源国。ただしブラジルのみが例外的に低くなっています。」

上記グラフは、2009年までのものですから、昨年あたりから韓国の貿易依存率は100%を超えたとネットでは言われています。
韓国民はレッキとした先進国のつもりですが、上記解説を読むと経済活動の内実は内需よりは外需頼りの新興国・資源国経済の状態に留まっていることが分ります。
国民相手の経済ではなく、目の前の国民を顧客として大事にしないで、遠くの国への輸出品製造に精出しているのは後進国経済そのものです。
中国の改革直後から今までの動きを見れば分りますが、日本で買ってくれるように野菜の作り方まで日本人の指導を受けて一生懸命日本人の好みに合うように作っては食品その他製品輸出に励んでいます。
自国民相手では衛生観念(どろんこのままの野菜でも)やオシャレ感などどうでも良いでしょうが、日本へ輸出するには日本人の衛生観念・美的基準にあわないと下着だって輸出できません。
国民の好みより、輸入してくれる先進国の好みに合わせるしかないのが後進国経済の状態です。

個人金融資産の重要性4

韓国個人金融資産の(時系列)推移が分りませんので、現時点での国別データを紹介しておきます。
<a href=”http://www.globalnote.jp/post-10574.htmlからの引用です。
最新更新日2014年7月16日

個人金融資産 国別ランキング統計・推移

【単位:mil.US$】統計期間1995-2012年

1    アメリカ      59,434,131

2      日本      15,553,936

3    イギリス       6,413,696

4     ドイツ       6,236,054

5    フランス       4,928,674

6    イタリア       4,836,495

7     カナダ       3,841,220

8     韓国        2,871,164

9    スペイン       2,569,986

韓国の人口は日本の2分の1程度ですが、個人金融資産になると約6分の1しかないことが分ります。
しかも財閥等に資金が偏っているのは周知のとおりですから、韓国一般人の個人金融資産が貧弱になっていて債務膨張圧力に困っているのです。
上記データは12年までの分ですが、その後日本の場合昨日(8月13日)紹介したグラフのとおり、個人金融資産は急上昇していますが、韓国の場合、12日に紹介したように債務が急膨張していると報じられています。
金融資産を持つ人が原則として借り増しする必要がないので、金融資産の保有者と保有しない階層が大きく(日本だって生活費保護者等資産皆無の人がいますので、要は比率の問題です)分離していることが推定されます。
ある国のトータル個人資産を知っても、国民個々人の構成比を見ないと貧富格差の大きい国と小さい国とでは、最多人口帯の個々人の豊かさの差を知ることは出来ません。
生活水準格差はストックの差によることが多いことについては、都市住民1世と2〜3世の格差として書いてきました・・。
非正規雇用者でも親の家に同居している場合、1流企業勤務の正規雇用のアパート住まいの1世よりも豊かな生活が出来ていますので、ジニ係数はフロー収入を基準にするので、ストック差による格差の実態は分りません。
ただ個人負債が増加の一途と言うことは困っている一般人が多いことを表しているでしょう。
14日日経夕刊1面では、韓国が遂に0、25%の利下げを発表したことが報じられていてそこには、小売り販売額指数が4〜6月の小売り販売指数は1〜3月比0、4%低下し、業態別では百貨店が5、2%減と書いています。
(この種の比較は一般的に前年同期比で書くものですが、今回に限って1〜3月期と比較する意味が分かりません。前年4〜6月期から順に下がっている場合、これを書くともっと酷いことになるからかも知れません。)
消費税前の駆け込み需要による反動減の日本とは違うのですから、実態が深刻です。
外資に頼る韓国が金利を下げるしかないと言うことは、消費減退が一時的なものではなく、かなり追いつめられているからでしょう。

