自衛力3→戦力比較2

昨日紹介した日本側の記事・主張に対する中国側の記事です。
http://news.searchina.net/id/1583322?page=1

2015-07-30 06:17
中国メディア・台海網は27日、日本と中国の空中戦力を比較し、「日本が中国に遠く及ばない」とする評論記事を掲載した。
日本の航空自衛隊を紹介。西部、南部、中部、北部の部隊に別れており、「F-2」、「F-15J」という2種類の戦闘機が主戦力になっているとし、尖閣諸島で中国と全面衝突の事態となったときには北部の部隊がロシアの警戒にあたり、残り3つの部隊が動員されることになると解説した。
3つの部隊に配備されている戦闘機は合わせて「F-15J」が105機、「F-4E」が59機、「F-2A/B」が20機であるとし、もっとも性能的に優れているF-15Jが、中国の戦闘機である「Su-27」、「J-10A」、「J-11A」と同レベルだと紹介。一方で、「J-10B」や「J-11」といった改良型戦闘機に比べるとレーダー性能は非常に大きく劣ると分析した。
中国の第3世代戦闘機600機と戦い得るのは、F-15J戦闘機105機しかないと論じるとともに、那覇基地にある19機を除く他の基地に配備されているF-15Jが作戦に参加するには、給油機の助けが必要であるとした。
中国は尖閣諸島海域の作戦に出動可能な飛行場が27カ所あり、戦闘機も200機を超えていると紹介。給油機なしで1日最多4回出動できるとしたうえで、1日あたりのべ800機の戦闘機が同海域での戦闘に参加しうるとした。
また、10分間隔の空中戦ごとに双方が10のエレメント(2機編隊)を出動させたばあいは3時間で、30のエレメントを出動させたばあいは2時間で日本の空中戦力を消滅させることができるうえ、自機の損失は30機以内に抑えられるとシミュレートした。」

中国は古来から、三国志でいえば、曹操が赤壁の戦いに際して(三国志の「物語」ですが)「百万曹軍呉に会猟せんと欲す」と孫権を脅したことで知られるように、本当の戦いになると自国の兵が弱いのを知っているので、その前に圧倒的兵力を誇示して、相手をビビらせる・戦意喪失戦略→虚仮(コケ)威しが基本であることも割り引いて考える必要があるでしょう。
中国の主張とどちらが正確かは不明ですが、中国側では発着基地が多いことを自慢していますが、この辺は日本は沖縄本島に限定された基地が攻撃されると戻るべき基地がなくなるリスクがありますので、実際には中国に有利でしょう。
ただ日本自衛隊は米軍との共用基地が多いので、そこを攻撃する勇気が中国にあるかは別問題です。
たとえば、有名な普天間基地は自衛隊と米軍の共用可能施設になっています・米軍が奪回作戦に直接参加してくれなくとも自衛隊は留守部隊不要の有利さがあります。
都道府県別の全ての米軍施設規模と都道府県別の米軍施設で検索すると日本国内での米軍専用施設が少なく、概ね共用施設で、沖縄に関して専用施設が多いものの、普天亜飛行場は共用になっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/

飛行場 普天間飛行場 — 航空自衛隊那覇基地

中國の出撃基地がいずれも尖閣にほぼ等距離・近い利点は客観的な地理条件ですからこの情報も大方正確でしょう。
距離関係が正確とすれば、1日に4回の出撃可能と出ている点も検証可能・多分正確でしょう・・。
そうとすれば、仮に日本勢の8割が遠くからの出撃のために1日に2〜3回しか出撃出来ないとすれば、中国と日本の物的航空戦力が互角であっても現場の戦闘力では3対4以下の劣勢になってしまいます。
双方物理的軍事力については、お互いの宣伝では正確性がないので、第三者の記事を見ておきます。
http://www.recordchina.co.jp/b118129-s0-c10.html

