サイレントマジョリティ23(保育所設置反対運動)

エゴ主張のテーマに戻ります。
MSNニュースによる世論調査結果を22日に紹介しましたが、ニッポン民族の中で我欲主張に固執する比率が大したことがなかったことが分りました。
マスコミの奨励によって(我欲を主張するのが恥ずかしい意識が薄れて)これがマスコミ表面に出る率が高まっていただけなのか?・・あるいはマスコミが日本の醜い姿を誇張して世界に宣伝していただけ?のように思えます。
マスコミの応援がなければ本来人前で言えないような恥ずかしい意見を(今でも日本では6%しかないないような少数意見が代表意見のように)堂々と言えるような恥知らずな時代が来ただけでしょうか。
東北震災以降マスコミの神通力が薄れて国民が本当の価値観に目覚めているのですが、70年にわたるエゴ主張を賞讃するマスコミ洗脳から抜け出せない人が恥ずかしいと思わずに保育所反対運動して来たのでしょうか?
昨日紹介した保育所問題の意識調査をみると、マスコミも従来のように「エゴ主張する人が権利意識に目覚めた素晴らしい人」のように大きく取り上げずに、念のためにサイレントマジョリテイの意識調査をする時代が始まったことが分ります。
(毎日新聞は長年右翼からの攻撃対象になっていますが、足下でこっそりと方向転換を始めていることが分ります。)
October 31, 2015 「サイレントマジョリティ22」の続きになります。
旧来型の民意把握方法は「マスコミさえ騒げばこれが民意」と言う一方的報道姿勢で、マスコミの意向に反する政策は国会の多数議決によっているのを無視して「多数国民の声を踏みにじる政治」と批判していましたが、このやり方が「マスコミは何様だ」と言う批判を受けるようになってきました。
(例えば今朝の日経朝刊10pにも「街頭デモ野党を動かす」大きく出ていて、「安保法反対」と表題をつけていて、でも活動活発「70年案安保匹敵」と囲み記事をつけています。いつものとおり若者の代表?としてシールズの参加・応援を大きく報道していますが、左翼系の若者離れが著しいと一般に言われますが、マスコミはこの種調査・・年齢別支持層分布調査を一切しない・あるいは公表しません)
「70年安保に匹敵」と言うとちらっと見ただけの人は、60年か70年か数字まで知っている人が少ないので一見岸政権時の大騒動・・総理辞任に至ったとき以来の大規模デモが起きているのか?と驚きますが、70年安保とは60年安保の期限到来による更新交渉でしたから大幅に規模の小さいデモでした。
このようにマスコミは思わせぶりな記事が多く、どちらかと言うと中立違反の疑い・・すれすれの書き方が殆どです。
この記事は例によって若者代表?のシールズの参加も宣伝していますが、若者の左翼離れが一般に言われていますが、若者対象にした支持層分布の世論調査を一切公表しないで僅かな?集団の参加ばかり宣伝するのでは客観性に欠けます。
February 15, 2016に山谷大臣の失言騒動で書きましたが、革新系に不利な本当のことを言うと何故失言と言って大騒ぎするのか?サイレンとマジョリテイーの意識調査したのかと言う疑問です。
「日本死ね」と言うそれこそニッポン民族に対する不謹慎な意見が批判されずに、(どぎつい表現にぞっとしますが・・)政府非難の大きなテーマとして逆に取り上げられているかと思えば、昨日だったかの報道によると寝食を惜しんで現地で奮闘努力している職員の食糧支援を副大臣が要請したら、(現地被災者の苦労を思えば?))それを不謹慎と言ってマスコミが大騒ぎしています。
「そう言えば応援に行った人だって疲れるよね・・それを応援したいな・・」と私は思う方ですが・・。
報道をみていると自宅に帰れない・体育館に寝泊まりしているのは大変だなとは思いますが、今回の騒動に関する国民意識として本当はどうなのか?・・「現地で頑張っている職員への差し入れお願い」のツイッターに対して非難ごうごう?騒いで陳謝させたり、吊るし上げしているよりも支援続行優先すべきと言う人の方が多いのではないでしょうか?
世論調査してないので本当のところが分りませんが、今はネット利用で簡易調査出来ますので、マスコミは逐次調査して発表すべきです。
タマタマ,熊本震災に対するミノモンタの発信が大問題になって謝罪したと言うネット報道が流れています。
上から目線でのマスコミ人による一方的従来型自衛隊批判・・東北大震災等で如何に働きが悪かったかの抽象的(根拠なく一方的決めつけ)批判した上で今回は「キチンと対応して貰いたい」と言い切っていた点が批判対象になったようです。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/22/mino-monta-twitter-kumamoto_n_9755894.htmlからの引用です。
「タレント、みのもんたさんが4月22日、自身のTwitterを更新して批判の声が寄せられていた過去のツイートについて謝罪、真意は違うと釈明した。20日に投稿したツイートでは、「自衛隊きちんとしてほしいね」と発言していた。みのさんは20日にTwitterの公式アカウントを開設したばかりで、問題視されたのは、わずか2度目の書き込みだった。

