米国の高家賃5とホームレス(IT化)1

ここでいよいよホームレス問題に入ります。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/6755によれば以下の通りです。

ホームレス大国アメリカ」の現実 世界覇権どころではない国内の疲弊
国際2018年1月20日
賃金は減り 住宅価格は暴騰

㊤路上で寝るホームレス(ニューヨーク)、㊦行政が設置したシェルターベッド。入居待ちが続いている(2017年、ロサンゼルス)

・・・西海岸を代表する都市ロサンゼルスは・・・前年比で20%増加した(支援機関「LAHSA」調査)。18歳から24歳までの若年層ホームレスは64%も上昇しており、「ロサンゼルス短大地区の学生の5人に1人はホームレス」という調査結果(ウィスコンシン大学)もある。
・・・昨年11月、シカゴ大学が発表した報告書では、ホームレス状態にある学生が全米で少なくとも420万人にのぼり、そのうち13~17歳は70万人、18~25歳が350万人という衝撃的な数値が物議を醸した。
また、約46万人の学生を擁するカリフォルニア州立大学(全米最大)が委託した調査によると、同大学では10人に1人にあたる約5万人の学生が特定の住所を持たないホームレス状態にあり、さらに5~4人に1人にあたる10万人が食べ物の確保ができていない。

1大学だけで学生5万人もホームレスとは、日本では想像もつかない現状です。
ハングリー精神から新規イノベーションが生まれるとは言われますが・・・???。

・・・ホームレス増加の主な理由は、工業の機械化による解雇や病気による失業の増加、実質賃金は増えず家計収入は減っているのに進む物価上昇、とくにリーマン・ショック以来続く住宅価格と賃貸料の異常な高騰である。
・・・(金融大規模緩和・・稲垣注)それによって住宅金利は下がり、住宅への投資を促進したが、余剰マネーがふたたび不動産市場に投機する流れをつくり、不動産価格はリーマン・ショック以前をしのぐ天井知らずの高騰を見せている。
・・・矛盾が集中したのがIT産業で急成長を遂げたシリコンバレーを抱える西海岸で、全米で進む不動産市場のバブル化に、企業進出や労働人口増加による需要増大という条件が加わり、住宅価格は高いところで年平均20%も上昇。高級住宅に暮らす人人がいる一方で、低価格帯でもワンルームの家賃が3000㌦(約33万円)にもはね上がったため、多くの人人が住居での生活を諦め、路上生活をしながら働いている。
「更新手続きでいきなり家賃が500㌦(5万5000円)も上がった」「年収700万円稼いでも家族を養うのが難しい」というほど異常な高騰が家計を襲い、空き地や川縁にはテント村ができ、道路に連なる宿泊用の車両が急増した。時給15㌦(1650円)程度の所得ではフルタイムで働いても、とても2000~3000㌦もの家賃は支払うことはできない。いまや「ホームレス=失業者」という概念は過去のものとなり、工員やショップ店員、技師、教員までが路上や車上生活をしながら職場に働きに出て、シャワーを浴びるためだけにスポーツジムの会員になっている(AP通信)。

19日にアマゾン第二本社誘致運動を取り上げましたが、以下に続く文章によれば、アマゾンの本拠地では全米最高のホームレス発生という実態が背景にあることが分かり分かります。

グーグルやアップルなどハイテク企業の本社が集中し、国内でもっとも平均収入の高いシリコンバレーの大都市が、米国最大のホームレス地帯となっている。
・・・アマゾンやマイクロソフトが本拠地を置くワシントン州シアトル(人口70万人)では、ホームレスが1万人をこえて過去最大を更新し、ホームレス人口が全米ワースト2位になった2015年には緊急事態宣言を発令した。人口が増えた反面、住宅価格が年平均10%上昇し、賃貸価格も六年間で57%も上昇しており、多くの一般家庭が家を失った。「好景気」によって富が集まり、経済活動が盛んになったのは数%の上流層だけであり、多くの人人は低賃金労働のもとで住む家すら失って社会の枠組みからはじき出されている。

