韓国の北朝鮮化2と国際孤立3

以下紹介するところによれば、従北系の数年にわたる朴政権転覆工作と政権奪取後の保守系人脈根絶・文政権による反日積弊一掃政治という名の保守系政治家や有力者の投獄資産没収))の壮大なプロジェクトが準備されていたという意見が出ています。
ただし内容の裏付けがあるのかなどの疑問もあり、陰謀論の一種かな?と言えば言えますが、どこまで信用するかは読者の受け取り方と事実確認能力次第です。
こういう意見があるという意味で冒頭部分を画像コピーしておきますので、関心のある方は以下に入って直接お読みください。
http://www.pwpa-j.net/opinion/shinro53_endo.pdf

世界平和研究 No.214 Summer 2017
対談:「ろうそく革命」の結実=文在寅政権の内実と今後の日韓関係
洪 熒
遠藤哲也

以下は冒頭部分のスクリーンショットによる画像コピーです。

引用はここまでとします。

事実とすれば、従北勢力の浸透は恐るべき状態のようです。

韓国はどこへ行く?4(親中・北政策の蹉跌3

以下は19年2月の記事ですが、日韓軍事情報協定に至る経過が詳しく出ていますので長くなりますが引用します。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190204-00010001-socra-int

韓国で日韓軍事情報保護協定の破棄求める声
2/4(月) 13:02配信
韓国国防部も「検討」と表明、5月が期限
韓国軍艦による「レーダー照射」問題や海自哨戒機の「低空威嚇飛行」問題などで日韓間の対立が軍事面までエスカレートしている中、韓国政界では日本との日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄を求める声が高まっている。険悪化の一途の日韓関係のさらなる「対立の種」になりそうだ。
日韓GSOMIAとは、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、日韓間の2級以下の軍事秘密を米国に関係なく共有することを骨子とするもので、両国の同盟国である米国の要請で2011年から日韓政府間の交渉が始まった。翌年の2012年6月、韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権と日本の野田佳彦政権は東京で協定式を行うことで合意したが、協定式を1時間残して韓国側が国内世論を理由に「無期限延期」を一方的に通告してドタキャンした経緯がある。
李明博政権の後を継いだ朴槿恵(パク・グネ)政権は、政権初期から慰安婦問題で日本と対立し、中国との蜜月を演出し、GSOMIA交渉再開は一切進展が見られなかった。しかし、2016年1月、北朝鮮が4度目の核実験を強行したことで朝鮮半島の緊張が高まると、米国のオバマ政権は、4月に開かれた日米韓首脳会談で日米韓同盟の重要性を強調し、日韓の首脳にGSOMIAの年内締結を要請した。
国内世論を理由に交渉再開をためらっていた朴槿恵政権は、同年9月に北朝鮮が5回目の核実験が敢行したことで、GSOMIA交渉再開にやっと乗り出した。11月23日にソウルで韓国の韓民求(ハン・ミング)国防長官と日本の長峰康久駐韓日本大使が協定に署名し、GSOMIAが正式に発効した。
当時のGSOMIA締結は中国と北朝鮮のみならず、韓国内でも「共に民主党」を中心にした野党と市民団体の激しい反発を招いた。彼らの主な主張は「韓半島(朝鮮半島)の有事の際、日本の自衛隊が侵攻できる根拠を作ることになる」ということだった。
「朴大統領は大統領ではなく日本のスパイだ」(李在明(イ・ジェミョン)、現京畿道知事)
「日本から得られる情報はなく、もっぱら韓国の情報を日本に捧げる協定だ」(禹相虎(ウ・サンホ)、共に民主党3選議員)
「過去に対する日本の謝罪が前提されない韓日軍事情報協定は国民の情緒にそぐわない」(金富謙(キム・ブギョム)、現行政安全部長官) など、野党の有力政治家たちの強い非難が飛び出し、国会では国防部長官の解任案や弾劾が建議された。

