日本の危機対応力(米国支配と民族危機)3

アメリカインデイアンに対するアメリカ政府の処遇に関する私の過去ブログ意見は、文献引用でなかったようです。
昨日紹介した過去ブログを見て知識源を(なぜか?)突如「本だった!」と思い出して自宅の書籍を引っ張り出すとNHK出版2011年10〜11月号「歴史に学ぶ」「アメリカ先住民から学ぶ」阿部珠理著の本が出てきました。
これの60pあたりから、強制収容すべくトラックに子供が乗せられ(ナチス映画で貨車に詰め込まれるユダヤ人の様子を彷彿させる光景です)、車のエンジンがかかると、トラック荷台周辺に群がっていた母親らが連れ去られる子供の髪の毛を形見に切リトル様子が描かれています。
上記引用したブログの頃に読んだ本は、このような情緒的なものではなく、強制移住させられる経緯等データに基づくかっちりした論文だった記憶ですが、この原稿を書いている現在自宅のどこにあるかすぐには(最近リビングの書物を大整理したばかりで・根拠のあり堅実な論文系は娘に引き渡したので手元になさそうです)探せません。
現在の米国としてはインデイアンに対する保護政治は・・少数民族を保護している人道国家の触れ込みですが、よく知られている黒人奴隷制度がいきなりできたのではなく、アメリカ合衆国の本質は恐るべきジェノサイド志向の国家です。
以下は単なる推測意見のようですが、こういう意見が普通に出ていることがわかります。
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/367.html
投稿者 sagakara 日時 2010 年 6 月 21 日 22:31:46: Va70ZvAvjnToE

アメリカ合衆国でアメリカインディアンの血筋を引く人は、わずかしか残っていない。
それに対して、メキシコでは70%位の人が原住民の血筋を引いているという。
アングロサクソンは、情報操作でアメリカインディアンは、白人が持ち込んだ天然痘などの伝染病で90%のもの人が亡くなったという説を流している。
しかし、メキシコでは原住民の血筋を引く人が混血しているが多数生き残っている。
そこで、一つの仮説を立ててみた。
アメリカ合衆国には黒人が10%位いて、メキシコには少ない。
これは何を意味するか。
アメリカ合衆国の白人達は、アメリカインディアンを虐殺すると共に、生き残ったアメリカインディアンをも奴隷として皆殺しに近い状態まで追い込んだ可能性が強いと思われる。
アメリカインディアンの奴隷がほとんど死んでしまったので、白人達はアフリカから黒人奴隷を連れて来たのだと思われる。
これは歴史の闇にかき消されていく本当の真実かも知れない。
今回、ある仮説を立てみたが、アングロサクソンの凶暴性は、太平洋戦争・朝鮮・ベトナム・湾岸・アフガン・イラク戦争と近年になっても大量殺戮を繰り返す事で証明されている。

米国によって戦争に引きずり込まれ列島支配を受けたのは日本民族始まって以来初の民族消滅危機でしたが、占領開始時に軍政を布こうとしたGHQ(マッカーサー)と近衛内閣が交渉してこれを撤回させたのを皮切りに、天皇制維持成功〜国内生産許可(約5年間かかりました)その他着々と対応して行き、最後は独立を回復していきます。
アメリカのイラク侵攻やアフガン侵攻の失敗は、パパブッシュ大統領がイラク侵攻前に「日本でうまく行ったから大丈夫」という趣旨の発言していたので、日本人としては失笑ものでしたが、どこの国でも日本人同様の適応力を持っていると誤解したのが間違いでした。
日本はアメリカの邪悪な魂胆を非難することなく日本が反省すべき点は反省し、国民一丸となって精神世界を果敢に切り替え、理不尽な点があっても「忍び難きを忍び耐え難きを耐える」隠忍自重の粘り強い交渉の結果、徐々に主権回復をしていき、ついにサンフランシスコ講和条約・・独立にこぎつけたのです。
終戦の詔書の後半部分の引用です。

