新型コロナウイルス被害と流言飛語3

トランプ政権は発足当初低賃金労働者の入国禁止を基礎にしたメキシコ国境の壁構築やテロ防止名目にしたイスラム系入国規制厳格化という幅広い制限から始まったのですが、ここにきてターゲットを米国覇権に対する挑戦者中国に絞ったように見えます。
政権の煽りに便乗してアジア人と見れば(日本人に)痰を吐きかけたりする国民が多いのは、日頃から現状不満分子が社会に充満しているからかも知れませんし、ナチスの扇動にドイツ国民が便乗してしまったような状態の再現でしょうか?
米国は建国以来、黒人奴隷に始まるとてつもない格差社会化を突き進めてきたのですが、領土拡張と経済成長している限り相応の分け前によって底辺層の不満を吸収できていたのですが、拡大・成長が止まると・・格差拡大路線が行き詰まるのは当然です。
成長の恩恵を受ける中間層の没落→(元中間層を含む)底辺層不満が溜まって来たことがトランプ流ピュリズム政治が台頭する下地ですが、ただ不満のはけ口として弱者集団・・先ずは新規移民削減や不法滞在者摘発強化に向けるのは国内に直接の敵が少なく安全な方向でした。
しかし、インデアン支配地没収と西部への進出(フロンテイア精神と称する支配領域拡張)象徴される受け皿拡張の終了・現合衆国領土確定→中南米の間接支配+フィリピン支配などの帝国主義競争参加を経て、戦後は西欧植民地独立を後押ししながらその後釜に入る・・中東や東南アジア諸国への間接支配拡大により、ずっと勢力拡大路線が成功してきました。
米国支配の構図が崩れ始めてメンツを保てなくなっただけでなく、本国へのリターンが少なくなり内部分配額縮小過程に入ったので、各地に展開した軍事基地の維持費が負担に感じて同盟国という名の間接支配国に相応の負担を求めるしかなくなったのでしょう。
グローバル企業で言えば、ある国に進出した生産設備が採算割れになったので近隣国へ統合するような動きです。
国外駐留軍の駐留コストに見合う利益がない・・間接支配のメリットがなくなってきたから、世界の警察官ではないというようになり、駐留費用分担要求をすれば同盟国への間接支配力がなお揺らぐ結果になります。
ショッピングモールの魅力が減って売り上げ減になったので、出店料率を引き上げたいと言っているような構図です。
オバマ以来はっきりしてきた対外プレゼンス縮小の動きは実力縮小に合わせたものですので、これを継承したトランプ政権はプレゼンス縮小延長で
「今後は気前よく外国人を受け入れるわけにいかない」
という人口政策に一歩踏み出したものです。
米国の方向転換を宣言したのがオバマであり、その実行段階に入ったのがトランプ政権ですので、関係国は米国の方向転換の実行段階に向き合うしかなくなりました。
移民受け入れを象徴としてあらゆる場面で度量の大きさを売りにして来た戦後の米国の立ち位置変更宣言がオバマの発言であり次期政権を担うトランプ氏はその具体化に入ったと見るべきでしょう。
トランプ氏は正面切って国力限界を言いたくないので格好付けのために、アラブ敵視などの口実を探しているだけのことで、人権派の言い分に従って仕方なしにアラブと明記せず全世界に向けプログラム変更をしたかのように装っていますが、本音は全世界に向けてこれ以上の移民入国は困るという意思表示です。
米国の本音は、勢力拡張の限界→今後経済成長拡大しないとなれば分配すべき対象を減らすしかないとする単純論理でしょう。
企業で言えば、構造改革に伴うリストラ・新規採用縮小宣言と採算性の悪い海外営業所や工場の統廃合宣言です。
オバマ氏が「米国は世界の警察官をやれない」というと、すかさず中国・習近平氏オバマとの首脳会談で太平洋を二分して自国が支配するかのような提案をしたのが、米国の尻尾を踏んでしまいました。
長期的にはそうなるしかないとしても、「もっとやれるでしょう・微力ですができるだけのことをさせていただきますので・・」と応じるのが日本的礼儀ですが、中韓はまともにこれに応じて走り出してしまったようです。
このまま一直線に進むとアジアにおける米国の影響力が雪崩を打って崩壊するので焦った米国が世界の警察官を止めるというのは、中東の混迷から手を引くことであって、その分アジアシフトするという方向宣言するしかなくなったのです。
しかしそれはレトリックであって、実際にはアジアでもプレゼンス縮小の動きは急です。
アジアのハブ機能を持つ在沖兵力縮小の動き・・・グアム移転戦略が急ピッチで進んでいるし、駐韓兵力も戦闘力とは言えない規模に近づいているようです。
この本音を見た中国は南シナ海で埋め立て工事を実力行使した挙句に大規模な空軍基地を完成させてしまったようです。
今なお、米国の意向に正面から逆らうと痛いめに遭いますが、(経済封鎖を受けるイランのように)韓国は中長期的にはアジアは中国の勢力圏に入ると見越して中国への擦り寄り姿勢が露骨です。
日本にとって隣国のことなので判り良いだけで、この動きは世界的規模で起きているでしょう。
中国の対米挑戦姿勢が露骨になってくると、米国内で嫌中感情が渦巻くようになってきたのが米国の現状です。
トランプ氏が対中経済制裁に乗り出し、暗闘の域を超えて正面からの抗争に発展したのがこの数年ですが、トランプ氏が再選されなくとも対中標的の戦略が当面変わらないと言われているのはこの理由によります。
この重要段階で米国社会の基礎を突き崩すコロナ禍が起きて(貧困層を直撃すると)新型コロナ発祥の地である中国よりはアメリカ社会の弱点がモロに表面化してきたように見えます。
新型コロナ当初は衛生や医療の遅れたアジア特有の現象と欧米はアジア人を軽蔑していたのですが、武漢で始まり周辺アジア諸国に広がる段階を経て世界的に伝播してみると感染拡大率、死者数で欧米や中東の方が抵抗力が弱い結果が出てきたので、客観的に見れば今や攻守反転状態の筈です。
この現実が明らかになってから逆にアジア人差別が肥大化しつつあるというの意外ですが、自然発生的社会現象としては不自然です。