冊封体制下で宗主国宮廷での待遇・・席次がどうであったかが重要な成果であった歴史によるのか、内政がうまく行かない点を糊塗するためにか?不明ですが、民主化以降の韓国歴代大統領は対外ポジションがどうであったかを誇る傾向があります。
現文政権も外交では成功しているという国内評価だったようです。
朴政権も内政では国民不満が蓄積する一方の反動として、外交のカクカクたる成果を誇った(15年9月)中国陣営入り(序列1位か2位の栄誉)が直後に行われた北朝鮮による核実験等の威嚇抑制に何の効果もないことがわかり信用失墜しました。
反日運動では国民を煽るだけ煽理、西欧諸国歴訪しては告げ口外交の成果を誇っていたのに、同年12月には、米国の仲介を受け入れ事実上の全面敗北に等しい日韓合意をせざるを得なくなり、国民の失望を招きました。
これら不満が内向していたところへ、翌年に入ると北朝鮮による核兵器実験や長距離砲発射の連続で(中国は何もしてくれないので)追い詰められた政府は、米国の要求を受け入れて左派の反対を退けてサード配備決定(7月)をしました。
慰安婦騒動で反日運動することと親中方向政策は、左右両派一致の政策でしたが、15年の日韓合意以降左右の亀裂が始まり、サード配備で決定的反政府運動になっていきました。
(もともと中国は自国産業のレベルアップによって韓国企業が邪魔になってきたのが基本で、サード配備を口実にしているだけと思いますが)これに対する中国の報復による被害を受ける産業界の悲鳴によりもともと西側より支持母体である産業界も積極的政権支持が弱まってしまい積極的支持母体が消滅?しました。
この状況下で特定人物との密接関係が暴露されて10月のろうそく集会に発展したものです。
米国陣営に戻ったことに対する左翼親中親北系の反政府運動の激化→特定人への便宜供与に対する怒りのろうそく集会→日韓情報協定の協定に対する左翼の不満激化→これら全て政権不満に凝集していき弾劾に至ったと見ています。
ろうそく集会の過激化→弾劾に至る流れを本日現在のウイキペデイアで見ると以下の通りです。

弾劾・罷免
「崔順実ゲート事件」も参照
2016年10月末に発覚した友人崔順実の国政介入問題、いわゆる「崔順実ゲート事件」により、支持率が急落。11月初頭には5%までに下落し、伝統的な左派地盤である全羅南道では0%になった[135]。朴槿恵はこの問題に対して数度の国民向け談話を発表し、2回目の談話にて「夜も眠れず、こんなことをするために大統領に就任したのかと思うほど、辛い思いばかりしている」と悔恨の念を示した[136]。そして11月29日には3回目となる談話で大統領任期の短縮を含む自らの進退をすべて国会に委ねる意向を表明した[137]。

この表明に追い込まれたことで朴政権の命運が尽きました。
今後アメリカ一辺倒ではなく、中国へも目配りしようとして軸足を少しずらす程度であれば熟した政治家の動き・・相手の出方によっては途中方針変更も容易ですが、いきなり身も心も投げ出すような急激な擦り寄り方は、あまりも危険・政治家としては幼稚すぎでした。
私が高度な政治行動できるというのではなく、一国のトップ政治家の行動としてはお粗末過ぎなかったか?というだけのことです。
国際的政治行動としては幼稚すぎるように見えるので、女性特有の感情過多の表れか?背後の国民レベルが低いからか?という失礼な印象を持つ人が多かったと思いますが、中国接近は以下書くように左右勢力一致政策だったので慎重さを欠いた急激なのめり込みになったのでしょうか。
何事でも、全員一致というのは異論がない分、慎重さを欠いて間違いを起こしやすいものです。

韓国はどこへ行く?3(親中・北政策の蹉跌2)