世界の空軍力、中国4位、日本5位の結果に―米誌
1位米空軍2位米海兵隊・省略
3位ロシア空軍
旧ソ連の解体後大半の空の力はロシアに掌握された。ロシアはこの巨大な遺産に数十年間依存してきた。ロシアは1500機の戦闘機、400機の軍用ヘリを持つ。大半の戦闘機は老朽化しており、実質的に更新されておらず、就役も途絶えている。MiG-29、Su-27、MiG-31戦闘機は、冷戦前のままだ。ロシアの軍需企業はT-50/PAK-FA戦闘機を生産中だ。これはロシア初の第5世代戦闘機だ。報道によると、ロシアは新型戦略爆撃機のPAK-DAの開発を行っている。
4位 中国解放軍空軍・解放軍海軍航空兵
中国人民解放軍は中国武装部隊の保護シェルターで、主な飛行部隊は解放軍空軍と解放軍海軍航空兵に分かれる。解放軍空軍と解放軍海軍航空兵は1321機の戦闘機 攻撃機、134機の爆撃機 給油機、20機の早期警戒機を持つ。中国には他にも700機の攻撃ヘリがあり、その大半が中型クラスだ。一見したところこれは大規模な空中部隊で、巨額の国防費が費やされてはいるが、これらの軍機の大半は時代遅れとなっている。先進的と言えるのは500機のみで、これらの戦闘機は1980年代にロシアが開発したSu-27と国産多機能戦闘機のJ-10の改良版だ。残りの819機は1970年代のもので、外国空軍の深刻な脅威にはならない。

米国の調査ですから諜報力は確かだと思われますが、これによると昨日みたhttp://www.thutmosev.com/archives/26946289.htmlは米国データに基づく意見であることになります。
米紙では「先進的とみられる・・」と遠慮ガチに書いていますが、約30年前の冷戦期に開発された古いものを買い受けた中国がロシアとの協定を破って自前で改良を加えて後進国へ輸出をした・・これに怒ったロシアが後継機の供給を渋っている状態ですから)もので、本物(ロシアの運用)以上の信頼性がありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8350

チャイナ・ウォッチャーの視点
2016年11月30日
小原凡司 (笹川平和財団特任研究員)技術の違法コピーでロシアと交渉決裂
J-20が注目されるのは、中国が自力で開発した高性能戦闘機である可能性があるからだ。中国が現在、主力として使用している戦闘機は、ロシア製のSu-27とそのライセンス生産機であるJ-11である。しかし、ロシアは、中国がJ-11をライセンス生産するにあたって、多くの違法な技術のコピーを行ったとして、中国が空母艦載機として導入を希望していたSu-33の輸出を拒否した。両国間で、技術提供や価格などについて折り合いがつかずに交渉が決裂したとされているが、ロシアが拒否したのは、中国が少数の機体しか購入せず、後は違法にコピーするということを実際に行なってきたからだ。
このため、中国は、ウクライナからSu-33の試作機を購入してコピーし、J-15戦闘機を製造してきた。ところが、この時、中国は設計図を入手できなかったと言われている。J-15の艦載機としての能力が著しく劣るのは、当然の帰結と言えるだろう。エンジンの出力が足りないために、艦上で運用する際の燃料や弾薬が、陸上から運用する際の6分の1の量しか搭載できないとするものもある。
中国がコピーしたJ-15は使い物にならなかった。2016年5月現在、J-15の製造は16機で止まったままだ。航空機や艦艇といった武器装備品は、いくら部品を正確にコピーしても、完成品の性能はオリジナルにははるかに及ばない。航空機であれば、時には、まともに飛ぶことさえできない。航空機の開発・製造は、それだけ難しいのである。それでも、中国はメンツにかけて「自国の技術」で問題を解決したいのだろうか。

いわゆるトヨタその他民生品での純正部品と模造部品には品質性能に違いがあると見るのが普通です。

集団自衛権3(自衛力1)

スポーツでも夫婦喧嘩でも(昔から腕力のない女性集団に取り囲まれると乱暴な男がスゴスゴと引き下がるように)外野の応援団が多いほうが良いに決まっていますので、共闘してくれないまでも、応援団を増やす努力が重要です。
外野応援団のうち一人でも止めに入ってくれたらありがたいのが現実です。
日露戦争では、英国による武器弾薬の供給などの応援(共闘してくれた訳ではありません)が効き、しかも講和条約の設定までしてくれたものですし、日米戦争では東南アジアに破竹の進撃をしている「いいときに」止め役がいなかったので、最後まで行って完敗に追い込まれてしまった違いです。
ただし、日露戦争の場合、日英同盟のみによって講和条約になったのではなく、ロシア自体の内訌・第1次ロシア革命・・「戦艦ポチョムキンの乱」など総合的なものも大きかったので、緒戦で有利に展開し同盟していれば講和ができるとは一概に言えません。
http://www.y-history.net/appendix/wh1401-114.html

第1次ロシア革命
1905年1月、日露戦争の最中、ペテルブルクの王宮に労働条件の改善、国民議会の開催、戦争中止などを請願した労働者・民衆に対し、軍隊が発砲したことから起こった「血の日曜日」事件をきっかけに、その政府側に国会の開設などの改革を実行させた革命。
1905年、血の日曜日事件で民衆を弾圧し、日露戦争を継続するツァーリ政府に対する不満は兵士の間にも広まった。5月には日本海海戦でバルチック艦隊が全滅し、大きなショックとなった。