米国領土拡張・人口吸収政策の限界3と対中攻撃

失業率の上下にビクビクしているのは中国よりアメリカの方です。
周期的に存在する景気変動による失業率増加程度は時の政権支持率に不利に働く程度でしょうが、長期低迷・・歴史上経験のない事態に突入してくると、United States 「連合」を組む意味があるのか?Unitedのタガが緩むリスクの方が大きいでしょう。
米国自身の弱みを中国の弱みにスリかえて国際宣伝しているように見えます。
連合国United Statesの解体を防ぐにはUnited States創設の原初にもどり外敵が必須・・外敵向けの一致団結を訴えるしかない・星条旗の元に参集する状況作出が過去の米国政治でした。
今回の新型コロナウイルス禍がどういう形で収束するか不明ですが、いつもアクセルを吹かし続けないと生き残れない・・あくせくした成長社会モデルが終わりを告げて江戸時代のような落ち着いた社会・・安定社会に戻る印象を受けますが、いかがでしょうか?
安定社会・・成長を追い求めない歴史経験がないのが米国の特徴です。
米国は第二次世界大戦後、朝鮮戦争に始まり(これは北朝鮮による一方的侵略によるものでしたが・・)その後もベトナム戦争など絶え間なく戦争をして国民の亜kん芯を引きつけて来ましたが、アフガン〜イラクに始まる中東へ侵攻は出口が見えず撤退するしかない状態です。
次なる標的は米中対決ですが、相手が大きすぎて軍事衝突に踏み切れません。
トランプ氏の意を受けた政治好きの人は中国脅威論・・・中国が生物兵器製造に失敗して工場から武漢市内に漏れたのが原因とツイッター等で広め・5Gのような先端技術の中国締め出しの既存方向をさらに拡大してマスク製造のような低賃金国特化生産品でさえも中国に頼るのは危険だと煽っています。
中国側も負けずに事もあろうに報道官が(記者会見での公式意見ではないものの個々人のツイッターが厳しく政府に規制されている中国で、報道官の個人意見とはいえこのような重大発言を公開したのは、政府中央の許可・・非公式発言をさせたと見るのが国際常識です)アメリカが中国でウイルスをばら撒いたと言い返しました。
アメリカの猛反撃に驚いたのか?報道官なのに3週間ほど全く表に顔を出せないでいて、ようやく報道官としての登板では個人的義憤で表明したと釈明し政府と関係ない個人の意思かのような発言です。
この義憤とは、日本の海上保安庁役人が義憤で尖閣諸島での中国の横暴な行動を画像で公開した事件を想起させる表現です。
中国人民にとっては、アメリカが国内政治上駆け引きのために中国という敵を意図的にでっち上げているという義憤があるのでしょう。
中国報道官のツイッター公開は、日本で言えば真珠湾攻撃を政府として行ったことで、ルーズベルト大統領が待ち焦がれた対日宣戦布告の口実にされたようなものです。
これに怒った米国の反応・米国・トランプ政権は敵を求めていたので待ってましたと言う反応に驚いた中国はその火消しに必死でしたが、中国政府の政治感覚はこの程度のものか?と政治能力を世界中が認識したようにも見えるし、日本の真珠湾攻撃のように政府が表立って反論しないで報道官の個人ツイッターでやらせた分だけ大人の対応が進んでいるとも言えます。
