中国資金不足26とAIIB6

5月23日の安倍総理による13兆円と5500億円の拠出表明ですが、なかなかやる・・アジア危機のときにはアメリカは日本台頭阻止目的による露骨な反対によって、(日本は中国のように露骨に票集めしませんので)日本が救援資金制度を創設出来ませんでしたが、今回は日本主導をアメリカが反対できる余裕がありません。
7月4日日経夕刊1面トップには、メコンODA7500億円の拠出表明と安倍総理の中心にしたメコン流域5カ国首脳の写真(東京開催)が大きく出ています。
アメリカはアジア通貨危機のときには日本を潰すのに必死でしたが、今回は邪魔されない好機が到来したのです。
日本のいわゆる失われた20年は、バブル崩壊によるのではなくアメリカによる日本叩きによっていることを、5月16日に「日本のバブル処理と失われた20年の関係(アメリカによる日本叩き)」に書きました。
アジア危機に対して日本が提案した資金機構設立構想はまさに日本がアメリカによって、目の敵にされている真っ最中でしたから、アメリカに猛反対されて潰されてしまったものです。
今はアメリカの覇道政治が限界になって日本の協力が必要になっていることを5月3日「覇道支配の終焉4」までのシリーズとその翌日に「覇道と日本の補完性1」に書きました。
補完性の続きを書いていたのですが、現在話題が横に入っているところですので、その内戻ります。
2015-5-31「中国過大投資の調整7(資金枯渇1)」で紹介したドイツ財務相発言・・中国は07年以降27兆ドルも借入金を増やしていると言う事実と中国の焦った動きを見ると、経営不振企業が緊急資金集めのために銀行もどき・・投資勧誘詐欺を、始めたような印象を受けるのが今回のAIIB設立騒ぎと言う解説には説得力があります。
日本では詐欺商法に近い印象で受け止めている人が多いのですが、素人にはネットを含めた報道による情報しかないので真実は分りませんが、この先2〜3年くらい経過で本当は何だったのか分るでしょう。
(実際には、ブリックス銀行同様に動き出せずにかけ声ばかりで先延ばしになっているか、本当にどこかにマトモな融資出来ているかの結果が出ます。)
中国の習政権にすれば、AIIBが実際に機能しないで終わっても(アメリカによる参加阻止圧力があっても)中国の呼びかけに呼応して欧州やアジア諸国が大挙して参加したこと・・これだけでも大きな実績を積んだことになる・・アメリカの威信低下を世界に見せつけたことになるでしょう。
日本の場合、相手に出来るだけ恥をかかせないように持って行くのが基本ですが、中国や韓国の場合、実利よりは相手に恥をかかせたことが自慢・・大きな得点になる社会です。
古代周王室に対して「鼎の軽重を問うた」楚の荘王の故事が有名ですが、後世、習近平氏がこれに一例を加えることになるのでしょうか?
アメリカの覇道政治は確かに行き詰まりを見せていますが、未だに正規軍では世界一突出した強国であることを書いて来たとおりで、古代周王室のように諸候の言いなりで何の実力もない訳ではありません。
ここで、アメリカの覇道政治の限界に話題が繋がって行くべき予定でしたが、この機会に「中韓のバブル処理と個人の弱さに付いて」以前から書いていた原稿に捕足して少し書いて行きましょう。
ここからは、2014/08/29「個人金融資産の重要性5(ユダヤ系の表面化)」まで個人金融資産ストックの重要性を書いてきましたが、その続きにもなります。
この原稿はその頃に書いていたものがそのまま残っていたので、その間の変化に合わせて少し手直ししたものになります。
韓国の場合、上記コラムで紹介したように日本と比べて一人当たり金融資産が3分の1(財閥オーナーの金融資産を加えた平均です)しかない上に、財閥経済=超格差社会ですから人口比で言えば、最多階層・庶民の金融資産保有比率は更に少ないことが明らかです。
2014/08/13「個人金融資産の重要性3」前後で日本のバブル崩壊では、主に業者がババを引いたこと→これが住専等の金融危機に発展したのに対して、韓国では主に個人がババを引いて苦しんでいる状況を書いてきました。
中国政府による勧誘姿勢にも責任がありますが、中国バブルも韓国同様に個人参加が激しいのですが、両国民は日本のように堅実な物造りに精進するよりは目先の投機・・金儲けが体質的に好きだからではないでしょうか?

