アジアのヘゲモニー2

AIIBであれ、TPPであれ、日中のアジア域内における確固として東南アジア諸国に根付いている日本のヘゲモニー・文化支配?に対する中国の挑戦の前哨戦になっているからお互いに引けないのです。
日本の文化力の優位性は明治維新によってイキナリ生じたのではなく昨日紹介したとおり、古代から上回っていたことは明白で,これが平安時代から明白に文書に残る証拠上でも差が付く一方になっていたに過ぎないことが分ります。
中国には唐宋の詩文・水墨画が生まれましたが,日本の古今和歌集や源氏物語に匹敵する内面重視の文化が生まれなかったように見えます。
日本のようの文化が順次発展して行かない不思議・・唐の崩壊後文化が停滞している傾向があるのは,唐の絢爛たる文化は,もしかするとペルシャ文化の輸入だった(・・現在先進国の工場進出で世界の生産基地になっているのと同じで)からではないか?と10年ほど前に書いたことがあります。
煬帝と政府高官が聖徳太子の暗喩を理解出来なかった差が、今の中朝が乱暴・露骨な政治表現するしかない現実に繋がっています。
日本では文化発展が(複雑微妙な内面進化・着物で言えば裏地に凝るなど)・古代からいっときも止まることなく発展し続けて来ました。
戦国時代でも我が国は文化の進展を止めることなく、結果的に安土桃山の豪華絢爛の花を咲かせました。
その後も日本文化は着実に発展するばかり・・芸術面で見ても北斎などの芸術が次々と生まれていますが,唐宋の時代に詩文が発達し,日本も大きな影響を受けましたが,何か日本に追いつくための新しい内面文化が生まれなかったように見えます。
日本と中朝を含むアジア諸国とでは,内面文化の差が付く一方で1000年以上も経過しています。
結果的に今後数百〜1000年以上・・この差が揺るがないと思われますので、中韓は(破れかぶれに?)しきりに慰安婦や南京虐殺などの虚構でっち上げで世界中で日本批判するしかない状態に陥っていると思われます。
ところが世界は直接交流時代入っているので、世界中の人は日本人の優れた文化的資質・・高レベルの道義心を進出した工場の現場の交流やアニメその他を通じて直截知るようになっています・・政府マスコミ宣伝だけではうまく行かない時代です・・。
最初の数年間は噓を聞いた方は「まさか政府まであからさまな噓は言わないだろう」と信じかけていたと思われる諸外国も時間が経過すると本当のことが分って来てうまく行かなくなってきた様子です。
そこで今のところ優位性を持つ暴力挑戦するしかない状態に追い込まれているのが現状です。
日本は,古代から唐や明と戦って来たように勇猛な国柄ですが,アメリカ支配による武力剥奪と戦後憲法の結果、暴力挑戦に対する優位性を失っています。
このチャンスを利用して古代以来果たせなかった夢・・武力制圧しようと目論むのが中朝韓(共産主義か自由主義かに関係なく)の基本戦略ですし、これに呼応して何が何でも非武装論にこだわっている・・社会党から民主・民進党に名称が変わっても・・共産主義か自由主義化以前に日米安保の空洞化を画策する点で一貫しています。
中国の武力的優位性は、たまたま本来日本の持っている力を発揮出来ないようにアメリカが縛って来た結果ですから、(このスキを衝いて韓国は竹島を占領したし,ロシアは北方領土を占領しています・・その代わりアメリカが後ろ盾になるべき道義的義務を果たして来た?ことになります。
アメリカ次期大統領がトランプ氏になって、その役割をやめる代わりに核武装でも何でも自分でやれと言うのは首尾一貫しています。
日本はもしかしたらアメリカの後ろ盾を失うかもしれない状況・・アメリカの存在が縮小するに代わりに日本の軍備増強の動きが起きる点には当然反対してやらせない前提ですが・・中国優位に展開すると感じたのか?日本の民進党は大喜びで,早速外交失態だと24日の国会で安倍総理を追及しています。
旧ソ連贔屓・安保反対論は当時日本を侵略する能力を持っていたのはソ連だけだったことによる便宜上であって、日本を侵略したいクニがあればソ連でも中国でもどこでも良いのが日本の革新系?野党と言う印象です。
上記のとおり社会主義その他の主義主張は便宜上に過ぎないと見れば,社会変革する新しいことや日本独立に資することには何でも反対し日本の武力弱点を補う安保条約強化には何でも反対して来た行動が一貫していたことが分ります。
日本のためになることは何でも反対し,日本が困ればが大喜びする政党って,どこのクニのためにあるのか疑問です。
ソモソモ民主国家において政党があるのは,「クニを良くする」ための方法論が相違することであって、外国の利益のために主張出来るためにあるべきではないでしょう。
政治資金規正法が外国人からの寄付を禁じているのはこの理由によりますし、どこのクニでも同じです。
政治資金規正法
(昭和二十三年七月二十九日法律第百九十四号)
第二十二条の五  何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織(金融商品取引法第二条第十六項 に規定する金融商品取引所(以下この項において単に「金融商品取引所」という。)に上場されている株式を発行している株式会社のうち定時株主総会において議決権を行使することができる者を定めるための会社法 (平成十七年法律第八十六号)第百二十四条第一項 に規定する基準日(以下この項において「定時株主総会基準日」という。)を定めた株式会社であつて直近の定時株主総会基準日が一年以内にあつたものにあつては、当該定時株主総会基準日において外国人又は外国法人が発行済株式の総数の過半数に当たる株式を保有していたもの)から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。・・以下省略