いずれにせよ米国の攻撃目標にされると怖い!と再認識した人が多いでしょう。
米国は続けて中国の生物研究所からの流出でないか?と言うネット風聞を政府高官が公式にこう言う風聞があると取り上げたことが報道されていました。
さらに追い討ちをかけるようにマスクその他医療機器部品等を中国に頼るのは危険だとか言って国内回帰を言い出して欧米ではこの動きが一般化してきました。
さらにはWHOが中国に偏りすぎているのを検証するまで基金拠出を停止したりと、対中攻撃策繰り出しが矢継ぎ早です。
日本庶民の方は、流言飛語・・社会に否定的影響を与える根拠ない情報バラマキはいけないとしても希望を持たせる拡散ならいいだろう式の庶民の知恵中心のようです。
・・「納豆を食べる人は感染しない」とかお茶が良いとか、お国自慢が出てくるかと思えば、ちょっと科学的な意見?BCG接種した国との違い(納豆菌がウイルスを食ってしまうというのも科学論の一種でしょうか?)によるなどの、ちょっとした知的装い論程度です。
米国メデイアの場合は、トランプ氏が目の敵にする民主党系のメデイアはお得意の格差批判の我田引水が目立ちます。
アメリカの感染被害が多いというが、本来のアメリカ人は強いのだ?という白人擁護を兼ねた?格差社会論・・貧困層が感染や死者の大多数を占めている→民主党政権の国民皆保険制度創設が必須という主張に結びつける論をばら撒きます。
人種差別に結びつけたい人は、格差社会批判の発展形?で今回の被害拡大は黒人が圧倒的に多い・「奴らは・・もともとどうしょうもない奴らだ!と言いたい?ような非難攻勢も言われるようになりました。
武漢での新型肺炎拡大初期には、アジア人特有の感染症であるかのような欧米の人種差別的意見が流布されて、欧米では黄色人種系アジア人というだけで露骨な差別を受けるようになっていると報道されるようになっていました。
3月中旬以降イタリアを筆頭に欧米の方が感染数、死者ともに圧倒的に多くなるとアジア人蔑視がなくなったのかと思っていたのですが、このコラムを書くために検索するとこの傾向は4月になって、逆にアジア人と見ると嫌な顔をしてそむけたり露骨に席を立つ人が多くなっている・「アジア系女性が一人で買い物に出ると危険」とすら言われ夫婦同伴で買い物するしかないような日本人在住者のレポートがあります。
特にトランプ氏が「中国ウイルス」と言うようになってから、逆に激しくなった傾向があるようです。
日本の嫌中系ネット記事で「ザマーミロ」的記事が多いですが、日本人在住者も中国人と間違われて危害を受けそうな社会になっている状況が報告されるほどの嫌中感情の過熱ぶりです。
こうなると5Gに代表される科学技術や経済で中国に押され気味のアメリカの対中不満が、(これまで連載してきたように米国建国以来の膨張主義のDNAの限界がきただけのとですが)市民の不満はけ口として何でも中国を八つ当たり対象にしたい口実にコロナを利用する政権の扇動に乗る人が増えているおそるべき社会になりつつあるようです。
ナチスの扇動にドイツ国民が便乗してしまったような状態になりつつあるのでしょうか?