韓国民の行動様式26(トラの威を借る狐7)

あまり苛められた結果、最後の抵抗として立ち上って弱い子がいじめっ子に向かって突進すれば,待ち構えていたいじめっ子グループが「相手から先に手を出した」という言いがかり的攻撃をする・・これがいじめっ子(アメリカ)の常套手段です。
ところが近年では中国の台頭・・実力以上の軍事力誇示その他によって、(9月中旬以降アメリカのシリア問題処理能力や国内統治能力の脆弱さを書いてきました。)アメリカの相対的政治力が弱って来たので、アメリカは好むと好まざるを問わずに日本の協力を必要とするようになっています。
4〜5日前のTPP首脳会合にオバマ大統領が国内債務上限問題未解決のために欠席することによって、推進力の穴埋めを日本の安倍総理に頼るしかなかったことが象徴的です。
従来日本がアジア協力関係を作ろうとすると、常にアメリカの陰陽の反対妨害で出来ない状態でした。
今回はアメリカ主導で始めたので、これがまとまらないとアメリカの沽券にかかわるので、已むなく代わりに日本主導で会議を進めて欲しい・・しかし留守中日本に主導権を握られたくないという微妙な立場です。
こんな風に今後軍事空白地帯だけではなくいろんな分野でアメリカの手が回らない事態が次々と生じると、穴埋め的役割を果たせるのは日本しかありません。
今後いろんな場面でアメリカの衰退(今回の政府債務削減に関する議会対立によって対外政策を実行出来なくなる場合を含めて・・これも衰退の1態様です)による空白の穴埋めを日本がして行くしかないのは否定出来ない趨勢です。
この段階で中韓の慫慂に応じてアメリカが問答無用式に正面から日本を懲らしめることが出来なくなりつつある点を、中韓両政府は読み間違えているようです。
中国は自分が軍事力誇示することによって,アメリカが安易に日本を抑える訳に行かなくなっている原因の1つを作っているのですが、その張本人が未だに日本が戦後秩序を否定しようとしていると(何かと言うと敗戦国日本と強調します)アメリカに訴えるのは、自己矛盾であることに気がつかないのでしょうか?
中国の場合、秦の始皇帝以来2千数百年に及ぶ専制政治の経験(・・強い者に媚びる生活の智恵)の上に(日本の悪口をアメリカに御注進さえすれば良いと言う)戦後約70年間の経験に味を占めて中韓両国は、いじめっ子の前で威張っているチンピラのような気持ちで、ゆすりたかりを恥ずかしくもなくするような国民精神がまだまだ健在です。
戦後朝鮮人を指して第三国人という呼称が定着したのは、戦勝国でもないのに、占領軍の威光をかさに来て傍若無人な行動をした朝鮮人のことをして定着した単語です。
日本と一体になって戦い、中には将校になって徴兵されて来た一般の日本人兵士を指揮していた人も一杯いたのに、(現朴大統領の父親も元は日本軍将校でした)日本が負けたと分った途端に手のひらを返したように占領軍気取りで朝鮮進駐軍と称して略奪・強姦その他不法行為の限りを尽くしていたことから、第三国人という尊称?が奉られたものです。
日本人は朝鮮人の挑発に乗れば幸いとばかりGHQの軍政強化の口実にされていたでしょうが、日本は隠忍自重してこうした挑発には乗らず第三国人と言う尊称を奉って後世に史実を残したのです。
GHQの資料で明らかなだけでも、4000人もの日本人が彼らの強盗殺人等の被害を受けているというのですから(私が直接原典に当たっていません・ネット報道を鵜呑み似ているだけです)、大変な暴威でした。
日本人は敗戦直後で何も抵抗出来ませんでしたが、(当時は警察も武装解除で全然も手出し出来ないので、朝鮮人はやりたい放題だったらしいのです)そのときの厳然たる事実があちこちに歴史として残っています。
CHQの検閲によってマスコミ報道されませんでしたが,被害者の親族等は当然覚えています。
民主化のための占領と称しているのに、戦前の日本以上に米軍は検閲を強化して言論弾圧をしていたのですから、元々アメリカの世界大戦参戦口実の虚偽性は明らかです。
敗戦後朝鮮からの引き上げに関しても、命を落としたり辛酸をなめた人が一杯いますが、強い者のお先棒を担ぐ以外に正義感や仁義のない朝鮮人の本質がこのときに剥き出しになった瞬間でした。
人間の価値は、東北大震災や敗戦の混乱時や相手の弱ったときにこそ、略奪に走るか助け合いに走るか・・そのものズバリ現れます。

