中韓両国の自治能力3

アメリカを標的にして反撃されると危険なので、反撃する心配のない・害のない日本に向ければ仮に日本が反発してもアメリカを抱き込んで「敗戦国が何を言うかと開き直れば良い」と考えて来た形跡があります。
現在中国の対日政策は、経済から軍事まで全て韓国の成功体験を真似しているように思われます。
解放後約30年経過し予定どおり経済が離陸すると、漸く強権政治に対する国民の不満が表面化し始めました。
昨年の反日暴動は、約20年前からこのときのために準備していた計画・・反日教育の効果を試す予行演習だったと言えないこともありません。
韓国の成功例を参考にして改革開放に当たって反日教育を長年掛けて周到に計画していたのでしょうが、時代環境が変わり相手も違うので、アメリカは冷戦時代に韓国の肩を持ったのと同じ対応をいつまでもする訳がありません。
1昨年から日本締め付けのつもりで始めたレアアース禁輸の着想は、鄧小平氏が健在なときにイザとなればこれがあると示していたと言われています。
三国志演義では、諸葛孔明が自分が死んだときにはこれを開けてみよと言っていたので、これを見てその策を実行した結果,「死せる孔明生ける仲達を走らす」ことになりましたが、これは死後ホンの数日間の策略が功を奏したに過ぎません。
その程度のことは、信玄の死を隠して兵を引き上げた勝頼も似たようなことをしていますが、ホンの短期間の目くらまし・・時間稼ぎをしたに過ぎません。
鄧小平の改革開放路線開始から30年も後になれば時代環境が変わっているのですから、(日本の適応力等)その変化を無視してそのまま実行すれば失敗するに決まっているのですが、それが分らないで実行してしまったのですから、中華民族のレベル・・頭の固さに驚きます。
朝鮮半島は南北の軍事境界線固定後は日本が韓国にだけ巨額投資した結果、南の方だけ社会実力以上に経済発展したことが却って、南=韓国人民精神のひずみをもたらして国民総強迫神経症に罹患しているような状態を生み出したと思われます。
韓国と同じ轍を踏み始めているのが中国です。
反日教育、反日宣伝に活路を見出そうとしている点も、同じです。
目的・政治手法が同じですから、自分の方が兄貴分だから良い思いが出来るとばかりに韓国が中国にすり寄り始めたのです。
しかし、韓国の反日運動は戦後これまで成功して来たのはアメリカの後ろ盾があってのことですし、日米韓の関係も世界情勢の変化で限界が見えています。
限界があるからこそ中国にすり寄ったのでしょうが、遅れてその真似を始めた中国がそのマイナス効果に困っている状態です・・これににすり寄っても成功する筈がありません。
反日宣伝する仲間が多い方が良いと思ったのでしょうが、同病相憐れむのたぐいにしかなりません。
ただ、中国の場合韓国と違って一定の軍事力があるので、アメリカの警告にも耳を貸さないでも良い立場ですので、反日運動が功を奏さない場合、冒険主義に出る可能性がある点が決定的に違っています。
中国経済がバブル崩壊の瀬戸際で崖っぷちにあって、他方で環境破壊その他国内・・人心離反が半端ではなくなって来て今や滅茶苦茶・収拾がつかない感じになっています。
国内的には「日本なんかに負けないぞ」と虚偽宣伝し続けて来た結果、今更軍が後に引けない場面が来る可能性があります。
4〜5日前に中国が一方的に尖閣諸島上空付近まで防空識別圏を設定してこの範囲に無断で入れば撃墜も辞さずという態度を表明しました。
「他所の国の上空なのに中国政府の許可なく飛行機が飛べば撃墜する」と脅すのって、普通の国であれば言わば宣戦布告されたのと同様です。
日本も「北京上空を中国の飛行機が飛べば撃墜する」と言い返したらどうなるのでしょうか?
こんな非常識なことを臆面もなく主張し始めること自体から、国内的に共産党政府が崩壊直線に追いつめられて来たことが却って分ります。
北朝鮮お得意の瀬戸際外交を中国も始めざるを得なくなったようです。
北朝鮮や韓国の真似をしてこの方向に進めば、世界中で独りよがり外交として同じように孤立して行くしかありません。
独りよがり外交をする仲間が多いに越したことがないでしょうが・・・これでは中国が渇望して已まない「世界から尊敬を受ける国になる」時代が来るのが遠のくばかりです。
中国は、分ってはいるもののやめるにやめられないほど内政矛盾・政権崩壊の危機が迫っているのではないでしょうか?

