だいぶ話題が離れましたが、Mar 17, 2018まで書いてきた「左翼系文化人の伸張3」の続きに戻ります。
18年3月18日に米軍政の政策変更によってレッドパージがあったことを紹介しました。
その後思想弾圧等に話題が逸れたママになっていましたが、ここで公職追放→レッドパージと解除、左傾化に戻ります。
アメリカの日本の占領政策は、共産主義に親和性を持っていたルーズベルト→トルーマン政府下で始まり、実務を担ったGHQの民政局(GS)は、共産主義者が担って日本共産党などを合法化(助成?)して行った歴史です。
その後中共政権成立・朝鮮戦争などを経て冷戦時代に突入すると、アメリカも容共政策ばかりでは済まなくなってきます。
今のトランプ政権が前民主党政権の媚中?からいきなり反中になったのと似ています。
アメリカは日本を叩き潰すために共産主義者を利用して来ただけ・・お互い相手の利用が終われば本来の喧嘩が始まったと言うことでしょうか?
アメリカ本国では1950年から赤狩り・マッカ−シー旋風が起こり、これに歩を合わせてそれまで共産主義伸長援助関係にあった日本占領軍もレッドパージに大転換します。
占領直後の勅令では、https://ja.wikipedia.org/wikiによれば、
「聯合国占領軍の占領目的に有害な行為に対する処罰等に関する勅令(昭和21年勅令第311号)として1946年6月12日に公布され、同7月15日より施行され」ています。
「占領目的に有害な行為」を「連合国最高司令官の日本帝国政府に対する指令の趣旨に反する行為」「その指令を施行するために、連合国占領軍の軍、軍 団又は師団の各司令官の発する命令の趣旨に反する行為」「その指令を履行するために、日本帝国政府の発する法令に違反する行為」と定義していた。
占領目的に有害な行為をした者は10年以下の懲役若しくは罰金又は拘留若しくは科料に処すると規定された。
https://kotobank.jp/word・・団体等規正令が施行されます。
「昭和 24年政令 64号で,いわゆるポツダム政令の代表例。「平和主義及び民主主義の健全な育成発達を期するため,政治団体の内容を一般に公開し,秘密的,軍国主義的,極端な国家主義的,暴力主義的及び反民主主義的な団体の結成及び指導並びに団体及び個人のそのような行為を禁止することを目的」 (1条1項) として制定された。」
「軍国主義破壊」と言う意味不明の占領目的で占領した結果、これを具体化するには「占領目的に有害行為」と言う漠然とした定義で処罰するしかなかったのでしょう。
August 29, 2016ポツダム宣言の有効性3(軍国主義とは?」前後で連載しましたが、アメリカは軍国主義の定義がないまま、軍国主義排除と称して日本の骨抜き・・民族主義を否定し、日本の思想弾圧道具にして来たのです。
今でいうグローバリスト・要は日本の強固な民族精神を骨抜きするための思想改造作戦としては、民族性否定(コミンテルン・インターナショナル)の共産主義とユダヤ系思想家がぴったりだったのでしょう。
国体護持・民族の骨を守ろうとする思想家・政治家は軍国主義者とみなされて公職追放になり、その穴を埋める思想家・/東大京大等の教授はマルクス主義者ばかりなったと言えるでしょうか?
以下レッドパージに関するhttps://ja.wikipedia.org/wiki/の記事です。
「GHQの主導権がGSから彼と対立関係にあった参謀第2部(G2)に移り、共産主義勢力を弾圧する方針に転じた。冷戦の勃発に伴う、いわゆる「逆コース」である。」
1950年5月3日、マッカーサーは日本共産党の非合法化を示唆し、5月30日には皇居前広場において日本共産党指揮下の大衆と占領軍が衝突(人民広場事件)、6月6日に徳田球一ほか日本共産党中央委員24人、及び機関紙「アカハタ」幹部といわれた人物を公職追放し、アカハタを停刊処分にした。同年7月には9人の日本共産党幹部について、団体等規正令に基づく政府の出頭命令を拒否したとして団体等規正令違反容疑で逮捕状が出た(逮捕状が出た9人の日本共産党幹部は地下潜行し、一部は中国に亡命した)。
こうした流れのなかで、7月以降はGHQの勧告及び、9月の日本政府の閣議決定により、報道機関や官公庁や教育機関や大企業などでも日共系の追放 (解雇)が行われていった(なお、銀行業界などでは「当職場に共産党員は居ない」などとして、日共系の追放が最小限度に留まった例や、大学では日共系の追放が殆ど行われなかった例もあったし、逆に反対派を共産党員だとして名指しして解雇させ主導権を奪った国労のような例もあった)」
上記のとおり、レッドパージと言っても主義主張だけで区別するのは無理があるので、型通り行なわれただけで、筋金入りだけ・それ以外のいわゆる左翼系思想家は何ら問題になっていません。
まして直後の51年に日本は独立した結果、憲法上結社の自由・思想による差別は出来ませんので、共産党非合法の期間はホンのちょっとだけになります。
この結果、左翼系は言うまでもなく、共産系も温存されたまま日本独立後の政治が始まりました。
多くの国の思想界を普通の状態でみれば、民族系と左翼系(グローバル系?)の両輪が併存しているのが健全?ですが、占領軍によって民族系学問が根こそぎ壊滅させられているし、アメリカからの独立後もアメリカに楯突くようになってまたアメリカのイジメに遭うのが怖いのでアイデンテテイー重視はタブー化され、民族系意見は公式発言出来ない状態・・少しでも民族意識が垣間見えるような発言をするとたち亜m地湿原・妄言としてメデイアが袋叩きにする風潮が最近まで続いていました。
アメリカによる直截支配力が弱まって行くとマスコミや思想界では、アメリカ支配と同居して伸びていた左翼系思想だけが内部増殖して行きます。
左翼系はその後ソ連派と中共派に二分化して行きますが、政府批判には何かとアメリカの戦後秩序を利用する・・反戦平和論や人権や表現の自由・・最近では、防犯カメラの肖像権侵害反対や秘密保護法や共謀罪、マイナンバー法反対など全て欧米主導の「近代法原理に反する」と有効利用する・・良いとこ取りをして来たのが左翼系運動です。
一方で・・靖国参拝などに過剰反応して中韓と連帯するなど・・あるいは表現の自由を極力主張しながら、中韓政府の人民弾圧あるいは公害垂れ流しには黙っているなど左翼の複雑矛盾行為の基礎が占領政治下での左右同居のときに形作られたものと思われます。
戦後の社会は変化が激しいので、間断のない新たな制度設計が必要ですが、マスコミや左翼系は新しい制度には先ず「何でも反対」するのが普通です。
新しい法制度準備が進むと左翼・文化人が必ず持ち出す「近代法の原理に反する」と言うお手本のアメリカや西欧がこれの法制定を求めている矛盾関係が最近あらわになって来て無理が出て来ました。
私は繰り返しスパイ取締法のない国があるのか?スパイ取締法がある国はどこなのかの基礎データを出して議論すべきだと書き、スパイ防止法のある国は、人権侵害国家と言うのか?集団自衛権・・相互防衛条約のある国は軍国主義国家になるのか?と言う疑問を書いていますが、そう言う議論をしているのを未だに聞いたことがありません。
レッドパージ(1950年5月共産党の非合法化)直後の1951年に日本は独立した結果、GHQによる超法規的支配が終わりました。
憲法上、結社の自由・思想による差別は出来ませんので、共産党非合法の期間はホンのちょっとだけだったことになります。
この結果、左翼系は言うまでもなく、共産系も温存された結果です。