憲法とは?3

尖閣諸島問題は、自主防衛権があると言う時代になってからの領土要求ですから、強大な武力を持つ中国でも日本軍の抵抗を前提すると、安易に占領出来ないで現在に至っています。
李承晩ライン設定や竹島占領時に自主防衛出来ると言う国論・準備があれば、竹島占領はなかったことになります。
早くから、きちんと反論出来る状態であれば韓国の慰安婦問題も違った展開になっていたでしょうし、却って日韓関係がこんなに悪化しなかったでしょう。
韓国もロシアも占領してしまったものの、大して価値のない島の占領を自分の政権では解除出来ないために・・負の遺産のために今更日本と仲良く出来ずに、困っている状態です。
今となっては、ロシアも中韓も日本の高度技術による協力が欲しくてすりよって来ていますが、日本としては、北朝鮮やロシアに対しては、不法占領した島を返さない限り、拉致事件解決しないかぎり・・主犯の処罰・引き渡しのない限り仲良く出来ないと言う立場を堅持していれば良いことです。
韓国に対しては、竹島を返し、慰安婦像を撤去し、反日教育をやめない限り韓国を応援しないと言う嫌韓論・国論が一般化しています。
憲法のあり方に戻りますと、あらゆる人間にとって自分が殺されるような危害を受けても、自己防衛すら許されないと言う法制度があるとすれば、そんな法制度は人権侵害の極みであって、人権を重視する現在社会の法として合理的に認められる余地がありません。
命すら守る権利がないならば、どんな無理・非人道的要求でも聞かなければ簡単に殺されてしまうので、結局どんな要求でも聞くしかないと言う制度ですから、正に奴隷を法制度化したようなものになります。
アメリカは正に黒人に対して動物同様の扱いをして来たのですが、それの非人道性を国際社会に訴えていた日本民族を、「白人支配に楯突くけしからん民族だ・・懲らしめのために黒人同様の地位に貶めしよう」としていた可能性が濃厚です。
大分前に占領政策を紹介しましたが、アメリカはポツダム宣言に反して日本の産業を根こそぎ奪い、工業力としては鍋釜程度の身の回り品の生産以外は認めない・・当時存在していた各種工業機械を奪ってアジア諸国へ搬出を命じていました。
マスコミはアメリカの悪逆非道ぶりを抹殺するために戦後日本の飛行機生産禁止程度しか報道しませんが、全ての工業生産を禁止してしまい、純粋農業国・・江戸時代程度へ逆もどりすることを命じていたのです。
この政策と憲法条項を見れば、黒人奴隷の抵抗権を奪ってしまい動物のような扱いをして来た恐るべき政治と、植民地民族に近代産業を持たせない隷属化政策と、同じであることを知るべきです。
タマタマ朝鮮戦争が起こっていなければ日本は戦前の東南アジアの植民地同様の貧困農業国に陥れられていたでしょうし、今の技術力の芽が摘まれていたに違いありません。
朝鮮戦争の結果、米軍需品の修理設備等必要になった・・・・と言うことで工業設備の廃棄が途中で止まりましたが、それでも飛行機だけは禁止されたままでした。
アメリカの意を受けた東大法学部では、日本を隷属化させるための憲法を金科玉条にして教育をしてきましたが、次第にこの矛盾があらわになってきました。
すなわち、侵略を受けても国民が次々と拿捕されたり殺されても、自衛権の行使すら許されない憲法では、国民の総意による「合理的」憲法とは言えなくなってしまう・・異民族に押し付けられた違法な?憲法だと言う批判に耐えられなくなって来たし、これを認めないとアメリカ占領政治の極悪非道ぶりが白日の下に曝される議論が始まるのを恐れたので、アメリカも黙認せざるを得なくなったことになります。
遂に憲法を合理化するためにもともと「自衛のための軍は保有出来る意味だった」と言う解釈が一般化してきました。
(常識にとらわれないのが専門家の価値だと言う意識の強い・・憲法学者の世界では、なお自衛隊違憲論・・非武装論が強いようですが・・。)
解釈合憲と言う法技術がありますが、憲法自体が、「国民ための憲法」と言う意義に反していると言う非難を免れるために、憲法9条の明文に反して「自衛のための軍備は持てる」「交戦権はある」と言う「合理的」解釈が行なわれてきました。
