フェイクニュースとは?2(事実と編集の違い?2)

従来このコラムでは、サンゴ礁事件などのヤラセ報道等に始まり、報道界の色付け傾向や欺瞞体質を常々問題にしてきましたが、こうした批判に対して「憲法で保障された表現の自由を守れ」「事実と違う」指摘を受けると編集権に逃げる傾向が続いていました。
慰安婦騒動の元を作った吉田氏自身が調書という表題や各種証言にも関わらず「著作には脚色が当たり前でしょう」という趣旨の説明をしていたことが知られています。
ウイキペデアによる紹介です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/

吉田 清治(よしだ せいじ、1913年(大正2年)10月15日 – 2000年(平成12年)7月30日[1][2])、本名:吉田 雄兎(よしだ ゆうと)は[3]、福岡県出身とされる文筆家。朝日新聞上で従軍慰安婦問題に関する「吉田証言」を発表するが、後にその大半の証言が虚偽・創作であったと朝日新聞が認めたことで知られる。
1980年代に、大東亜戦争(太平洋戦争)の最中、軍令で朝鮮人女性を強制連行(「慰安婦狩り」)し日本軍の慰安婦にしたと自著に記述。これがメディア、特に朝日新聞に長らく真実として取り上げられたことにより、国際問題化している「いわゆる従軍慰安婦問題」醸成の大きなきっかけとなった。しかし、後の追跡調査では吉田の証言の客観的な裏付けは取れず、むしろ反証が得られるなど矛盾点を指摘されるなか、1995年になって自らの証言が主張を織り交ぜた創作であることを認めた。

NHKの台湾原住民報道でも、NHKには編集権があるので撮った写真などをどの方向に編集するかに自由があるという理由で「偏向報道の主張」に関しては勝訴したと報道されていた記憶です。
検索すると判決文自体がすぐに出てこないので、ウイキペデイアによると以下の通りです。
http://specificasia.blog.jp/archives/2072451.html

2013年11月28日
高裁「NHKの台湾先住民への『人間動物園』は名誉棄損だが偏向報道ではない」
須藤典明裁判長は「『人間動物園』という言葉は当時はなく、新しく使われ始めた言葉。人格否定につながりかねない過激な言葉を、人種差別的な意味合いに配慮せずに番組で何度も言及した」と指摘。当時ロンドンに行ったパイワン族男性の遺族の「父はパイワン族を代表してロンドンに行った」との思いを踏みにじり、名誉を傷つけたとして、遺族女性1人に100万円を支払うよう命じた。
一方、「偏向した内容で知る権利を侵害された」などとする他の原告の請求は「報道として問題がないわけではないが、憲法が保障する表現の自由や報道の自由に照らして十分尊重されるべきだ」として退けた。

上記に対する上告審判決は、名誉毀損が成立しないと言う結果に終わったようです。
偏向報道かどうかは上告審の判決には出てきません(上告理由になってない?)ので原審(高裁)の判断が確定したことになります。
上記のようにウイキペデイアの表題では、「偏向報道ではない」と断定して書いていますが、内容を見ると「報道として問題がないわけではないが・‘・・」と書いていて、憲法で保障された表現の自由にてらして・・と、退けたにすぎず、積極的に公平な報道と認定したわけではありません。
表現の自由・・著作権という憲法主張が出ると名誉毀損等の違法行為にならない限り天下御免ですから、事実と違っても門前払いになる傾向・・観念論に安住してきたメデイア界が、SNSの発達で個人が模倣して極端なことをやりだしたので大騒ぎになった側面があります。
はっきりしたフェイクニュースは別として、政治的意見の表明になると、これまで事実と意見を混在させて一定方向への誘導を行ってきたメデイア界の独占に対してネットを利用した反論ができる・痛烈なパンチ力が生まれたことが明らかです。
リベラリストやグローバリストのようなこれまでのメデイア支配層に歯向かう発信者が増えてくると「表現の自由」だけでは済まない・・彼らメデイア自身が黙っていられなくなってきました。
フェイクやヘイト攻撃もその一環と見えますが、メデイア自身が偏って加工していなかったのか?という批判が跳ね返ってきます。。
新興勢力(中国もそうですが)はマナーに慣れてないので(子供がスマートな意思表示できないために直接行動に出るように)ズバリの表現や行動が行き過ぎ、フェイクになったり名誉毀損や業務妨害になりやすいですが、メデイア界としては自分たちにはフェイクを真綿で包む節度がある点で差をつけていることになります。
(在特会の京都の事件など・・抗議行動は行き過ぎたでしょうが、耳目を集めることで結果的に公園不法使用していた朝鮮人学校の積年の違法行為が白日のもとに晒されました・メデイアは本来の違法行為を報じないでヘイトの激しさばかり強調しますが)
武士の台頭時に貴族は粗暴さに眉を顰めていたものの、結果的に武士の時代になりました。
弱者は人目をひく記事にしないと注目されないからギラギラと目立ちたがり大きな声を出す点は、古代から共通です。
例えば、公道のデモ行進や公共の場での集会など・・従来秩序では交通の邪魔=違法であったことでも、手続きを踏めばデモ行進や集会を開いて人目をひく権利があるようになったのと同じで、少数者は何らかの人目をひく方法(現行法では違法でもそれなりの合理化で発言の場)が付与される必要があります。
近代法理や平和論などの観念論さえ言えば相手を圧倒出来る時代がとっくの昔に終わっている・・具体的事象に当てはめて議論しないと何事も解決出来ない現実を知る必要があるというシリーズ中のフェイクニュース問題割り込みですが、表現の自由という観念論では間に合わなくなってきた一例を書いていますので、もう少しお付き合いください。
https://wired.jp/2017/06/22/journalism-post-truth-era/