みのさんの20日の投稿は以下の通り。
「みのもんた ✔‎@_mino_monta
俺なんかの役目はね、広めること。今回の震災もね、熊本だけじゃなくて九州全体だから。支援のやり方も甘い。自衛隊きちんとして欲しいね。あと、過去の震災、阪神淡路、もっと遡れば関東大震災の教訓活かせてないでしょ?…みたいにTVではちょっと言いづらいことも、ここでは言いたいね。
2016年4月20日 15:33」

上記ネット上の騒動をみると政府・応援部隊へのあら探しの多いマスコミ報道とは違い、自衛隊その他応援に入っている人たちへの気遣い(感謝の心)をしている声の方が多い印象ですが・・・。
ミノモンタはマスコミ人の代表的意見公表のつもりとした場合・・マスコミの根拠なき各種パッシングは、国民意識とズレ過ぎて来たように思われますが・・。
(ただし炎上と言っても実数は1億以上の国民数からすれば僅かしかないので、それぞれ逆方向に向かってやりあっているだけのことを大げさに「炎上」と言うのかも知れません)

エゴと共同体2(異民族問題)

自己中心者・・何でも反対する比率が人口比6%としても・刑事処罰や社会に批判があれば、自己抑制するので実際に反対運動したり犯罪実行する人がそのまた半分〜数%に減っていきます。
本心がどうかと言う核心部分は宣伝するかどうかによって大きな変化はないでしょうが、犯罪に踏み切るか、犯罪にならない道徳的部分における行動基準の何ミリかの幅についてマスコミの果たす役割が大きいことが分ります。
みんなが自宅前の道路掃除していることを賞讃するのか、掃除は役所がやるべきでバカなことをしているとマスコミが宣伝するかによって一般人の行動形態への影響が大きいことが確かです。
問題はこう言う外れモノが自分の意見として堂々と主張させる社会にして行くために(少数意見保護・・人権擁護になる?・・)学校で教育したりマスコミが強調する)が良いかどうかの問題です。
「ゴミを散らして歩く権利」・・「民族の違いを尊重し、少数意見としてドンドン主張するようにしましょう」と言う法教育の推進・・少数意見の尊重社会が実現するとすれば超余裕社会と言えますが・・?
民族間の紛争の基礎は生活習慣・・結局は基礎的価値観の違いに起因することが多いのですが、文化人は民族間紛争を宗教の違いなど観念的な、信教の自由とか相手の価値観を認めましょうなどの言葉の遊びで満足しています。
いじめっ子がいると「その子も家庭環境に原因があって可哀相なのだから・・」と言う人がいますが・・だからと言って苛められている子供が泣き寝入りしろとなればおかしな論法です。
異民族との紛争は観念の違いから始まっているのではなく混在することにより日常生活の場でもめ事が起きているのです。
日常に還元すれば、◯◯人は汚いとか臭い、うるさい・・約束を守らない嘘つきが多い、まじめに働かない、犯罪者が多い・・顧客となれば一々コうるさいからイヤな客とか日常次元の争いです。
宗教とは民族ごとに違った生活習慣の集大成ですから、結局は宗教の違いでしょうが、相手の宗教尊重とは宗教儀式を妨害しない程度は良いとしても相手の生活習慣尊重となるとうまく行きません。