前パク大統領の親米〜親中〜米陣営復帰〜弾劾への流れを見ておきましょう。
パク大統領は、出自と大統領になる前の行動から、親日親米思考体質プラス軍を背景にした対北朝鮮強硬思考が基本体質とみられており、当初日本でも同氏の大統領当選を関係改善につながる期待で受け止めていたものです。
パク氏は当初未来志向の動きだったように見えますが、米国頼りでは6カ国協議が停滞したままで北のエスカレートする挑発を止められないことから、北に強大な影響力を持つと見られた中国の力に頼ることに変更したものとみられます。
北が核兵器を持てば、米軍駐留が続いても米軍が核兵器による米本土攻撃の脅迫を受けると韓国を守ってくれなくなる・・「北から韓国を守る・核兵器開発中断させるには中国の圧力に頼るしかない」という大義の選択だったと思われます。
韓国の方が経済力もあるし、北と親密にするより韓国と親密にした方がメリットが大きいというセールスポイントも利用したでしょう・・北のパトロンを奪取しようという魂胆に見えましたが・・。もちろん韓国の方も米国に義理立てするよりは対米貿易より対中貿易額の方が大きくなっているという韓国のメリットもあり、一見ウインウインの関係とも言えました。
ただし、中国の方は自国技術力アップ中で、すぐにも韓国企業に追いつき競合するのが目に見えていたので、中期的に見て韓国企業優遇どころか、排斥相手にしたい関係でしたので米国陣営から寝返る・来るのは拒まないが・・という程度だった点で思惑が違いました。
中国としては、招待したら来た程度で何の義理も感じないし約束もしないとい程度の客扱いだったようです。
一方的にのめり込み盲目的恋愛のように中国にすり寄ってしまった韓国は、西側諸国からの反発覚悟のかなりの犠牲を払って中国の抗日式典に参加し、日米がボイコットしている中国の世界支配の基本構想である一帯一路構想の基盤となるAIIBにも参加し、トップ間のホットライン設置するなど最大限の誠意を示しました。
慰安婦騒動激化もその誠意の一態様と見るべきでしょう。
ちなみに当時国際的な慰安婦運動は韓国名義でやっていましたが、例えば米国の慰安婦像設置運動を見ると韓国人社会が実際には動いておらず背後で操っているのは、中国の資金と中国人脈によるロビー活動によるのでないか?という噂が一般的でした。
慰安婦像設置は住民投票によるのではなく、持ち周りの市長?市議会?がいきなり設置を決めたような経緯です。
民主社会という美名を信じて日系人が如何にビラ配りなどの運動しても公園の一部施設を選挙で決めるものではない・日本でも公園の備品・ベンチを置くかなど)のですから、ロビー活動で負けるとどうなるものではありません。
中国は改革開放直後から将来的にはGDPや軍事力で日本を追い越すことがわかっていても、最後は文化度の競争ですから、長期戦略として日本文化評価をじわじわ貶めて行く長期戦略があるものと思われます。
韓国政府の中国傾斜が始まると中国の要請によるのか勝手に忖度したのか?朴政権が日清戦争以降縁が切れていた中国陣営帰参の引き出物にしたのか不明ですが、自ら慰安婦問題をあおり告げ口外交をするようになったので、これは本当に韓国政府肝いりで行なっているというお墨付きを世界に与えたような関係になったように見えます。
翌16年1月に起きた北朝鮮の核実験に対する抑制依頼のためにせっかく設けたホットラインで習近平に直接電話しようとしても中国はその電話にすら出ないで何もしてくれなかったので、国内的に反米親中政策がなんだったのかの(親米派による)批判噴出に見舞われたと思われます。
国際環境の変化・慰安婦騒動に関して韓国支持国がなくなって来たことによって(パク大統領の外交は中国へは一方的擦り寄りにすぎず実は何も得たものがなかったのです)親米派勢力の不満(アメリカの巻き返しもあって)を背景に日韓合意となります。
日韓「不可逆的」合意に関するウイキペデイアの記事からです。

2015年(平成27年)12月28日に大韓民国(通称:韓国)ソウルの外交部で行われた日本の岸田文雄外務大臣と韓国の尹炳世外交部長官による外相会談後の共同記者発表で[1]、両外相は「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明[2]。韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円を拠出し、両国が協力していくことを確認した

その後も北朝鮮による核実験やロケット発射の連続に対して何もしてくれない無視を決め込む中国への不満が高まる中で自国を守るためには米国に頼る軍備増強しかないという16年7月のサード配備決定でした。
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226331/071900059

「中国陣営入り」寸前で踏みとどまった韓国
THAAD配備巡り米中代理戦争
鈴置 高史  2016年7月21日
7月8日、在韓米軍へのTHAAD配備が正式に決まりました。
配備拒否派が世論を盛り上げて朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を動かそうとした。慌てた賛成派が巻き返し、大統領の裁可を取り付け急きょ発表に持ち込んだのです。