グローバル化と格差26

昨日(3月3日)に続いて100点満点のテスト得点比での比喩を続けます。
80点以上の少数者の稼ぎで、その他大勢に対して(従来50〜60点相応の収入を得ていた人が20点の人と同じ収入しかなくなった人等に対して)従来の生活水準近く・・3〜40点での生活水準を保障するには、80点以上の人が円高に負けない新技術開発に成功した場合、収入が小刻み社会での収入格差よりも何十何百倍も大きくなる必要があります。
80点以上の恵まれた能力保持者はピラミッド型社会構造の原理からして少数者ですから、この少数者が多数の人に収入を配分するには、彼ら能力差以上に大きな(点数差以上にテコの原理を活かしたような)格差収入が必要となります。
80の収入の人が21まで収入を残して残り59人に一点ずつ配ると完全平等ですが、(全員21点)80点の人が60人に一人ではなく121人に一人だと20点以下の人には0、5点ずつしか配れません。
仮に従来・グローバル化前に60点相応の収入を得ていた人に対して、30点まで保障しようとすれば、一人当たり10点の上乗せ必要ですから、5人にしか配れません。
(80点の収入の人も30点分まで自分の分をとりおくと50点分しか分配に回せないからです)
80点以下の人が100人中僅か5人ということはあり得ないので、上記のとおり60人くらいに配るためには、80点以上の人にはその10倍以上の収入・・実力以上のレバレッジ効果が必要になります。
新自由主義経済政策が格差を拡大したという意見(マスコミ風潮・社民党や日弁連関係者にはこういう意見がここ5〜6年多く見受けられます。)は、グローバル化によって、先進国では汎用品向け中間層が没落しつつある・・社会構造の変化によって生じた結果である点を無視した意見ではないでしょうか。
明治維新から戦後直ぐまでは一定の教育・技術レベルがないと近代産業について行けませんでしたので、受入れ能力がない国では産業革命の成果を享受出来ませんでした・・・。
車の運転1つするのにまで車のメカを勉強させられる時代でしたし、何かの精選をするにはある程度の熟練が要求され、これが従業員の定着・終身雇用を求められる基礎になっていたのです。
ところが、電算機の発達で機械化・ロボット化が進んで来るとすべての分野で操作が簡単になり、近代産業機械の構造が理解出来なくともボタンの操作で誰でも複雑な機械の運転監視が出来るし、微分積分を知らなくとも電卓で計算も出来るし、原理が分らなくとも携帯もパソコンも使えるし写真も撮れる時代が来たから、教育の蓄積のないどこの国で生産しても同じになりました。
(周回遅れでアジア諸国はちょうど現在の産業構造に合致したということでしょう)
オートメ化の進展で近代鉱工業生産技術を後進国に解放・グローバル化して、半導体製造システム等生産システム・・原子力発電設備まで丸ごと売る時代では、どこで生産しても同じになったのです。
高賃金の先進国では高度技術以外・・機械化対応可能な仕事で輸出品を生産することが出来なくなるどころか、汎用品では賃金が高過ぎて輸入にすら負けて行くのは必然ですから、自国内利用分すら国内生産出来なくなります。
白物家電製品の国内生産が全面的撤退になっているのはその一例ですし、日産マーチを嚆矢として今後は車製造も順次海外に移って行き逆輸入品になるでしょう。