社共や民進党は勿論この法律をクリアーしているのでしょうが,民進党・蓮舫代表がトランプ氏がTPPが個人的にTPP破棄を明言した途端に欣喜雀躍して・・「これ以上TPPを進めても仕方がない」と安倍総理を国会で追及しているの見れば,「中国追随こそ日本の利益?」だと言う日常の本心を誇示したことになります。
アメリカ・オバマのアジア重視戦略とは、世界の警察官はやれないが成長セクターであるアジアにまだ未練があると言う意思表示でした。
アジア重視路線・・アジアでのアメリカのヘゲモニー維持のためには,急速に台頭して来た中国に対して,一方の雄である日本を先陣に立てて、中国牽制に使おうとしていました。
その枠組みの基礎がTPPでしたから,トランプ氏が次期政策変更のトップ事項としてTPP破棄?をSNSで表明したのは,アジア重視・ヘゲモニー維持もやめると言う意思表示ととるべきです。
「中国の推進する経済枠組みのAIIBやより貿易障壁緩和レベルの低い・・国有企業除外条件や知財保護基準が弱い経済協定スキームにスキなように入って下さい」と言う意思表示にも読めます。
即ち「世界中の警察官・ヘゲモニー維持をアジアでもやめるから世界中の域内大国が好きなように「支配」してください」アメリカは不快感表示として中国の意に反した公海のパトロールなどはしません・・と言う意思表示になります。
そこまで極端ではないにしても、アメリカはオブザーバー程度しか参加しませんので中国が議長になって,自由に運営してくださいと言う意味でもあるでしょう。

アメリカの長期戦略と日本1

小笠原や沖縄の返還は,米ソ冷戦真っ最中のアメリカが、日本を自陣営につなぎ止めるための無償?返還ですから、沖縄基地全面返還条件で平和裏に返すことがありえないのが明白・・全面返還に固執してそれで決裂して「一歩も譲らなかった」と自慢していれば良かったかの国民選択の問題です。
国民の政治レベルが熟していないクニでは、熟達した政治家による秘密合意が許されると言う意識が普通・・決断した政治家は将来の歴史評価に委ねるしかないのが現在の常識です。
その意味では「一定期間経過で公開する」アメリカの制度は合理的です。
世界の植民地独立機運が生じたのは、対日独戦に協力させるためにイギリスがインドに独立を約束するしかなかったことに端を発しているように物事には見返りがあります。
アメリカは占領初期には日本を工業国として再起させない目的で国内工場設備を解体してアジアへ搬出強制していたのに、これを一転して国内工業生産再開を許し再軍備を認め日本独立を認めたのは朝鮮戦争以来のあらたな戦争体制に日本を協力させるためであったことは、揺るがない歴史事実でしょう。
この世界大変動のチャンスを生かして、荒廃した産業を立て直し、独立出来たのは日本政府、民族の大成功でしたが、サンフランシスコ平和条約時に社共が主張していた全面講和論貫徹→独立先送りしていた場合を想定すると日本はいつまでも独立出来ないで占領下のままになっていたことになります。
ソ連崩壊による世界世論一致まで待てば良かったのでしょうか?
反対するソ連さえなくなれば社共が賛成に回ったでしょうか?
今度は中韓が反対だから反対というのではないでしょうか。
1990年近くまで占領されたままでいたのでは,後記のインデイアンに対するように日本民族は骨抜きにされていたでしょうし,ソ連が崩壊すれば独立出来たかと言うと、そうなってからでは独立が無理になります。
アメリカにとってせっかく大量の人命を犠牲にして支配下に置いた日本を何の見返りもなく独立させる必要がなくなる・・国内世論が承知しないというのがふつうです。
・今のロシア相手に何らの見返りもない北方領土返還などまとまりそうもない実態と同じです・・ギブアンドテイクが冷徹な国際政治です。
ロシアはウクライナ侵攻以来国際孤立していたから日本へにじり寄っていたのですが、トランプ氏登場で息を吹き返してこの僅か数週間でイキナリプーチンが北方領土返還交渉に冷淡、強気になったのと同じで、アメリカも敵対国ソ連が崩壊すればアメリカの日本利用協力メリットが低下するので、態度も変わります。
実際にソ連崩壊後対ソ戦略基地としての日本が不要になると。早速アメリカは中国・江沢民と組んで対日包囲・ジャパンパッシングを強めた・・世界的に「日本には将来がない」と思わせる動きの推進役を果たして来た事実を見れば明らかです。
調子に乗り過ぎた中国の暴発で,対中対立になりかけた結果、安倍政権以来日本が大事にされるようになっていましたが、アメリカ、トランプ氏がアジアで中国と覇権争いをする気がなくなれば・・経済利益だけで見れば,アメリカは伝統的に中国と仲良くし日本を敵視した方が合理的な関係です。
アメリカは元々条約を守ったことがありません。
アメリカでは、降伏したインデアンとの条約(降伏条件)を踏みにじりインデイアンの反骨精神を奪うために、赤ちゃんが生まれると直ぐに全員取り上げて白人家庭に送り込み政策が実行されました。
生まれつき白人の召使いとしての教育・・大きくなると全員寄宿舎に送り込まれて徹底した白人優越教育が行なわれる・・生まれながらの従属・劣等民族意識を刷り込む政策が実行された恐るべき歴史があります。
この結果あの勇猛なインディアンの子孫が、ほぼ全員精神を病むか骨抜きになり、麻薬・アルコール中毒中心の生活に陥り、今や絶滅危惧種並みの被保護人種になっています。
社共勢力・・これに同調していたマスコミ文化人らは何の展望があって独立を拒否したのか?ニッポン民族をどうしたかったのか?不思議です。
沖縄返還で言えば、無条件返還の観念論・・結局返還交渉を破綻させる場合との利害得失ですが・・民度の高い社会では実情を公開しても合意形成可能です・・何故高度に発達していた日本の民度でこの程度の合意形成が出来なかったのでしょうか?