ソモソモ同一民族が何故同じ習慣・・価値観を持っているかと言うと、同じ場にいる限り同一習慣・ルールでないとギクシャクするから時間経過で住み着いた場所の習慣に馴染んで行き同化して行く(郷に入れては郷に従え)ことを表しています。
稲作社会で言えばみんなで水路維持の共同作業をしている場合、新住民も当然その作業に参加しないとうまく行きません。
民族の定義を書いたことがあるように思いますが、民族とは人種別ではなく同一価値観で生きている集団のことですから、異民族が同じ場所に長期間価値観の同化を拒否して存在すること自体民族の定義に反します。
同化しないまま何十年も違った価値観の人(掃除洗濯・食事・礼儀作法に始まって生き方が違うのですから)が混在するのでは、その地域での人間関係のストレスが高まる一方ですし、相互不信感が解消されることがありません。
少数意見尊重と言えば聞こえが良いですが、具体的になると難しいのが分ります。
生活習慣に根ざした意見・・家の廻りの掃除するかどうか・ゴミ分別に協力するか・・アパート・マンションの廊下に痰を吐くような行為になって来ると「俺は少数意見だから協力しないゴミを散らして歩き,廊下に痰を吐くのは勝手だ」と言う声を許容すべきかと問題設定すれば分ります。
そんなバカなことを言う訳がないでしょうが、「違った価値観→生活習慣を認めろ」と言うのはこう言う問題についてどの程度上位の問題ならば許容すべきかの程度問題になります。
来たばかりの人は習慣不明だから慣れるまで仕方ないと思っていますが、半永久的に違いを認めろ(新規居住者が地元に同化する努力が要らない)となると違ってきます。
極端に言えば混在するから生活習慣の違いで喧嘩になるからと中華街やコリアタウン・・イスラム教徒が多数を占める地域形成などを積極的に進めて行くと、目の中にゴミが入ったような国家になって行きます。
少数意見尊重は、民主的政治決定方式の問題であって、日常的に少数意見の人が何事でも強行実現する権利まで意味していません。
何かを決めるのには少数意見を尊重してどちらが合理的・より良いかについて議論を尽くすべきことであって、議論の結果決まった結果に従うことが前提になっています。
自分は少数意見だから最後まで従わなくとも良い・・地域で決まったことをしない・守らない権利があると言うのでは国家・共同体社会が成り立ちません。
自分は少数意見だから最後まで従わなくとも良い・・地域で決まったことをしない・守らない権利があると言うのでは国家・共同体社会が成り立ちません。
国会や地方議会で決まったことをなお「少数意見無視」と言うに留まらずマスコミが報道する意見が多数意見と言う思い込みの強い勢力が、「国民大多数の願いを無視する◯◯法反対」と騒ぐのは(多数かどうかは国民が決めることなのに、自分が多数意見だ自己主張している野路分で自分の腕が日本1と自慢しているボクサーのようなものです)論理的に無理があります。
宣伝力の大きい方が正しいみたいな今の言論状況・・マスコミ支配社会では、サイレントマジョリティー問題が重要です。
議会議決に至らない生活習慣的行為・・礼儀作法や生き方の違いになると多数の議論を経て決めていないのでその分強制力がないのですが、我慢を強いると逆に不満が蓄積するのでどこまで許容すべきかは難しい問題です。