USA=領土拡張の歴史3(独立戦争の本音)

州兵だけ残してもルールオブローの思想のもと、司法権の優越の結果?連邦最高裁の判断が州の決定も覆せるので、徐々に中央政府の権限が強くなり、今や統一国家の体裁を取っていますが、中央政府の基礎たるべき州内の住民同士の一体感すらないので、州連合の一体感はなおさら希薄です。
これまで見てきたように一体感の希薄な国民で成り立っているにもかかわらず、これが分裂せずになんとかなってきたのは、独立戦争自体が領土拡張エネルギーの一環であり、その後絶え間ない領土・支配地拡張が続いていたことによります。
独立戦争というと抑圧からの独立のように見えますが、アジア・アフリカのように異民族が西洋人に支配され搾取され家畜扱いされていたのとは本質が違います。
日本で言えば幕末北辺を守るために北海道に植民して資本をつぎ込んできましたが、北海道の強化のためにどんどん資本をつぎ込んでいるうちに北海道が自立できるようになると今度は本国の干渉・・国際戦略の都合でここは我慢してくれと言われるのが邪魔になってきた・北海道や沖縄が本国から独立して自分たちで自由にやっていこうや!となったようなものでした。
(現在も北海道は本土からの公共事業投資中心でなりたっていてこれといった自立木産業が育っていませんし、仮に産業が育っても北海道民はそういうことを言わないでしょうが・・)
開墾の場合、すぐに食糧生産ができないので自分らが自活できるまでは本国政府や出身地の親族の経済援助が必要ですし、耕作地や生存を守ってもらうために本国の軍事援助・当初は現地人との戦いその後は西欧人同士の戦いに用心棒が必要でしたが、フランスやオランダとのせり合いで英国が完全勝利をおさめると本国に守ってもらう必要がなくなったのが第一の要因です。
その結果昨日まで英本国軍にフランス系移民とのテリトリー争いから守ってもらっていた植民地の人たちが、正面の競争相手がいなくなり、一方で自立できるようにな経済力がつくと本国の干渉が邪魔になって今までの敵だったフランスの応援で独立戦争はじめたことになります。
子供が成長すると親の干渉がうるさく感じるようになる身勝手さですし、英仏7年戦争で完敗したフランスにとってはこれに干渉するることは雪辱・影響力回復のチャンスでした。
米国独立戦争は、沖縄が日本から援助で自立できるようになった場合、中国の対日攻撃の最前線陣地に寝返ったようなものです。
この寝返りの直接の端緒は移民同士のテリトリー拡張争いでフランス系移民との競争に勝ち、邪魔がなくなったイギリス系移民がこの勢いでさらなる生活圏膨張を求めてインデアン領域にまで進出しようとしたところ、英本国が道義上?先住民配慮からOKしないことに不満を持った現地人集団がこれまで敵であったフランス応援で独立運動に進んだものでした。
フランスの応援で本国に対する独立戦を勝ち抜き、いわば自分らの生活領域をイギリス本国支配から奪取したこと自体が一種の主権簒奪行為ですし、海外子会社の社員が根こそぎ本国本社に背き海外子会社を乗っ取ったようなものでしょうか?
