中国的独裁・・強制国家や韓国的半民主主義国では、民意反映・市場淘汰が不完全ですから国民の意向を重視しなくとも政府の都合で需要のないものを大量に作ってもやって行けます。
制度だけ民主主義と言っても成熟度にはいろんな段階がありますが、経済面から見るとその実質が分りよいことになります。
すなわち、主要企業が国有企業や財閥寡占状態で国民がより良いサービスを選べない・市場機能不完全比率が高い場合には、経済活動の不自由・消費者の声が反映され難い社会=市民生活の不自由度が高いのですから、不自由度に比例して不完全な民主主義社会と言えます。
国民不満があれば、反乱暴動が起きてもこの不満を宥めるよりは、政権維持可能なギリギリまで福祉予算・あめ玉をやるか、同じ額を鎮圧用の公安予算で使って反乱さえ鎮圧出来れば同じではないかという思考形式になり勝ちです。
中国では同額の資金を使うならば、福祉予算に使うよりは、軍事・公安予算に使った方が良いと言う方向性が顕著ですし、・・・韓国では自殺したい人は自殺してもらった方が効率的・・国外脱出したければ出て行ってくれても構わないと言う体制です。
中国のような強権体質国家では、自分から出て行ってくれた方が追放する手間が省ける・・不満分子はいない方が良いと言う判断でしょうし、公安関係を肥大させた方が幹部は巨大権限を持てるので、大きな政府の方が気持ちよいのでしょう。
数年前から、公安予算の方が巨大軍事費よりも大きいとの一般的報道(これは公表されている国家予算による上に、この種予算は多めに発表しないのが普通ですから客観性があります)ですから恐るべき恐怖国家になっています。
今回の天津大爆発では辺り一面千人単位の死体がゴロゴロしていたと報道関係者からは漏れてきますが、自由な報道が禁止されて映像は没収されているので、政府発表では、原爆爆心地のように何もない(大規模なクレーターは隠し切れなかったらしく残っていますが、)綺麗になった跡地ばかりです。
工場跡地が木っ端みじんになって何も残らない後の写真を公開されるとその付近に居た多人たちは人の形がないほどこまく吹き飛んだろうと容易に想像がつきます。
これが死者10人程度の当初発表で徐々に膨らましていき、今は110人程度ですから独裁国家とはこういうものだと言う典型です。
経済合理的に考えれば一〇何億の国民に10万円づつ配っても犯罪がなくなる保障がないが、暴発する不満分子が1万人に何人いるかいないかならば、暴発した時点で公安警察が検挙して残酷な刑罰で懲らしめた方が安上がりと言う計算でしょう。
中韓人それぞれの論文を紹介しましたが、中韓では庶民のための政治ではなく、権力者のための政府であることが所得分配率の流れから見ても分りますから、国民のための政府であり、従業員のための会社である日本と発想が逆転して国や社会を経営しているところが救われない感じです。
低成長の穴埋めのために日本と同じ財政赤字が生じているとしても、中国の場合・・国民救済目的よりは、政権維持に必要な幹部関連企業救済や軍事費や公安警察費に使って来た・・あるいは需要のない無駄な投資に使って来たところが大違いです。
高度成長期には経済体質無視の借金や資金導入が可能であったものが、中韓共に高度成長が終わりになると、本当の財務諸表が重要になってきます。
中国の政府統計が当てにならないので、政府発表の何割まで外貨準備(自己資金)があるのか、貿易黒字はどこまでが本当か・・赤字穴埋め資金がいつまで続くかの視点が重要です。
貿易黒字に基づかない外貨準備部分は先進国からの資本進出によるものですから、(長期資本中心でも)資本逃避が始まると脆い・・ドンドンなくなって行きます。
この穴埋めのために、国民を餓死させて穀物輸出していたスターリンのように国民犠牲の出血輸出による外貨獲得をやめられないのかも知れませんが・・・。
出血輸出は一定期間で限界に来る筈と繰り返し書いてきましたが、8月21日日経朝刊第一面によると、出血輸出に励んでいた鉄鋼製品の中国国内粗鉱生産が減少に転じている様子が出ています。
(今年1〜6月の粗鉱生産量は、前年同期間比マイナス1、3%)
実際に中国の鉄鉱石等資源輸入がもっと前から極端に減っている・・貿易黒字が進んでいる・・国際資源相場が昨年から急落しているのですからこんな少ない減産程度はない筈ですが、・・当然です。
上記発表の減産程度では追いつかない勢いで需要が減少しているので、(減産してみると需要が更に減少して行くと追いかけっこになります)まだまだ出血輸出が続くことは間違いがないでしょう・・。