中国の過大投資調整23と個人の弱さ8

政権内権力闘争から経済に戻します。
マンション2戸目を買ったり投機して来た階層は、言わば共産党幹部またはこれにコネのある高級官僚から中間層に広がっていました。
政権の安定性は支持層が同心円の外側に広がれば広がるほど安定性が増しますが、マイナス局面では、外側から順に離反して行き中間層にまで離反が広がると危険ラインになるのが普通です。
日本で言えば共産党や公明党その他コア支持層は簡単に変わらないのですが、浮動層・中間層の支持変化が政党の消長を左右します。
中国では、支持層離反を食い止めるために不動産バブル現象が起きていると分っていても、直ちに引き締めて不動産関連事業者や金融関係・地方政府やマンション購入層を切り捨てることが出来ずに、金融引き締め・緩和の繰り返しやマンション2戸目購入禁止したり、緩めたりして試行錯誤を続けて来たのでしょう。
引き締めたり緩めたりの繰り返しではどうにもならなくなって、(外資流入が減って新規流入資金不足が基礎にあるのですから、)昨年末からの株投機の勧誘=これまで投機に関係のなかった庶民を引き込んで新たな資金流入を図ったものと思われます。
城で言えば外郭陣地を放棄して本丸としての共産政権だけ死守するのは最後の最後ですから、外郭陣地にあたるマンション購入・中間層を守り切りたいでしょう。
昨年からの動きは城塞都市の外にいる庶民・農民から食糧を取り上げて城内の食糧備蓄を増やそうとしたような段階です。
資金吸い上げ策として株式バブルを煽って株バブルで儲けた庶民にマンションを買わせて、投機目的マンション購入層・・中間層の売り逃げ・救済してしまおうとするのが今年前半までの動きでした。
株購入の場合は不動産を買うほどの安定収入やまとまった資金のない者も参加出来ると言う触れ込みで、(このために中国では個人の信用取り引き比率がバカに高いと言われていました)中間層の外側の庶民を巻き込もうとする作戦です。
(手持ち金の百倍変えるよ!と言うキャッチセールで百分の1の僅かな資金でも吸い上げてしまおうとする戦略です)
この大宣伝に載って多くの庶民が家族そっちのけで「株未亡人」と言う流行語が生まれるほどのめり込んでいると5月ころには報道されていました。
ねずみ講同様で、当面は新規参入者増加で株価は当面上昇を続けるでしょうから、うまく売り抜けた人が夢のマンションを手に入れられます。
買う人がいると言うことは売る人がいる訳で、既存株主が値上がり益で大儲けしたこと・・バブル崩壊で損をしている階層の穴埋めになった・・バブル崩壊による大量デフォルトの先送りになったでしょう。
庶民の参入資金が尽きるまでは上昇を続けるので、その間に売り抜け出来る中間層が出る・・・・高値づかみして困っていたマンションの売り抜けが出来るし、・・新規参入でマンションを手に入れた庶民は自分が住めば良いのでこれはこれで良い結果です。
早めに参入して早めに手仕舞いした人は儲けだけ手に入れて良い結果になっているでしょうが、そんなこと出来る人はホンの数%あるかないかでしょう。
ねずみ講形式は結果から見れば、損をする人の方が多いのが原則です。
権力支持層が政界や経済界・・中間層を当てに出来なくなって、城で言えば本丸を守る軍部だけを頼りにするようになると、政権末期になるので今は必死でしょう。
もっと弱い庶民大衆に大損害を付け回すようなことが成り立つのは、中韓共に個人がものすごく弱い立場にあるからでしょう。
北朝鮮では張成沢処刑の例を見れば分るように、どんな権臣であっても、権力を継承したばかりの金正恩に直ぐ処刑されてしまう状態です。
中韓両国と北朝鮮ではどんなに権勢を振っていた高官と言えども、専制君主の逆鱗に触れると一朝にして獄門入りの歴史しか経験がありません。
中国では今でも薄煕來に始まる粛清騒動・・周永康・令計画などひとたび政敵になった元高官・幹部の運命がそうです。
このために権力者層にとっては、いつでも国外に逃げ出せるようにいわゆる「裸官」が一般化しています。