日米戦争ではアメリカは圧倒的戦力を有していたので、もともと緒戦で負けておいてから報復と称して国民の反日感情を煽ってから巻き返す予定であったことが知られており、仮に日英同盟が残っていても英国は仲裁役にはなれなかったでしょう。
対中防衛戦では同盟や応援団の役割はどうなるでしょうか?
これが現在日本での最高関心事です。
中国が、内政矛盾を誤魔化すため冒険主義・対日侵略戦争に走る場合、短期間の攻撃で日本が屈服してしまい交渉にすらならない場合は別として、一定期間日本が自力で奪回できれば、日本の応援団の力で交渉開始になります。
すぐに奪回されれば、中国がもともと内政矛盾を解決できずにに対外博打に討って出るのですから、・・・ロシア革命時同様に中国内政矛盾が吹き出して大混乱に陥るリスクがあります。
フィリッピンの場合国際応援団の力が及ばない内に中国に屈服してしまった・・応援が遅過ぎたということでしょう。
中国として侵略行動を突然開始→無防備の離島をいくつか占拠できますが、その後日本の反撃を何日間〜何週間、何ヶ月妨害して「占領の既成事実の構築ができるか?」が勝負になります。
逆に日本が何ヶ月も奪回できない・ジリジリと日本が押されて逆に占拠される離島が増える状態で(これ以上占領地域が増えないように)国際仲裁が入ると、「現状停戦」が仲裁の普通パターンですから中国の作戦は成功になります。
現在ロシアによるクリミヤ完全併合〜ウクライナ戦線がこの状態です。
数年経過して次の離島占拠のパターンを繰り返して中国領海・制海区域をじりじり広げていくやり方になると、日本は台湾方面を経たアジア航路を利用できなくなりジリ貧どころか急激な国力低下になり、中国に全面屈服するしかなくなるでしょう。
中国は、日本攻略のためには日本の短期的な抵抗力/奪回能力減殺に必死ですし、この意を受けた日本国内呼応勢力は、如何にして米軍の行動を縛り、自衛隊の抵抗力強化を妨害するかに知恵を絞り精出している傾向が窺えます。
長期的には兵器水準は模倣の結果国力比例していくでしょうから、戦力比は同レベル性能兵器・練度とした場合、優劣は航続時間・戦場との距離に反比例しますから、出撃基地をいかに近くに置くかで決まります。
日本の場合南北に領土が散らばっているので、専守防衛・・離島防衛には遠くから行くしかないので不向きになっています。
尖閣諸島でいえば沖縄本島からでも片道400キロ前後もあるので、単純往復だけで約800キロの燃料消費ですから、現地滞空時間がその分短くなる・これをいかに減らすかが重要です。

現在でも日々の不法侵入漁船?対策に海上保安庁の巡視船が出動し、自衛隊のスクランブル発進が増えていますが、400キロも彼方なので往復に長期間要している不都合(財政的にも巨大出費)があります。
東京都のホームぺージです。
http://www.soumu.metro.tokyo.jp/senkaku/gaiyou.html

尖閣諸島は、南西諸島西端に位置する魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬などから成る島々の総称です。沖縄本島から最も大きな魚釣島まで410kmの距離があります。

https://matome.naver.jp/odai/2140592031414042501によれば中国空軍基地との距離は以下の通りです。

台湾・尖閣諸島有事で最前線基地になる水門飛行場とは【中国・東シナ海】
更新日: 2015年03月08日
台湾国防部は、中国が場所的に適さない山間部に飛行場を建設した理由について、東シナ海に出現する米国と日本の戦闘機、軍艦などに効果的な攻撃作戦を展開するためと分析している。水門飛行場は、中国が日本と領有権を争っている尖閣諸島(中国名・釣魚島)、ガス田「白樺(しらかば)」(同・春暁)までそれぞれ380キロ、200キロの距離にあり、7-12分で紛争地域まで戦闘機が到達できる。同時に配備されたS-300防空ミサイルは、日本の自衛隊の主力戦闘機F15、F18などに対処するためとみられている。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1035102995によれば自衛隊戦闘機の航続距離は以下の通りです。

F-15DJ:2,800km(内部燃料タンクのみ)、4,600km(増槽3本)、5,820km(増槽3本+CFT装備)
F-22:2,775km(内部燃料タンクのみ)、2,963km(増槽2本)

