ウクライナ危機10と中国の学習能力3

4月20日以降の報道では、商船三井の船を中国が戦前の補償を理由に差し押さえたとのことです。
商船三井に対する執行の問題は、これまで日本が如何に悪いかを煽って来た手前、国際条約で解決済み→なんでそんな条約を結んだ・・見返りに貰った金を寄越せと言う政権批判に直結するのが怖くて抑え切れないので、ガス抜きに使っている面もあります。
韓国も中国も賠償請求権放棄する代わりに日本から巨額資金を得ているのですが、国民に配らないで内緒で使い込んでしまった(・・この結果高度成長出来たのですが・・)ことを今更言えないからです。
大々的対日暴動は却って全般的対中投資を減少させてしまうことが分ったので、この1年ほどは方針を変えて個別企業を狙い撃ちし始めたのでしょう。
半年か数ヶ月くらい前にはニコンだったかキャノンだったかの日本企業を狙った大々的なマイナスキャンペインがありました。
個別企業イジメなら、その企業関係者だけの問題に絞って・・あるいは当局に目を付けられ・睨まれなければ良いんだという問題に矮小化できて、日本企業全体の投資減退にならないと読んだのでしょう。
特定企業を大々的にブラック企業として槍玉に挙げる対象を絞った一種の限定暴動的やり方ですが、これが恒常化すれば、日系企業が槍玉に挙げられないように当局の顔色を窺い付け届けに精出すしかありません。
対日強硬姿勢その他対日交渉ではそれら企業は中国寄り発言をし、日本政府に働きかけするしかなくなるでしょう。
この努力が低いとみなされれば、次の標的にされるリスクが高まります。
他方で国民の不満を少しずつガス抜きできるという一石二〜三鳥の狙いで始めたものでしょう。
とは言え、モノゴトにはそんなうまい話はありません。
とは言え、市場競争が厳しくて敗退のリスクがあるならば納得ですが、理不尽な言いがかりで敗退するリスクがある市場には、出来るだけ投資を避けたくなるのが目に見えています。
対日暴動以降日本の対中投資は激減に継ぐ激減で、昨年は前年比4割減と言われています。
長年反日教育で煽って来たのにイザとなると何も出来ないと弱腰批判されることと、ここ数年の経済停滞と公害の現実化等失政が明らかになってきたので、何かガス抜きしないと政権が持たない印象です。
もう一度反日大規模暴動を煽って対中投資が更に激減すると、中国経済は持たないのですが、全く日本批判をしないと政権が持たないので、日本の顔色を見ながら1企業ずつに絞ってでもやらざるを得なくなったのが中国政府の苦しいところです。
1企業ずつなら日本の反発が少ないだろうという期待でしょうが、これもあまり続くと、いわゆるカントリーリスクとして日系の対中投資は更にジリ貧になって行くし、行くべきだと思います。
例えば進出企業百社あるとして毎年2社くらいずつ槍玉に挙げられると、全体で2%のリスクのある投資となります。
槍だまに上げられる個別企業用にとっては、2%どころが巨額損失ですから、日本企業にとっては中国投資はリスクが大き過ぎるので、ぬれ手に粟の短期間にボロ儲けしていつでも逃げ出せそうな商売以外は進出しない方が賢明な選択となります。
中国投資は他国よりリスクが大きいので敬遠されて、同一条件なら投資が他所に逃げて行く・・誘致競争に負けるために中国政府が努力していることになります。
中国は充分な外貨を持っているとは言え、絶えざる投資を求め技術導入し続けないと自国企業だけではマトモなものを作れない点ではその他新興国と何ら変わりません。
2年前の対日暴動以降日本の対中投資が4割減になり、他方対東南アジア投資が急増している実態・・東南アジア諸国の急成長と片や中国経済の停滞・失速の始まりに中国政府は恐れおののいている筈です。
この経験に懲りた筈なのに、まだセコセコと(恐る恐る?)反日行動をやらざるを得ないのは、長年反日教育し、今や日本を追い越したと自慢していた手前、今更日本企業を叩き出す力がないとは国民に言えない弱みからです。