以上によれば、ピッツバーグ等製造工場の盛んであった地域衰退・・ラストベルト地帯ばかりメデイアが取り上げていますが、もっと問題なのは高度成長している成功地域でホームレスがどんどん生み出されている状況です。
昔のラッダイト運動の場合、製造業の発展で農奴に近い小作人が中間層に脱皮できて収束できたのは、先進国がこの技術を囲い込み世界の工場として世界中から富を収奪できていたからです。
先進国がマルクスの御託宣のとおり矛盾激化しないで後発国ロシアや中国で矛盾劇化して共産革命や動乱が起きたのは輸出受け入れ国の地位になっていたからであって偶然ではありません。
先進工業国は、先進技術独占による高賃金・中間層の厚み構築・社会の安定・未来への希望社会を作り上げていたのですが、これが後進国を市場とのみ位置付けてきた収奪の仕組みによっていたにすぎません。

米国の高家賃3(継続しない社会)

社会のあらゆる分野で更新(継続)原則社会にするか自動終了社会にするかは、社会の在り方の根本を規定するものですからこのような基本法が成立するかどうか自体が、庶民を大事にする社会か否かのバロメーターです。
日本では地代や家賃を地主や大家の都合で簡単にあげられない制度・・昨日紹介したように更新原則制度(終身雇用の定着もこの原理によります)が大正時代から始まって定着していますが、住宅価格が上がれば家賃もあがる→ストレートにホームレスが増える結果から見ると米国には(個別対応法があるとしても、それでは政策が後手に回ります)こうした基本的制度がないのでしょうか?
ネット企業ではアマゾンなどネット企業の横暴さについて、ある日いきなり出店条件改定を突きつけられたという悪評が目立ってきました。
日本のゾゾタウンの場合、アパレル等大手が多いので逆に出店中止の動きが出ている例が報じられていますが、報道に出ない中小の出店者は契約解消するといきなり販路を失うので一方的改定通告の言いなりのようです。
契約自由に対する「規制さえなければ何をしても良い」という「悪しき自由主義」・・「法家の思想・法万能主義」は性悪説に始まっていることを15日に書きましたが、この基本思想が米国社会を蝕んでいるのでしょうか?
(一般に「せいぜん、せいあく説」と習いますが、日本語で表現すれば「しょうよし」と「しょうわる」ですからピンとくるでしょう)
欧米で発達した近代立憲主義政体・3権分立制度は権力はいつも悪いことをするという性悪説的思想を骨格とした猜疑心を前提にしています。
今では三権の抑制均衡にとどまらず、公正取引委員会その他第三者的機関がどんどん増えているし、企業も監査役の充実にとどまらず外部委員や社外取締役制度の拡大(ゴーン氏の事件でより一層勢いを得ています)・近年流行のオンブズマン制度などはこれを権力同士の抑制均衡に任せずに多角的監視の必要性を拡大する動きと言えます。
西欧近代社会では人間は基本的に性悪(しょうわる)の人が多いから「しょうわる説」で国家や組織運営するし国民も皆納得しているのでしょう。
現在野党はこの動きを手放しで「良し」とする気風に便乗して古代法家の思想の純粋適用的国会活動をしているように見えます。
統計「不正」主張問題では(その後何が出るか不明ですが)今まで出ている情報では「やっていることが善意で結果が良くても職分を超えて仕事をすれば処罰すべき」との考えでルールに反してさえすれば、批判することを職業にしているのが現在野党のように見えます。
社会に警察や監察部門が必要なようにこういう部門に目を光らせる政治家も一定数必要ですが、これが政治全部の役割と思って国会議事がそれ中心にするのは社会のあり方として不健全です。
企業の総会で言えば経営計画の審議そっちのけで、経営陣に不正がないか・・しかも不正の有無ではなく「疑いの有無」ばかりに終始していて肝心の経営計画の議論をさせないような運営ではないでしょうか?
政治家の仕事が不正の「疑い」主張ばかりで良いと考えている人は、そこ(不正)に関心があるのではなく社会の少数者になっている僻みがあって、歪んだ視点ばかり増幅させる・・「自己内部に性悪(しょうわる)な部分を多く見たい心理の反映」ような印象を受ける人が多いでしょう。
事件処理で、「このことからなぜそういう主張に導けるの?」と驚くほど、相手の行動を捻じ曲げて解釈して憤っている人の感知能力の高さにど驚くことがありますが、「自分の場合こういうことをするのはこういう悪意を前提にしている」という自信があって主張しているとすれば「主張者の心の闇がすけて見える」ことになります。
日本では「法」があろうがなかろうが「やって良いことと悪いこと」の区別は庶民末端までみな知っていますが、上記のように「心の奥に性悪(しょうわる)気質が渦巻いている例外的な人も一定数います。
財布を落とした場合の届け出率は根拠不明ですが以下のように出ています。
xconsulting.jp/gyanburu/son/saifu.html