実際に密約があったかは別として国民の「総意」としては,基地が残っても早く返還して欲しかったかったことは間違いがなかったでしょうし、(「異民族支配が続いた方が良い」と言う民族がこの世にあるでしょうか?)沖縄返還時にアメリカ軍に「全面的に出て行ってくれ」と言うのは無理があると言う総意で返還後も長年一致しています。
基地存続の合意で返還された以上、日本は暗黙の合意・約束を守るべき信義があります。
ところで、沖縄が密約や基地存続の結果、沖縄県民が日本本土の人の犠牲になって酷い目にあっているのではありません。
沖縄米軍基地は周知の通り日本防衛のためではなく、ほぼその99%がアジア太平洋全域のアメリカの国益のために日常活動しています。
米軍基地があってもアメリカ軍支配下よりも日本復帰の方がよかったから沖縄県民は復帰を選んだのであり,多くの日本人もこの形しか復帰させられないので気の毒・・一緒に苦労しましょうと言うだけです。
東北の津波被害に対して日本人みんなが自分のことのように気の毒と思っていると、東北の人から「みんなのために犠牲になっていると言い募られると」??となりませんか?
東北の御陰でおいしいワカメが食べられるかも知れませんが・・。
日本は日本列島防衛に関係のない、米軍沖縄基地のため、あるいは発展し損なってる沖縄のために莫大な資金を投下して来ました。
全て沖縄県民のための負担であって、沖縄復帰によって本土は何か恩恵を得ているでしょうか?
せいぜいアメリカ軍のパトロールによるアジア平和への貢献と言う抽象的利益に過ぎませんが,これは米軍施政権下のままにあっても同じです・・・・むしろ日本は基地経費負担など一切する必要がありませんから気楽です。
日本が樺太や北方領土のロシアの軍事基地系経費負担など、誰も考えないのと同じです。
北方領土も元住民のための復帰運動をした結果仮に基地付きで帰って来た場合,元住民から基地の存在のために騒音被害などの損をしている被害者だとしょっ中資金要求されているような関係です。
折角合意しておきながら、飽くまで米軍に嫌がらせして追い出そうとし、米国と仲違いのタネをまいて沖縄の防衛を無能力化したいのは、どこのクニの利益になるのか?
今回のトランプ氏の要求・・「基地経費を全部持たないならば撤退する」と言う要求が本当に出て来たら、このときこそ逐次全面返還交渉のチャンスでしょうが(それでも数十年かかる交渉です)、トランプ氏は脅す・・駆け引きだけであって、本気で出る気はないでしょうが,結果的にアメリカの存在感が縮小する方向へ向かうことは確かでしょう。
元々オバマ時代からアメリカは当面アジア地域のプレゼンスを維持しながら将来的には地域大国程度で良いと言うのが基本セオリーだったと思われますから,それをトランプ氏が(一種の孤立主義・・アメリカ第一と言うのもこの意味で理解すべきで)刺激的表現をするか、温和な言い方をするか程度の差でしょう。

民主主義の基礎6・信頼関係5(people2)

日本列島では組織・政府・宗教が組織構成員・国民と対立していて、国民を弾圧する、害悪を加えるなどの西洋的感覚は、古代から何千年も考えたことはありませんし、自分と所属集団は一体化しているので(お上を信頼しているから直訴はありますが)組織を敵視した打倒運動もありません。
佐倉宗吾郎その他の一揆は飽くまで「お上に声が届けば改善される期待」であって、声が届いた段階でお裁きはお上にお任せする・・その段階で引き下がる仕組みです。
忠臣蔵の討ち入りも後は御裁きを待つ・・同じ原理です。
お上はいつも民を如何にして良くするかを考えているものと言う信頼があり・・それがうまく行かないことがあるとしても・・直訴で修正してくれると信頼しています。
日本の神様は民に過ちがあっても、罰する神様ではなく許してくれる神ですし、外国から入って来た佛教でも慈愛に満ちた観音様が一番人気ですし薬師様その他優しい系が人気です。
中世以降は念仏を唱え阿弥陀さまや観音様ににすがりさえすれば救われると言う観音信仰や念仏系信仰が広がったのは、まさに助け合い社会・民族性をあらわしています。
神様も民族や地域集団から超然としている別の存在ではなく、氏神様・住民と渾然一体的存在です。
占領軍が日本から神道を排除しようとしてもうまく行かなかった所以です。
アメリカでは民族意識の強調すら出来ない関係で、民衆とは別の存在・・実在の支配機構が必須です。
政府と民衆とは主客対立関係にあるガバメント・統治機関を預かる・民主・共和両党の伝統的政治家は、民衆とは別の独立の超然たる統治機構(内部支配する企業・資本家)の発展に関心があって、国民は仕入れ原材料や工場設備的存在・・入れ替え可能な人的資源・商品であり、対象でしかありません。
民主共和両党(伝統的政治家)の本音は、企業利益・株主資本利益の最大化が目的ですから、本音・極端な話が、能力の割に高賃金の現在アメリカ人が全員出て行き、低賃金の中南米〜アジア〜アフリカ人に全部入れ替わっても、今の10〜20分の1の低賃金化実現の方が良いのでしょう。
