中韓政府・組織は誰のため?3

中国的独裁・・強制国家や韓国的半民主主義国では、民意反映・市場淘汰が不完全ですから国民の意向を重視しなくとも政府の都合で需要のないものを大量に作ってもやって行けます。
制度だけ民主主義と言っても成熟度にはいろんな段階がありますが、経済面から見るとその実質が分りよいことになります。
すなわち、主要企業が国有企業や財閥寡占状態で国民がより良いサービスを選べない・市場機能不完全比率が高い場合には、経済活動の不自由・消費者の声が反映され難い社会=市民生活の不自由度が高いのですから、不自由度に比例して不完全な民主主義社会と言えます。
国民不満があれば、反乱暴動が起きてもこの不満を宥めるよりは、政権維持可能なギリギリまで福祉予算・あめ玉をやるか、同じ額を鎮圧用の公安予算で使って反乱さえ鎮圧出来れば同じではないかという思考形式になり勝ちです。
中国では同額の資金を使うならば、福祉予算に使うよりは、軍事・公安予算に使った方が良いと言う方向性が顕著ですし、・・・韓国では自殺したい人は自殺してもらった方が効率的・・国外脱出したければ出て行ってくれても構わないと言う体制です。
中国のような強権体質国家では、自分から出て行ってくれた方が追放する手間が省ける・・不満分子はいない方が良いと言う判断でしょうし、公安関係を肥大させた方が幹部は巨大権限を持てるので、大きな政府の方が気持ちよいのでしょう。
数年前から、公安予算の方が巨大軍事費よりも大きいとの一般的報道(これは公表されている国家予算による上に、この種予算は多めに発表しないのが普通ですから客観性があります)ですから恐るべき恐怖国家になっています。
今回の天津大爆発では辺り一面千人単位の死体がゴロゴロしていたと報道関係者からは漏れてきますが、自由な報道が禁止されて映像は没収されているので、政府発表では、原爆爆心地のように何もない(大規模なクレーターは隠し切れなかったらしく残っていますが、)綺麗になった跡地ばかりです。
工場跡地が木っ端みじんになって何も残らない後の写真を公開されるとその付近に居た多人たちは人の形がないほどこまく吹き飛んだろうと容易に想像がつきます。
これが死者10人程度の当初発表で徐々に膨らましていき、今は110人程度ですから独裁国家とはこういうものだと言う典型です。
経済合理的に考えれば一〇何億の国民に10万円づつ配っても犯罪がなくなる保障がないが、暴発する不満分子が1万人に何人いるかいないかならば、暴発した時点で公安警察が検挙して残酷な刑罰で懲らしめた方が安上がりと言う計算でしょう。
中韓人それぞれの論文を紹介しましたが、中韓では庶民のための政治ではなく、権力者のための政府であることが所得分配率の流れから見ても分りますから、国民のための政府であり、従業員のための会社である日本と発想が逆転して国や社会を経営しているところが救われない感じです。
低成長の穴埋めのために日本と同じ財政赤字が生じているとしても、中国の場合・・国民救済目的よりは、政権維持に必要な幹部関連企業救済や軍事費や公安警察費に使って来た・・あるいは需要のない無駄な投資に使って来たところが大違いです。
高度成長期には経済体質無視の借金や資金導入が可能であったものが、中韓共に高度成長が終わりになると、本当の財務諸表が重要になってきます。
中国の政府統計が当てにならないので、政府発表の何割まで外貨準備(自己資金)があるのか、貿易黒字はどこまでが本当か・・赤字穴埋め資金がいつまで続くかの視点が重要です。
貿易黒字に基づかない外貨準備部分は先進国からの資本進出によるものですから、(長期資本中心でも)資本逃避が始まると脆い・・ドンドンなくなって行きます。
この穴埋めのために、国民を餓死させて穀物輸出していたスターリンのように国民犠牲の出血輸出による外貨獲得をやめられないのかも知れませんが・・・。
出血輸出は一定期間で限界に来る筈と繰り返し書いてきましたが、8月21日日経朝刊第一面によると、出血輸出に励んでいた鉄鋼製品の中国国内粗鉱生産が減少に転じている様子が出ています。
(今年1〜6月の粗鉱生産量は、前年同期間比マイナス1、3%)
実際に中国の鉄鉱石等資源輸入がもっと前から極端に減っている・・貿易黒字が進んでいる・・国際資源相場が昨年から急落しているのですからこんな少ない減産程度はない筈ですが、・・当然です。
上記発表の減産程度では追いつかない勢いで需要が減少しているので、(減産してみると需要が更に減少して行くと追いかけっこになります)まだまだ出血輸出が続くことは間違いがないでしょう・・。