原発コスト26(損害賠償リスク・付保険6)

 青森県の東通発電所で事故発生直前まで電源喪失が続いた事例では、電源喪失対応策として用意していたジーゼル発電機を使ってみると直ぐ故障するなどお粗末きわまりない状態でした。
これらお粗末な対応の数々を見ると、「本気で二重3重の安全対策をしていたら、採算が取れないからやってられない」と言う安全よりは目先の利益重視姿勢しか感じ取れません。
計算できないほどの損害を予定しその先を考えていたら仕事にならないというのは、端的に言えば、採算がとれない・・危険すぎるという意味でしょうから、それならやめるか、あるいは付保険という市場経済に委ねる方式を選択すべきだったことと同義です。
1事故で企業の浮沈にかかわるような場合、多くの企業では無制限保険加入しているのが普通です。
必要な保険に加入しない・・保険料負担しない個人的運送屋が儲かっていると自慢していて事故が起きてから想定外だったと慌てふためいて借金に走り回る(社債発行準備)のでは、企業経営として成り立っていません。
個人的なそば屋、魚屋などなら笑い者になるだけですが、百万人単位の国民に放射能被害をかける可能性のある原子力事業者・巨大企業が、そんな無責任体質で経営しているのでは困ります。
リスクを引き受ける保険会社に損害査定を委ねれば、損害を低めに見積もると事故が起きたら自社が倒産・死活問題ですから、まじめに・必死に査定していた筈です。
どこから賄賂をもらっているとか政治献金をもらった政治家の要望があった・・・コネや献金程度のことで、保険会社は実損害額の何分の1何十分の1という極端な安い査定は出来ません。
保険会社では、利権政治家の影響による政府決定・法のように、いい加減・・・少なめの設定では自社が大損をするので、シビアーな評価・市場経済に任すことになりますから、まさか1200億くらいでは収まらないので何十〜百兆円を基準に保険料が決まって行ったでしょう。
そうすると保険料も半端なものではないので、コストが大きく膨らみ過ぎる・・原発の方が安いという宣伝の虚構性がバレてしまいます。
これを隠蔽するためにあえて無制限保険をかけさせずに、法(政治に頼って)で1200億円以内と決めてしまったように思えます。
原子力賠償法は損害額を法定していません(即ち損害がある限り無制限)が、供託金を1200億円以内と決めたので市場での自由な評価をしなくて良くなった・・法(族議員との密室の擦り合わせで)で公正な市場機能による監視を事実上妨害してしまったことになります。
供託金1200億円以下を決めるについては献金をもらっている政治家の暗躍場面となっていたことは想像に難くありません。
多数の自民党政治家あるいは自民党(国民何とか協会)自体が、東電から巨額献金を受けていた事実が既に明らかになっていますが、驚いたことに朝日新聞本体には、地球や環境に優しいなどあまり東電自体の企業広告的意味のない2〜3億円規模の広告を打ち、退職者など・ファミリー企業みたいなものかな?が巨額注文を毎年東電から受けていたとする報道が8月10日頃発売の週刊現代に出ていました。
読売は元々業界寄りですから驚きませんが、東電は批判勢力の雄である朝日新聞にターゲットを絞って客のふりして大金を使って来たようです。
週刊誌の誇大報道としての割引も必要ですが、最近の大手マスコミ全体の報道姿勢・・根拠なく「原発をやめたら大変」と言う大手マスコミの抽象的報道姿勢から見て「どこか怪しいんじゃないの?」と感じている国民が多いから、その期待に応えて根拠のない系の出版が活躍するようになるのです。
風評被害が流行っていますが、風評が産まれるだけの根拠があることに大手マスコミも反省すべきでしょう。

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