「配備」の正式な発表を受け、中央日報は解説記事の見出しを

「苦悩の末に……朴槿恵政権、韓米同盟を選んだ」(7月9日、韓国語版)
日本語版もほぼ同様で「配備拒否か賛成かは、米国との同盟を拒否するか続けるかの選択だった」

との前提です。
これが多くの韓国人の実感でしょう。
中共政府の抗日戦勝利集会に参加して支配下に入ったはずの韓国の裏切り(と言えるかな?)に中国は(権威を示すために)怒り、土地提供したロッテに対する中国の報復、現代自動車への嫌がらせ等々(もともと自国企業と競合する進出企業潰しの口実)が今だに続いています。
この間オバマの日韓仲裁などを経て16年10月28日のろうそく集会後の日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)(11月23日)に進んだのですが、これがさらに反米親中派を刺激しました。
この時点でのろうそく集会はスキャンダル批判だったので朴政権は甘く見たのでしょうか。

サムスン頼りで良いか?3

「漁夫の利」期待によるサムスン電子株価復活に関する解説記事です。
bpress.ismedia.jp/articles/-/56515?page=2

瀕死のサムスンに「ファーウェイ排除」で吹いた神風
漂流する東アジアを撃つ(第13回)
2019.5.25(土) 右田 早希
ひとまず遠のいたサムスン電子「株価4万ウォン割れ」の懸念
サムスン電子株は、1年前の昨年5月25日は、5万2700ウォンをつけていた。それがこの1年で落ち続け、1カ月前の4月25日は4万4650ウォンまで下落。その後もさらに落ち続け、今週初めの5月20日の初値は、4万1650ウォンだった。
それが今週の終値(5月24日・・稲垣注)は、4万2800ウォンと、見事に持ち直したのである。
世界のスマホ業界関係者の間では、早ければいまの第2四半期にも「中韓逆転」が起こると予想されていたのだ。もし第2四半期に逆転しなくても、ファーウェイは、今年通年の出荷台数を2億6000万台と見込んでおり、今年通年の逆転は必至の状態というのが、業界関係者の共通認識になっていたのだ。
「5Gスマホ」に関しても、サムスンはファーウェイに較べて、大いに見劣りしている。
業界関係者の間では、「両社の5Gスマホは、ファーウェイとサムスンの勢いの差を象徴しており、長かったサムスン時代も終わりを告げる」という見方が強かった。
こんな状況下で、今週サムスンに、まさに「神風」が吹いたのである。
なぜサムスンは突然、復調したのか? 今週、何か目新しい新製品を発表したわけでもなければ、トップの李在鎔副会長が前向きの発言をしたわけでもない。あの文在寅政権の経済政策も変わっていない。