・・・・然(しか)ルニ交戰已ニ四歳(しさい)ヲ閲(けみ)シ 朕カ(が)陸海将兵ノ勇戦 朕カ(が)百僚有司ノ励精 朕カ(が)一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘(かかわ)ラス(ず) 戦局必ス(ず)シモ好転セス(ず)世界ノ大勢亦我ニ利アラス(ず) 加之(しかのみならず)敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ 頻(しきり)ニ無辜(むこ)ヲ殺傷シ惨害ノ及フ(ぶ)所(ところ) 真(しん)ニ測ルヘカラサ(ざ)ルニ至ル 而(しかも)モ尚(なお)交戦ヲ継続セムカ 終(つい)ニ我カ(が)民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス(ず) 延(ひい)テ人類ノ文明ヲモ破却(はきやく)スヘ(べ)シ 斯クノ如クムハ(ごとくんば)朕何ヲ似テカ億兆ノ赤子ヲ保(ほ)シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ  是レ朕カ(が)帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セ(ぜ)シムルニ至レル所以ナリ朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対し遺憾ノ意ヲ表セサ(ざ)ルヲ得ス(ず) 帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ(じ)非命ニ斃(たお)レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ(ば)五(ご)内(ない)為(ため)ニ裂ク 且(かつ)戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙(こうむ)リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ 朕ノ深ク軫(しん)念(ねん)スル所ナリ 惟(おも)フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固(もと)ヨリ尋常ニアラス 爾臣民ノ衷情(ちゆうじよう)モ朕善ク之ヲ知ル 然レト(ど)モ朕ハ時運ノ趨(おもむ)ク所堪(た)ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ(び)難キヲ忍ヒ(び) 以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ 忠良ナル爾臣民ノ赤誠(せきせい)ニ信倚(しんい)シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ 若(も)シ夫(そ)レ情ノ激スル所濫(みだり)ニ事端(じたん)ヲ滋(しげ)クシ或ハ同胞排擠(はいせい)互ニ時局ヲ乱(みだ)リ 為ニ大道(だいどう)ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ(が)如キハ朕最モ之ヲ戒ム 宜(よろ)シク挙国一家子孫相伝へ 確(かた)ク神州ノ不滅ヲ信シ(じ) 任(にん)重クシテ道遠キヲ念(おも)ヒ 総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ 道義ヲ篤(あつ)クシ志操ヲ鞏(かた)クシ 誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運(しんうん)ニ後(おく)レサ(ざ)ラムコトヲ期スヘ(べ)シ 爾臣民其レ克ク朕カ(が)意ヲ体(たい)セヨ

17日紹介した東京大空襲の記事や上記を詔書を見ると日本人の多くはこのまま戦争が続くと本当に民族皆殺しになるまでやられるか?という極限状況に置かれていたことになります。
部分的にもう一度引用します。

「敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ 頻(しきり)ニ無辜(むこ)ヲ殺傷シ惨害ノ及フ(ぶ)所(ところ) 真(しん)ニ測ルヘカラサ(ざ)ルニ至ル 而(しかも)モ尚(なお)交戦ヲ継続セムカ 終(つい)ニ我カ(が)民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス(ず) 延(ひい)テ人類ノ文明ヲモ破却(はきやく)スヘ(べ)シ」

日米製造業の違い6(変化対応力1)

中国進出の大手企業は中国の報復が怖いので黙っていますし、同じく中国特派員安全のためにか?・・大手メデイアはトランプ批判一色です。
しかし、例えば関税アップで自国産業保護しても意味がないとか、二国間貿易赤字だけをテーマにするのは間違いとかの批判は、部分部分ではその通りでしょうが、トランプ氏の求めているのは知財強奪をやめろという脅し(取引)に使っているのであって、目先の関税で特定企業を保護しようとしている訳ではない・支持者獲得のためにそのようなレトリックを使っているに過ぎないので、筋違いの批判です。
ウクライナ侵攻に対する対ロ経済制裁で見ればわかるように、制裁によって経済利益を得ようとしていないのに、欧米が損を被ると批判した場合、比較対象が違う事を無視していることが誰の目にも明らかでしょう。
揉め事というのはお互い損になるに決まっているが、かトイtyて相手が無茶をyても何事も穏便にいうばかりではのさばりすぎるので、いつかは「いい加減にしろ!という時期が必要です。
揉めることによってどちらの方にダメージが大きいかで勝敗が決まるので、経済制裁発動の場合、どちらの方が被害が大きいかを計算するのは大事ですが、関税アップや輸入規制すると、自国産業保護が損をするから愚策と批判するのは筋違いです。
大所高所から見るとトランプ氏の対中政策は今の所、サイレントマジョリテイー・・実際には先進国全体の支持をうけているように見えます。
話題が逸れましたが、日本の半導体製造措置の国際競争力・中国韓国の半導体製造装置輸入状況を紹介しておきます。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2018/1001/efa7580c25d588d6.html