・・おそらく多くの方が財布が戻ってきたと答えるでしょう。なぜなら、日本において財布が戻ってくる確率と言うのは、私たちが想像している以上に高いのです。その確率は63%になり、世界的に見てもかなり高い確率なのです

高いといっても63%ですが・・。
ただし、落とした財布が100%落とし主の想定した時間場所で拾われるとは、限らないので37%の人が懐に入れているとは限りません。
(いつどこで無くしたかをはっきり知っている人はそんなにいません・・自宅内で探し物が思いがけない場所から出てくることが多い・・生活道路を歩いていると手袋の半分とかマフラーなど不思議なものが落ちていますが、落とした人はコートを着た時にマフラーを忘れたか、コートと一緒に手持ち移動のビル内で落としたか・/手袋の場合切符を買うときに落としたか?などとと思うのでしょうが、実は思いがけないところに落ちているのです・・電車移動の場合10分違えば乗った駅前広場と降りた駅前では全く別の場所で落としたことになり違った警察に行きます・・・財布の中に身分特定事項があれば検索可能でしょうが、特定事項が少ないとちょっと場所が違うだけで遠く離れた別の警察署に行くことになりそうです)
全国で落とし主の表れない数字を引き算しないと届けても戻らなかった人の数字だけでは正確な比率が出ません。
道徳律レベルにもどりますと「個々人の良心」に頼る率が比較的低いのでこと細かに契約で縛り法規制に頼るしかないのが米国社会なのでしょうか?
日本だって大正時代に借地法が出来、昭和で借家法が全国施行になったのは「えげつない商法」が少しでも出てくると放置できなくなったことによります。
日本の場合明治民法(現行法)で契約自由の原則その他西洋法制度を取り入れましたが、少しでも法制度悪用の動き・・日本的価値観で見ると「心得違いの動きがホンの少しでも出てくると大騒ぎになり、放置できなくなったことによります。
こういう場合にもイラン等の過激な主張・・欧米式近代法制度自体を根本から否定するのではなく、国民共同の価値観が欧米的法形式・流儀を利用して確認される点が、日本とイラン等と違いますし、膨大なホームレスが生まれてもさしたる国内議論にならず放置されているように見える米国との違いです。
香港、シンガポールなどIMF式自由を謳歌している地域(資産家移住奨励)で家賃急騰が目立つのは、・高額家賃を払える人がいる限りいくら上がっても良い・(払えない底辺労働者はマレーシアに出ていき、そこから通えばいい?)外部からの移住者が多く共同体意識が元々ないのが原因かも知れません。
ホームレス対策は、共同体意識によらない皮相的人権擁護論では、発生原因を見ない傾向・・(貧困者向け公営住宅が足りないのは結果でしょう)対症療法にとどまり限界があるように見えます。

更新・継続原則社会1(日本)