国民を犠牲にする社会3(中国人の論文から)

中国では、下記論文の記載では、政府赤字は3%程度しかないとなっているものの、労働者からの税による吸い上げよりも労働者への給付分の方が少ない・・言わば所得再分配の逆をやって来たことこそ大問題です。
昨日紹介した韓国の家計部門赤字拡大政策と方向性が同じです。
韓国の中国へのすり寄りに関心が集まっていますが、基礎的な政府対国民の関係の基礎・・国民犠牲の上に、不満を対外野心でそらせる政策方向の酷似性に注目すべきでしょう。
この辺は5月24日紹介した唐成氏の論文に(24日はこの部分は関係なかったので引用していません)データで紹介されていますので、一部をここに再引用しておきます。
グラフ等いくつもあり詳細・膨大ですので、関心のある方は以下に直接アクセスして下さい
https://www.andrew.ac.jp/soken/pdf_3-1/sokenk186-2.pdf

* 小論は2010年度アジア政経学会西日本大会(京都大学)の共通論題『世界経済不況下のアジア経済の 躍動 その経済構造と政府の役割』の報告内容を修正したものである。
1.は じ め に
・・・(4兆元投資による回復・下支え効果を書いている部分が先行しています・・イナガキ注)・・・・・しかし,中国はもうこの「100年に一度」と称される世界金融危機(リーマンショック・・稲垣注)から抜け出したのであろうか。その答えを探るためには必然的にこの間の景気悪化は「金融」危機による影響であったかどうかという問いにたどり着く。その答えは否である。中国経済に世界金融危機と 呼ぶべき事態が到来したというよりも,輸出低迷という外需の急激な減少によって経済環境 が悪化したのである。それは中国経済の外需依存型,労働集約型モデルを反映した結果に他ならない。したがってこの原因を本質的に解消しなければ,中国経済の危機は去ったことにならないのであろう。
では,世界経済危機は中国経済にいったい何をもたらしたのであろうか。それはグローバル経済化が進む中で輸出依存型の成長モデルは高いリスクを持っていることを証明したのである。言い換えると,これまでの経済成長方式を転換していく必要性の警鐘を鳴らしてくれたのである。
以下省略
2.中国経済の成長パターン
2・1省略
2.2 GDP 成長率への寄与度が低くなった消費項目
ここでは,需要サイド(支出面)からみた1978年以降の GDP 成長はどのような特徴を 持っているかを明らかにしてみる。需要サイド(支出面)からみた GDP は次の(1)式のよ うに示される。すなわち,
GDP=最終消費支出 (家計最終消費支出+政府最終消費支出)+総固定資本形成 (民間投資+政府資本形成+在庫投資)+純輸出 (輸出-輸入)
    ( 1 )
(1)式をもとに作成した表1からは,最終消費支出の平均成長率は一貫して低下し続けて いるという大きな特徴が得られる。より具体的に言えば,最終消費支出の比率は1978~1991 年の5.9%から1992~2001年の5.7%へと低下し,2002~2007年には4.2%へとさらに大きく低下したのである。