半導体では落ち込んだ日本のデジタル関連財輸出だが、世界貿易においてプレゼンスを発揮している品目もある。代表例は半導体製造機器で、ここ10年、日本が世界最大の輸出国の地位にある。半導体製造機器同様に、産業用ロボットも輸出国として日本は首位を維持している。世界経済の回復に伴い企業が設備投資意欲を高めたこともあり、両品目とも近年の輸出は好調だ。日本のデジタル関連財輸出は2015年を底に増加に転じたが、半導体製造機器はデジタル関連財輸出の増加分のうち2016年は約7割、2017年も約3割分を担うなど、回復の原動力となっている(図2参照)。

ついでですが、18年には半導体装置では中国が輸入額で韓国を抜いたようです。
https://news.mynavi.jp/article/20181207-737115/によると以下の通りです。

日本半導体製造装置協会(SEAJ)ならびに国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は、2018年第3四半期における半導体製造装置出荷額が前四半期比5%減、前年同期比11%増の158億ドルになったことを発表した。
地域・国別に見ると、中国市場が、前四半期比5%増、前年同期比106%増の39億8000万ドルとなり、同統計開始以来、初めてトップ国・地域となった。
以前からSEMIでは、2019年に中国が韓国を抜き、世界最大の半導体製造装置市場になるとの予測を述べてきたが、メモリ市場の軟化の影響を受けた韓国勢の勢いが鈍化したこともあり、若干早まった感がある。

BTOB部品輸出で見ておきます。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-19/-2025からの引用です。

増島雄樹(エコノミスト)

2018年7月19日 9:07 JST

【インサイト】中国製造2025、日本にとって脅威よりもチャンス

relates to 【インサイト】中国製造2025、日本にとって脅威よりもチャンス

以上によると消費財や加工品の輸出額自体は長期的に見てそれほど減っていないが、逆輸入が増えた分を部品等輸出増加で補っている印象です。
日本人の多くは「その場限りの仕事をすれば良い」という人が少なく、職に就くと天職と心得えて日本の職人気質というか日本人気質というか自分の仕事に打ち込む人が多いので、そこから次の時代に適合できる素質が育まれている人が多いように見えます。
幸田露伴作の「五重の塔」で描かれる人物像は、創作であり本当のことかどうか知りませんが、これが国民多くの感銘を受けるのは、その気質を尊ぶ国民性があるからです。
江戸時代に培った生真面目な職人気質が、次の明治時代の工業製品製造に能力発揮してすぐ応用できた・(低レベルで満足せずに時計でもレンズでもすぐに世界最高水準のものを作りだせた)のとおなじです。
職人気質尊重の総合力が日本の企業精神そのものとなり、何百年も続く(いろんな変化に柔軟対応できた)企業が多くなっているもとになっているとおもわれます。
石油危機では、ほぼ全量輸入の日本はもうダメだと騒がれたものの、省エネ技術確立で却って世界に先行しましたし、公害発生でも同じです。
基礎技術の蓄積が大きいので時代が変わったくらいでは、柔軟対応能力があるので壊滅的打撃をうけません。

日米製造業の違い3

生産年齢人口のグラフを見ていきます。

https://bizhint.jp/keyword/27639からの引用です。
2018年10月26日(金)更新

生産年齢人口の推移

1880年頃の生産年齢人口は、上記グラフによると約8千万人で、17年ころはグラフ上で見ると約12分の11、5くらい・・7500万前後です。
17年の実数はグラフでは不明ですので日経の記事を引用します。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32867410R10C18A7MM8000/
2018/7/11 17:15 (2018/7/11 20:03更新)