普通の労働者がホームレスになるようないびつな社会になりつつある原因を法制度の違いで見ておきます。
例えば契約更新を原則としない社会では、2〜3年契約の場合、2〜3年ごとに契約が自動終了しますので、大家にとっては次にもう一度貸すかどうかは大家の気持ち次第・・一方的関係になります。
前の契約が月額5万円であったか10万であったかに関係なく、契約終了後の新規募集価格を「月額13万」とすれば、元借家人かどうかに関係なくそれに申し込まない限り借りられません→契約期間終了すれば契約がない以上(ラーメンを食べ終われば店を出るように)家を出て行くしかありません。
法形式上は新規契約なのでどういう新規提案しようと「契約自由の原則」という論理構造のようですが、この辺は毎回行く店を変えても良いパン屋やラーメン屋が商品値上げ自由なのと本質が違っています。
パン屋やラーメン屋が1ヶ月後200円値上げすると書いてあれば、次から別の店に行くか?など顧客の自由選択ですが、住居や商店の場合「そんなに上がるなら契約したくない」という選択はよほどのことがないと(例えば1000円上がるのが嫌で引越しできるか?)できませんので、大家のいいなりになる傾向が強まります。
この違いに着目して日本では、大正時代から労働契約や賃貸借等の継続性を前提とする分野(講学上「継続的契約関係」と言います)では契約期間が終了しても(正当事由は滅多に認められない・労働分野では解雇権乱用の法理が確立しているので)原則として更新しなければならない制度設計になっていることを13日に紹介しました。
(元請け下請け関係は一見毎回個別の契約のようでありながら継続取引を前提としている関係でよほどのことがないと発注を打ち切れない商道徳関係に縛られます)
契約期間の定めがあっても更新(従前の契約条件がそのまま継承される)することが原則ですから、契約期間終了日が来ても自動的に契約が終了しません。
借家人が同意しなければ、更新しない理由として正当事由があるかどうかを裁判して争う必要があります。
正当事由とは何かですが、その例示として法律に「自己使用の必要性等の外・・」ですから、商業的借家や借地にこういう必要性などあり得ないので訴訟する人が皆無に近くなっています。

借地借家法(平成三年法律第九十号)
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
以前紹介しましたが平成の新法では自己使用等の他に「財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、」決められるようになった分流動化に資するようになっています。
「財産上の給付」申し出とは平たく言えば立退料の提案次第ということです。
参考までに大正10年からの借地法記載の正当事由の記載を紹介しておきます。
第4条
借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
平成の大改革といってもこの程度の微温的改正でしたが大騒ぎになったものです。

この旧借地法や借家法は平成新法制定前の契約は旧法適用ですので、私も昨年から旧法適用事件で訴訟中です。
ただし判例理論が今の平成の法律とほぼ同じでしたので・いろんな法改正は判例実務の後追いが原則です・・不都合はありません。
14日に法家の思想紹介で書きましたが、日本はいつも法令改正前に実務が先行していく社会です。
社会の変化に法令が合わなくなる・・不都合が発見され、それを判例で修正していく流れで、その判例が世間の支持をうけて定着して行くとそれを新法令に変えていくという流れです。
象牙の塔にこもる研究者が社会の流れを先験的に見通して10年先の社会を前提にした法律案を提案するなど不可能なことですから、法はいつも実務変化の後追い作業になるのは当然です。
また現実に変化の芽も出ていないうちから10年先を見通した法案を提案しても国会での議決は不可能でしょう。
「今起きている変化の芽からこれが大きな潮流になりそうだからこの方向の規制をしたり緩める」というのを否定するのではなく、この変化が先に起きるのは実務界であり既存法令で不都合があるときに法規制の範囲をめぐる係争が増えてくるので半例が先行指標になるという意味です。
借地借家で言えば、時代の変化に合わせることも社会的にある程度(自己使用目的でなくとも都心のビル街で古い瓦屋屋根の家を温存しているのは社会的マイナスです)必要なので立退料支払いでの法の穴を埋めてきた実務慣行(知恵)があったのを法で明記し認証したことなります。
元に戻りますと、日本では期間満了=新契約ではなく・・「前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス」・・ 契約が同一内容のまま継続ですから、家賃を高くするには家賃や地代賃上げ・契約変更の場面になることが重要です。
「契約は守られるべし」というのがローマ法以来の原理ですから、相手が応じない限り裁判所の変更可否の判断手続きが必須です。
(労働法では賃上げ〜賃下げ交渉)
13日に借地借家法で書いたように意見が合わないと契約関係を維持したままの法的争いに移行します。
訴訟手続き等で鑑定等を経て結果的に大家の値上げ要求が正しかったとしても負けた方は差額に利息をつけて払えば良いだけですから、それほどのリスクはありません。
大家の方は、鑑定費用や弁護士費用等を負担するので、日本の場合1〜2万円程度の値上げ目的では裁判で勝っても費用倒れです。
しかも裁判所はいくら土地が急激(個別取引事例ではなく統計的に)年間1割といえばかなりのインフレですが)に上がっていてもそのままの引き上げを認めない運用が定着しているので、この種の争いをする大家や地主がいない・・何十年も同じ家賃のままというのが普通になります。
イギリスのエンクロージャムーブメントで小作人がいとも簡単に追い出されてしまうのを奇異に思うのが日本人です。