・・・2000年以降,中国経済の牽引役は消費から投資へと次第に変わっていくので ある。他方,貿易による経済への貢献も2000年代以降顕著に表れている。このような特徴は 表2の高度成長期における日本と中国の経済パフォーマンスの比較からも明白である。それによれば,日本は1956~1970年の平均 GDP 成長率は9.6%のうち,内需による寄与率は9.9 %であるのに対して,外需は-0.2%にとどまっている。他方の中国は1992~2007年の平均 成長率は10.5%であり,そのうち,内需は9.7%,外需は0.8%である。・・2000年以降の中国は,日本の高度成長期よりも貿易拡大を通じて,経済成長に大きく貢献していることがわかる。
中国の家計消費支出の低さは国際比較しても一目瞭然である。図3は,日本,中国,イン ド,タイ,インドネシアの諸国との比較を示している。それによると,日本はバブル経済崩 壊以降も家計最終消費支出の GDP に占める比率が緩やかに上昇していく傾向にあることが わかる。また,インドネシアとタイも消費支出の比率がきわめて顕著に動いており,2008年にそれぞれ順に57.8%,55.9%となっている。しかし,他方の中国の家計消費率は極端に低 く,2008年にわずか34%にとどまっており,諸外国の半分程度の比率となっている。2008年 中国の1人当たり GDP は3403ドルで,タイの3940ドルに及ばないものの,インドネシアの 2237より1000ドル以上も高いのである。このように,1人当たり GDP からみても,中国の家計消費率の低下は異常というほどである。
3.なぜ家計消費率が低下したのか
3.1 予備的貯蓄動機の強まり・・省略 (家計債務が増える一方の韓国とはこの辺が違います・・人民の強さです・イナガキ注)
3.2 労働分配率の低下
次に,労働分配率の側面から,家計消費率の低下要因を考察してみる。すでに(2)式でも わかるように,国民所得に占める家計部門の比率が低下すれば,家計消費率の低下をもたらすと考えられる・・・・・・・・・・・・・・・・
家計部門の第1次所得は主に雇用者報酬である。表5は分配面から見た GDP の各項目の 構成比の変化を示している。その構成比をみると,雇用者報酬は1997年の52.8%から2007年 の39.7%へと大きく低下した。名目 GDP に占める雇用者報酬の割合を労働分配率とすると, 10年前に比べて,その比率は13.1%も下がっている。その背景には,営業余剰が同時期の 18.0%から31.3%へと大きく上昇したことによるものである。また,純間接税もこの間に1.6 %を上昇している。
次に,国民所得の再分配から家計と政府部門の可処分所得の構成変化の原因を探ってみよ う。同じく表4によると,家計部門の可処分所得の比率は,1996年の69.3%が最も高いが, 2008年には57.1%にとどまっている。可処分所得と第1次所得の割合の推移をみると,1990 年代の可処分所得は,第1次所得よりも平均3%ほど高くなっており,家計部門が支払う税 金や社会保険料よりも政府部門から受け取る社会保険金,その他の移転所得の方が大きくな っていたといえる。しかし,可処分所得の第1次所得に対する比率は,1999年の103.3%から2000年には100.7%と大きく低下し,2000年代に入ると100%を割り込んでいることが多く なった。これは2000年代以降,政府部門からの移転所得よりも家計部門から政府部門への税 金や社会保険料の方が大きくなっていることを反映している。したがって政府による家計 部門への所得再分配は全く機能していないといえる。