総務省が11日発表した住民基本台帳に基づく2018年1月1日時点の人口動態調査によると、・・・
主な働き手となる15~64歳の生産年齢人口は7484万3915人。全体の59.77%にとどまった。
・・外国人人口は過去最多の249万7656人で前年比7.5%増えた。

昨日見たように80年から17年までの40年近くでトータル製造業従事者約550万人減ですが、その間の生産年齢人口が500万減ですから、製造業従事者減と人口減の数字がほぼあっている・・生産年齢人口で見れば、人口減分だけ製造業従事者が減ったことになります。
しかも上記生産年令人口には外国人250万人も含まれていますが、80年には外国人労働者がほぼゼロ・その頃から風俗系女子がいたように思いますが、製造業従事者数推移に関係ない数字です。
男性労働力として外国人労働力は純増です。
外国人労働力は、研修生やアルバイト中心で製造業で正規社員になる人は稀ですから、製造業従事者がどれだけ押し出されたかの推移を見る場合にカウントする必要がないでしょう。
80年から17年までの日本人の生産年齢人口の推移としては外国人の生産年齢人口を差し引いて考える方が合理的と思われます。
外国人全員が生産年齢人口でないとしても、多くは働き盛りの留学生や研修生等であって、幼児高齢者は少ないので生産年齢人口比が高い筈です。
仮に生産人口比率が8割とすれば、200万人が含まれていることになるので、80年以来の日本人労働力推移としてはこれを現在日本の生産年齢人口から差し引く必要があります。
7484万から200万引くと80年からの日本人だけの推移としては8000万から7284万に(約716万)減ったと見るのが正確でしょう。
日本人生産年齢人口が40年間弱で716万減った間に製造業従事者が550万減ったとすれば、リストラ等による不本意退出が少なく、定年等による不補充が大方の傾向だったように見えます。
ただ、これも男女別の統計をみないとはっきりしないとおもいます。
一家の大黒柱とされていた男性中心の製造業工員削減→転職後非正規に変わることによる技術伝承の断絶や家計収入大幅減が社会問題になっているのを勘案すると、男性工員減少の実数を知ることが重要です。
製造業といっても家電系の工場では大量の女子行員が働いているのが普通でしたが、(私は昭和40年代はじめに川崎市の南武線沿線に住んでいたことがありますが、当時は富士通、NEC、東芝など一駅ごとに大規模工場があって、大量の女子行員の独身寮が存在する時代でした。
千葉でも20年ほど前までは事件相談などで東金だったかソニーの下請け工場に働いているという女性がいましたし、2年ほど前の事件でも茂原あたりのやはり工場勤務の女性がいましたが、半導体電子部品関連では手先の器用さが必要なので女子工員が意外に多く働いていますが、多くは家計補助程度で主役ではありません。
このシリーズのテーマ・・格差拡大視点で考えると、女性工員が介護に転職しても家計収入はそれほど変わらないし技術伝承途絶の心配もありません。
重要なのは、一家の柱として4〜500万の年間給与を得ていた男性工員がリストラで配送やサービス業などへの転職の比率でしょう。
このように考えると製造業従事者の推移としても男女別推移が重要で、製造業という大雑把な括り方統計自体に無理があることがわかります。
男女別統計がすぐには見当たらないので日本で男性が主に従事する製鉄(関連産業)や化学系工場〜発電(重電系)車製造ライン等々での製造業がどの程度のスピードで衰退縮小しているかで見た方が良さそうです。
(男性が家計を支えるという意識自体徐々に薄れていますが「今までのところ」まだ重要ですので、これがどうだったか?という意味です)
一般的にいって、新興国へ移りやすい職種は女性工員の多い分野(イメージしやすいのは何千人と働く深圳(今はバングラデイシュ)の縫製工場やおもちゃ製造あるいは家電組み立て・半導体工場など労働集約系)から始まるように思われます。