TEXT BY JASON TANZ
TRANSLATION BY TOMOAKI KANNO
WIRED(US)
この数年の間にソーシャルメディア、特にFacebookが主要なニュースソースとして出現したことで急加速した。プロのメディアが世論を方向付ける力は衰え続け、いまではほとんど失われている。ソーシャルメディア以前は、新聞の編集者が、どのネタを発表するか、それをどこに載せるかの最終決定権をもっていた。今日、その役割を手にしているのは読者である。
編集者は記事を発表できるが、それが誰にもシェアされなければ、書かれなかったも同然となる。
読者が新たなパブリッシャーだとしたら、彼らにニュースをシェアさせる最善の方法は感情に訴えることだ。主によくない感情に。『Human Communication Research』誌に最近掲載された論文によれば、Facebookで情報をシェアするかを決める「重要な媒介メカニズム」は怒りだという。特定の主義に偏り、強い怒りを感じている人ほど、政治のニュースをネット上でシェアする傾向にある。そして、そうやってシェアされる記事は、それを読む人にさらなる怒りを抱かせることになる。「マーケットシェアを獲得するにはラディカルになる必要がある」と、フェイスブックの元プロダクトマネジメント部長サム・レッシンは言う。「穏当では何も得られない」

政治のフェイクが騒がれていますが、多くの読者を呼び込めば 多くのスポンサーがついて儲けられるのが基本ですから、もともと内容が奇想天外な絵空事でも、「やらせ」でも何でもいいのが彼らの行動原理です。
常識のある人はそういうものだと理解していろんな作り話を娯楽として受信しているのですが、それを真に受ける人もいるだけなく拡散する(受信だけでなく発信する)人が増えたから厄介になってきました。

自衛力6(応援団2)

ここで18年1月28日このコラムに記載したフランス海軍が南シナ海での航行の自由作戦を実施するという日経新聞報道の続き・・集団自衛権の外周である(共闘してくれないまでも外野の)応援団を増やす問題に戻ります。
以下は、その当時に引用した外務省の対仏関係の広報です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005531.html

1 1月26日から29日まで,ジャン=イヴ・ル・ドリアン・フランス共和国欧州・外務大臣(H.E. Mr. Jean-Yves Le Drian, Minister for Europe and Foreign Affairs of the French Republic)が,外務省賓客として訪日します。
2 ル・ドリアン大臣は,滞在中,フロランス・パルリ・フランス共和国軍事大臣(H.E. Ms. Florence Parly, Minister for the Armed Forces of the French Republic)と共に,河野太郎外務大臣及び小野寺五典防衛大臣との間で第4回日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を行い,日仏安全保障・防衛協力,地域情勢等について協議を行う予定です。
3 また,滞在中,河野大臣と第7回外相戦略対話を実施するとともに,河野大臣夫妻主催昼食会が催される予定です。
4 日仏友好160年を迎える本年,ル・ドリアン大臣の訪日を皮切りに,両国の「特別なパートナーシップ」を越えて,日仏関係が更に深化されることが期待されます。
[参考]
(1)会談歴:2017年9月,国連総会に際してニューヨークで初めての会談を実施。
(2)訪日歴:第2回日仏「2+2」等の機会に訪日歴多数。
(3)日仏「2+2」: 第1回は2014年1月(於:パリ),第2回は2015年3月(於:東京),第3回は2017年1月(於:パリ)で開催。ル・ドリアン大臣は,第1回から第3回までの会合に国防大臣として出席。欧州・外務大臣としての出席は今回が初めて。
(4)「特別なパートナーシップ」:2013年6月,オランド前大統領の国賓訪日の際に行われた首脳会談や共同声明(PDF)等によって,日仏両国は,共通の価値・利益に基づく「特別なパートナーシップ」の関係にあることが確認された。