イギリスが羊毛で儲かるとなれば羊を飼うために小作人を追い払ったエンクロ−ジャー(囲い込み?)を見ると農民が、貴族の農地経営方針転換のために簡単に追い出されてしまう弱さに驚くのが日本人です。
アメリカやEUではエンクロ−ジャーの現在版・労働現場では、(非効率な機械を最新機械に入れ替えるように)自国民と低賃金移民との入れ替えが進んでいます。
農民の弱さと言うよりも、企業や政府(お家・お城)が何のためにあるかの根本が違うからでしょう。
神社やお城が民衆威圧のためにあるのではなく、その地域の民の誇り・象徴になっている社会と被支配者を威圧・支配するための宗教施設や拒絶的な西欧各地の城がある社会とは違いがあります。
無宗教と言われる日本人が村の鎮守様や神社仏閣・・概ね質素な造りで威圧的はありません・・で思わず手を合わせるのが普通ですし、これと言った信仰心がなくともお伊勢様や出雲大社等に行く(参拝する?)人が多いのですが、西欧で古びた教会に「郷愁を感じ?)御参りする人が今どれだけいるかの違いです。
government(統治者)とは何かに戻りますと、「人民のための政府」と言っても日本の場合政府とクニの民は一体で分りよい・・古代からあたり前のことですが、アメリカの場合「人民」とは何かが問われ直さなければなりません・・。
民族国家でもないアメリカの場合、日本語の政府ではなく、government(統治者)は民族に基礎をおかない統治者観念ですから、裏から見れば人民自体の概念も「支配対象の人」と言う以外にはっきりしていない・・地に着いていません。
政治家のレトリックでは現実が分り難いのでこれを離れて労働現場で切り取って、日米で人を現にどのように扱っているかの違いを比較して見ましょう。
効率一辺倒で人間を商品化し、自由に入れ替えしたい立場・・終身雇用は戦後の高度成長期の一時的現象に過ぎないという意見がマスコミの主流であり、雇用流動化こそ進むべき道であるから、受け皿整備が主張されています。
国際潮流の変化にまけないように日本人を訓練し直す必要がありますが、企業から放り出してしまい、公的職業訓練校に任せるか、新時代適応出来るように実務を通じて社内訓練して行くかは別問題です。
私は中高年齢者を学校で教えるよりは、新しく入った機械を仕事しながら操作を身につけて行く方が何倍も効率がいいように思われるし、(多くの場合なれた古い機械と違う部分が少ないので勉強すべき新たな部分も少なくて済みます)社員の立場から見ても解雇されて失業者になってから公費で職業訓練校(同じ新式機械でももとの勤務先にあった機械と系列が違ってゼロから勉強する必要がある非効率さ)に通うよりは、精神的な負い目が全く違います。
アメリカ民主、共和党・資本家支持の両党の政策→非正規雇用・低賃金化して行き、その代わりに社会保障の充実を主張するのと同じで人民には不幸です。
物事の観察期間に戻しますと、気候変動や各種統計について都合の良い期間だけ切り取って異常だとか、政治経済のトレンドを評論している人がいるのと同じで、物事はテーマに応じたスパンで論じないと合理性がありません。
地震の多い地域か少ない地域か・・気候変動などは長期トレンド見てこそ分るものであり、単純そうな個人人格だって5分〜10分の観察よりも1〜2週間一緒にいた方がなお多面的観察が出来るし、その人の過去の発言など総合した方がなお分りよいものです。
民族性は、数十年や百年程度では、運悪く多民族支配を受けるなどの外部環境に支配されることがあるので、数十年〜100年スパンで見るのは間違いです。
物事の理解は今日雨が降るかどうかの判断のように直近の短期的変化を重視すべきですが・長期スパンで考えるべきときには対象期間が長期であればあるほど合理性があるでしょう。
トランプ現象も超短期で見るにはトランプ氏の個人資質や、直近で何を言い、今日何を言ったがが重要ですが、長期的に見るときにはアメリカの置かれた客観情勢のトレンドからはみ出せることはありません。
日本の終身雇用制度・・民族意識を見るには、帰属意識が歴史上明らかになっている「家人(けにん)」との堅い絆で結ばれていた源平合戦の時代から千年単位で見るべきでしょう。
明治維新に至るまで関ヶ原以降領地削減=収入激減に苦しんだ上杉や毛利の例、あるいは維新で領地を失った会津や仙台藩の家老や阿波の稲田家など家臣団を食わすために必死になった歴史を無視できません。
対アメリカ戦の敗戦にあたっても、「食糧が足りないから返って来るな」とは言いません・・むしろ必死に帰還船を出して(岸壁の母で有名なとおり)舞鶴港で迎え入れました。
ニッポン民族の一体制・信頼関係で書く予定だったのですが、ここで終身雇用・・死んだ後もでも絆を切らない民族性を紹介しておきましょう。
アメリカとの戦争に完敗しても天皇制を死守し、勇敢に戦った自分の父を尊敬している人が大多数・・そういう民族です。
まず誰かの責任追及に走る民族ではありません。
「朕はたらふく食ってるぞ!なんじ臣民飢えて死ね」と言うプラカードの標語が何故か心に残っているのは、あまりにも日本臣民の心からかけ離れた不届きで罰当たりな標語を掲げて皇居に押し掛けた違和感からでしょうか?