国際経済秩序3(裁判制度の信頼性2)

大津事件以降英国が金子堅太郎を公法学会会員にしたりして、法律家の間に条約改正に必要な資料配布等のアドバイスを繰り返して前向きになって行ったことが、地道な原動力になっていたことが分ります。
法律家を通じた信頼関係がこの後の日英同盟の基礎になって行き、日本は欧米の治外法権を強制されている反独立国から独立国へ、更には日清/日露戦争を経て強国へと脱皮できた基礎でした。
治外法権等を撤廃した日英通商航海条約が1894年7月16日で、そのわずか半月後には自信を持った日本は日清戦争開戦→強国への道を歩むことになったのです。
ローマは一日にしてならずと言いますが、明治の条約改正実現も地道な人材育成努力と政治交渉の総合力で獲得したものでした。
政治家の努力もさることながら裁判実績で先進国の信頼を受けるようになって行った・・今で言えば中小部品企業や個々の企業人の一人一人の誠実さが、日本経済や日本人の信用を支えているのと似ています・・。
今では後進国の裁判制度が信用できなくとも、露骨な差別・不平等条約の強制が許されないので、先進国は賄賂や政府の意向でどうにでもなる後進国政府相手に法治主義ではなく人治主義だと揶揄しながら対応に苦労しているのが現状です。
韓国や中国が政治の思惑次第で国際条約無視の裁判・・条約で権利放棄したのに裁判の蒸し返しを堂々と行うようになると「どこの裁判所でも良いでしょう」とは言えないことが分ります。
TPPの裁判管轄の取り決め条項がTPP批判論根拠の1つになっていますが、TPPで裁判ルールまで決めようとしているのは、不透明な後進国での裁判排除・・裁判ルールの共通化を狙っているのかも知れません。
将来国際的に裁判官の公平・均一能力が保障されるようになったとしても、国際間の場合距離コストも大きなハードルですが、言語能力差による有利不利が大きいので、管轄の決まりは実際に大きな意味があります。
契約時の合意が優先されるようになると、大企業・・先進国優位の裁判管轄になり易いのが難点です。
日本国内で言えば、消費者は大企業の決めた長文の印刷された約款に反抗できずに(殆ど読まずに)署名して(読んでもそこだけ反対だから携帯や電子レンジを買わないとは言えないで)購入しているのが現状です。
TPP参加してもしなくとも現在既にどんな契約でも、国際間でもめ事があればどこかの国で裁判をする体制になっています。
TPPの裁判条項だけ取り立ててアメリカで裁判されてしまうのは大変だと大騒ぎしているのは、ちょっと乱暴・・反対のための反対論と言うべきかも知れません。
国際裁判システムの合理化・・国益を守るには、外国での裁判では不利だという感情論では解決で来ません。
何でもアメリカの陰謀というアメリカ支配に反する勢力は、アメリカで裁判されたら大変だと煽ってTPP反対論を展開します。
明治の条約改正運動の下地になった裁判制度・公平な裁判官や法律実務家の養成に努力した結果、奏功したのを参考にすべきです。
日本企業の海外進出は当たり前の時代ですし、個人でもネットで気楽に海外に注文する時代ですから、国際的な法律問題を抱える時代は目の前に来ています。
子供の養育連れ去りに関すンルハーグ条約が批准されたことを紹介しましたが、誰もが関係者になる時代です。
今後は国際的裁判紛争が増える一方であることは明らかですから、これを忌避しているのでは国際化の進運に乗り遅れること必定です。
国際的訴訟専門家の養成(外国語である程度渡り合える法律家を一定程度養成すべきです)や制度努力を待つ・・すりあわせて行くべきで、我が国にとってTPP交渉参加の功罪とは別の喫緊の研究・政治課題であるべきです。
国際的な会計基準や金融ルール等の策定を見れば分るように、ソフトやルールの統一は冷静な議論の結果ですので、中国の武力による威嚇は意味を持たずに、経験豊富な先進国有利な体勢になり勝ちです。
訴訟に関する国際ルールが策定されることは、日本は先進国の一員として合理化によって得する場合の方が多いと考えられます。
世界の活動をピラミッド型に喩えれば、日本はピラミッドの頂点グループに入っている筈です。