上記による1月26日に行なわれた日仏会談結果のNHKニュースを以下に紹介しますが、フリゲート艦の共同演習まで決めても対中国に対する直接的意思表示になる「自由航行作戦実行」までは明言していませんし、27日の日経朝刊2pの報道でも同様です。
政治家というものは方向性をにじませるのがやっとで、軽率に明言するものではない・・あたり前のことでしょう。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180127/k10011304621000.html?utm_int=detail_contents_news-related_003

日仏閣僚会合 北朝鮮の制裁逃れ阻止で連携確認
1月27日 5時23分
日本とフランスの外務・防衛の閣僚会合、いわゆる2+2には日本から河野外務大臣と小野寺防衛大臣、フランスからルドリアン外相とパルリ国防相が出席しました。
両国の閣僚は、日本と、太平洋にも領土を持つフランスはともに「太平洋国家」であり、法に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要だとして、インド太平洋地域での協力を具体化していくことで一致し、海洋進出を進める中国を念頭に、東シナ海や南シナ海で緊張を高めるいかなる一方的な行動にも強く反対することを確認しました。
さらに自衛隊とフランス軍が、災害救援活動などで水や燃料、弾薬などを互いに供給し合うためのACSA=「物品役務相互提供協定」を締結することで大枠合意したほか、来月、フランス海軍のフリゲート艦と海上自衛隊の艦艇による共同訓練を行うことや、機雷を探知する技術の共同研究を早期に始めることで一致しました。

上記記事のフリゲート艦が日本からの帰りに中国が実力行使中の南シナ海での埋立地周辺を領海と認めずに公海としての自由航行をするかどうかは、その時までの政治情勢次第ということでしょう。
政治家の微妙な言い回しをフランスでインタビュウした日経新聞が自社流に解釈して帰路に自由航行作戦を実施すると言う趣旨の自社解釈を事実出るかのように報道をしたことになります。
この記事は1月28日のコラムで紹介しました。
本来報道機関としてはインタビューのやりとりをそのまま記載してそれに対する解釈は解釈として別に書くべきでしょう。
日本のこうした努力は、国際司法裁判所判決など歯牙にも掛けないという中国の明言に対するアンチ中国勢力網の構築です。
安倍総理は航行の自由確保→国際協力を得るために必死に努力し、インド〜オーストラリアを巻き込込んだ防衛網作りに一応成功しつつありますが、これがいつまで続くか保障の限りではありません。
中国は戦国末期の合従連衡の経験によれば、小国連合を一つずつ潰していけば良いので最後は中国が勝つと信じているようですが、中期的には中国の経済力がどこまで伸びるか・・実際には破綻先送りの限界がいつ来るかにかかっているでしょう。
ただし、中国の破綻先送り限界が早く来ると傷が浅くなる分、早く身軽になって再建できて早く合理化される結果、短期間で強敵として再浮上するリスクがあります。
(いくら合理化しても民度レベルの限界がありますので、トータル中国人の民度レベルによりますが・・)
破綻が早く来るのを期待する意見が見られますが、破綻先送りが長ければ長いほど傷が大きく深くなり、そこまで行って破綻するとその分再建が長引く・・非合理社会が続くので、その方が日本にとって有利ですから破綻が遅いほうがいいでしょう。
短期的には英国が、EU離脱による孤立化回避のためもあってか?日英同盟復活方向に動いているのは利点ですが・・政治は複雑な要素でう動くので経済面では英国の中国再接近も大きく報道さています・・。
当面西欧諸国も中国(巨大市場に参入したいので)になびく傾向が顕著ですから、そのうち中国に遠慮して10の批判できた国が8〜6〜3〜1と低下していき最後は何も言えなくなる可能性が高まるのを覚悟しておく必要があるでしょう。
いじめっ子が出ると標的にされた子が孤立する・・周りは関わりたくない心理になる一般的仕組みを想定しておく必要があります。
これを表明したのが、(自分を守るのに精一杯の)「小国はよそのことに関わらない」と言うシンガポール外交官の1月28日に紹介した意見です。
こうなってくると米国も従来型の及び腰ではアジア諸国の信頼をつなぎとめられないので遅ればせながら1月21日に思い切って中国が主張する「領土」から12海里以内への「接近」航行行動に出たのでしょう。
この報道があるまでメデイアの米軍の「自由航行作戦」実施という報道によって、米国が「中国の主張する違法な領海内」の航行をしている・「勝手な領海宣言を認めない」作戦実行していると私が誤解していたことが分かりました。
中国主張の領海の外側を航行する程度しかしなかったのならば、周辺諸外国が「米国恃むに足らず」と思ったのは仕方がないでしょう。
ヤクザに居座られて警察を呼んだのに警察がヤクザに遠慮して近くをパトロールするだけで家に入ってきてくれなかったようなものです。
いつものマスコミ批判ですが、仔細に読めば「航行の自由作戦」というだけで「中国主張の領海内航行をいう」という定義を書いていないのでしょうが、前後の脈絡・「中国の自国領土主張を否定するために航行をする」という文脈で見出しだけ読めば、「中国主張の領海内を堂々と航行する」のかな?誤解していた人が多いのではないでしょうか?