人口ボーナス論の誤り4

本気でローエンド製品の価格競争でインドやミャンマー、中国等に勝とうと思えば、国民の生活レベルをインド、中国等以下の生活水準まで下げる覚悟が要ります。
中国が一人っ子政策をやめても、低賃金でミャンマー等に対抗するのは無理だと書いたばかりですが、日本の場合なおさらです。
・・労働者の殆どを低賃金でも働きたい外国人に入れ変えて行くとなると、元の日本人は自分の高付加価値労働での稼ぎを彼らに分配するばかり・・分配する相手が増えるだけですから、スイス等に逃げて行く?覚悟が要るでしょう。
とすれば、政府は何のために政治をしているのか?
日本人のための政治ではなく、国民を低賃金労働者に入れ替えたい企業の要望に応えると言うことではないでしょうか?
企業が低賃金で儲けたいならば低賃金国へ進出すれば良いことで、元から住んでいる日本人を追い出して外国人に入れ替える必要はないでしょう。
領土問題になると頭に血が上ることからすれば、愛国者の本質は国土を死守することだとすれば、国民より国土の方が重要・・人間は入れ替わっても良いとなるのでしょうか?
先の大戦で特攻で突撃し、硫黄島その他を玉砕しながらも死守したのは、その「寸土」を守るためではなく本土の家族を1分1秒でも守るためだったのではないでしょうか?
04/14/04「戦後の農業政策1(自作農創設特別措置法と土地改良法1)」その他のコラムで、農業の近代化として、農地の大規模化でアメリカ型粗放農業の真似をしても勝てない(大規模化の耕地整理の公共工事は無駄な投資)ので、小規模規模のママで良いから高品質にして行くべきだと書いて来たことと同じで、日本は低賃金国と低賃金競争をしても始まりません。
あらゆる事柄に共通することですが、違った角度で競争すべきであって相手と同じ土俵で勝負すべきではないのです。
女性の社会進出も、男の真似して男勝りと評価されるような働き方をする必要がないことを02/07/05「女性解放運動と性意識の重要性(性意識のミスマッチ3)」その他で早くから書いてきました。
2014-8-6「貿易黒字と内需3」以下で書いて来たように、今後は技術力格差分=高付加価値製品しか国際競争力がなくなる一方ですから、資源輸入に頼る我が国では、国民平均資質を高める努力こそが求められています。
極端に言えば底辺労働向け国民比率を減らして行く努力が必要です。
底辺労働者を増やし、その子孫を増やしていると平均レベルが下がり安物しか作れない国になってしまう結果、中国やインド、インドネシア等に叶いませんので、輸出減少に結びつく一方で、資源消費する国内人口が増える分輸入が増えるので結果的に貿易赤字が拡大してしまいます。
人手不足・給与アップに対しては、歯を食いしばってでも、(これをチャンスとして)より高付加価値製品製造に転換して行く努力をすることこそが王道です。
(介護や建設現場の人手不足はロボット化等のチャンスです)
職業訓練の必要など高付加価値生産にシフトできない低レベル国民を一人でも少なくする努力が求められているときに、何の目的で底辺労働者を増やそうとするのか・・将来彼らは生活保護受給者に転落する可能性が高くなります。
外国人単純労働力や介護要員の導入を要求する勢力は、人口ボーナス論に根拠をおき、労働人口さえ増えれば国力増進すると言う誤った思想を持っているかのようです。
底辺労働者ばかり増やしても国民平均能力が下がるので、却って国力は低下します。
国力であれ、学力であれ人口が多いか少ないかではなく平均値の高さこそが重要です。
7月20日の日経新聞朝刊13ページによれば、韓国朴政権が導入した年金制度は旧制度では65歳以上の高齢者で最大(掛け金支払期間等で人によって額が変わります)で月1万円だったのが2万円になると言う触れ込みで大統領選の公約に掲げて勝利した新制度の説明が乗っています。
最低生活費が8万3000円程度の国とその記事に書いていますから、これでは高齢化すると多くの人がまともに生きて行けないでしょう。
韓国は日本が失われた20年と言われている間、大躍進していたとすれば、現役世代がお金持ちになっているはずですから、そうであれば豊かになった現役世代が老人を養えば問題がない筈です。
日本を追い抜いたくらいの勢いで威張っていた韓国でこの間にまるで個人貯蓄が出来ずに個人金融負債がドンドンドン膨らんでいると言う報道ですから悲惨です。
円高で悲鳴を上げていた日本を嘲笑っていた筈の韓国の高成長・・果実は、誰が持って行ってしまったのでしょうか?
財閥化していて資産が特定階層に偏っていること、外資比率が高いことから労働分配率や企業の社会保障負担率が低過ぎることが原因でしょう。

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