本日現在のウイキペデイアによると以下のとおりです。
「プラカード事件(プラカードじけん)とは、1946年(昭和21年)5月19日の食糧メーデー(米よこせメーデー、正式には「飯米獲得人民大会」)の際、参加者の一人である日本共産党員の田中精機工業[1]社員・松島松太郎が掲げた「ヒロヒト 詔書 曰ク 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね ギョメイギョジ」
そもそも国内の食糧総生産量が人口に見合わず、戦前は台湾や朝鮮半島から輸入していたため、また外地からの復員の分、人口が増えるわけであり、満足な供給には無理があった。農民も復員してきているとは言え、今すぐに食糧が増えるわけではなく、誰が大臣になっても解決策は無かった。大会翌日の5月20日、GHQ最高司令官マッカーサーは「組織的な指導の下に行われつつある大衆的暴力と物理的な脅迫手段を認めない」と声明を出し、社会党と共産党を牽制した。これによりデモ隊は霧散した。
既にGHQはこの食糧不足の危機的状況を把握しており、最も欠乏していた北海道から順次、食料供給を始めており、食糧問題の特別使節団として派遣されていたハーバート・フーヴァー元大統領は、90万トン近い食料を日本に供給すべき、と進言しており、実際に実行されている。 このデモはそれらを無視した形で、当初から政治的目的を持って行われた。」
戦争に負けたからと言って(恐れ多くも)天皇陛下の名を呼び捨てに書いて、皇居に押し掛け天皇に対して直截面会を求めるなどるなど日本国民の多くにとってあるまじき行為ですから・・その表現にショックを受けた人が多かった・・共産党系はソモソモ日本民族の一体感を持っていない人の集まり・・権力が弱ればその隙を突きたい人たちであることを自己証明した事件だったかも知れません。
「イザ鎌倉!」と言うときに「待ってました!」とばかりに敵方に馳せ参じる武士のような人も一定率いるでしょう。
今でもそうですが、選挙の結果を無視したデモ呼びかけで国会前に5000人〜1万人も集まると民意を証明していると左翼系文化人が自慢しますが、当時の1億人口の内暴徒が皇居前に仮に1〜2万人集まったとしてもそれが当時の日本人の大方の意思だったことには到底なりません。

民主主義の基礎4・信頼関係2

ここまでは今回の選挙報道が、不正確過ぎたと言うだけのことですが、その前提として与野党共に、国民に優しくなかった点が重要です。
そこには民族の一体感がない・・アメリカ居住者は、メリット計算で住んでいるに過ぎない・・お互い利益共同体・ゲゼルシャフト・・利益の合う限度で付き合うゲンキンな関係が政府と国民の関係にもある状態が表面化したことです。
国民を守るために政府があるのではなく、企業・資本家の搾取対象としてみていたことになります。
アメリカの政策は、日本のように国民に優しくない・・同胞意識で運営されていません・・。
日本企業は従業員を食わせるのが第1目標ですからこれがマスコミで批判されていますが、世界の企業は資本家利益最大化が目的です。
利益が1億円で1000人雇っている企業と、利益10億円で10人しか雇っていない企業のどちらが社会貢献しているかと言う考え方の違いです。
そして日本外の国家.政府は、資本家支配ですから旧ソ連と共産中国北朝鮮を除いて企業の最大利益を保障することが最重要です。
その結果法人税減税競争になりますし、企業評価では株主還元率・ROEなどの基準が幅を利かします。
この結果アメリカでは、超高額所得者以外の中高額所得者をドンドン転落するに任せて、セーフテーネット・・概ねフードスタンプ受給者にして行こうとする既存政治家(民主も共和党も同じです)等の基本的コンセプトになっていたように思えます。
低賃金競争に入った2002〜3年以降民主共和両党がこの方向で一致していた結果、貧困者が増える一方・・社会保障に強い民主党が次第に共和党の地盤を崩して強くなって来た理由が分ります。
日本以外の国々・・資本家の支配する欧米はこぞって中国発の低賃金競争に負けないように移民導入策を採用して来ましたが、日本の場合歯を食いしばって産業構造高度化に励んで来ました。
日本は、自国民第一ですから、資源不足・石油ショックには省エネで,公害には公害防除工夫で、低賃金競争にはロボット化で、レアアース禁輸には、レアアースを使わない電池等の開発で・・それぞれ難局を切り開いて来ました。
繰り返す地震には耐震技術の開発で対応し、当面人智で対応出来ないと思われる大津波に対しても殆どの人がその土地から逃げようとせず黙々と復興に励みます。
原発が危険と分っても直ぐに廃棄するのではなく、何とかする方策がないかの知恵を絞るのが我が国精神です。
何か不都合があると何とかしようとしないで、ゴーストタウンにして逃げて行き、古くなったビルを爆破してスクラップ&ビルドして行くアメリカ社会とは心構えが違っています。
法隆寺その他古くなれば部材を入れ替えながら維持し続けて千年以上木造建築物を残し、最近で言えば何百万人も日々利用しながら徐々に内容を入れ替えて爆撃にあった東京駅を復元しています。