自衛力3→戦力比較2

昨日紹介した日本側の記事・主張に対する中国側の記事です。
http://news.searchina.net/id/1583322?page=1

2015-07-30 06:17
中国メディア・台海網は27日、日本と中国の空中戦力を比較し、「日本が中国に遠く及ばない」とする評論記事を掲載した。
日本の航空自衛隊を紹介。西部、南部、中部、北部の部隊に別れており、「F-2」、「F-15J」という2種類の戦闘機が主戦力になっているとし、尖閣諸島で中国と全面衝突の事態となったときには北部の部隊がロシアの警戒にあたり、残り3つの部隊が動員されることになると解説した。
3つの部隊に配備されている戦闘機は合わせて「F-15J」が105機、「F-4E」が59機、「F-2A/B」が20機であるとし、もっとも性能的に優れているF-15Jが、中国の戦闘機である「Su-27」、「J-10A」、「J-11A」と同レベルだと紹介。一方で、「J-10B」や「J-11」といった改良型戦闘機に比べるとレーダー性能は非常に大きく劣ると分析した。
中国の第3世代戦闘機600機と戦い得るのは、F-15J戦闘機105機しかないと論じるとともに、那覇基地にある19機を除く他の基地に配備されているF-15Jが作戦に参加するには、給油機の助けが必要であるとした。
中国は尖閣諸島海域の作戦に出動可能な飛行場が27カ所あり、戦闘機も200機を超えていると紹介。給油機なしで1日最多4回出動できるとしたうえで、1日あたりのべ800機の戦闘機が同海域での戦闘に参加しうるとした。
また、10分間隔の空中戦ごとに双方が10のエレメント(2機編隊)を出動させたばあいは3時間で、30のエレメントを出動させたばあいは2時間で日本の空中戦力を消滅させることができるうえ、自機の損失は30機以内に抑えられるとシミュレートした。」

中国は古来から、三国志でいえば、曹操が赤壁の戦いに際して(三国志の「物語」ですが)「百万曹軍呉に会猟せんと欲す」と孫権を脅したことで知られるように、本当の戦いになると自国の兵が弱いのを知っているので、その前に圧倒的兵力を誇示して、相手をビビらせる・戦意喪失戦略→虚仮(コケ)威しが基本であることも割り引いて考える必要があるでしょう。
中国の主張とどちらが正確かは不明ですが、中国側では発着基地が多いことを自慢していますが、この辺は日本は沖縄本島に限定された基地が攻撃されると戻るべき基地がなくなるリスクがありますので、実際には中国に有利でしょう。
ただ日本自衛隊は米軍との共用基地が多いので、そこを攻撃する勇気が中国にあるかは別問題です。
たとえば、有名な普天間基地は自衛隊と米軍の共用可能施設になっています・米軍が奪回作戦に直接参加してくれなくとも自衛隊は留守部隊不要の有利さがあります。
都道府県別の全ての米軍施設規模と都道府県別の米軍施設で検索すると日本国内での米軍専用施設が少なく、概ね共用施設で、沖縄に関して専用施設が多いものの、普天亜飛行場は共用になっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/

飛行場 普天間飛行場 — 航空自衛隊那覇基地

中國の出撃基地がいずれも尖閣にほぼ等距離・近い利点は客観的な地理条件ですからこの情報も大方正確でしょう。
距離関係が正確とすれば、1日に4回の出撃可能と出ている点も検証可能・多分正確でしょう・・。
そうとすれば、仮に日本勢の8割が遠くからの出撃のために1日に2〜3回しか出撃出来ないとすれば、中国と日本の物的航空戦力が互角であっても現場の戦闘力では3対4以下の劣勢になってしまいます。
双方物理的軍事力については、お互いの宣伝では正確性がないので、第三者の記事を見ておきます。
http://www.recordchina.co.jp/b118129-s0-c10.html