戦争と国力疲弊3(植民地争奪戦争)

生産効率の格差が商品販売競争反映し、この競争に負ける方は個人で言えば倒産・路頭に迷う最貧階層に転落ですし、国家全体で言えば被支配国への転落となります。
国内産業維持・競争力を身につけるために輸入制限等になるのが普通ですが、欧米から見れば、輸入禁止されないように単なる市場から、植民地支配へ移行して行きました。
後発国による輸入制限措置等に絡んで言いがかりをつけて・・自国商人保護等の名目で軍の駐留をし、問題が起きるとそれを口実に戦争をして行ったのです。
この極端な例がアヘン戦争でした。
戦後ナセルによるスエズ運河国有化にケチを付けて、英仏連合軍がスエズに侵攻したのもこの一種でしょう。
幕末日本の場合、強硬な輸入制限や外国人排斥をすると軍事介入される口実にされることから、植民地支配を免れるための妥協の産物として関税自主権や刑事裁判権を持たない通商条約を飲まざるを得ませんでした・・。
これが国辱ものとして井伊大老の暗殺・・明治維新に連なるのですが、明治以降国力増進に伴って不平等条約改正交渉が悲願となって、これに邁進していたのもその文脈で理解可能です。
戦後独立の代償として憲法9条で自主防衛権を放棄させられたのも同じ論理ですから、(押し付け憲法が国辱ものと言われていますが、戦争に負けて押し付けられたこと自体は論理必然です。)国力増進に従ってこの解釈変更を試みる・自主憲法制定論が悲願になっているのも、明治の条約改正が悲願だったのと同根です。
自主憲法制定まで行くのは対アメリカで無理があるとしても、憲法解釈変更は条約改正と違い・・相手の同意が要りませんので内部決断で足りますが、事実上アメリカの同意が必要です。
いわゆる戦後レジームの見直しになるので、アメリカを中心に反発がありこれを中国や韓国が利用して騒ぐからです。
植民地になると関税や国内産業保護のための各種政策が出来なくなり、国内産業・産品を守れないことから、際限なく国内産業が衰退・・支配国からの輸入品に叶わないので既存産業は倒産ばかりで被支配国の経営者・・伝統文化を維持するべき余裕のある人が壊滅して行きます。
これが被植民地と先進国の経済・文化格差が巨大になってしまった原因です。
中国が戦後支配地の異民族・・モンゴル族などに対して文字の読める人をほぼ皆殺しにしたと言われていますが、(ポルポトの大虐殺は中共の指導の基に行なわれたので中国の残虐なやり方が世界中に知られるようになりました)こんな性急なことをしなくても、数世代支配を続ければ地元文化の維持者がいなくなって結果的に民族文化がほぼ消滅し、文字の読める人が殆どいなくなってしまいます。
地元産業が壊滅すると文化を担う豊かな人材も減り、生活レベルが下がり続けます。
千葉県を見ていると私が昭和40年代に千葉に来たときには地場産業資本家が結構いましたが、いくつも合った地元百貨店が次々とつぶれあるいは三越などの傘下に入り、車その他あらゆる分野で大手傘下に入ったと思ったら短期間グループ企業の社長でしたが大方は直ぐに吸収されてなくなってしまい、大手の直属営業所や支店になって行きます。
これでは地元トップが支店長という転勤族サラリーマンばかりですから、地元で高級品を消費する層が激減します。
千葉に来たばかりの頃には地元に数カ所のレストランやスーパーを保有する人やちょっとした事業をしている人など経営者がいっぱいいました。
彼らは小なりと言えども経営者ですから、相応に料亭で芸を覚えたり、(私も若手の頃には芸者さんがゲイを演じてくれる地元料亭に一緒に連れられて行ったことがあります。
彼らは地元紳士としてヨットや外車を買ったり、立派な屋敷を構えたりそれなりの楽しみをしていました。
それがソゴウや三越など大手になって、ビルは立派になったのですが、オーナー経営者が一人もいなくて雇われ店長ばかりの社会になると、地元文化を維持することが出来なくなります。
私の自宅周辺は比較的大きな屋敷のある地域でしたが、今では大きな屋敷を維持できずに殆ど全部マンションに変わりました。