超格差社会・韓国3

昨日サムスンの国外移転の実態を見ましたが、日本代表的企業トヨタで見ると、今なお国内生産比率が、約3割台を維持しているのとは大違いです。
(民族資本か否か・・・目先の利ばかりではなく、国内生産をなんとか維持しようとする「根性」の違いでしょう)
https://www.toyota.co.jp/jpn/company/about_toyota/data/monthly_data/j001_18.html

2018年 トヨタの自動車生産台数(単位:台)

上記によると、1〜11月までのデータで世界生産9,775,324台で国内生産約390万台(関連企業別データになっているので国内合計は私が概略計算したものです)ですから、18年でもまだ国内生産を3割以上を維持しています。
日本の方が韓国や台湾等へ早くから国外進出してきたのですが、それでもこれだけの国内生産を維持しているのです。
韓国は諸外国と比較して内需が振るわない理由は、国内生産比率を維持する政策採用の差にもよるでしょう。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/29282.html

登録:2017-12-19 06:55 修正:2017-12-19 21:51
韓国の内需比重はOECDで下位圏
・・・韓国の内需の割合は下落傾向を見せた。1996年には78.4%だったが、2015年には53.4%で、20年間で25.1%pも下がった。10年単位で分析してみると、1996~2005年の平均は70.1%だったが、2006~2015年には56.0%と、やはり14.1%p下落した。
18日、国会予算政策処が発行した「内需活性化の決定要因分析」報告書によると・・・消費支出成長率を引き下げたのは、国内家計消費支出だった。この10年間、家計消費成長率(1.91%)は非営利団体消費成長率(7.21%)、政府の消費成長率(3.70%)より低かった。家計消費の成長を妨げる障害物は、相対的に低い可処分所得と消費性向、高い物価水準だった。

金融危機以降内需が縮小する一方・・その原因は家計の消費率が過去10年間で1、9%しか上がっていないことによると言うのです。
この間の韓国名目GDPは下記引用グラフの通り、1直線で(目見当で約1、8倍)上がっているのに家計消費が10年間累積で1、9%しか上がらないのはGDPアップの恩恵が一般家計に行き渡らない仕組みになっていることを表しています。

この10年間で韓国GDPがどれだけアップしたか?(1、9%なら整合します)