そこで日本は少しでも近くに基地を設置して往復時間の消耗を減らすために、尖閣諸島まで170キロに位置する石垣島への自衛隊基地配備計画を政府か進めています。
距離が2分の1になれば現地往復時間が2分の1→同じ航空戦力でも現地滞空時間が伸びる他に発着基地が近づけば緊急時現地到着時間がその分早くなる計算ですから、親中韓派にとっては何が何でも石垣島基地建設に反対したくなる理由がわかるでしょう。
https://www.yaeyama-nippo.com/特集/自衛隊問題

石垣島への陸上自衛隊配備問題で、石垣市議会一般質問では20日、与野党3人が賛成、反対の立場から中山義隆市長の見解をただした。野党と市長は、自衛隊が抑止力かどうかをめぐって激論を交わした。
野党の小底嗣洋氏は「中国を仮想敵国として防衛体制を取って、下手に相手を刺激することは得策ではない」と配備反対を明言。「石垣島に地対空、地対艦ミサイルを配備しても、中国はそれ以上の弾道ミサイルを持っているから、抑止力にはならない。(石垣島への配備は)むしろ火に油を注ぐ」と持論を展開した。

上記反対論は、自衛力強化に反対してきた勢力が、いざとなれば自衛隊が弱くて抑止力にならないから戦わずして負けてしまった方が良いと言わんかのような論法ですから、いわゆる非武装平和論の底の浅さを表明したもので、具体的危機が迫っている現在、どうやって国土を守るかについての真面目な議論になっていません。

憲法学とは?3(集団自衛権1)

自衛のための軍事力を持つと相互にヒートアップする一方になるから軍拡競争になって危険だという古典的主張が普通ですが、北朝鮮の事例を見ると前からこのコラムで書いている私の小規模核武装論の正しさが証明されていると思われます。
自衛目的の核武装であれば軍拡競争する必要がなく、超大国が数百発の核弾頭を持とうが、数千発持とうが、弱小国が自国を守るための抑止力としてはちょっとした反撃に必要な数十発程度持っていれば十分です。
本来1〜2発大国へ打ち返せば十分ですが、大国による先制攻撃で発射装置が使用不能にされるリスクがあるので隠密裏(対米抑止力でいえば太平洋中幅広く)に逃げ回っておく予備弾頭保有が必要ですから今の段階では数十発以上となります。
相手が数百〜数千倍の量を誇ってもあまり意味がありません。
このように自衛オンリーであれば軍事予算も最小ですみ、他方超大国の大量兵器保有維持は無用になるので、保有兵器縮小に向かうはずです。
もともと、一定の抑止力保持が攻撃を抑止することは昔から常識的に知られていました。
大して強くなくとも男が一緒にいれば夜道でのかっぱらいや強盗行為を事前に思いとどまらせる抑止効果があります。
路上ひったくり等の被害者に無抵抗が予想される女性が多いのは、この原理を表しています。
夜道では女性一人でなく集団で歩いたり、弱くても母親が子供を迎えに行くことが多い理由です。
非武装論は塾から暗い夜道を歩いて帰る子供を母親やお父さんが迎えに行く必要がないという意見と同じでしょうか?
ドアーや鍵をいかに厳重にしても時間をかければこじ開けられない鍵やドアはありませんが、時間をかけさせることで泥棒は嫌がって寄り付きませんし、お城の場合時間を稼げば応援部隊の到着を期待できるから守りを厳重にしているのです。
正しい方は危害に直面すれば助けを呼べるのが普通ですから、子供の場合助けを呼ぶ能力もないので母親が一緒にいることが必要なのであり、呼ぶ力を含めた一定の抵抗力さえあれば間に合うし、襲う方はリスクが大きいのでよほどのことがないと手を出しません。
このように自衛力とは多くの場合抑止力保持の問題であり、相手の戦力の何割以下で間に合う筈ですから、相手が何割減しか持っていなければ強い方も侵略意図さえなければ、ほんのちょっと多く持てば体面を保てる?ことになり、必要以上持つ意味がなくなるので軍拡どころか縮小競争になる筈です。
思想の自由に戻します。
国家転覆まで言わなくとも、対日テロ組織を応援するために「どうしたら日本でテロを成功させるか」「テロ要員養成方法」などの研究発表の自由がある・処罰法がない以上、いくら研究発表しても良いという人がいるのでしょうか。
思想の自由・国家が思想を差別すべきでないという理由で国税で賄う国立大学教授が、「人殺しを巧妙にやる方法」などの研究に精出していて良い・研究費の助成をすべきでしょうか?
生命の危機にあっても「自衛する権利がない」というような思想ってどういう論理があるのか私には理解不能です。
憲法学者には(私のように理解力の低い弁護士を含めた)一般人に理解不能な高尚な理屈があるのでしょうが、一般人には高尚すぎて理解出来ない・国民の生存本能として「襲われて殺されそうになれば、叶わぬまでも相手の手首や指に噛み付いたり抵抗したい」ものです。
(オーム真理教によって殺害された坂本一家殺害事件では坂本弁護士の奥さんが殺される寸前に相手の指を噛み切っていたと言われます)
危険が迫れば、警察に相談し、巡回を増やしてもらい自宅の施錠を厳重にするのが普通です。
この基本的精神・国民の信念こそが、憲法条文に仮に明記していなくとも政府・国民の守るべき「実質的意味の憲法」と言うべきでしょう。
条文上も生命身体の自由を守るのは国家が「最大の尊重」と書いています。