この意味では日本の憲法学者は・国内世論や憲法の実効的解釈論とすれば、決着がついていて国内の誰も(後記のとおり既に「何でも反対の・・と言われていた社会党でさえ自衛隊合憲を認めているのです・・)支持しない解釈論に今なお依っていることになりますから、この偏った憲法学者グループが集団自衛権が憲法違反だと全員名を連ねても、もともと政治的に意味のない・社会で孤立したグループ全員の意見でしかないのです。
社会で孤立しているグループが仮に100人集まって反対の意見表明しても、社会的には何の意味もないのに、有り難がってマスコミが大報道しています。
もしも憲法を字義どおりに解釈するならば、ソモソモ民族自立を否定する憲法の有効性の議論に戻るしかないのですが、これをやるとアメリカを巻き込んだ大問題に発展します。
これを避けるための大人の智恵として、自主防衛出来ると言う解釈合憲にして来た歴史を未だに憲法学者はそろって・・異論が成立しないで否定しているのが不思議です。
後記のように社会党でさえ自主防衛・自衛隊合憲論に変わっているのに、学問である以上いろんな意見がある筈の憲法学会では、何故社会の要請に応える意見が発表する人が一人もないのか?何故異論がないのか不思議に思う人が多いでしょうが、・・大先生に異論を挟むと地方大学等への就職口の紹介がない・・仲間はずれにされるのが怖いので、学問の自由が学会内ではないのかも知れません。
われわれ弁護士や裁判官になるための司法試験も、確立している通説に違った論文を書かないと合格しませんが、なってしまえば受験勉強時のオーソリテイの意見に同調する必要性はありません。
憲法学者や自民党でも石破氏のように・・自衛のための軍備や集団自衛権を認めるには憲法改正で対応するべきだと言う意見は一見理が通っているようでいて、「ないものねだり」・・日本とアメリカを正面から激突させる目的であり、10年や15年の短期間に実現不可能な要求・・「その間日本は無防備で周辺国のやりたい放題にさせろ」と言うに等しいものです。
アメリカは、尖閣諸島等問題では中国領になると太平洋への出口を与えることになるので、アメリカの利害に直結することから日本応援するが、戦犯を祭る靖国参拝には露骨に不快感を示す・慰安婦問題や南京虐殺では、なお中立を装って、中韓の支持を続けたりと言う使い分けに徹しているのですが、これは朝鮮戦争に対して日本を利用出来る範囲で再工業化や、アメリカにとても抵抗出来るレベルではない程度の再軍備を認めたのと同じやり方です。
アメリカにとっては日本を失うほど苛める気はない(利用したい)が、あまり強くならないように適度に世界中を敵に回すようにあちこちの國を使って日本の地位を貶めるように仕向けるのが基本政策です。
アメリカの軸足を徐々にどの方向に動かせるかは、日米力関係の変化次第ですから、時間をかけてじっくりやって行くしかない・・アメリカが如何に酷いかと悲憤慷慨しても解決になりません。
この意味では今後なお数十年以上かけてじっくりやって行くしかないのですから、性急に「イヤなら憲法改正しろ」と言う意見は、国民が自主的に作ったものではない・・アメリカに赤恥をかかせることになるので、アメリカの意向を無視出来ないことが分っていてどうせ出来ないだろうと言う立場で要求しているのです。
憲法学者の論法は、1800〜1900年ころに黒人奴隷に対して「奴隷がイヤならば、反対すれば良いだろう」と言うのに似ています。
無茶な条約によって、住みなれた故地を追われたアメリカインディアンに対してモンクあるならば、その条約を破棄すれば良いじゃないかと言うのも同じ論法です。
政治は力関係で成り立っているので、イヤなら改正すればいいと言う訳に行きません。
日本は国際政治上アメリカの意向を無視して自由奔放に動けないのが政治の実態です。
日本は国際政治上アメリカの意向を無視して自由奔放に動けないのが政治の実態です。
零戦・・最高水準の飛行機を作る技術を持っていた我が国が、アメリカの意向を恐れて、戦後70年経ってようやくホンダジェットや三菱重工が旅客機を作れるようになった事実を見ても、如何に政治力学が重要かが分るしょう。