高齢化すれば若年移民を入れるのではなく、高齢者も活躍できる社会を目指します。
日本にもアメリカ的思考を信奉して、安直に外国人労働力を入れようとする勢力が一定数いますが、(民族特性・・何事も比率の問題であって皆無とは言っていません)これをやると低賃金競争を国内に持ち込むことになって、(高賃金でも中国にまけないように努力するインセンチブが失われるマイナスがあり)分裂社会になって行きます。
日本でも欧米同様の主張が成り立つと誤解しているのが、欧米かぶれ(と言うよりはニッポン民族内にも一定数いる利己主義者が欧米価値観の応援を受けて遠慮なく出て来ただけでしょう)の野党民進党や社共勢力です。
マスコミや民主党などの野党が、頻りに(戦後は資本家による搾取を煽り)ここ10年あまり格差反対を煽って来たのですが、日本の場合戦後の食うや食わずのときでさえも助け合い社会ですから、アメリカの現状をそのまま日本で主張しても殆どの人がピンと来ていないでしょう。
整理解雇も日本の場合最後の最後の決断・・戦国時代で言えば、落城直前まで行かないとそう言うことはしません・・儲かっているのに企業利潤をもっと上げるための欧米流の解雇など想像も出来ません。
今回のトランプ氏の勝利は、外国のコトで内情不明・・(まちがった?)想像するしかありませんが、国民を利用するだけ・・低賃金移民を入れて高賃金労働者と入れ替えて行けば良いと言う長期的トレンド・・民主共和両党既存政治家に対する中間層の反乱が今回のトランプ氏当選結果と見るべきです。
国家・政府は国民のためにあるのか、企業利益・資本利益最大化のためにあるか?と言う根本が今度の選挙で問われたと見るべきです。
ゲテイスバーグ演説で有名なところですが、government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth
アメリカ人の好きなリンカーンの言うところの「人民のための政府」の精神が地上=アメリカの大地から滅びてしまった・perish from the earthのでしょうか?
ナポレオンが戦うために民族意識を鼓舞したようにリンカーンの演説も南北戦争に際して「国家・政府を愛しましょう」と鼓舞しただけです。
元々政府には国民を愛する精神土壌がなかったから、アメリカ民衆は「for the people」を初めて聞いて感激しただけであって、未だに実現していなかったのではないでしょうか?
トランプ氏が選挙戦で言ったスローガン・公約がそのまま実現出来る訳がないのと同じです。
国家・・専制君主や宗教の聖者・・支配者を敬い大事にする精神は世界中どこでも古代から教育されています。
人民が何故政府・governmentのために戦う必要があるかの動機付けとしてリンカンは「人民のための・・」と付け加えただけです。
近代以降の政府に対する欧米価値観は、王家に対する忠誠心強要が資本家あるいは共産主義者の支配する政府に対する忠誠心に入れ替わっただけです。
欧米の愛国心・民族感情は日本のように元々の同胞意識から自然に出て来る発露ではなく、ナポレオンが戦意高揚のために上から煽ったに過ぎないので、民族主義者=好戦的・偏狭なナショナリストと言う評価になります。
欧米では政府・支配者を大事にする・・これが欧米的愛国心で、(しょっ中「アメリカは偉大」とか国旗の下に集まる戦闘的愛国心・・政府間の競争・・戦うために民衆を戦争に駆り出す愛国心です・・。
アメリカの場合は「人種のルツボ・合衆国」であって「アメリカ民族」を観念出来ませんから、「民族主義擬制」すらも出来なかった・・純粋「政府(支配者)のための愛国心,政府派を鼓舞するしかありません。
日本の愛国心は、同胞を愛し助け合う気持ち・・郷土愛から外敵侵入・郷土を破壊する天災に協同して立ち向かう愛国心であって特定の支配者の利益を守るためのモノではありませんから成り立ちが違っています。
日本人が普通に出て来る「国を愛しています」と言う言葉が欧米では、危険人物と受け取られてしまうリスクがあるのはこうした歴史の違いです。
欧州の民族主義・・これを真似る諸外国の民族主義は、自然発生的に生まれたものではなく、戦争に参加させるために政府の都合で煽って育て上げただけですから、いつでも内政の不都合を誤摩化すために外敵を作り出して民族意識を煽る・・政府に利用される性質を持っています。
諸外国では、政府(支配者)の都合によって民族意識を利用しているだけですから、自民族よりも移民の方が都合良ければドイツ・フランスのようにドンドン移民に入れ替えて行くコトをためらいません。

民主主義の基礎3・情報の正確性1

今回のアメリカ大統領選の事前報道でも同じですが、日本に伝わるマスコミ報道を前提に判断していると本当のアメリカ人の心・・民意を読み間違えます。
韓国がマスコミに出ない日本人の気持ちを読み間違えて取り返しのつかない大失策をしてしまったのと同じで、日本もマスコミ報道に頼ると痛い目にあいます。
マスコミ報道では、安倍総理とクリントン氏との選挙期間中の会談ばかり取り上げていましたが、幸い安倍政権は水面下でトランプ氏にも面会要望を事前に出していてトランプ氏の都合で会えなかっただけだったたらしく、(むしろ貸しがあった結果?)世界で真っ先にトランプ氏との会談予定が入ったと報道されています。