憲法
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

憲法学者とこれを応援する人権派弁護士は我々一般人の理解不能な高尚な屁理屈をこね回して、人として犯してはならない「実質的憲法」違反行為を誘発する論理展開しているように見えます。
憲法学者の7割もの人が、日本民族約97%が支持している「実質的意味の憲法観」を共有していないのでしょうか?
日本がミサイル迎撃システム強化を発表すると、すかさず中国が日本の軍国主義化を批判するのですが、日本の憲法学者は日本人の多くとは価値観が合わないが中国とでは価値観が一致しているということでしょうか?
ところでこれまでの自衛論は、大声で助けを呼べば誰か来てくれる・自宅のドアーを頑丈にして守る程度ですが、この自衛論は、すぐに警官が救出に来てくれる前提の自衛論です。
アメリカが世界の警察官をやめた場合、いつまでも自宅に長期間篭ってばかりいられないので、必要な外出をどうするかの問題が起きてきます。
一歩外に出れば一定の危険がある・・個人生活で見ても暖房がないし雨も降るので、コートを着たり傘を持つように外部環境に備えるのが普通です。
自衛隊違憲論者や平和憲法死守運動家や護憲運動家の意見によれば、軍備保有=侵略国家になるようですから、この伝によれば日本周辺は日本を侵略したい国々ばかりひしめいていることなります。
ところで自衛隊合憲論者でありながら、領海外での集団自衛権否定論は首尾一貫しないように見えます。
領海外での自衛行動が出来ないとすれば、自宅の戸締りができても一歩も外に出られないほど危険な社会になっても、家の外では自衛することも許されないという論理でしょうが、そうなれば日々の買い物にも仕事にも学校にも行けないので1〜2週間でまいってしまいます。
国家単位で見れば、これまで米国が世界の運輸・航路安全を保障してくれていたのですが、今後インド洋や東南アジアや南シナ海のシーレーンで航行の自由を阻害されるようになると日本経済が存続できるかの瀬戸際に直面します。
特定国が、この航路で日本向け貨物だけ止めた上で日本に無理難題を要求してきても、これを受け入れるしか無くなる事態になればどうするかです。
全面的に航路を止めなくても、国籍を不明の海賊船を多数送り込んでしょっちゅう日本向け船舶のみ狙って略奪や乗務員殺害を繰り返すようになった場合どうなるでしょうか?
日本向け輸送だけ護衛船団が必要となれば、コスト増になり他方で諸外国にとっては日本向け用船料アップ要求になり、交易条件が非常に不利になります。
今の尖閣諸島近辺の状況を見ればわかるように、中国は公船や漁船と称して日本の海上保安庁の船の何十倍?もの船を海上保安庁の周りに動員して群がっています。
これを海賊と称して武装化して南シナ海やインド洋などで日常的に輸送船の周囲に群がり襲撃を繰り返すようになると、日本の海上自衛隊独力では守り切れない事態が起きてきます。

言論政治活動の自由 3(テロ計画も自由か?3)