4.お わ り に
以上の分析から明らかにしたように,リーマン・ショック以前の中国経済の成長方式は 1980年代の消費主導から1990年代以降次第に投資主導へと転じ,さらに2000年代以降は貿易 の拡大による輸出主導型が鮮明となっている。
・・・・・本論でも明らかにしたように,内需拡大のための重要な課題は家計消費の拡大である。家計消費率は,中国経済の高度成長と逆行するようにむしろ低下し続けている。その理由は,労働分配率の低下と家計の予備的貯蓄動機が強まったことによるものが大きい。
・・・・・・・重要なことは企業部門の営業利潤を引き下げて,雇用者に分配していく制度設計 が肝要である。この点については,中国政府は中央直轄国有企業に対する利潤の上納比率を 現行の5~10%からさらに引き上げることを決定している。しかしながら,その原資を政府部門に残さず,家計部門年金や医療などの社会保障へ資金投入を行うことが重要となる。

上海株暴落〜通貨切り下げ3

従来から政府公式発表とは違う実態経済の減速を反映した資金引き揚げがこっそりと進んでいて、中国は資金繰りに窮していることを「資金枯渇6(一斉開花)」2015/06/10を中心に連載中で、横にそれていましたが、2015-8-10「中国過大投資調整10(資金枯渇9)』以来このテーマに戻っている途中です・・・。
(中国の外貨準備の急激な減少はアメリカ財務省証券の大幅売り越に現れています)
それでも「習近平のアメリカ9月訪問までは政府が頑張るしかないから、元安にはならないだろう」と言う期待で持ちこたえている面がありました。
アメリカ訪問後まで我慢出来ずに人民元基準値の公式切り下げが行なわれると、「そこまで内容が悪いのか?」と言う元安方向を嫌気した外資の引き揚げが加速しますので、国内資金も窮屈になって行くこともあって国内景気はもっと悪化します。
8月12日の日経朝刊の解説では、2%切り下げによる貿易収支改善効果については、SMBC日興證券チーフエコノミスト牧野淳一氏の意見として「経常収支増加効果は50億ドル、(資本逃避による)資本収支減少は300億ドル、差引流出超になる」と予測しています。
国内資金不足緩和のために昨年来矢継ぎ早に金融緩和して来たのですが、それでも追いつかなくて株式暴落になり今回の切り下げになったのでしょうが、この結果外資引き揚げが加速すると大変な事態になります。
中国が公表しているような外貨準備が本当にあるのかの信用不安にまで発展するでしょう。
この段階の強制切り下げは「百害あって一利なし」の印象ですが、そこまで政権が追い詰められていて・・やるしかなかったのでしょう。
切り下げ騒ぎは3日で幕を閉じました・・資金流出加速を無視出来なくなって切り下げを打ち止めにするしかなかったと言えますが、中国による空威張り・大言壮語の底が見えてしまった大騒動でした。
この打ち止めにあたって人民銀行によるドル買い介入が行なわれたと報道されていましたが、通貨価値を実力以上に維持しようとすると外貨がドンドン流出します。
外資流出を防ぐために政府資金を使って高値買いするしかないと言う皮肉ですが、(株であれ何であれ、市場実勢を無視した買い支えと言うのそう言うものです)これが過去にイギリスがポンド防衛し切れなくなった歴史経験です。
(ポンド防衛の歴史については、このコラムで紹介したことがあります)
為替切り下げ政策は日本のように資金余剰国でこそ自由に出来ることであって、資金不足国で自国通貨が下がり始めると→資金流出=デフォルト危機に発展しますから、韓国が日本の円安を批判しながらも切り下げ競争が出来ないのは、この理由によります。
日本の場合は純債権国ですから円が下がるとその分配当等の手取りや国外資産の評価益が逆に増えるメリットがあります。
負債や外資の多い国は為替が下がると貿易競争では有利ですが、その効果が出るには年単位の時間がかかるのに対して、通貨が下がり始めるとその国に対する投下資本の評価が下がるので投資家は投資資金売却・回収に走ります。
下がるとなれば急いで資金流出が始まるし、売らないで持っているとしても金利等支払期限や満期は毎月のように来ますのでドル建て債務の支払額が増えてしまい・・支払金利や返済額が上がって大変になります。
日本の円安による史上最高益企業続出理由は、すぐには輸出数量増しませんので、主として海外資産評価アップ益や同じ配当や金利でも円に換算すると大きくなるメリット等によるものです。
債務国はこの逆になる・新興国は概ね外資導入で成り立っている結果、アメリカの金融緩和がいつ終わるか・金利上げ=ドル高=自国通貨下落不安で大騒ぎ・・一喜一憂している原因です。
中国経済悪化の顕在化によって、ここ数日周辺新興国通貨や株式相場が急激に下がっているのは、資源爆買いしてくれるどころか更に中国の輸入が減ることが(私のような個人コラムの噂ではなく公式に)明らかになり、かつ、中国の通貨安につられて自国通貨も下がるしかないと言う不安によっています。
中国にとっては、為替基準値切り下げによって少しは輸出が増えるでしょうが、内需拡大には逆効果です。
内需拡大=国民がその分豊かさを感じられますが、為替安政策は内需を絞って輸出で稼ぐパターンですから・・黒字拡大が国威発揚になるかもしれませんが、国民の実生活は却って悪化しますし、海外に対する影響力も悪影響(中国が大量に買ってくれるから中国の不当な行為があってもある程度我慢している効果が薄らぎます)ばかりで却って国威発揚どころではありません。
国内的にはスターリンが戦前に国民を餓死させて食糧輸出していたのと同じで、出血輸出=原価割れ販売しても出血輸出企業は苦しくなるばかり・・これを国民全般に広げる政策になります。
対外的には8月10日に書いたように相手からの輸入額の方が多いと大きな顔が出来るのですが、輸出の方が多いと逆に弱い立場になります。