と、24日の週末株価下げどまり傾向は、追い上げてくるライバル失速による「漁夫の利」期待効果によることを解説しています。
自己革新によらず「漁夫の利に頼っている」だけでは、他の競争相手の出現に脅かされるので一時しのぎに過ぎないでしょう。
漁夫の利を得て時間を得た間に、新技術革新に成功できるか次第でしょう。
スポーツは実力社会なので分かりよいですが、能力差が開いているとライバルが何かの失格行為や怪我等で半年〜1年出場停止になってその間に本来2〜3位の能力しかない選手が1位になれてもライバルが復帰したり次世代が台頭してくるとその追い上げにまたついていけなくなります。
競争予備軍は無数にいるものです。
中韓両国は、プラザ合意以降鮮明になった欧米による日本パッシング政策に呼応する形で日本の技術摂取に勤めて高度成長路線に入りましたが、日本はこの10年前後技術移転を絞り、中韓以外の東南アジアやメキシコへの生産(技術移転とセット)移転を加速するようになりました。
この10年ほどは日韓の技術移転は細る一方になっていたのです。
これが今まで見てきたように韓国各分野の業績不信・構造的生産力低下に繋がっていると見るべきでしょう。
技術移転が減ってきたので、もう日本の世話になる必要が無いと言うの(間違った意識)が韓国の反日運動の原動力でしょうが、実は技術移転が細っても韓国が次世代技術を自前で再生産していけるようになったかは別問題です。
韓国が中進国の罠にすぐ陥らなかったのは、それまで中進国の罠におちいった国々は、欧米の援助で中進国になった国々ばかりですが、欧米は人種差別意識が強くまともな技術移転をしなかった・・・安い労働力を利用するだけだったことによります。
日本の場合は、誠心誠意中韓の人々が自分たちでいろんなものが作れるように教えこんできた違いがあります。
欧米の植民地では、現地人は読み書きできないままに・欧米人との教育格差拡大を通じて「自分たちは欧米人にかなわない」という無力感を植え付ける支配に徹してきました。
日本は朝鮮や台湾で日本本土同様に義務教育制度や大学も設置して現地人の能力アップに努力したのとの本質的違いです。
上記のように日本は現地進出した場合、同胞並みに熱心に教えてきた実績があるので、技術移転が細ってもまだその余韻というか磁石効果が残っている関係が大違いです。
これがすぐに中進国の罠に陥らなかった違いです。
子供の頃磁石にクギをぶら下げて遊んだ記憶を例にすれば、本物の磁石を切り離してもある程度そのクギに磁力が残っていてまだ別の釘をくっつける磁力が残っているのを見た記憶でした。
中韓が、残った磁力効果を利用して自分で新技術を生み出せるのか?移転してもらった磁力がなくなればおしまいかの問題はこれからの結果次第です。
10年以上経過してようやく磁石が切れる段階がきて、さあどうなるか?お手並み拝見という段階での日韓公式?手切れ間近です。
中国は反日暴動をして見たものの公害環境技術やエネ技術等まだ日本の協力がいると分かって数年前から日本への擦り寄りを始めたところで米中対決になったので、味方をふやす必要もあって、猛烈な日本擦り寄りが始まりました。
韓国だけが国内事情で辞められない?からかまだ反日で邁進中ですが、肝腎の米国が中韓を利用してのジャパンパッシングをやめて、今度は日米蜜月→中国敵視政策に切り替えたので、韓国の立場は二階に上がって梯子を外された状態です。
プラザ合意以降、欧米一丸となった反日攻勢(いわゆるジャパンパッシング)に便乗して、韓国中国が文字通り漁夫の利を得ていた30年に及ぶ世界反日環境がオセロゲームのように白黒反転してしまったのです。
この環境激変対応力がないために、韓国の首を締め始めたということでしょう。
中国が台頭に連れて中国自身がおおっぴらに米国の「鼎の軽重を問う」動きを始めました。
この辺は、習近平氏が太平洋二分論をオバマに持ちかけたときにその意味をこのコラムで書いたことがあります。
その後尖閣諸島への信仰姿勢を見せたり南シナ海の公海で実力埋め立て強行→軍事基地工事を進め、既成事実化するなど、実力行使が目立ってきたので、ついに不公正貿易慣行という側面からのアメリカ国民一丸的な対中対決ムードが高まったものです。

輸出→現地進出→現地生産→利益還流3

中国は政府の資金投入を背景に国有企業が採算度外視の赤字輸出を仕掛けては世界の競合企業を潰してしまい独占企業化している点が国際問題化しています。
ここ数年では、鉄鋼の赤字輸出が世界の批判対象になっていましたが、これはコスト比重が大きい鉄鉱石価格が国際指標で明らかで、赤字輸出が明瞭だから批判しやすいだけです。
例えば中国の鉄道企業が代表的ですが、さしたる技術がないのに各国の鉄道敷設事業の受注入札で採算度外視受注によって日本が受注を奪われる例がしょっちゅうメデイアを騒がせていましたが、こういう不公正受注の繰り返しによって結果的に世界トップ企業になっているのがその一例です。
今回の米中対決ではトランプ氏が「国有企業優遇をやめろ!」という中国共産党支配の根幹に関わる要求を突きつけているので、習近平は自分の首・失脚すれば文字通り生存の危機に関わるので拒否せざるを得ないという構図らしいですが、韓国はバックの国内市場が小さいこともあって中国ほど露骨でないものの似たことを巧妙にしてきたし、これを参考に中国が大規模・露骨にやってきたことになります。
当初に締結した米韓FTAに関する当時のネット記事が見当たりませんが、ウイキペデイアによると以下の通りです。