切り捨て社会の持続性3

それぞれの後進国が民度レベルに合わせて落ち着くところに落ち着けば、変化の激しい国際変動が終わるのでしょう。
初対面のある集団(新入生集団やPTAなど)が始まると各人の居場所・位置関係が決まるまでキョロキョロキョロして落ち着きませんが、一定時間経過で自然にそれぞれの役割が決まって行くものです。
日本人の場合多くの人は遠慮して隅の方から席が埋まって行くのが普通ですが、自分から進んで中心に立ちたい人もいます。
自分から名乗りをあげる人を(「あなたその器ではないでしょう」とは言えないので)誰も咎めませんが、長い時間軸でいつの間にか人望のある人が中心になる人が決まって行くのを待つやり方で、選挙によるよりは実質的です。
推挙された人も「自分はその器ではないで自分よりあの人の方がいいのではないか?」と一応辞退し、振られた方は当然「イヤイヤ〇〇さん適任ですよ!」と応じて円満に決まって行くのが普通です。
選挙の場合、こういう阿吽の呼吸がなく、誰がどういう能力を持つか不明の状態で「俺が俺が」という自己顕示欲の強い人が名乗りを上げて当選してしまうマイナスの方が大きいでしょう。
アメリカも中国も人から自然に推されるようになるのを待つよりは「俺が俺が」という自己顕示欲中心の国のように見えます。
こういう自己顕示欲中心の国・・アメリカはどこまでの西欧を追い越し続けたいので、いっときも休むことができない気の毒な民族?国です。
いっときも休むゆとりのない点では、現在中国(共産党政権)も成長経済を止められない点で同根のように見えます。
アメリカや中国の民度レベルの問題もありますが、金融資本に牛耳られる社会では目先の利子配当収入の多寡が最大の関心になります。
前年度同期比何%の成長か4半期の業績ばかりが株式相場の基準になっているのでは、ホンの数年先のための投資すら危ぶまれます。
自分で経営していれば一定の規模になれば昨年同様の収益があって、従業員を養なえれば満足して文化活動に精出す人が多いでしょう。
これが江戸時代に大旦那が番頭に経営を委ねて文化活動をしていた日本人の一般的生き方です。
我が国は誰もスタンドプレーに走らず・・黙々と戦後住宅不足時には公営住宅供給に税を投入してきたし、教育無償化や国民皆保険や年金制度を進めてきました。
アメリカではオバマケアなど個人名で騒ぎますが、日本の国民生活安心の基礎を作り上げた功労者の話をついぞ聞きません。
こういうことは短期の得票を求める選挙向きではなく、誰か立派なリーダーが旗振りして決めるのではなく、国民の暗黙合意によるからです。
農地で言えば数百年かけて耕地を肥沃にしていく日本の農業と土地を酷使し、使い捨て的に使いきり、土地が痩せれば化学肥料を撒いたり、移動して行く農業の違いでしょうか?
こうした息の長い政策には天文学的予算が必須でしかも地味です・・長くても4〜5年で選挙の評価を受けねばならない民主政体・・政権交代する前提の短期施策では不可能です。
日本人の多くは選挙や目先の評判でなく、子孫のために・・が恥をかかないようにお国(結局は郷土です)のために尽くす姿勢で多くの人が頑張ってきました。
これが我が国に住む人たちの価値基準であり、良き伝統です。