世界の空軍力、中国4位、日本5位の結果に―米誌
1位米空軍2位米海兵隊・省略
3位ロシア空軍
旧ソ連の解体後大半の空の力はロシアに掌握された。ロシアはこの巨大な遺産に数十年間依存してきた。ロシアは1500機の戦闘機、400機の軍用ヘリを持つ。大半の戦闘機は老朽化しており、実質的に更新されておらず、就役も途絶えている。MiG-29、Su-27、MiG-31戦闘機は、冷戦前のままだ。ロシアの軍需企業はT-50/PAK-FA戦闘機を生産中だ。これはロシア初の第5世代戦闘機だ。報道によると、ロシアは新型戦略爆撃機のPAK-DAの開発を行っている。
4位 中国解放軍空軍・解放軍海軍航空兵
中国人民解放軍は中国武装部隊の保護シェルターで、主な飛行部隊は解放軍空軍と解放軍海軍航空兵に分かれる。解放軍空軍と解放軍海軍航空兵は1321機の戦闘機 攻撃機、134機の爆撃機 給油機、20機の早期警戒機を持つ。中国には他にも700機の攻撃ヘリがあり、その大半が中型クラスだ。一見したところこれは大規模な空中部隊で、巨額の国防費が費やされてはいるが、これらの軍機の大半は時代遅れとなっている。先進的と言えるのは500機のみで、これらの戦闘機は1980年代にロシアが開発したSu-27と国産多機能戦闘機のJ-10の改良版だ。残りの819機は1970年代のもので、外国空軍の深刻な脅威にはならない。

米国の調査ですから諜報力は確かだと思われますが、これによると昨日みたhttp://www.thutmosev.com/archives/26946289.htmlは米国データに基づく意見であることになります。
米紙では「先進的とみられる・・」と遠慮ガチに書いていますが、約30年前の冷戦期に開発された古いものを買い受けた中国がロシアとの協定を破って自前で改良を加えて後進国へ輸出をした・・これに怒ったロシアが後継機の供給を渋っている状態ですから)もので、本物(ロシアの運用)以上の信頼性がありません。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8350

チャイナ・ウォッチャーの視点
2016年11月30日
小原凡司 (笹川平和財団特任研究員)技術の違法コピーでロシアと交渉決裂
J-20が注目されるのは、中国が自力で開発した高性能戦闘機である可能性があるからだ。中国が現在、主力として使用している戦闘機は、ロシア製のSu-27とそのライセンス生産機であるJ-11である。しかし、ロシアは、中国がJ-11をライセンス生産するにあたって、多くの違法な技術のコピーを行ったとして、中国が空母艦載機として導入を希望していたSu-33の輸出を拒否した。両国間で、技術提供や価格などについて折り合いがつかずに交渉が決裂したとされているが、ロシアが拒否したのは、中国が少数の機体しか購入せず、後は違法にコピーするということを実際に行なってきたからだ。
このため、中国は、ウクライナからSu-33の試作機を購入してコピーし、J-15戦闘機を製造してきた。ところが、この時、中国は設計図を入手できなかったと言われている。J-15の艦載機としての能力が著しく劣るのは、当然の帰結と言えるだろう。エンジンの出力が足りないために、艦上で運用する際の燃料や弾薬が、陸上から運用する際の6分の1の量しか搭載できないとするものもある。
中国がコピーしたJ-15は使い物にならなかった。2016年5月現在、J-15の製造は16機で止まったままだ。航空機や艦艇といった武器装備品は、いくら部品を正確にコピーしても、完成品の性能はオリジナルにははるかに及ばない。航空機であれば、時には、まともに飛ぶことさえできない。航空機の開発・製造は、それだけ難しいのである。それでも、中国はメンツにかけて「自国の技術」で問題を解決したいのだろうか。