ウクライナ政変とロシア3

日本経済新聞3月30日朝刊でウクライナでは、過激派がもっと民族主義的政策をとるように新政権を攻撃している・・ロシアが自国民保護のためにウクライナ本体に対して介入する口実造りに励んでいることも不思議です。
ロシアは場合によってはそこまで行くような姿勢を示しておいて、クリミアだけで矛を収めてアメリカの顔を立てて欧米と手打ちする予定ではないでしょうか?
ロシア系住民を排撃する過激な行動をとれば、ロシアによるウクライナ本体に対する軍事介入口実になるのが分っていて、何故こうした過激主張やデモが頻発しているのか・・背後資金関係が不思議です。
各種大規模暴動が長期化するには、巨額資金援助組織が背後にないとやれないのが普通です。
ロシアは、過激派によるロシア系住民迫害を口実にウクライナ本体に介入するとしても、本体を手に入れると図体の大きな貧乏を招き入れるので仮にやるとしてもせいぜい東側の切り離しに動く程度でしょう。
そうした動きを示しておいて制裁をやめるなら撤退すると言う条件を出して欧米もその辺で落ち着くと見ている可能性があります。
ネトウヨによれば、日中紛争が起きれば、在日中国人が先ず国内で騒いで右翼を挑発して事件を起こさせ、日本右翼が挑発に乗らなければ、工作員を潜入させて中国系人を殺して、日本で中国人が迫害を受けているという状況を作り出す恐れが早くから指摘されています。
上記従来からの指摘によれば、アンネの日記破損事件は、中国ないし韓国系の工作員による予行演習が始まったのではないかと言う意見です。
ヘイトスピーチも韓国系によるやらせではないか?という意見もあります。
いわゆる右翼団体員には、韓国系が多くを占めていると指摘されています。
根拠のない意見はいつもうがち過ぎと批判されますが、「うがち過ぎ」と言って、マスコミのように根拠のある・・政府発表ばかり報道していると真相に迫れません。
(工作員がやることがそのまま直ぐにバレルことがないのが普通です・・北朝鮮による拉致疑惑も何十年も根拠・・証拠がなくて「疑惑」と言われ続けてきました。)
中韓工作員による事件起こしだと言う疑いを払拭するためにも、犯人像を早く明らにすべきです。
犯人が検挙されるまであれだけ国際発信して日本の右傾化を宣伝していたマスコミが、検挙された途端にマスコミがだんまりになったのは不自然ではないかと追及されている所以です。
精神障害と思われる人が、仮に在日や中国系ではないとしても障害者の行為としては、彼の住居や検挙された場所とかなり離れた場所で、短期に且つ大量にやっていることと符合しない・・マスコミ大報道に触発されて便乗した付和雷同型の可能性があるとも言われています。
そうとすればなおさら、当初に大量破損事件を起こした真犯人グループの検挙・・動機解明や背後関係開明を急ぐべきです。
プーチンの賭けに戻りますが、政権が落ち目のときには、民族感情に訴えるのは短期的には国内支持固めに有効でしょうが、国家利益のためには長期的にはマイナスに作用してボデイーに利いてきます。
ブッシュ大統領も9・11を理由に泥沼のイラク〜アフガン戦争を開始して支持率を盛り返しました。
しかし、結果的にアメリカの威信と体力を損なってしまった・・現在のオバマの交渉能力低下に結びついていることは、歴史が証明しています。
古くはベトナム戦争を始めたケネデイ大統領も、その結果世界に宣伝していたアメリカの大義が大きく傷つき、経済も下降現象になる切っ掛け(・・ニクソンショック)になったのですが、何故か今でもアメリカの英雄です。
(未だにダーウインの進化論が受入れられない・・公教育では教えていないと言われる非合理性に支えられている社会であるからでしょうが、・・日本のように歴史を直視し、言論の自由な国では、逆にぼろくそに言われる筈です・・)