どこで読んだか記憶ありませんが、イギリス本国では異民族植民地支配の在り方に関する人道的立場による批判意見が国内で発達していて、異民族に対する過酷支配が正当化され難くなっていたようです。
同族または対等な西欧諸国民中心の北米大陸の植民地においてはアジア〜アフリカ等での植民地支配のような人種差別意識を基礎とする隷属はなかったとしても、内地と外地の経済格差や政治格差に不満があった人たちにとっては、有力なよりどころでもあったでしょう。
アメリカ植民地内の独立意見は本国内の良識は意見に触発されていた面もあったでしょう。
ただ、不平分子が反抗道具に使った場合、自分の人権意識が高いわけではありません。
人権人権と主張する日本の革新系知識人が、日常的行動様式では驚くほど女性軽視なのに驚くことが多いとだいぶ前に書いたことがありますし・・社内不平分子が課長部長の職に就けば、もっと能力がない・気配りに欠けるのが一般的なのと同じです。
北米大陸乗り植民地は、英本国の犯罪者等の流刑地でもあったことから、ならず者の天国でした。
(この点は後に大陸横断鉄道敷設工事や西部開拓時の事例紹介します)
米国独立後この流刑地がオーストラリアに変更されているので、一般的には、米国の都合で隠蔽されオーストラリアが流刑地であったことが知られているだけですが、本当はそういう成り立ちで、これを美化するためにメイフラワー号伝説・一種の建国神話が語り継がれるのではないでしょうか。
当時もその後も世界無比の過酷な黒人奴隷制度を内包していたし、その後先住民インデイアンに対する過酷なジェノサイド行為や黒人奴隷に対する仕打ちなどは周知のとおりであって、ならず者中心の移民らが、本国の人権思想家の意見を本国反抗道具に使ったと見るべきです。
この後に合衆国の歴史で引用する予定ですが、米国人はメデイアを通じて正義のイメージを巧妙に宣伝して国民を戦争に煽り立てることが常套手段になっていきますが、この第一歩・・独立戦争の「代表なくして課税なし」のスローガンが見事に成功して(インでデイアンを殲滅したい国民の)本音を隠すのに成功してきました。
南北戦争でのリンカーンのゲテイスバーグ演説、米西戦争〜真珠湾攻撃〜大量破壊兵器言いがかりでのイラク侵攻・・皆そうです。
後世歴史の真実が暴かれる時が来るのを見越して、批判されれば「国民は当時の指導者の巧妙な宣伝工作に騙された」という逃げ道を作ってきたように見えます。
独立戦争の契機になったのは、植民地側のインデアン居留地への植民拡大に英本国が応じなかったこと・先住民を追い出す支配拡張行動を遠慮なくやりたい衝動が紛争の端緒でしたのでその後の先住民・インデアンに対する侵略→ジェノサイド傾向が露骨になっていきました。
戦後日本学校教育では、米国は理想の国として教育されるので増税反対が独立運動の始まりのように習いますが、それは教育宣伝がそうなっていただけ?・日米開戦は真珠湾奇襲攻撃を受けたから日本が悪いと米国に都合よく説明されているのと同じようです。
親が暴走族で暴れまわっている息子を世間体を気にして説教したら、家を飛び出してヤクザの応援でやりたい放題を始めたのを親の抑圧から独立したと説明しているようなものです。