組織犯罪向け手続法の必要性4

10年以上前に日本の警察の検挙率が高いと言うことに関して、批判的紹介したことがあります。
殆どの事件は現行犯・・未遂事件で現場で住民等に捕まるとその後に20件程度の窃盗歴を自白してしまうので、21件の検挙統計になりますし、被害者宅にに「お宅の犯人が捕まりました」と報告に行くので、大方の被害者としては警察がよくやってくれたと思っています。
実際には犯人が余罪を吐いたときのために、警察は被害事件を記録化しておくことが主な仕事のような感じで、こそ泥が入って警察を呼ぶと大勢が来て指紋採取したり足型をとったりしますが、その後実際には何もしていません。
彼らは記録を取っておくことが主な仕事で、記録がないと折角犯人がついでに、「数年前にどこそこで泥棒に入った」と余罪を吐いても、被害者に確認しようがないので立件出来ません。
自白だけでなく補強証拠がいるからです。
泥棒は番地まで記憶している人は滅多になくて◯◯団地からクルマで30分ほど走った集落の2〜3番目の家だったと言う程度しか分りません。
15年以上前と思いますが、あるヤクザが余罪として路上駐車のクルマを盗んだことを吐いたことがありました。
場所がはっきりしなかったのと車種もはっきりしなかったので、(そのクルマが半年前に盗まれたクルマの場合ヤクザが盗んだことによる被害届は出ません)警察で被害者を見つけ出すことが出来ず、事件化出来ないで終わってそのヤクザが元々捕まっていた事件で刑務所へ入りました。
その数年後そのクルマの保有者が検問で捕まって、回り回って刑務所にいるヤクザから買ったことをしゃべったので、そのヤクザがそのクルマ窃盗事件の被告人となったことがありました。
ヤクザの不満は、「俺が折角しゃべったのに◯◯警察が事件にしてくれなかったから、2回も裁判になったのは納得出来ない」と言う言い分でした。
うろ覚えの記憶・・大方の地域・◯◯駅から2k前後はなれたところ程度の情報・・うろ覚えの余罪自白の場合でも、被害届を記録しておくとその周辺で被害届が数件出ているときでも、被害届の内容等と犯人の説明状況等が合致することがあって、立件出来る仕組みです。
上記ヤクザの事件では、盗んだ場所と被害者の住所が一致しないことと、(千葉で盗んだとしても被害者が大阪から来た人かもしれないし、クルマの特定すら出来なかったので、どうにもならなかった事件でしたので、その辺を説明してそのヤクザも納得しましたが・・・。
日本人の余罪全部洗いざらい話してしまって、気持ちを軽くしたい傾向が多いのに比べて、外国人の窃盗事件や詐欺事件では、手口から見てプロ集団で継続犯行が普通に推定されるのですが、私が経験した限りでは、余罪については一切話していない事件ばかりでした。
例えばある駅で韓国コイン利用による500円両替詐欺事件では、繰り替えし被害にあったので警察が張り込んでいる最中に犯行があった現行犯謙虚事件でしたが、数日前の事件を知りませんと言うし、どのようにしてこう言う事件を始めたかの話は一切ありません。
日本人でも、組織犯罪でしかも確信犯の場合、如何に早く出所して組織活動に復帰するかの関心しかない場合、組織の秘密を自分から進んで話すことはあり得ません。
現在の振込詐欺事件等でも、組織について話している被告事件を見たことがありませんから、末端で預金払い戻し等に係わった人だけを検挙して終わりになる事件が殆どです。
日本人は検挙されると全部しゃべってしまうので、組織を知らないアルバイトさえ次々と雇えば良い・・組織にとっては旨味があるので、この種事件が減少しないのだと思われます。
組織事件はその大もとにたどり着かないままで、100件に一件程度時々バックの組織を検挙しているのでは、ヤクザ組織にとって採算性が良いのでこの種事件がなくなりません。