企業は不要な人材を「遠慮なく解雇し」「少しでも条件が良ければ転職する」「都合によっては外国へ逃げればいい」という価値観の国では、日本のような愚直?な価値観は育たないでしょう。
社会のあり方として、いわゆる性善説と性悪説を古くはjune 4, 2013,モラール破壊10(性善説の消滅)前後、近くは19年2月14日頃に書きましたが、日本は性善説の国であって、監視してこそ真面目によく働くというような性悪説・投票箱民主主義のように底浅いものではありません。
使い捨てといえば、都市さえもスクラップアンドビルド政策・用済みになれば、ゴーストタウンにして捨てていくアメリカ社会に対して、日本は戦災を受けた東京駅復元が数年前にようやく終わりましたが、毎日何百万という人が利用しながら復元していく地味な仕事です。
いろんな町の行事や古美術の保存、民具、地域のお祭りなどの伝承にエネルギーを注ぐ町の人たちを見ると、なぜか胸が熱くなります。
最近では日本でも利益率中心の経営がようやく根付いたと賞賛する声が大きくなり、アメリカの真似をするのが正しいという主張が有力ですが、私はアメリカ方式に反対です。
コスト重視の経営原理→賃金は低ければ低いほど良い→さすがのアメリカも低賃金政策は、新興国に汎用品の生産がどんどん移転するようになり、職業訓練や教育を受け付けない膨大な数の底辺労働者を抱え込んでしまった負の遺産・解雇すれば済む時代ではなくなってきました。
あまりにも大量に底辺移民を入れてきたので、「あとは知りません」というこれまでのやり方は数が多すぎるのでどうするか・放置できない時代に入っています。
2月27日に紹介したヒスパニック人口が約6000万人で、その中で一握りの成功者もいるでしょうが、大多数が文字やパソコン不要の現場作業(草刈り等の原始的?)に従事している階層では、真面目に働いてもアパートに住む収入がない状態になっている状態になってきたようです。
日本でも失業→転職対策として、再教育論が盛んですが、アメリカの底辺の場合基礎学力の違いが大きすぎる印象です。
しかも2月26日と27日紹介したように、彼らは米国民という共同体意識を持っていない・どちらかといえば、長年排他的扱いを受けてきた関係でむしろ敵意を持っているので、米国にいながら職業に必要な英語を身につけようとする意欲もない状態が見えます。
政府が正面に出ないでボランテイアに補助金をだす程度・餓死者続出時に政府は手を出さずに教会で気休め的にスープを振る舞うような政策が米国の基本的方向のようです。
底辺労働者・移民大量受け入れによる負の連鎖が始まると、この解決には途方も無い国民負担が生じる現実に嫌気したのがトランプ氏の反移民政策になって国民の感情的支持を受けるようになった基礎のように見えます。
オバマ時代から不法移民に対する合法化の政策が採用されました。
これは長期間不法移民のままで放置(追放しないまま放置)すると帰属意識の乏しい(逆に反感を持つ)移民に対する国民融合化を進めるための政策だったと考えられます。
不法移民の中で一定の要件に該当するものを合法化することで懐柔する・・その方が再教育に馴染みやすいのです・・が行われ、他方で新規移民には、能力に応じた枠を強化する方向できたのは、これ以上の底辺労働向け移民不要という政策表明と見るべきでしょう。