韓国民の行動様式32(自治能力3)

社会全体の調整能力不足の結果・・国民の不満が溜まる一方・・そのガス抜きには挙国一致の標的をつくるしかないという政治風土になっていたのが韓国独立後の歴史です。
そのスケープゴートに日本が選ばれていて、政治家はさしあたり日本批判をしていれば政治的地位が保たれるので難しい利害調整をするよりは、国内政治に困れば安易にこれに走る習慣になってしまいました。
国内政治の舵取りに困れば、日本批判で切り抜けて曲がりなりにも民主政治らしい外観を維持して今までやって来られましたが、いつまでも続く反日行動に日本が反発するようになり、アメリカもあまり肩入れしなくなると、これからこの方式はうまく行かなくなります。
今後は本来の自治能力があるのかないのかが、問われるようになるでしょう。
日本敗戦後既に約70年も経過しているのですから、いい加減にある程度の自治能力が身に付いても良い筈ですが、未だに身に付かずに民意を汲む政治と言えば日本批判しか出来ないのが哀れです。
長年日本批判という麻薬に頼って来たので、却って自治能力が磨かれなかったとも言えます。
日本で言えば,元の社会党や民主党の例で分るように対外的な政府批判・反対だけしていれば意見一致は簡単ですが、イザ政権を取ると利害調整能力不足が露呈しました。
韓国は日本の野党のように、対外標的を作ることしか国内安定政治が維持出来ませんから安全弁としてこれを利用してきたことになります。
ちなみにイランがアラブの春と違って革命後内部混乱なくやって来られたのは、アメリカがイランに対して挑発を繰り返すので、格好の対外標的が出来たから北朝鮮同様に却ってアメリカの思惑に反して団結が保たれていることによります。
昔から強者の脅迫に対して多くの国ではこれを受入れようとする勢力と反発する勢力の2派に分かれて内部混乱が起きるのですが、戦後は、強国と言えども露骨な占領支配が出来ませんので外から嫌がらせをする程度でしかありません。
そうなると負けたら近いうちに占領軍になる方に早めにつこうとする勢力が、国内で発生しません。
経済封鎖で困るのは国民全員ですから、政権が愛国心を煽ればみんなで愛国心の大合唱に走るしかありません。
現在では経済封鎖で如何に苛めても、内部混乱するどころか逆に内部団結力が高まって来るのが普通です。
北朝鮮もあんな無茶なやり方で支配が維持出来ているのは、アメリカという超大国によるいじめから守る意識・・標的を作っているから可能になっているのでしょう。
逆説的ですが、北朝鮮の現体制をアメリカが支えていることになります。
韓国は本来の敵ではないのに日本を標的に定めて国民教育をしてこれが成功しているので、対外標的に頼っている分に比例してマトモな国内政治をしないで済んでいます。
東北大震災による原発事故は、日本にとって天佑か?というテーマで書きましたが、資源があればそれによって稼げる黒字分だけ円高になって国内産業が衰えますが、韓国や北朝鮮は外敵を作り出すことによって政権の安泰を導けるので、その分だけ自治能力を磨くチャンスが失われて来たことになります。
マトモな政治をしないで反日を煽って国内不満をそらし続けても、国民本来の不満が解決された訳ではありません。
韓国は売春婦大量輸出社会になり、世界突出の自殺大国になり,国民の7割前後が海外移住を希望する社会になっているのがその結果です。
歴代大統領が就任直後はいつも未来志向で・・と言うものの、支持率が低下すると直ぐにかけておいた保険・・反日キャンペインを始めるのはこのせいです。
現朴大統領は、就任直後から反日キャンペインのレベルアップですから、余程国内政治に自信がないのでしょう。
この辺は中国も同じで、経済が離陸すると強権政治下でも抑え切れなくなってイキオイいろんな意見が出るようになる・・その場合調整能力不足→国内混乱になりかけています。
これを防ぐためには、反日スローガンで内部矛盾に対するネルギーを外に向けさせる必要性・・その有効性を韓国の例で学んでいたのでしょう。
中国は解放に当たって、日本の高度成長成功の原因やアメリカとの摩擦あるいはバブル失敗の例や韓国の民主化の歩みなどかなり広範囲に研究していました。
日本は経済協力だけではなく,誠心誠意こうした日本の政治経験も隠さずに教えて研究にも協力してきましたが、それが仇になっているようです。
中国では、経済が完全に離陸した場合に備えて周到に(急には出来ませんから・・)反日教育を準備して来た形跡があります。
(国民教育効果が出るのは2〜30年かかります)