平和主義とか表現の自由というナイーブな原理論だけでその具体化の議論がほとんどない風土になっているのがふしぎです。
我が国では「羹に懲りて膾を吹く」というか、自由を守るためには許される限界論が必要なのに、自由といえば何でも自由、平和と言えばどんな不当な要求・侵略にも抵抗しない平和・「軍備を持たない平和」という短絡的発想のイメージ報道が多すぎるように思えます。
現実の必要から各種人権思想が生まれたのではなく輸入思想であるから原理原則の強調に関心が行き、実際に運用すると起きてくる不都合にどうやって対処するかに目が届きにくいのかも知れません。
車の普及.金融取引であれ貿易の自由化であれ表現の自由であれ、活発化を図るには逆に管理しながらより一層の普及を図るのが一般的ですが、日本では平和論や思想表現の自由を守るための具体論をタブー視している結果、却って健全な議論を妨げているように見えます。
敗戦ショックの直後には、具体論よりも平和を守ろうという理念に感激しているだけで良かったし、実際的に世界大戦が終わり国際連合発足など世界平和に向けた世界新秩序構築が動き出したばかり・・しかも当時世界ダントツの米軍が守ってくれている安心感もありましたので心情だけではない合理性にも裏うちされていました。
私も数十年前までは世界平和を守るには民族別戦力強化ではなく、国連の(国連軍?)強化を期待する方向で何となく考えてきたのは、敗戦ショック+国連への期待感と合わせた戦後教育にどっぷり浸かった育ったせいです。
ところが、世界連邦のようなものは実現性が乏しく、しかも1国1票の平等性の場合民度レベル差が厳然として存在する結果、(我が国で思っているような公正な公務員や公正な政府など滅多にない・・西欧でも革命などの命がけの反抗をしないとまともな政治が期待できなかった社会であることを証明しています)公正な議論よりも買収工作等に長けたずるい国が多数支持を握る現実の醜悪さが出てくる実態が明らかになってきました。
日本人の考える政府の公正さの基準からすると米国も自分勝手なところがありますが、イキナリ北朝鮮が南の韓国侵略を始めた朝鮮戦争が起き、米ソの角逐が始まると世界はまだ無防備での平和は存在しないと知るようになりました。
以後の平和論は抽象的平和論ではなく、源平時代の武士のように米ソどちらについた方が自国の安全を守れるかの平和論に変わっていった事になります。
どちらについても応分の軍事協力を求められる点は源平時代の武士団同じでした。
その頃から西側の核実験や公害等だけ非難する革新勢力の偏頗性が際立ってきたので、(両方非難していれば私もそのママついていったように思います)私のようなノンポリは彼らの主張はおかしいと疑問を持つようになって支持離れを起こしてきたのです。
ソ連崩壊後世界一強になったはずの米軍の国際的警察力の陰りが(対テロ戦の脆弱性と中国の台頭により)却って明らかに見えてきたので、米軍に頼っていれば安心と言えなくなり一定の自衛力の必要が生じてかなり経つのに、具体論に行くのをいまだに拒否する人がメデイア界で幅を利かしているのは不思議です。
日本で抽象論が隆盛と言っても、それは憲法学者やいわゆる文化人等の一部職種でこだわっている人が多いにすぎないのにこれをメデイアが国民の代表のように大宣伝しているだけで、実は人口の2〜3%しかいないのです。
日本では共謀罪法案でも秘密保護法案でも、反対論者は「近代法の法理を守れ」と言いっ放しでその先の具体的な議論をまったく報道しません。
(私は先進国に存在する共謀罪やスパイ防止法と比べて我が国の規定がどう言う点で問題があるのかの具体的議論を知りたいのに、法律専門家であるはずの弁護士会主催のビラでさえもこれが全くないと批判してきましたが・・)
思想表園の自由といっても、強盗や殺人等が犯罪であるということは窃盗や強盗や殺人傷害等が正しいからどんどんやりましょうと煽動する思想や表現も本来道義的に許されないものですが、思想そのものの事実認定証拠収集が難しいので、そういう法律がないだけ・どんな思想を持とうと勝手ではなく、処罰する方法がないだけです。
近隣国の反日感情を煽り対日侵略意図を高める程度であれば、内乱予備罪や外患誘致罪にならないとはいえ、道義的に許される行動ではありません。
およそ、刑法で処罰されない限りスレスレ行為をしても良いという生き方・・犯罪すれすれ行為・・証拠さえ残さなければ良いという生き方を日常的に行うのは、人のあり方として褒められた行為ではありません。

刑法
第三章 外患に関する罪
(外患誘致)
第八一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。
(外患援助)
第八二条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。
(わいせつ物頒布等)
第一七五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
《改正》平23法074
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。
(名誉毀損)
第二三〇条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