安倍政権は外務省ルートだけに頼らずに独自情報収集に努力していたと言われます。
1両日の株式や円相場の乱高下を見ると、日本のマスコミの予想どおりトランプ氏当選の場合の株式の「売り」「円買い」を仕掛けていた大方のプロ?はみんな大損害を出したようです。
トランプ氏に対する否定評価のマスコミに従って、トランプ氏当選結果で想定どおり即時の売り仕掛けで東証日経平均株価は約1000円も下がり円も急騰しましたが、日本市場終了後に始まったアメリカ市場では逆の動きでしたので、(・・トランプ氏の穏健な発言があったようですが、選挙前からある程度こう言う事態は読み込まれていた筈です・・アメリカのトレーダー・プロはマスコミに踊らされずに冷静に実態を読んでいたことになります)その翌日の日本市場ではあわてて買いに戻り1000円以上値上がりで往復2000円の読み間違いとなって大損の結果に終わったようです。
(それ程の損がないようですが、解説によるとプロは売るときは買い予約を入れ、買うときは売り予約を入れるのが普通ですので、その読み違いで2倍の損になるようです)大損らしいです。
トレーダーが恥をかき、大損をした程度では金銭次元に留まるので、慰安婦騒動で韓国が日本マスコミを信用し過ぎて日本人の奥底の心理を読み間違って受けたダメージほどの大損害ではないにしても、経済界も世界から直接データを仕入れる・・日本マスコミ報道に頼る姿勢を改める必要を感じたでしょう。
大手マスコミの偏向を日頃主張している人を含めた政治経済系評論家も藤井厳喜氏を除いて殆どの人がクリントン有利を前提に、しかもトランプ氏が当選すれば世界経済が大変なことになると言う前提の議論するしかなかった弊害をどうすべきかが重要です。
金融の場合、その日のうちに株式・為替相場に結果が出ますので、成果が分りよくて良いです。
政治の読み間違いの損失は複合的にじんわりと出て来ますので、マスコミが誤った報道をし、評論家がそれを前提に議論を重ねる弊害は大きなモノがあります。
第一次世界大戦後じんわり日本包囲網が始まった世界政治の動きをどう読み解くか・希望的観測と違った結果を見て「欧州情勢は複雑怪奇」と言うしかなかった日本の世界情勢把握力によって日本が戦争に引きずり込まれた教訓を学ぶべきです。
慰安婦騒動での朝日新聞の検証でも「角度付けが過ぎる」と言う批判があったことを紹介しましたが、今回のアメリカ大統領選挙報道では、(これを反省せずに)大手マスコミは客観事実報道をしないで、アメリカの支配的マスコミの偏見(国際秩序や社会のあり方がこうあるべきと言う1つの意見)をそのまま転送するような「事実?」報道をしていたことが今回もよく分りました。
11月13日あたりからトランプ氏の支持者には中高所得層に多いと言う報道がされるようになりましたが、選挙前は移民に職を奪われる白人負け組貧困層が非合理な不満を言っているだけと言う印象的報道ばかりでした。
事前報道では、双方共に低レベル主張ばかりでアメリカ国民の多くがこんなことで満足しているのか?何故支持するようになったか・・聞いていると余程アメリカ人レベルが最低の印象を受けますが、プロたる日本の政治評論家としてはそんな漫画っぽいことが本当にあるのかと言う疑問を持つべきだったでしょう。
我々事件処理でも相手弁護士の主張があまりにもレベルが低いように見える場合・・こちらの方でスジの読み違いがないか・・何か隠し球を持っていないか最悪事態を想定して検討するのが普通です。
これだけ接戦になるにはマスコミ報道にない合理的な主張が隠れていないかという疑問を持った人がいなかったのが不思議です。
選挙前に中間層がトランプ氏を支持していると言う分析報道を、どこのメデイアもあるいは政治評論家も何故一切しなかったのか・・現場報告に読み違いがないかの疑問を言う意見がなかったことの疑問です。
今頃になって、中高所得層が支持していたと報道するのでは、アメリカ支配的メデイアが選挙前に如何にも「トランプ氏を支持するのはみっともない」と言う印象操作をして選挙を特定方向へ誘導しようとしていたのを、みんなで鵜呑みにしていただけではないか?疑問を抱くのが普通でしょう。
日本が敗戦してから、ルーズベルトがコミンテルンに侵蝕されていたと解説してもトキ既に遅しです。
民主党のバラマキ政策が嫌われていると言う噂を私も個人的に聞いていましたが、肝腎の政策論争がマスコミでは報道されず(パラパラとこんな非常識なことを言っていると言う程度のマイナス評価に結びつく情報が出て来ますが・・)個人的中傷合戦ばかり大きく報道されていました。
政策面でヒラリー氏あるいは既成政党全部が批判対象になっていたので、これの論争になるのを避けるためにマスコミとの合作で低レベル中傷合戦に持ち込んでいた疑いがあります。
中高所得層の不満と言う報道を前提に私なりに考えると客観事実とかなり符合して来ます。
すなわちヒラリー氏・・何とか財団が金融街から巨額資金を得ていることから分るように、国際資本・グローバリストを富ませると共にバラマキ強調で貧困層への手当増額する政策です。