世界経済ネタ帳です。
https://ecodb.net/country/KR/imf_gdp.html

上記は「名目」GDPですから、極端な例で仮に物価が1、8倍になっているとして、この間家計手取り・「借金等支払い後自由に使えるお金」が1、9%しか増えていないと極貧化が進んでいることになります。
この間の物価上昇率がゼロとしてもGDP伸びの1割しか生活水準がアップしていない点は同じです。
企業の儲けを外資が国外に吸い上げ、その残りでもらった給与を更に町金融や銀行あるいは教育費に持っていかれる社会です。
韓国の場合、進学率が異常(産業構造に合わない・・卒業しても就職先がないい)に高い上に、サムスン等の大手企業や国家公務員等への就職予備校に通わせる(合宿形式が多い)ために親は莫大な教育費を負担しています。
売春稼ぎが一般化しているのはこの教育関連債務返済のためとも言われています。
2月4日に紹介した通り家計債務が多いので、「教育費負担➕借金支払い後自由に使えるお金が名目?1、9%しか増えていない」ということでしょう。
高利貸しへの返済のために売春して1日10万稼いでも、9万5000円が高利支払いになっていれば食うや食わずですから、給与統計やエコノミストのいう可処分所得だけ見ても本当の生活水準はわかりません。
実際の消費水準が国民の本当の生活水準でしょう。
http://blog.livedoor.jp/rakukan/archives/4797491.html

にピーナッツ事件の背景(一生懸命勉強して大企業に入ってもちょっとしたミスがあれば生まれつきのオーナー一族に土下座させられるどうにもならない格差)と教育費負担による老後資金枯渇・家庭崩壊を活写した朝鮮日報の引用記事が出ています。

企業利益は金融利益として株主や社債の保有者に還元されるのですが、韓国の場合多くが外資支配ですので国外流出・・財閥系等特定階層以外で金融資本を持たない国民に恩恵が行き渡りません。

米国金融政策4と韓国3

https://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=242356

社説】また増えた韓国の家計負債…利上げの津波に耐えられるのか
2018年06月18日10時16分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
米国が政策金利を引き上げている点も懸念される。家計貸出の新規取扱額の77%が変動金利貸出であり、金利が上がれば韓国経済のアキレス腱となる家計負債の増加傾向はさらに強まり、家計の負担も大きくなるしかない。現在、都市銀行の変動型住宅担保貸出金利は3-4%台だが、米国の利上げが続けば年内に貸出金利が5%台を超える可能性が高い。尹碩憲(ユン・ソクホン)金融監督院長は15日、「市場金利の上昇、市場の変動性拡大などで家計の負債が増幅する可能性がある」と警告した。最低賃金の引き上げで職場を失って所得まで減った低所得階層が利上げの衝撃波に耐えられるか心配だ。

米国の金利政策と韓国金利政策は以下の通りです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-30/PIZF1F6KLVRI01
Jungah Lee

2018年11月30日 10:23 JST 更新日時 2018年11月30日 11:51 JST
韓国銀行(中央銀行)は30日の金融通貨委員会で、1年ぶりとなる利上げを決めた。
国内の記録的な家計債務や米国との金利差拡大への対応を重視することを選んだ。
米利上げサイクルがアジア通貨の重しとなり、同地域からの資本流出につながる中で、韓国中銀はここ数週間で利上げに踏み切っていたインドネシアとフィリピンに追随した。
ノムラ・インターナショナルのエコノミスト、クォン・ヨンスン氏は金利決定の発表前、「利上げは内需にマイナスとなることは避けられないが、韓国中銀が金融安定という長期的な恩恵と引き換えに短期的な代償を選んだことを示唆する」と指摘した。

韓国の厳しい不況(統計的にはそれほどでもないようですが)・・・若者の就職難・あれほど反日運動に熱を上げながら日本への就職活動に熱心にならざるをえない現実が証明していますが、その状態での金利あげですから内実は大変です。