発展を急ぐ社会3と文化

欧米価値観では、在任期間が長かったことや、非合法に会社資金流用していたとすればそのことだけが批判対象でしょうが、日本価値観ではコストカット=容赦なく切り捨てる経営自体が上に立つ者がやってはいけない暗黙の合意のある社会です。
せいぜい許されるとすれば、日産の危機回避のためにやむなくとった非常手段としての位置付けですから、一段落したら整理の責任者が元社員を訪ねる陳謝の行脚をしなければ許されない・「辛い思いをさせましたが皆様の犠牲があって、今企業が立ち直れました」・・)風土です。
こういう風土ですから「身を引いた人たちの犠牲の上にある」という意識・・今の繁栄が自分の手柄のように自慢するようなことが許されない社会です。
(毛利や上杉が所領大幅減にも関わらず家臣団をそのまま維持し続けたことが美談として伝わる国がらです)
ゴーン氏が豪奢な生活をしていたとなれば国民感情として納得できない・・単なる義理も人情も弁えない「コストカッターだっただけでないのか?」
という激しい評価(日本人は慎み深いので表明されませんが・・)になりました。
欧米価値観からは、「いい事をしたのに日本人から感謝されていない」のは理解不能でしょう。
平成天皇がアジア各地の戦跡をめぐる鎮魂の旅も「今日本人の多くが豊か生活を謳歌できているのは戦陣に倒れた多くの御霊による」「安心してくだい」という報恩の旅でもあったでしょう。
粗放経済・・製造現場は流れ作業.小売業はスーパーやコンビニでは商品知識よりは陳列の合理化だけが重視されるようになると「非正規だから」技術の伝承が途絶えるのではなく、ちんれる作業やレジ打ち作業員を正社員にしても商品対するうんちくが高まることはありません。
アメリカでは もともと書店や喫茶店オーナーがうんちくを傾けるような新たな文化を発酵させていくような人材がいないからこそ、これが成り立ち誰も不満に思わないのでしょう。
発酵と腐敗とは違いますが・・・アメリカ人の多くは時間があれば「発酵」せずに「腐敗」方向に行くのかもしれません。
「小人閑居して不善をなす」と言います。(君子必慎其独也,小人閑居為不善)
日本人からアメリカ人を見れば凝ったものなど理解不能・・安もの好き国民性印象になる所以です。
流れ作業をこなす程度の仕事→全自動化が行き着くところ、アメリカが大量に抱える非熟練労働者レベル・・さしたる訓練のない新興国や消費地でも生産可能になったので、アップルに代表されるようにほぼ全て新興国へ生産移管してきたので米国が汎用品の世界生産基地でなくなりました。
低賃金あるいは工程簡略化に頼るビジネスモデルの場合、そのモデルさえ利用すれば(流れ作業の手順をこなせればいいのですから)ちょっとした訓練さえすれば、どこの国でも生産ができるようになります。
工程簡略化・・関与人員削減の場合、従来1000人で行っていた仕事を500人〜100人へと減らす工夫でしかないのですから、その結果余剰になった人員をどうするかの知恵がいります。
この工夫・受け皿なしに人員削減ばかりで切り捨てて行くと切り捨てられた人材がどうなるかです。
関ヶ原の結果、大規模に領地縮小した毛利や上杉家が、縮小した財政力で元の家臣を養ってきたことが知られています。
勝者となった徳川方の大名も戦闘員としての武士が不要になっても武士を放逐しませんでした。
武士自ら有能な官僚や文化人に変身していったし、(芭蕉も酒井抱一も元は武士で平賀源内は足軽です)農工商分野でも効率化によって生まれた余剰時間を精密農耕化していったし・・作庭〜盆栽その他手間暇かけた文化・・浄瑠璃〜歌舞伎〜俳句、狂歌/川柳への発達、大和絵から浮世絵〜工芸では漆器(手間のかかる蒔絵など)や細工物など衣類では、友禅染などを育てる歴史でした。
アメリカ人の多くは効率化一辺倒で、効率化によって浮いた時間を文化創造等に転化する能力がないように見えますがいかがでしょうか?
日本は過去の文物の修復技術に情熱を燃やすひとが多くそのレベルも世界一級ですが、アメリカでは用済みにならば「ぶっ壊す」ばかりのようです。
日本企業はアメリカのご機嫌をとるために現在アートを重宝がるしかないとしても、見に行くと着想(思いつき?)主義で修練というものを重視しない印象を受けます。
アメリカ流の品種改良・F1の草花は、いくら大事に育てても次世代の花は咲かないし改良にも適しません。
スクラップアンドビルドの精神・・・不要になった人員の解雇・切り捨て文化です。
日本では社内教育が盛んですが、底上げ努力しないで切り捨てに特化していると、新興国がローエンド製品を製造するようになると先進国の同レベル人材は製造現場から弾かれます。
新興国並みの生産性しかないローレベル人材をどうするか?・・過去大量に仕入れた?移民が重荷です。
アメリカはこの数年シェールガスで元気を取り戻したように、資源国としての生き残り程度が能力相応?になってきたのを見ると、建国約200年でメッキが剥げてきたようです。
生産基地の新興国展開が始まった結果、アップルで言えば全量中国生産になっているように国内ローエンド製造業が壊滅とまでは言わないまでもお荷物になったのは間違い無いでしょう。
腕力に任せて「米国内生産しないと許さない」というので、トヨタや日産など日本勢は米国内生産・旧来型労働者の雇用確保に協力していますが・・言わば第二次奴隷解放・低レベル労働者の放逐が始まったことの隠蔽・ごまかしでしかないでしょう。
米国に本籍のある企業の場合は、アメリカ社会の本質を知っているし、選挙権者でもあるので政権による脅しなど怖くないので、気楽に米国内生産に見切りをつけてさっさと国外生産移転を進めています。
自分らは安い賃金の国に進出して儲けられるだけ儲けるので、割高賃金雇用を任せるよ!・・トランプのババ抜きのババを「外国資本に引き受けさせれば良い」というのが、彼らの目先損得勘定でしょう。
その代わりゴツく儲けたお金(の大部分はタクスヘイブンに隠して?)の一部を寄付するから・・と言うのですが・・こんな身勝手な企業経営者を国民が許すしかないほど国民が弱いのです。
日本のような愛すべき国民はいない・搾取対象の人民しかないと言うことでしょうが・・・。

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