いわゆるトヨタその他民生品での純正部品と模造部品には品質性能に違いがあると見るのが普通です。

自衛力2→戦力比較

戦闘機が現地上空に常時あるいは一定期間以上滞空するには膨大な交代兵力が必要になるのに対して、中国福建省からの距離は沖縄からより若干近いように見えます。
仮に距離が半分の場合、交代戦闘機編隊の到着時間が半分になり・・仮にA編隊が戦場から離脱・基地に戻って補給して再参戦が1日2回できる国と、4回参加できる国とでは、兵力数が半分でも現地戦闘機の臨場数は互角になります。
日本国内の親中韓派が尖閣諸島に近い石垣島への自衛隊配備に反対したり、これまで普通のヘリコプターや戦闘機の事故があっても事故率(日本の基地付近で航空機破片を落とすなどの迷惑があれば別ですが、従来アメリカの運用で事故が多いかどうかなど問題にしていなかった・・私が知らなかっただけか?)のに、航続時間の長いオスプレイに限っていきなりアメリカで事故が多いと言って、配備に徹底反対していたのはこのせいと思われますし、一方で中国が近くから戦闘機発着できる航空母艦建造にこだわっているのは、この戦略によります。
結局オスプレイを沖縄に配備させずに岩国や九州配備に落ちつかせたのは、(せっかく航続距離が長いヘリを配備するのに沖縄の後方数百キロ以上も遠い所に配備したのでは戦略効果が大幅減退です・反対勢力が沖縄から遠ければ文句いわない・反対が緩むのは、中国の意向によって動いているかの疑念)中国側の対日政治工作の成功と見るべきでしょう。
中国の航空母艦はカタパルトがないために重いと離陸できないので積載兵器弾薬数などが制限されるなど実戦能力が低いと言われていますが、ともかく半分の弾薬積載量でも続々交代発着させられれば、全機が遠くからやってくる日本軍より(経済的にも)有利です。
まして、時の経過で訓練や性能向上の結果歩留まり・発着率や積載率が上がるでしょうし、保有航空母艦の数も増えてくると、(遠くからでかける日本は燃料に重量を取られる結果、ミサイル等の積載量が制限されます)日本にとっては大きな脅威になります。
双方ほぼ等距離(既存基地)からの出撃を前提にした場合、どちらが数や性能上優勢かの基礎能力が重要ですが、もしも日本の方が数が少なくとも性能的に若干優勢としても、遠くからの出撃であれば現地累計臨場数で圧倒的に不利になります。中国は航空母艦動員による航空機の多数を頼んだ戦略を狙ってくることが明らかです。
中国は昔から数を頼んだ戦法が得意というか?これしかないし、日本は少数精鋭主義の国です。
少数精鋭と言っても一定比率までの問題であって、相手の数が10倍あると十分な休養を取ってから再出撃できるのに、10分の1の方は次から次へと押し寄せてくる新手の敵相手にほとんど不眠不休(短い休憩時間)で戦うことになります。
鉄腕投手稲尾でも一定以上の連投をすれば疲れがでて、何%も能力が落ちてきます。
性能や練度が日本の方が仮に高くとも、交代時間があまり少ないと出撃後の機体修復(戦闘機の各種機器も連続使用すれば劣化しますので一定期間の休憩やエンジンなどの取り替えが必要です)チェック時間も必要だしパイロットの疲労がたまることから、休憩時間の短い方が時間経過で負けてしまいます。
那覇の基地からと中国本土航空基地からの距離がほぼ似ていても、現地投入戦闘機が双方100機づつとした場合、日本の那覇配備の戦闘機は19機しかないと言われており、他は三沢や北陸、九州からの応援部隊に頼ることになります。
滞空時間の8〜9割が往復時間に取られる状態(途中空中給油がない限り)で、これに対する中国本土の基地は全て尖閣海域に対して横並びにあって、(いわゆる鶴翼の陣)いずれも約400キロ圏にあるらしいので実際の戦力比が大きく変わります。
のちに紹介するように中国側の発表では、1日に4交代できるので圧倒的に有利と豪語しているようです。
古来の戦法で言えば、日本は縦深陣立であり中国は鶴翼の陣になっています。
いわゆる鶴翼の陣は守る方になると各個撃破される弱みがありますが、攻める場合には総がかりできる強みがあります。
日露戦争で東郷平八郎は、縦深・縦1列で進行してくるバルチック艦隊を迎え打つのに鶴翼の陣で先頭に進んでくる戦艦を横一列に並んだ日本側戦艦が順次左右両翼からの集中砲火を浴びせて完勝したものでした。
日本は専守防衛と言う変な原則があって敵基地を攻撃できない・手足を縛られた状態の防衛(・防衛とは銃撃してくる敵兵への反撃も含まれているはずですが、)ですから、中国は自分が攻撃される心配がないので、防御に弱い鶴翼の陣で問題がないのです。
日本が仮に戦闘機を10機増やしパイロットも同数増やしても数千キロも離れた北陸地方や青森のミサワからの出撃では現地戦闘能力アップ力が半減以下になる・税金の無駄遣いになりますから、昨日紹介した通り日本は南西諸島方面での基地新設の必要性があるのですが、中国にとって不利な事ですから、日本の呼応勢力は猛然反対している状況です。
そこで、当面相手勢力が多くを占める要因・至近距離で多数回発着できる航空母艦の撃沈等で発着能力減殺攻撃が優先事項になります。
今のところ潜水艦の攻撃=防御(静謐性)能力では日本が世界トップクラスと言われていますが、戦争開始と同時くらいの短時間に数隻に及ぶ敵航空母艦群を次々と本当に撃沈できるかにかかっています。
中国の侵攻開始が、至近距離の航空母艦発着による数量的圧倒を背景にした占領開始戦略であれば、航空母艦撃沈/大破時点で、戦意喪失・・恐れをなして中国は占領した離島から撤退するしかなくなるでしょう。
空き巣的占拠したものの日本に反撃されてすぐに撤退となれば世界の笑いものですから、中国の侵略開始は航空母艦の増加と対潜護衛戦力完備を優先してからのことになるので、今のところ皆シナ海での航路妨害準備で時間稼ぎをしているのでしょう。
それに必要な4〜5年の間に日本も沖縄方面への航空兵力や艦船寄港基地の再配備準備に時間をかけられることになります。
こうして見ると日本が相手にまず占領させてから奪回作戦を行うにしても、現場制空権を当初約1〜2週間以内にどちらが握るかにかかっている点は70年以上前の日米戦争時と同様です。
ところで、現在の日中の戦力・・性能比はどうなっているのでしょうか?
この種の比較は最高機密に属するのでお互いに憶測の域を出ませんが、まず(中国側意見は明日以降紹介します)日本側の専門家の意見から見ておきましょう。
http://www.thutmosev.com/archives/26946289.htmlによると信憑性不明ですが、以下の通りです。