韓国(朝鮮族)は民主化したはずなのに、中国・北朝鮮同様に国民福利よりは国家体制あるいは支配層維持が何故最優先になっているか?(国民に借金を押し付け、長年にわたって若い娘を売春婦として世界中に送りださせざるを得なくなっていても国内で政治責任問題にならない)について、ここでちょっと私の憶測を書いておきます。
専制独裁支配体制下の北朝鮮と違い民主化されているはずの韓国・南朝鮮族でこれほど(国民が国外に売春に出るしかないほど苦しんでいても支配層が放置していられる)激しい格差社会が何故実現できて維持されているかの民族的特質に関する関心です。
アメリカがこだわる政治体制・民主主義かどうかによる違いよりは、民族気質の違いの方が大きいのではないかの私見です。
欧米が北朝鮮をいかに経済的に締め付けても、苦しい国民は韓国民同様に脱北として国外逃亡するだけで支配層内の支持がある限り政権は倒れません。
では太陽政策が良いか?というと図に乗るだけのことで欧米基準から言えば扱いにくい民族です。
朝鮮族はもともとヤンパン制度と悲惨な庶民生活の歴史で知られるように、支配🆚被支配の峻烈な差別意識で長年治まってきたのはどうしてでしょうか?
中国の異民族支配体制が古代から続いていることを2月4日に書きました。
朝鮮民族もこの「異民族支配・絶対格差社会」でずっとやってきたのですが、たまたま日本の統治時代に思いがけなく万民平等・庶民の底上げ教育を受けてしまったことが民族にとっては重荷になっていたように思われます。
日本が敗戦で撤退したのち支配的地位についたエリート・多くは元ヤンパン層でしょうが、彼らにとっては虫けらのように見下してきた庶民が一人前の口を利く時代になって、日本統治時代は悪夢のような経験でしょう。
それでも軍事政権時代にはまだそれほどでもなかったでしょうが、民主制度が始まるとバカにしているはずの庶民の支持がないと政治家が落選してしまうので矛盾関係です。
漢江の奇跡という高度成長期にはこの矛盾が隠されていましたが、高度成長が終わると政治が難しくなるので、政治家は庶民の不満はけ口に、何かというと日本支配時代の悪口を言い、日本批判を煽ることで地位を維持することを覚えてしまったようです。
97〜8年の韓国通貨危機を機にIMFの強権的介入によって、大手企業大半が米欧系資本にそのころ買収されてしまうなどいわゆるIMF体制にどっぷり浸かりました。
この結果、外資支配になると利益配当極大化志向ですから、外資の要求通りに経営していると自ずから労働分配率が下がっていきます。
出典がはっきりせず信用性が低いですが、外資の支配・経済植民地化の実態については、例えば掲載時期が古いですが・・以下の記事をみてください。
http://kkmyo.blog70.fc2.com/blog-entry-970.html

2013-10-27 02:53:30
韓国経済は一言で言って、97年の通貨危機をきっかけに外資に支配された植民地経済。
・それまでは、韓国には7大メガバンクが存在していた。
・ところが国有化されたウリィ銀行を除いてすべた外資に乗っ取られた。
・現在の韓国の銀行は4大ホールディングスで、その60%の株主は外資である。
・だから、金利で儲けた収益は、配当で国外に流出する。
・だからお金が国内の残らないから、どんどん経済が脆弱化してきている。
・銀行はいろんな業界の企業の株式保有している。
・だから、各企業も実質的に外資に支配されてる。
・韓国経済は10大財閥がGDPの70%占め、外資に支配されている。
・この結果、財閥企業に勤める人以外の国民の多くは貧乏になっている。
・このことから、左派の勢力が強くなり、韓国政府は国民の不満が政府に向かうと大変
だから、どうしても、その政治姿勢は反日になる。

http://kkmyo.blog70.fc2.com/blog-entry-970.htmlも似たような記事です

外資に牛耳られた韓国経済   10月18日(金)

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9463714.html

サムスン電子の株主は四九%が外国人である。
生産構造の面から見ると、海外から四割の工業資材や原料を輸入しないと
製品をつくれない。
これはサムスンだけでなく、「韓国」のすべての大企業に共通する特徴である。
主要銀行で「韓国」の銀行といえるのはウリ銀行(資産規模第二位)だけで、あとはほぼアメリカの銀行になってしまった。
「韓国」最大の国民銀行は外資比率が八五%をこえアメリカのニューヨーク銀行が筆頭株主となり、三位のハナ銀行の外資比率は七二%で筆頭株主はゴールドマンサックスとなっている。
韓美銀行は完全にシティグループの傘下となり、いまは韓国シティ銀行となっている。

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