・・・協定は、2012年3月15日に発効[4]。米韓FTAの発効により5年以内に95%の品目への関税を撤廃される・・・

上記によると12年発効で5年以内に95%削減・・5年間は段階的引き下げですから5%になってからまだ日が浅いことがわかりますが、毎年のように5分の1づつ関税引き下げが始まると年々の影響は大きかったでしょう。
関税大幅引き下げ→米国製車の輸出自由化!(トヨタも米国製であれば韓国輸出可能になった!)と騒がれたものです。
ただ米国生産の場合人件費等コストが高いので、結果的に米国車の対韓輸出は成功しなかったようです。
このFTAによるかどうか不明ですが、今ではGMとルノーが韓国現地生産しているようですが、これらも、昨年GM群山工場閉鎖がニュースになっていたようにうまくいってないようです。
サムスン・ルノー合弁工場もうまくいかず、日産の生産委託でなんとか維持して来たようですが、ゴーン氏に対する刑事事件によって無理な提携見直し機運になっているのでこの生産も消滅方向に向かいそうです。
現地生産は基本的に先進国から後進国への工場移転・・人件費等の安さと現地需要に短時間対応のメリットで遠隔地の本国からの輸出をやめて現地化するものです。
(韓国が先進国とすれば)先進国同士の現地生産化はこうしたメリットがほとんどない・韓国民族資本でさえ自国からの輸出の限界を感じて輸出先での生産に現地化するしかない(・これが成功するかどうかで韓国の将来が決まる状態です)ので、無理があります。
ベンツその他がいかに日本で人気があっても、日本国内生産に移行しないのは(日本は関税が低いこともあって)この理由です。
逆からいえば、先進国でありながらその国で現地生産が増えている国は、貿易制度の不公正度が高いか、輸出国での不公正な輸出ドライブがあるかです。
相互関税縮小は輸出面では韓国に有利だったでしょうが、輸入自由化や韓国内生産が始まったことによる競争環境に対抗するためには、現代自動車など国内企業の利益率減少・ボデイに効いてきたはずです。
ちなみに、今では日本の自動車市場に比べて韓国では輸入比率が高くなっていると言われていますので、アメリカへの輸出が増えた方が大かったとはいえ、それまで厳しい閉鎖市場だった韓国内市場(資本自由化による米国企業の韓国進出→国内生産が増えたこともあって)に与えたFTAの影響が大きかったと思われます。
https://japanese.joins.com/article/872/247872.html
韓国市場で輸入車比率が過去最高…国産車販売は3年連続減少

2018年12月07日07時44分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国自動車産業協会と輸入自動車協会によると、今年(1-11月)の韓国自動車市場で輸入車のシェアは16.92%となった。過去最高だった2015年(15.53%)に比べ1.39ポイント高い。このままいけば今年の輸入車のシェアは過去最高となる。
・・・同じ期間、国産車の販売台数(118万2583台→117万9773台)はむしろ減少した。2016年(134万3379台)に続いて3年連続の減少だ。国産車は国内市場を奪われる一方、海外市場では苦戦している。2012年に301万2584台を輸出した韓国自動車企業は6年連続で輸出台数が減少した。

上記によれば3年連続減少というのですが、FTA発効5年経過したのは上記記事発行日の3年前のことです。
16%しか輸入比率がない点を見るのではなく、16%に抑えるために国内業者の消費者獲得競争激化→利益率低下によって国内ボロ儲けを輸出競争につぎ込んで格安販売の原資にしてきた事業モデルが壁にぶち当たってきたことがわかります。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/01/5a64649cc2cc69f2.html

現代自動車、2018年の営業利益は47%減に  2019年01月31日

表1 現代自動車の業績

車(に限らず商品・サービス)に人気があって売り上げ増の場合、定価販売に近づき営業利益率がアップし、売れないのを補うための代理店への奨励金アップや値引き販売・広告宣伝費アップなどで外見上売り上げ減を食い止めたり、販売台数が増えていても営業利益率が低下します。
日産は外見上目覚ましい販売増でしたが、ゴーン氏失脚により内実では無理があったことが、明らかになったばかりです。

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