 組織犯罪向け手続法の必要性3

何十年か前に在日に対する指紋押捺制度を計画したときに「犯罪者扱いするな!」と反対運動していましたが、何も悪いことしなければ指紋を登録していても何ら困ることがない筈です。
私の知っている限りでは、あるヤクザが、ある組では、◯◯の氏名でこの組では△△名で警察では、本名の韓国名でといくつも通名を使い分けている人がいました。
こういうことで、統一的な把握が難しいことから、在日に関しては指紋押捺性が考案されたと思いますが、左翼人権擁護家?は人権侵害だとこれに反対していたのです。
今度のマイナンバ−制に対しても左翼・人権擁護家が、国民総監視社会になると言って反対していましたが、要は在日の通名使用特権?あちこちでいろんな名義の口座を作れる仕組みを守りたいことに帰するようです。
今年の夏から外国人登録制度から住民票制に移行したこと、来年からのマイナンバー法施行によって、在日特権の1つ・・である、通名による複数口座利用の旨味・・通名による隠し預金があっても、所得を隠して生活保護を受けるなどの旨味が剥奪されるようになります。
政治運動と言うのは、その結果によって利益受けるのは誰か、どのグループかによって誰の利益擁護ために運動しているかが浮き彫りになります。
余談にそれましたが、犯罪予防にはいろんなデータの事前収集制度が必要です・・これを人権侵害と言うばかりでは、犯罪・・大規模テロを防げません。
防犯カメラも人権擁護家・・弁護士ですが、肖像権侵害と言って反対運動していましたが、さすがに最近言わなくなりました。
実体法的には共謀罪法案が大問題になっていましたが、これは実害が起きる前の行動を犯罪に出来るようにしようとするホンの数ミリ程度だけ前に進める試みだったかも知れません。
上記コラムでも書きましたが、実務的には共謀段階だけでは証拠がない・・会話録音が仮にあっても冗談で言ってたのかの区別がつかないので、実際の実行があったときに・・しかも実行犯が関係者を全部しゃべったときに始めて、遡って何日か前に共謀に参加した人も処罰出来るようにする程度・・ヤクザの親分の処罰に後で使えるようになるだけと思われることをそのコラムで書きました。
自爆まで覚悟しているテロ犯の場合、仮に検挙しても任意に過去の謀議や組織の詳細を話すことは!%の可能性もないので、実は殆ど役に立ちません。
マスコミや左翼が宣伝しているように、何の事件もないのに話し合った程度で処罰出来るようなことは実務上想定できません。
この意味では、事件発生前の事件防止・・テロ対策には最近問題になっている共謀罪法案でも従来型・・直ぐに反省するような事件以外に役立たないように思えます。
テロ等が頻発して来ると、謀議だけで処罰する方向へ運用が変わるかも知れませんが・・今のところと言う意味です。
テロ予防に関しては、実体法の規定だけではなく従来型の手続法(勾留関連や証拠法則その他)や捜査手法(犯罪に着手するまで捜査が許されない・・事件が起きるまで何も出来ない・・)を前提にすると無理があることが分ります。
この無理をどうするか・・?と言うことで、幕末の新撰組や見廻り隊のように、怪しいグループをドンドン殺して行く・・事件が起きれば、無差別現場射殺と言う方法でなるべく裁判に持ち込まない・・捉えた場合アメリカのグアンタナモ基地での拷問が知られていますが、非合法取り調べが横行するようになっています。
この辺はテロだけではなく組織犯罪共通のものですから、言わば近代法で確立された個人主義・個人責任主義理念の限界となっています。
この辺は特定秘密保護法関連のコラムでも少し書いています。
日本の刑事訴訟で矛盾が露呈しなかったのは、私が経験している限りでは、検挙されて目が覚めたと言うか、反省している人ばかりだったからと思われます。
成田基地反対闘争以来の確信犯では、現場で逮捕されても自分の氏名さえ言わない・・完黙のママの人が多くいましたが、こう言う人は極く例外だったからではないでしょうか?
多くの日本人は自白強要しなくとも、この機会に過去の悪いこと全部話して気楽になろうとする人ばかりで、聞かれてもいない過去の窃盗など成功した分までみんな話してしまう人が殆どです。