感染者増加と重症化・死亡率3

コロナウイルス自体どんどん進化していくようですから、いつまでも風邪症状で済むと考えるのは危険かも知れませんが、これまでの説明では大方の人にとっては感染しても普通の風邪症状と言われ、感染者の多くが自覚症状すらないうちに治ってしまうので却って感染に気づかずに動き回るので広がりやすいのが難点と言われるように、若者で終われば騒ぐ必要がありません。
ただし、高齢者や各種持病持ちの人が感染すると重症化し致命率が高いといわれ、若者がウイルス感染に気づかずに動き回ると高齢者や重篤な持病持ちの人に感染させてしまうリスクが高いので出歩くのを自粛してくだいとなっている関係です。
結局は感染者数増加が恐れられるのは感染者が増えることによって高齢者等への感染率が上がる・・高齢者に若者や孫が日常的に接するので、知らぬ間に感染させてしまうことが恐れられているのですから、本当に重要なのは重症者率や死者の人口比が重要です。
感染者が万単位になっても重症化率が低く99%が、ちょっと早く寝れば治る程度であれば普通のインフルエンザと変わりません。
アメリカでは毎年インフルエンザで万単位の死者が出ていると言われます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55312830W0A200C2000000/

米でインフルエンザ猛威 死者数1万人超え
2020/2/6 7:02 (2020/2/7 5:04更新)
ニューヨーク=野村優子】米国でインフルエンザが猛威を振るっている。米疾病対策センター(CDC)によると2019~20年のインフルエンザシーズンは患者数が1900万人、死者数は1万人を超えた。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、米国ではインフルエンザが大きな脅威となっている。

2月中に1万2000人以上死亡のニュースでしたが、今年は例年より少ないと言われているようです。
日経新聞の上記グラフによれば、17〜8年の方が多かったというのはネットの憶測意見ではなく事実のようです。
上記はもともと「コロナ」型だったのではないか?という考えが今後出てくるかもしれませんが、アメリカの場合、インフルエンザでも毎年この程度の死者が出る社会です。
元に戻りますと、新型かどうかは別としてコロナ新型怖いのは重症者率・死亡率次第でしょう。
日本もこれから東京の動向次第・新たに千葉県の障害者施設でクラスター発生しましたが、このようなクラスター関係はまとまっている分個別追跡封じ込めが難しくなさそうです。
その場合も重症者や死亡者の増加こそが重要指標であるべきです。
感染者1万人増えても重症者が5〜6人で死亡者が数人しか増えていない場合、パニックになる必要がありません。
日韓死亡者数(感染者数との比率でなく絶対数)の比率は今のところ概ね1対3→人口比では6対1の比率にほぼ変化がない現状を見れば韓国が、日本より先にコロナ禍収束に成功していると言えるのでしょうか?
今後モグラ叩きのように次々とクラスター発生するので、日本もどうなるか不明ですから他国のことを言える立場ではないですが、辺真一氏が3月12日の記事で韓国の成功を見習うべきかのような意見を書いていることを3月28日に紹介しましたが、時期尚早ではなかったでしょうか?

周期的変化7(新規感染者増加率3)

この種のウイルス大感染は20年に1回の大流行とすれば、医療施設を日常的需要の10数倍も空きベッドや集中治療室を設備し、不要な人材を20年間張り付けておくのは不可能ですから、結局は急速な需要・・患者増抑制が最善の方策です。
新たな感染症はしょっちゅう出てるのでしょうが、従来型では対処できない感染力の強さがあるからこそ大問題になるのであって、ワクチンや治療方法が開発されていないことが前提です。
ウイルス特定後治療薬開発にはほぼ1年半〜2年かかるらしいので、この間は自然治癒待ち=治療期間短縮はあまり期待できないので、時間稼ぎの必要からも新規感染抑制には人と人の接触抑制しかありません。
北海道は新規発生ゼロの日があるなど20日ころ緊急事態宣言解除したようで(退院率44%で)収束気味になってきたようですが、次に始まった愛知県も最近落ち着いてきたようです。
厚労省のデータによると3月20日現在(19日までデータ?)以下の通りでした。
3月20日(金)    前日比 現在入院等 退院      死亡
北海道   157    1     82     69   44%    6     4%
愛知県   130    3      111     3    2%     16    12%
東京都   123    11    96     24   20%   3    2%
大阪府   106    4     83          22   21%   1    1%

愛知県のデータhttps://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000613045.pdf