非武装平和論5と集団自衛権反対論3

日本が中韓に支配される場合の状況は米軍に支配されたときとは比較にならないほどの屈辱・隷属状態が待っていることは明らかです。
今のところ、中国国内の支配民族である漢民族自体が独裁政権下で言論の自由もない大変な生活ですし、支配民族自体が過酷な状況におかれている場合、隷属民族は更に悲惨な状況になるのは目に見えています。
モンゴルやチベット・ウイグル族(表に出ませんが旧満州族は異民族であることすら表明出来ない程悲惨らしいです)の抑圧されている状況を見ると、日本が周辺に友好国を作って同盟を組んでイザと言うときに応援してくれる状況を作る必要があることは明らかです。
非武装平和論者の意見によれば、→戦わずして中韓に隷属する・・中韓の支配下に入ることを目指しているのか、全く理解出来ません。
非武装平和論=敵が攻めて来たときには必ずしも戦わずして中韓の支配下に入ることを予定しないと言う反論があるでしょうが、仮にソモソモ中韓を敵にしないように外交努力すれば良いというのでは答えになっていません。
もしも平和交渉を尽くしても戦わざるを得なくなったときに、どうするかが武装OR非武装論の違いだからです。
サイバーテロ事件が起きると、日本のマスコミによる嬉々とした報道ぶりを見ると、中国とタッグを組んで、「日本社会で不安を煽る目的・・データ利用社会化の進展を妨害したい・・アワよく行けば政権批判が高まって安倍政権退陣に多い込めれば儲けもの・・意図がありあり」と言う・・邪推意見が信憑性を持ってきます。
韓国の朴政権はもはや既に中国の支配下に入ったつもりで、その御先棒をかつぐ意思を明らかにしています。
言わば元寇・・蒙古来襲時の先陣・主力を務めた高麗軍の役割を想定しているのでしょう。
ですから、今回の集団自衛権に関連する安保法制の国会決議に対して、韓国議会は直ちに反対決議をしているとどこかで読んだ記憶があるのですが、今になると記事が見当たりません・・いずれにせよ公式に反対・・内政干渉している国は中韓と北朝鮮だけだそうですが・・。
日本がアメリカと相互に助け合うのが何故中韓がいやなのか・・マルで意味不明です。
いやがっている国々が、真の侵略目的関係国を表しています。
侵略する気がなければ日本が自国防衛強化するのを嫌がる理由がないからです。
2014/11/26「政治と受益者2」その他で書いたように政治行動と言うのはどこかの利害代表であることは間違いがないのですが、集団自衛権反対勢力は国内の?どこの利害を代表しているのでしょうか?
本気で非武装のママであるいは自衛軍があっても及ばないときに友好国に助けてもらわないで、敵が攻めて来たら相手の言いなりになる方が良いと言う意見は国内では皆無のような気がしますが・・。
憲法違反と言われると、難しいことは分らないと言う人が増えているだけではないでしょうか?
何回も書くように新しい制度設計に関しては、政治選択としては、国益上必要かどうか先ず判断して、必要があっても憲法や法律に抵触するならば、現行法で若干の不都合があるが、まだ改正しなくても良い場合もありますから、憲法や法律の改正をするほどの必要性があるかの議論となり、改正してでも現行法を変える必要があるとなれば、次にその賛否を問う順序が合理的です。
必要性の有無の議論よりも、先に憲法に反するかどうかの議論をして、(強行採決=立憲主義反のキャンペイン同様に議論もそれほどしないで、頭から「憲法違反を許さない」と言う大合唱です)一方的に議論封じをするのは邪道・・民主的言論封殺行為です。
法改正論や新立法案は、現行法ではどうにもならない・・限界があって、対応しようとすれば、法律違反になるから改正したり新立法を作ろうとするものです。
ですから新規立法は現行法に違反しているかと言うテーマで議論すれば、現行法では間に合わないから改正したり新立法が必要と言う以上は、普通は現行法に違反しているに決まっています。
現行法で間に合う・・適法ならば、新規立法や改正して列挙事項を増やしたりする必要がないのですから、入り口で法律違反だから改正や新法案を認めない主張は論理矛盾です。
立法政策に対して、内容実質の議論を拒否して憲法や法律違反を許さないと言う意見を先にするのでは、ソモソモ社会の変化に対応した各種法律改正論議自体が成り立ちません。
こう言う主張を平然とする政党は、国会で法律制定や憲法改正の是非を議論する代議士としての資格がないのではないでしょうか?
こう言う目的で・・社会変化に対応すべきどんな法律案にも反対することを目的に国会議員になっていること自体が、憲法が予定している・・立法府・国会の存在意義を踏みにじるもので憲法違反の存在です。
現行(憲法)法に反する法案には議論さえしないと言う立場は、社会変化対応に全て反対すると言う基本精神を示していることになります。
(旧社会党は何でも反対の社会党と言われていました)
言わば変化に合わせて次々と法制定をする・・社会的不適合があれば憲法改正をも提案するべき国会の存在意義を否定する・・彼らこそ反憲法論者です。
これまで公害。防犯カメラコンピューター化その他で繰り返して書いてきましたが、戦後一貫して左翼系文化人は、日本社会変化対応に何であれ反対して来た点を今回の安保法制反対運動の仕方にも見ることが出来ます。