民度と政体8(中国3)

ところで、以前より生活水準が上がるときは良いですが、殆どの人は生活レベル低下に我慢出来ませんので、経済失速すると大変です。
給与の引き揚げが簡単ですが、引き下げは難しいことでも分るでしょう。
市場経済でないからこそ、需要無視のインフラ整備が出来ると言う・社会市場経済?の強みと言う触れ込みですが、需要のないインフラを作り続けても、数年して出来上がる時期が来ると、地下鉄も高速列車も乗客がないと運営して行けませんし、ゴーストタウンばかりになってしまい、いつか無理が来ます。
最後まで需要無視で無駄に作り続けて矛盾が起きないのは、軍事力強化投資くらいでしょうか・・?
(これも財政力の限界を無視出来ないのは後記のとおりです)
ただし軍部は折角充実した兵器を使いたがるのが普通ですから、最後は利用することになる点では同じですが、住む人のいないゴ−ストタウンとは違い、危険性が増します。
需要無視で作った製造設備を遊ばせられなくて、出血輸出で世界中に迷惑をかけているのと同じです。
リーマンショックによって輸出が激減してから、政権支持層の国有企業幹部等の不満をそらすためにこの4〜5年ほどは国内インフラ生産に転嫁して何とか誤摩化して来たのですが、その仕事もなくなって来ました。
このはけ口としてAIIB設立・・海外インフラ輸出に走ったのですが、もう1つうまく行かないので・・ソフトランデイングさえ出来なくなってきて、国有企業による出血輸出や淘汰も始まりました。
今は中国の存在自体が世界の迷惑・・世界的迷惑行為は、近隣国威嚇だけではなく出血輸出により世界経済秩序破壊行為の方が大きい状態です。
世界中の資源価格の大幅下落や各種商品市況下落はこの影響です。
国有企業の淘汰=倒産規模縮小を緩和するには、本当の意味の内需拡大・・インフラを利用する国民を育てるしかありません。
・・国民に商品を買わせる・・貧しい庶民でも、地下鉄や高速列車に乗せるしかない→国民所得を上げるしかなくなったのが、最低賃金引き上げラッシュの原因です。
これをやるとその分、内需は盛り上がりますが、国民の政治発言力が上がって政治的に大変なことが始まるだけではなく、経済面では更に苦しくなります。
リーマンショックによる輸出急減は、競争力低下によるものではなく世界需要がなくなったことによりますが、ここ数年の中国の賃上げによって、低賃金生産工場の魅力がなくなってしまい、こんどは国際競争力がなくなってきたことによる輸出減が始まっています。
こうなると、輸出が更に減るだけではなく、競争力のない中国に投資する世界企業がへって資金流入が減る+資金流出のジレンマに陥ってしまいました。
潤沢な資金があってこそ、市場経済無視の無駄な国策投資も出来たのですが、資金流出が始まるとこの面でも投資が続かなくなってきました。
資本流出に困って、思いついたのが昨年末以来の株暴騰の演出・・「まだまだ中国に投資すると儲かるぞ!」と言う演出でしたが、実態を伴わない腕力相場ですからこの8月でポシャってしまいました。
この相場に魅力を感じて外資が入るどころか、逆にこの相場を利用して外資は売り逃げ出来て、国民が高値づかみした結果になって国民不満が余計高まっているでしょう。
実際このところの中国の外貨準備の急減ぶりは目を覆うものがあります。

http://www.news-postseven.com/archives/20151028_359508.html
中国の外貨準備高が5000億ドル激減 人民元防衛で市場介入か
2015.10.28 07:00
「中国の今年9月末の外貨準備高が昨年6月に比べて、約5000億ドルも激減していたことが分かった。特に、今年5月から9月まで連続5か月間も減少し続けており、これまでにない異常な動きを示しているという。この理由について、中国共産党機関紙「人民日報」は「米ドルに連動して、人民元の価値を調整した結果」であることを明らかにした」

中国の表面的外貨準備が減少する以上に、日本債券市場で言えば中国スジの債券保有額が大幅に減っていると言われているように、メンツを重んじる国ですから第三者名義の隠れ資金はもっと先に減っています。