マスコミの信用失墜21(情報寡占の崩壊3)

データ・情報をマスコミが一定の思想方向へ誘導するために加工・取捨選択する結果、報道の信頼がなくなるのも、中共政府のように独裁権力による情報統制による国民の信頼喪失も結果は同じです。
誰が加工しようとも、特定の立場に都合の悪い事実が隠蔽されているのだろうという不信感が生じている点は同じです。
マスコミによってあるいは政府によって加工されずに事実・情報はありのまま正確・公平に行き渡ることが信頼社会・・ひいては落ち着いた民主主義社会を基礎付ける重要なインフラと言うべきです。
以前から繰り返し書いているように(米軍占領時に米軍の都合の良いことを報道して都合の悪い米兵の事件等は塗りつぶして来たように)真の中立はあり得ないので、いろんな立場による報道を自由にして報道機関も自己の立場を明らかにして、その立場による取捨選択をしている結果として報道する方が公平です。
中立を装う以上は、客観情報提供をしている信頼によってのみ存在価値が認められるマスコミが、自ら特定立場に立つ取捨選択をし続けて来たことによって国民を裏切り続けて来た結果、発信情報の価値を(疑われるようになって)台無しにして来た罪が大きいと反省して欲しいところです。
特定秘密保護法や集団自衛権問題について、ムード的反対を煽るばかりで具体的な外国事例のデータ紹介がない点を2014/03/13「特定秘密保護法11(適性テスト1)」まで批判してきました。
特定秘密保護法案が国会を通過(成立)したのに対して、マスコミは政府批判一色ですが、他人の批判よりは、マスコミ自身がこれまで偏頗報道を繰り返して来たことによって、国民の支持・・信頼をなくして来た実績こそをマスコミ界は真摯に反省すべきでしょう。
尖閣諸島問題で中国の酔っぱらいが海上保安庁の船に体当たりして来た映像公開に関して、マスコミが受け付けそうもないと彼が判断して・・もしもマスコミに持って行っていけば握りつぶされていたでしょう・・ユーチーブに直接持ち込み掲載したということらしいです。
勿論このときは民主党政権であり、マスコミ論調は例外なく秘密漏洩に関する彼の責任追及論ばかりで、こんな重要なことを隠蔽している政府の方がおかしいという意見はほぼ皆無だったと記憶しています。
今や国益として何を開示し何を秘密にすべきかに関して、多くの国民の価値観とマスコミの価値判断がずれている・・国民の多くがマスコミをまるで信用していない実態が如実に現れています。
少年と分った場合で、氏名公表しないまでも大事件の場合には事件背景の追跡調査をするのが一般的であるように、アンネの日記損傷事件は日本の国際的評判を落とす国家的大事件として報道されていたのですから、精神障害の疑い程度(無罪になるほどの精神障害とも分っていないのに)で直ちに報道が皆無になるのは異常過ぎます。
マスコミの報道姿勢を国民が信用しなくなっているときに、特定秘密保護法が出来るとマスコミが正常な取材が出来なくなる・・国民の知る権利が侵されるという切り口では、マスコミの法案批判論に国民がついて行きません。
国民の知る権利は、マスコミの偏頗報道によってとっくに侵されていると国民が怒っていることを理解していないのです。
マスコミ界一致の大キャンペインにもかかわらず直後の世論調査(この質問表自体に安倍政権が如何に危険かを訴える傾向がありました)では安倍政権支持率に変動がなかったことをマスコミは反省すべきでしょう。
特定秘密保護法の成立直後の世論調査の結果は、マスコミが信用をなくしつつ現状をあますところなく表しています。
安倍政権の消長は右傾化支持か否かではなく、経済政策の成否にかかっています。
巨額貿易赤字の定着→経常収支の赤字が続くようになると、大胆な金融緩和→円安だけではどうにもならないのではないかと言う心配が頭をもたげてきました。
プラザ合意以降長期に及ぶ円高で製造業だけではなく各分野での海外脱出が継続的に行なわれて来たので、円安になったからと言ってイキナリ製造拠点の国内回帰が進む訳ではありません。

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