道義違反と法的規制可能かとは別問題です。
刑事処罰されなければ正しいわけではありません。
外国の介入を招く目的の政治意見が民族国家的には重大利敵行為ですが、これを直接刑事処罰するには冤罪を防ぐための構成要件明確化に無理があるので、現在たまたま不問にされているにすぎません。
「人の生命を奪え」というような意見流布宣伝が政治意見だとしても道義的に許されることはありません。
しかし上記のようなはっきりした主張は少なく「戦う前に相手に屈服したほうが良い」と言うのも、あるいは戦争途中で早めに降伏した方がいいかの判断も国を守るための一つの意見ですし、利敵行為とは言い切れません。
ポツダム宣言受諾をもっと早くすべきだったかの問題と同じです。
無抵抗で相手の軍門に下るかの判断は圧倒的に相手が強い場合無駄な抵抗をしないほうが良いのは、暗闇で暴漢数人に襲われた時の身の処し方と同じですが、ほぼ国力均衡あるいは自国より圧倒駅に弱小国相手でも、「無防備でされるままにしたほうが良い」と言い出すと、その思想の不自然さ・明白性が出てきます。
北朝鮮の場合には相応の反撃力があるので米国が安易に総攻撃をかけられないジレンマに悩んでいることからも、(100対1でも)相応の防衛力があれば相手が安易に攻撃を仕掛けられないことが証明されています。
このように自衛戦力は攻撃相手国の何分の1でもよい・・侵略目的でなければ、自衛力保持は安上がりでしかも安全です。

GHQ(内部対立)+本国政府+極東委員会3

マッカーサーが選任された時には、SWNCCの申し子として対日占領政策遂行の現地トップとして信頼されて選任された(彼自身フィリッピン撤退に関して個人的に対日報復意識が強かったことは周知の通りで、その彼を選んだSWNCCの基本姿勢がわかりますし、本来合理的制度としては、マッカーサーが個人的報復をしすぎないための監視役だったはずなのに、)着任後マッカーサーが日本擁護役に回って背後のWNCCと政策対立が始まったとすれば不思議です。
マッカーサーが天皇との会談で感銘を受けたことによると言う意見がありますが、この点はあとで触れるとして対日政策は国際政治の一環ですから背後には複雑な関係があるでしょうから、この面から見ておきます。
GHQ内に国内対立が持ち込まれていて民政局と情報治安局との対立があったことは一般的に知られていますが、一般的には天皇制に関する意見相違というよりは、容共スタンスかどうかの違いをいうものが普通です。
外見上そう見えますが受ける印象は、アメリカ国民は悪くないが民主党政権になると、反日的で日本は民主党政権いなるといつもひどい目にあっているとという論旨展開です。
中国などの常套文句である日本国民は敵ではないが、軍人が悪かったとか、今は自民党支持が揺るがないので自民党を批判しないで、安倍政権だけゆるせないという論法にそっくりです。
メデイアはその通りの受け売りで総選挙前には内閣支持率が低いという宣伝ばかりしていましたし、どこの野党か護憲勢力か忘れましたが、憲法改正について、内容の議論前に「安倍政権での改憲を許さない」という子供じみた主張を臆面もなくしていました。
ここまでくると幼児並み主張です。
憲法や法律は将来を拘束するものであって、数年内に退陣する現政権とほぼ関係がありません・内容の議論こそが必要でしょう。
日本にとって良いことであっても、あの人がいうから反対・テストの結果が良くてもあの子は落第にしろというような感情論を煽っているのです。
内容に入りたくないから、多くの憲法学者が反対しているとか、憲法には憲法改正できない限度があるというような抽象論が幅をきかすのでしょう。
http://www.sankei.com/politics/news/180115/plt1801150005-n1.html

2018.1.15 07:07更新
安倍政権下の改憲反対54% 共同通信世論調査

上記を見るといわゆる安倍叩きが奏功していて不合理な意見が影響力を持っていることが分かります。
右翼系ネットで「アメリカは良いが民主党が悪い」という運動が盛んになったのは、日本左翼の政治運動の真似でしょう。
裁判闘争の真似を始めたのも同根ですが、左翼系の方は「一日の長」どころか何十年もの経験差があって真似では勝てないでしょう。
容共かどうかばかりで天皇制について全く触れないのは「共産主義勢力にとっては君主制そのものが議論以前に容認できない立場であった」・自明だからこの種の論者は天皇制に対するスタンスがどうであったかの紹介をしていないのかも知れません。
以下はhttp://dorian.en-grey.com/徽宗皇帝のブログで引用されている意見を引用したものです。
ここには主張根拠を書いていませんが、検索してすぐ出たことと、一般に知られていることですが、この主張が正しい事実に基づくかどうか不明のままのあんちょこ引用ですが/事実であるか否かは読者の事実調査にお任せします・・これを引用しておきます。