格差是正32と税収1

我が国はプラザ合意以降の迂回輸出によって急激なグロ−バル化・低価格品の流入に直面しているので、汎用品職場が急激に減少しひいては労働環境が悪化しています。
緊急臨時の痛みの緩和策としての所得再分配が必須でしたし、これからも中国などとの賃金格差がなくなるまでこの進行がやむことがないのでずうっと必要でしょう。
緊急対策である以上、税を取らないまま先ず借金でも何でもして保障から始めるのは悪いことではありません。
昨年の大震災の場合でも、税収や費用負担は後の問題として先ずは緊急に援助隊の派遣・物資・資金を投入するのは当然です。
千葉市からも大量の応援部隊が派遣されましたが、そのときにタマタマ市の要人と会う機会があって費用がどうなってるのか聞いたら、「それは当然国の方で後で面倒見てくれる筈です」という答えでした。
大震災に対するような緊急支出は緊急事態が終わった後に税を上げて回収する・あるいは何らかの方法で資金手当てして補填するのが本来です。
ところが、バブル崩壊後緊急事態が続いているという理由で(国債発行による借金で賄って)資金を投入するばかりで増税しないで来たために、財政赤字が累積してしまったのです。
以前書きましたが、景気波動による不景気に対する補助金ならば、景気循環で直ぐに好景気が来ますが、・・構造的下降局面に対する激変緩和措置としての補助金の場合、何年経っても生産が上向くことはなく更に下降しているので第2次〜第3次の下支えが必要となるばかりでどこまで行っても、税を引き上げるタイミングがありません。
過疎進行地では、公共工事や補助金を何年続けてもこれがなくなれば直ぐに息切れするのと同じで、汎用品製造現場が構造的縮小過程にある以上は(5年経っても6年経ってもその間に更に悪化しているだけで)どこまで行っても増税どころではありません。
こうして財政出動繰り返しの結果、ギリシャ危機発生で我が国も赤字解消が焦眉の急と言われていたところで、更に昨年は大震災にあったのでまたまた財政出動が先になってしまいました。
バブル崩壊後20年以上も緊急事態の連続を理由に、税を取らずに補助・・財政支出を増やし続けていたのでは財政赤字が累積するのは仕方がないことです。
そこで取れるところから取るしかないので、国債発行残高増加と諸外国に比べた高率法人税率の基礎になっているのですが、法人いじめばかりでは金の卵を生む鶏を殺してしまうようなもので、所得再分配の原資がなくなります。
法人ばかりに負担させるのではなく国民等しく公共コスト・税を負担すべきだとすれば消費税ほど合理的・公平な負担制度はありません。
March 3, 2012「デフレと不人気政治」でも書きましたが、補助金増加分の増税の必要だけではなく、デフレ経済が続くと同じ税率では税収が減ってしまうのでその関係の調整としての増税も必要です。
消費税が合理的・公平なことについては09/05/07「小うるさい国民性4(会費負担と発言権1)」その他のコラムで以前書きました。
消費税増税も無理ならば、社会保障に回すべき税負担を国民がしたくないという意思表示ですから、所得再配分政策に反対だとも言えますから見直して行くしかないのでしょうか。
自分のお金は出したくない・・「税は負担したくないが可哀想だからか何とかしてやれ」「・・自分が出すのはイヤだが法人から取れば良いだろう」「資金がないなら借金してでも可哀想だから出してやれ」という主張がここ20年あまりの風潮です。

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