015年04月12日01:27
尖閣で日中戦闘機が戦ったら? 数で圧倒する自衛隊
中国の戦闘機約1400機のうち1000機がベトナム戦争以前の機種
中国軍の戦闘機は1321機とされているが、このうち1,000機が1950年代のMiG-21の中国版なのである。
ロシアでも博物館でしか見れないものを中国は戦力として運用している。
MiG-21よりもマシな「イスラエル・ラビ」という試作戦闘機の中国版を200機以上保有している。
航空自衛隊のF4よりも新しいが、外観は軽戦闘機であり、尖閣まで出撃して制空権を争える戦力ではない。
中国軍が運用している唯一の本格的な戦闘機はロシアSu-27の中国版J-11で約170機を保有している。
加えてロシアから輸入したSu-30MKKという戦闘攻撃機を76機保有している。
これら約240機が、航空自衛隊と戦いえる戦闘機の全てである。
中国軍戦闘機は実働48機
中国空軍はSU27系240機+軽戦闘機200機の合計440機が全兵力となっている。
ところで中国空軍は戦闘機の稼働率を80%と発表しているが、西側の専門家でこれを信じる人は1人も居ません。
西側専門家の推定ではロシアのSU27の稼働率は20%台で、中国のSU27も当然、これより低い稼働率とみている。
保有する440機の稼働率が20%なら、実働は88機です。
このうちSU27系は実働48機しかありません。

上記はイスラエル系戦闘機は練習機程度の利用しかできていないという前提の意見でしょう。

集団自衛権2

海賊を操っていると見え見えの背後の特定国に抗議する・あるいは、共同取り締まり強化を求めると「海賊行為に我が国は全く関与していませんが、取り締まり強化には検討しましょう」と言いながら、「そんなことよりも我が国が1ヶ月前に要求したことに対する回答はどうなっているか?」の質問をぶっつけてくる→その要求を日本が飲むとすぐに海賊行動が2〜3割減る・・・数ヶ月後にまた新たな要求が来る→日本が応じない→海賊行為がまた増えてくるの繰り返しになるとどうなるかです。
ソマリア沖の海賊のように世界中の船舶が標的になると世界が海賊対策に協力するでしょうが、日本だけイジメにあうような状態にされると中国が怖いので他国は関わりたくないとなって日本だけがイジメられ放題になります。
学校のいじめ事件でいじめられっ子が孤立する仕組みの国際版です。
現在でも南シナ海での中国軍事基地化で本当に困る(死活的利害がある)のは日本と台湾だけです。
(アメリカが国力低下で警官役を十分に果たせなくなれば、韓国は航路妨害以前に中国の軍門に下っているでしょうから、問題ではありません)
南シナ海で領海問題で対立するフィリッピン自身は、実害としては国家安全保証の問題でなく漁業権の問題にすぎませんから、その損害を上回る補償や各種優遇措置(対フィリピン嫌がらせの緩和)さえしてくれれば、有利な取引材料になる程度に考えているでしょう。
だから、中国の硬軟両用の「脅し、スカし」(バナナ輸入妨害緩和)にすぐに応じてしまったのです。
まして利害のない諸国が時の覇者中国の機嫌を損ねてまで、日本の応援をするとは到底思えません。
リーマンショック以降西欧諸国は中国市場の巨大さに引き寄せられている・・アメリカも中国市場に吸い寄せられている点は同じですが、母体の規模が大きい分抵抗力が西欧より大きいので航行の自由作戦実施で日本を応援してくれている状態です。
1月21日の日経新聞朝刊1pにはシンガポール大物外交官が小国には小国の立場があると提言して中国になびく姿勢を示して大き問題になっていると書いています。
背景には台湾での演習に参加したシンガポールの装甲車が帰りに立ち寄ったか?香港で中国に捕獲されてしまった事件があるとのことです。
中国は間接的嫌がらせにとどまらずで直接の実力行使する露骨な姿勢を明らかにしていて、小国はナスすべもない状態が始まっています。
公海に軍事基地用の埋め立て工事を始めた時にその工事差し止めの実力行使ならば、運搬船の通行妨害程度は容易(ケネデイーのキューバ危機事件同様)ですが、埋め立てが終わってからの上陸・破壊作戦では、本格「戦闘行為になるのでとても無理」と言われていたのに、工事進行を黙認しておいてほぼ完成後に航行の自由作戦とやらを始めたのですから、もともと(中国を含めて)どこの国もアメリカの本気度を信用しなくなっていたのです。
アメリカは断固として埋め立て作業を中止させるのかという国際世論の期待を裏切ってやったことは現地を遠く離れた海域の「航行の自由作戦」というだけで大したことがない状態・・既成事実化が進む一方です。
やっていることは、肝心の海域の遠くを航行するだけでいかにも及び腰程度なので、これではアメリカは頼りにならないとアジア諸国は思ったでしょう。
この結果を見て「アメリカ頼りにせず」とばかりにフィリピンは中国になびくし東南アジア諸国が中国を名指ししない航海の安全を求める程度の決議さえ出来ない状態になっています。
1週間ほど前のニュースでは埋立地を中国領土とすれば12海里内の海域を初めてかな?米軍イージス艦が航行したと出ています。
アメリカがあまりにも中国への遠慮が過ぎると信用がなくなってしまうと思い直したのでしょうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25953070Q8A120C1EA3000/