新型コロナウイルス感染症患者の発生について (県内149~153例目)
2020年3月25日(水) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課

となっていますので、5日間で23名増加の報告です。
愛知県のコロナ対応病床指定は160床とかで(今後軽症者むけ拡大予定?)ですから、今のところ間に合っていますが、1日5〜6人規模で増え続けると対応能力ギリギリになります。
そこで中軽症者向け施設100床分追加確保したとかのニュースを見た記憶です。
愛知は始まったばかりだからか?入院が増える一方で退院率はまだ低くて今は大変ですが、1日数人〜4〜5人程度の新発生で10日ほど持ち応えれば、その間に先行入院患者の退院循環が始まるでしょう。
(ただし愛知は、介護施設での発生のために死亡率が高くなりそうです)
大阪は、ライブハウスのクラスターで一時増えましたが、ほぼ収束に向かってきた様子ですが東京同様大都会型・・人の往来が激しいので、今後感染源不明の都会型感染がじわじわ広がるリスクがあります。
昨日の報道では東京が25日1日で41名もの新感染というもので、急激な増加に驚きました。
小池都知事による東京封鎖直前のような危機感が強調されました。
厚労省データを見ます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10465.html

3月26日現在の状況及び厚生労働省の対応についてお知らせします。(3月26日正午までの各国機関やWHO等から発表された内容を踏まえ、3月25日日報から下線部分を更新しました。)
国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は1,292例となりました。
内訳は、患者1,140例、無症状病原体保有者144例、陽性確定例(症状有無確認中)8例となります。国内の死亡者は45名となりました。
国内での退院者は、昨日より49名増加し、359名(患者320名、無症状病原体保有者39名)となりました。

3月20日に出た厚労省データは以下の通りでしたので、5日間で308人増加(1日平均約60人)です

3月20日12:00現在、国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は950例となりました。

一方で前日1日だけで退院者が49名に達していて、この1週間ほどの日々増加数(60人前後)にほぼ匹敵する数字になってきた点が心強いところです。
日本平均60前後で推移していたところへ東京だけで41人というのは衝撃的でした。
東京の近況は手に汗握る展開で目を話せませんが、1月から始まった感染後のこれまでの経過とすれば、世界最優秀対応というべき状態です。
とはいえ、東京の今後の展開次第では、日本も大変な事態になりそうです。
米国や欧州のようにオーバーシュート状態になって都市封鎖となってしまうかの瀬戸際状態になってきました。
世界大拡大による経済への影響は甚大ですが、日本は長期間オーバーシュート状態回避に成功してきたので経済への影響力の低さも際立っています。
これは医療部門の健闘と国民の協力によるところ大・・全面移動禁止による極端な消費消滅がないだけでなく、各企業の内部留保(緊急事態向けも現預金確保)の厚さが世界で群を抜いていることによります。
無駄に現預金を抱え込んでいるとエコノミストの批判の的でしたが、(私の周辺の井戸端談義では、「いざというとにお金が回らなかったら誰が責任をとってくれるんだよ!」というのが素人の大方の意見でしたが・・。
現在意外に有事の円高にならないのは世界中がパニックになって現金を手元に戻す動き・回収に動いているのに対し、日本企業は手元資金潤沢なので海外からの投資回収の必要がないから外資が一方的資金引き上げするばかりだからです。
11年の東日本大震災の時も、世界の投資家が日本が復興資金需要のために海外投資を引き上げる動きに出る→円高予想で円が買われ円高が進みましたが、日本は国内資金潤沢ですのでその程度の復興資金は手元資金で賄えるので資金回収が進まず、円高にかけた国際投資筋は損しました。
慌てふためいて引き上げているのは米国投資家中心ですので、ドルだけ上がり園が上がらないのですが、frbのほぼ無制限ドル供給政策が始まるとファンド系の狼狽が収まり、資金引き上げ=ドル手元資金化の動きが収まったようです。
日本は国際エコノミストのいう通り動かない国です。

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