「当時GHQの内部には二つの路線対立があり、国務省系のGS(民政局)は占領内政担当で民主党左派すなわちニューディーラーによって構成されており、国防総省系のGⅡ(情報治安局)は軍務担当で共和党員が中心になっていた。
このGSとGⅡが激しく対立していたのである。民主党の影響下にあるGS(民政局)は日本をマルクス主義化する実験と併行して「ウィークジャパン(弱い日本)をつくる」と主張しており、一方GⅡのウィロビー少将はニューディーラーたちが日本を左翼国家へ改造しようとする「実験」に強く反対し、「不必要なまでの日本の弱体化は国際共産主義を利する」と考えてストロングジャパン政策を主張していた。」

要するに国務省・民政局(民主党系/容共系)対国防省(共和党系・反共)の路線対立があったとの主張です。
これが最近言われているルーズヴェルトの容共政策→日本はその犠牲になったとする一連の議論とも繋がっているのでしょうし、左翼系論者には受け入れらない議論でしょう。
ただ、上記「徽宗皇帝」のブログ執筆者自身が上記引用文を、「GHQ内部の社会主義者グループと反共主義者グループの対立について簡潔にまとめた文章を探して、検索の最初のあたりにあったものを適当に拾ってきた。文章の調子からすると右翼思想家のもののようだが、書かれた「事実」自体は他の人のGHQ関連著作に出てくる内容とほぼ同一だから、書き手の偏見的記述にさえ気をつければ読むのに問題は無いだろう。」自分と立場が違うが、事実として問題がなさそうとして引用しています。
ただしこのブログ自体も執筆者の自己紹介がない・責任を負いたくない意思表示でしょうから、元々無責任意見として読む必要があります。
毎日からの引用です。
https://mainichi.jp/articles/20150504/org/00m/010/997000c

制定過程をたどる 2015年5月4日
2 天皇制守った「象徴」 GHQ、戦争放棄と「セット」
1946年2月13日、東京・麻布の外相公邸。連合国軍総司令部(GHQ)のホイットニー民政局長は「日本案は全然受諾できない」と宣告し、タイプで打った21枚の用紙を差し出した。
・・・ぼうぜんとした表情を浮かべる吉田茂外相と松本に、ホイットニーはくぎを刺した。
「最高司令官は、天皇を戦犯として取り調べるべきだという他国の圧力から天皇を守ろうと決意している。この諸規定が受け入れられるなら、実際問題として、天皇は安泰となる」
このときホイットニーは「天皇のperson(身体)を保障できない」とも述べたという説があるが、吉田は否定している。
象徴天皇制と戦争放棄はGHQ案の核心部分だった。米国は太平洋戦争中の42年から、天皇制を利用して日本を間接統治する道を探っていた。終戦後の45年9月27日、マッカーサーは東京の米大使館で昭和天皇と会談し、天皇の戦争責任を問うべきではないという思いを強くしたとされる。
しかし当時、米ギャラップ社の世論調査では、米国民の約6割が昭和天皇の起訴を支持していた。オーストラリアが天皇を戦犯リストに入れるよう主張するなど、国際情勢がGHQに必ずしも有利でない中、マッカーサーには、ソ連や中国などもメンバーの極東委員会が介入する前に憲法改正を終えたい思惑があった。
・・・マッカーサーは2月21日、幣原喜重郎首相との会談で率直に伝えている。「私は天皇を安泰にしたいが、極東委の議論は不愉快なものだと聞いている」「ソ連とオーストラリアは日本の復讐(ふくしゅう)戦を恐れている」
政府は翌22日の閣議でGHQ案の受け入れ方針を決め、幣原らが昭和天皇に報告した。GHQの記録によると、天皇は「最も徹底的な改革を、たとえ天皇自身から政治的機能のすべてを剥奪するほどのものであっても全面的に支持する」と語ったという。
2月26日、極東委員会の第1回総会がワシントンで始まった。ただ、昭和天皇の訴追論議は盛り上がらず、4月3日、天皇の不起訴方針が事実上決まった。結果として、マッカーサーの描いた戦略は功を奏した。
東京裁判に詳しい日暮吉延帝京大教授(日本政治史)は、強硬姿勢だったオーストラリアが矛を収めた背景を「日本の軍事的脅威がなくなれば、天皇を裁判にかける必要性もなかった」と説明する。
GHQが天皇制の存続と引き換えに改正案の受け入れを迫った一連の経緯は、現在の「押し付け憲法論」の根拠の一つだ。しかし、天皇を守ることは日本政府にとっても最大の課題だった

 

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