【北京=永井央紀】中国外務省の陸慷報道局長は20日、南シナ海で中国が主権を主張するスカボロー礁(中国語名・黄岩島)から12カイリ以内の海域を米軍艦が17日に航行したと談話で明らかにし、「強烈な不満」を表明した。米側は公表していないが、南シナ海で中国の軍事拠点化に対抗する「航行の自由作戦」を実施したとみられる。トランプ政権下では2017年10月以来5回目となる。
1昨年だったかニッポン訪問の英空軍機が南シナ海上空を飛行してくれましたが・・。
どこの国も付き合い程度の行動をするのがやっとというところでしょう。
かつての世界帝国・・英仏両国の動きです。
https://jp.reuters.com/article/britain-southchinasea-fighters-idJPKBN13R0MQ
2016年12月2日 / 17:01 / 1年前
英、南シナ海で戦闘機飛行へ 20年に空母も太平洋派遣
ワシントン 1日 ロイター] – 英国のキム・ダロク駐米大使は1日、日本に派遣している英空軍のタイフーン戦闘機に南シナ海上空を飛行させ、2020年に就役する空母2隻を太平洋に派遣する見通しだと述べた。南シナ海での航行の自由を守るのが目的だという。
南シナ海や東シナ海における中国の動きをめぐって緊張が高まる中、英国は10月、自衛隊との演習に参加させるため戦闘機4機を日本に派遣していた。

1月26日日経新聞朝刊4pには、日経新聞の取材に対する応答としてフランスも南シナ海の自由航行のために「軍艦の航行を18年も続行する」の発言が報道されていました。
取材ですから政治家特有のいろんな意味に読める表現を取材記者+録音を分析したバックの編集部が総合情勢を勘案してどのようなニュアンスに受け止めたかによるので、必ずしも正確ではありません・・。
このような憶測報道を出回らせておいて中国がどのように反応するかを読み切った上で、仏政府が帰路の直前に最終判断するので物事は誤報だったかどうかは一概に言えません。
従来あまり報道されていませんでしたが「続行する」ということは、今までも日仏共同演習をやっていたようです。
これまで小規模な日仏の共同軍事訓練を継続してきたが、今年は離島上陸演習まで踏み込んだ本格的なものに格上げされるような(これも期待先行?)報道です。
尖閣諸島等の離島防衛(無人の島全部に守備隊を事前配置・維持できません)は困難なので、先制的上陸されるのは防げない・・一時的に占拠されることを前提にした離島奪回作戦が日本の基本方針ですから、上陸戦の共同演習=奪回作戦を共同で行ってくれるのは心強い限りですが、いざ本番になると本当に共同戦闘までしてくれるかは別問題です。
あてにならないとしても、いざとなったら応援してもらえるように受け皿としての共同演習を繰り返しておく必要はあるでしょう。
安保条約のあるアメリカでさえ、イザとなったらあてになるのか?(せいぜい「後方支援するだけ」と言うのが本音でしょうか?)という心配で、日本はヤキモキしている状態ですから・・。

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