如何にも格差救済・・人権重視政党のようですが実質は逆でしょう。
民主党は人道・人権がどうのとキレイごとを言って移民をドンドン入れる→未熟練労働者=(中国に対抗するために)低賃金労働者を増やして行けば低賃金で食えない階層.民主党支持者が増えます。
その代わりフードスタンプ支給基準緩和や増額・・医療費免除〜保健制度完備(オバマケア)など社会保障政策を人権派として約束する・・一種のマッチポンプ政党です。
その財源としては、巨額献金を受けている法人税や資本所得税を上げないで逆に下げる→中高所得者の累進課税のカーブを引き上げ保険料負担増などで補充する政策です。
中国対抗のために2000年代に入って、共和党含めて民主党政権(既存政党が)がやって来たことは、移民受け入れ.低賃金化政策→中高所得者=サラリーマンに対する累進課税の強化=中間層に不利益で、貧困層と累進制が打ち止めになっている超高収入層にとって利益のある政策でした。
累進課税制度は中高所得者に不利に働くことを2003年に書いたことがあります。
累進課税制度は身を粉にして働く人はいくらうまく行っても長島のような人で1〜2億で、サラリーマンでは役員クラスまで言っても数千万円で打ち止めですが、資本所得はその何十〜何百倍も儲けられるが、累進制が課税対象が身体が資本と言う人の最高年収・3000万前後で終わってしまう仕組みがおかしいと言うことです。
サラリーマンが頑張って役員クラスになっても打ち止めになる3000万円が累進税率の最高所得でそれ以上になると税率が上がらない仕組み・・当時の税制・・では才能のある努力するサラリーマンには不利で、資本所得者には有利になること・食べる時間も惜しんで働いたり努力した人に報いるために逆に3000万までは累進税を課さないで、1億以上・・資本所得者に累進課税すべきだと01/18/03「55年体制7(税制2)で書いたことがあります。
トランプ氏支持層必死に働いて一応成功しているサラリーマン層の不満が爆発・・怒り(高学歴で企業内である程度成功していても勤務先の倒産その他で・・直ぐにも路上生活に転落する弱い立場)が(私の推測では)トランプ旋風の基礎らしいです。
日経新聞13日朝刊1面の記事は以下のとおりです。
「2008年リーマンショック以降の回復局面で収入が増えたのは2割でそれ以外は増えていない・・上位1%が全米所得の2割を独占している。
格差は第二次世界大戦前に逆戻りした。
年収20万ドル以上の所得者はクリントン氏よりもトランプ氏に票を投じた」
我が国で言えば、格差拡大反対を唱える野党系が賃金引き上げに熱心ではなく(・・累進カーブ強化に熱心・・労働者仲間同士の妬みを刺激するレベルの低い政党です)安倍政権が賃金引き揚げの音頭を取るようになって久しい・一見逆の関係が起きている原因がこれで分かります。
働く人を増やし、あるいは既存労働者の月収を2〜3万増やす政策は、生活保護費引き揚げや児童手当増額などの運動よりも健全ですが、それでは弱者の味方・・野党の主張が霞んでしまうから面白くないから(人道の立場から?)生活保護基準が低過ぎる、児童手当を上げろとかの主張ばかりです。
失業者が月15万〜20万でも働くようになると、正規雇用を総合した一人あたり全国平均賃金が下がりますが、個々人は生活保護を貰っているよりはその方が幸福ですし、児童手当などを5000円増やしてくれるよりも出勤日数が増え月収が数万増える方が良いでしょう。
働く人が増えると、生活保護支給基準を上げろとか児童手当を増やせと言う野党の出番が減るので、野党とマスコミは安倍政権の賃金アップ努力を冷ややかに見ていました。
アベノミクスでは実質賃金が下がっていると言うキャンペインを張っていましたが、(好景気が来て失業者が20万前後で働き始めパートに出る人が増えれば平均賃金が下がるのは当然です)このコラムで何回も批判を書いている内に最近その主張はマスコミに出なくなりました。
重要なのは平均賃金の上下ではなく、労働者の総収入が増えたか減ったかです。
アメリカ民主党や共和党・・従来政治家は労働者の総収入を減らしてフードスタンプ受給基準を緩和し、(アメリカでは、フードスタンプ利用の買い物客で賑わうウオールマートの従業員の多くがフードスタンプ受給者であると言う報道を見たことがあります)社会保障を引き上げる・・比喩的に言えば総賃金支給を減らして(企業利益は高まります)国民を困らせておいて、その半分ほど還元して社会保障を増やしましょうと言うことですから、国民が怒るのです。
フードスタンプを貰う権利より、自分の働いた賃金で生活したい人の方が多いでしょう。
国民は社会保障費の増額よりは労働収入を増やして欲しいのです。
アメリカでの格差反対論は中高所得者との格差ではなく超高額所得者との格差不満を言っているのに、(上記新聞記事にある上位1%とは数千万程度の所得者ではありません)中高所得に対する課税強化で誤摩化すから中高所得者が怒っている図式が分りました。

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