民度と政体8(中国3)

ところで、以前より生活水準が上がるときは良いですが、殆どの人は生活レベル低下に我慢出来ませんので、経済失速すると大変です。
給与の引き揚げが簡単ですが、引き下げは難しいことでも分るでしょう。
市場経済でないからこそ、需要無視のインフラ整備が出来ると言う・社会市場経済?の強みと言う触れ込みですが、需要のないインフラを作り続けても、数年して出来上がる時期が来ると、地下鉄も高速列車も乗客がないと運営して行けませんし、ゴーストタウンばかりになってしまい、いつか無理が来ます。
最後まで需要無視で無駄に作り続けて矛盾が起きないのは、軍事力強化投資くらいでしょうか・・?
(これも財政力の限界を無視出来ないのは後記のとおりです)
ただし軍部は折角充実した兵器を使いたがるのが普通ですから、最後は利用することになる点では同じですが、住む人のいないゴ−ストタウンとは違い、危険性が増します。
需要無視で作った製造設備を遊ばせられなくて、出血輸出で世界中に迷惑をかけているのと同じです。
リーマンショックによって輸出が激減してから、政権支持層の国有企業幹部等の不満をそらすためにこの4〜5年ほどは国内インフラ生産に転嫁して何とか誤摩化して来たのですが、その仕事もなくなって来ました。
このはけ口としてAIIB設立・・海外インフラ輸出に走ったのですが、もう1つうまく行かないので・・ソフトランデイングさえ出来なくなってきて、国有企業による出血輸出や淘汰も始まりました。
今は中国の存在自体が世界の迷惑・・世界的迷惑行為は、近隣国威嚇だけではなく出血輸出により世界経済秩序破壊行為の方が大きい状態です。
世界中の資源価格の大幅下落や各種商品市況下落はこの影響です。
国有企業の淘汰=倒産規模縮小を緩和するには、本当の意味の内需拡大・・インフラを利用する国民を育てるしかありません。
・・国民に商品を買わせる・・貧しい庶民でも、地下鉄や高速列車に乗せるしかない→国民所得を上げるしかなくなったのが、最低賃金引き上げラッシュの原因です。
これをやるとその分、内需は盛り上がりますが、国民の政治発言力が上がって政治的に大変なことが始まるだけではなく、経済面では更に苦しくなります。
リーマンショックによる輸出急減は、競争力低下によるものではなく世界需要がなくなったことによりますが、ここ数年の中国の賃上げによって、低賃金生産工場の魅力がなくなってしまい、こんどは国際競争力がなくなってきたことによる輸出減が始まっています。
こうなると、輸出が更に減るだけではなく、競争力のない中国に投資する世界企業がへって資金流入が減る+資金流出のジレンマに陥ってしまいました。
潤沢な資金があってこそ、市場経済無視の無駄な国策投資も出来たのですが、資金流出が始まるとこの面でも投資が続かなくなってきました。
資本流出に困って、思いついたのが昨年末以来の株暴騰の演出・・「まだまだ中国に投資すると儲かるぞ!」と言う演出でしたが、実態を伴わない腕力相場ですからこの8月でポシャってしまいました。
この相場に魅力を感じて外資が入るどころか、逆にこの相場を利用して外資は売り逃げ出来て、国民が高値づかみした結果になって国民不満が余計高まっているでしょう。
実際このところの中国の外貨準備の急減ぶりは目を覆うものがあります。

http://www.news-postseven.com/archives/20151028_359508.html
中国の外貨準備高が5000億ドル激減 人民元防衛で市場介入か
2015.10.28 07:00
「中国の今年9月末の外貨準備高が昨年6月に比べて、約5000億ドルも激減していたことが分かった。特に、今年5月から9月まで連続5か月間も減少し続けており、これまでにない異常な動きを示しているという。この理由について、中国共産党機関紙「人民日報」は「米ドルに連動して、人民元の価値を調整した結果」であることを明らかにした」

中国の表面的外貨準備が減少する以上に、日本債券市場で言えば中国スジの債券保有額が大幅に減っていると言われているように、メンツを重んじる国ですから第三者名義の隠れ資金はもっと先に減っています。

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