国会議決=立憲主義違反?4

法適用時の具体例は、事例集積や常識で決めて行くべきことで、このための判例や許認可の事例集積があるのです。
そう言う具体論は具体的事件に応じて(警官の発砲が違法だったか合法だったか)裁判で判断して行くべきことです。
これを逐一判例全部議論して行かないと採決出来ないと言うのでは、1つの法律を作るだけで司法試験の勉強以上に時間がかかってしまいます。
食品関係の衛生基準のように国民が前もって知っておけば有用な細目でさえそうですが、集団自衛権行使基準のような軍事機密・まさに軍事機密の最重要部分を国会で予め公開で議論すること自体に無理があります。
この場合はどうだと言う細かな架空の想定事例ごとの具体的議論が重要と言う野党の主張自体、法制定の一般ルールに反した主張になっています。
これに応じないと立憲主義に反すると言うならば、立憲主義のお手本になっている文化人得意の「欧米では・・」と言う欧米の法制定時の議論状況をどうして出して来ないのでしょうか?
アメリカの海兵隊創設時にどう言う状態になれば、反撃するようになっているかなど議会で予め議論している国はどこにもないと思います。
NATO創設時などの条約審議で、どう言う場合どう言う応援するのかの細かな議論をしていた国があるでしょうか?
ソモソモ日米安保条約の相手方アメリカ自体が、どう言う場合に日本の防衛に巻き込まれるか・・尖閣諸島で何が起きたらどうかとか、宮古島の場合はどうかなど具体的議論を前もって条約締結前に議会で議論しているとは思えません。
またその議事録があれば、中国関係で緊張したときに日本は「尖閣諸島が防衛対象になる」とアメリカ政府の言明を求める必要がなかったことになります。
要するに立憲主義と言う訳の分らないお題目の基に政府批判していますが、どこの国でもやっていないことを日本の学者?だけが、勝手に創作している概念ではないでしょうか?
(立憲主義の概念自体はあるでしょうが、運用の具体的場面まで議論しないと立憲主義に反すると言う無理さ加減を書いています)
彼らによれば、強行採決も立憲主義違反と言うようですが、彼らの言う立憲主義の定義がご都合的過ぎて意味不明ですが、代議制民主主義とは選挙で選ばれた代議士が手続に従って議論を尽くした後に採決してその結果に従う・・これが後に憲法に違反していると裁判所で判断されれば、効力を失うと言う制度です。
最後の採決に反対することが許されるのでは、国会の機能が果たせませんから、代議制民主主義制度に明白に反する行為・・憲法違反行為であることは確かです。
強行採決することが立憲主義違反と言うマスコミのフレーズ自体が、合理的理解不能です。
憲法上国会は採決を禁止しているとでも言うのでしょうか?
彼らの言う立憲主義とは架空の憲法を前提にしているのでしょうか、あるいはどこかにそう言う憲法を実際に持っている国があるのでしょうか?
19日に紹介しましたがもう一度再掲しておきます。
日本国憲法
第五十六条  両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2  両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

強行採決と言う熟語自体が奇異ですが、採決とは元々この辺で議論を打ち切って採決する・・その効果に強制的に従わせる意味があるのではないでしょうか?
一般的に議長・委員長等の議事主宰者がこれから採決に移りますと宣言して行なうのが普通であって、構成員が一人でも採決に反対すればこれに応じないと言う主張自体が非論理的主張です。
議論を尽くしても対立がまとまらないときには、ちょっと角が立つけれども「ここから先は採決で決めます」と言うときには、強行性があるものです。
裁決と言うのは、元々強行性を持っていると理解すべきであって、強行採決が立憲主義に反すると言う意見自体・・一人でも法案に反対していると永久に法律が作れないと言う意見自体が憲法に反しています。
裁判の「裁」は元々裁断すると言う強行性を持っている言葉です。

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