中国の過大投資調整22と個人の弱さ7

中国や韓国でバブルに乗って得をしていた階層・・あるいはこのおこぼれにあずかって自分も儲けようとしていたのはどう言う階層でしょうか?
最初に投資資金を準備出来るようになった階層は、2014-8-26「成長と独裁の限界2」に紹介したとおり、成長のおこぼれにあずかって来た・・私腹を肥やした幹部や高官・・その次には、コネで就職できた高級サラリーマンなど言わば政権周辺階層になりますので、政権支持者に組み込まれた階層です。
この外周が広がれば広がるほど政権基盤が強化されます。
政権幹部は海外に大きな資金を逃していて、国内では目立たないように高級サラリーマンに少し上乗せした程度の贅沢をしていたと想定されます。
令計画氏失脚後のことですが、京都で日本庭園の豪邸を保有していたとの噂が出回っています。
裸官と言うと現金・金融資産を海外に隠しているかのように印象づけられますが、このように中国人による海外資産買いあさりの一形態でもあるのです。
金融資産の場合、政治の絡み次第で、ある日突然(コンピューター処理ですから瞬時です)凍結されて1円もおろせない・使えないリスクがありますが、(アメリカも没収までは出来ません・・凍結するだけです)不動産や高級車の場合、売買禁止は技術的に難しいし、仮に処分禁止が出来てもクルマや豪邸の使用がどうなる訳でもありません。
預金はおろせないと預金通帳だけで持っていても使い道がないのですが、処分禁止されても豪邸はそのまま使えるので、政治環境変化に強いのです。
話を戻しますと、成長の果実分配が減って来たこの数年、民の不満を受けた政権内で・共産党政権維持のために?暗闘が始まりました。
中核的支持層内で、汚職摘発名目で政敵相手に現在強烈な弾圧?が続いています。
1年ほど前ですが、海外逃亡中の裸官数百人の名簿を公開してアメリカその他に摘発要請していると報じられています。
その金額は何と何兆円にのぼると言うのですから、中国政府として(海外に恥をさらす心配など全く気にしませんので)お金も欲しいので政敵を葬るのと一石2鳥のつもりでしょう。
前主席胡錦濤の側近中の側近であった令計画氏が昨年暮れころだったか検挙されましたが、その弟の令完成氏が重要機密書類何千点を持ってアメリカに亡命中と報道されていましたが、同氏の持ち出していた資金は何千億円とも言われています・・9月24日ころから始まった習近平訪米に際して米国との交渉で中国は巨額資金引き渡し請求を放棄する代わりに身柄引き渡しに米国が応じたともネットで出ていました(単なる憶測記事かも知れませんが・・)。
令計画の弟の件は、うろ覚えですのでhttp://www.huffingtonpost.jp/2015/08/10/ling-jihua_n_7963870.htmlによると以下のとおりです。

「中国の胡錦濤・前国家主席の腹心として権勢を誇りながら2014年12月に失脚した令計画(リンチーホワ)・前党統一戦線工作部長(58)の実弟、令完成(リンワンチョン)氏がアメリカに亡命したと、ニューヨーク・タイムズが8月3日伝えた。共産党政権を揺るがす機密を持ち出したとされ、中国国内で大きな波紋を広げている。」
「令完成氏は国営新華社通信の記者だった。
中国指導者の海外での不正蓄財に関する機密資料など約2700点を持ち出したとされており、産経ニュースは、アメリカ中央情報局(CIA)元職員のスノーデン容疑者による機密暴露の「中国版」に発展しかねない情勢だと伝えている。

逃亡中裸官は今の政権にとって政敵とは言え、直近まで政権中枢に最も近かった関係者ですから、これらの粛清を始めると政権の安定性が大きく揺らぎます。
9月25日ころに書いたように、支配階層と被支配階層が明確に分離している専制社会では、支配階層内で政敵粛清の動きが始まると食うか食われるか・・トコトンやるしかないので、純化が進む・・支配階層内の多様な意見がなくなり、政権運営が硬直化して行くしかありません。
この関係を25日ころにスターリンによる粛清のやり過ぎの結果、硬直化した事例としてちょっと書きました。
日本でもこれまでの経験によると政党が純化路線を採用すると、支持基盤が狭くなる結果凋落して行く運命が待っています。
民主党が党勢退潮傾向に困って共産党との提携路線に舵を切りそうですが、(26日日経朝刊には岡田党首と共産党党首会談が報道されています)「確かな野党」も良いけれども純化に比例して支持母体は純化されて行く・・支持層の幅が狭くなって行くのではないでしょうか?
高官・・トラ退治までやっているのは、習近平政権の強さを表すよりは、むしろ食うか食われるかの瀬戸際の攻防が続いているから、政権の方も支持基盤の幅を削ってでもやれるところまで目一杯やるしかない状態に追い込まれていると解釈出来ます。
最近護衛兵をイキナリ(中隊か小隊規模で)入れ替えたり、身辺警備関係さえ信頼出来ずピリピリしている習近平の必死の様相が伝わってきます。

中国の過大投資調整21と個人の弱さ6

庶民に高値で株式をつかませてしまって(高値で売って利益を得た階層が反対側にいます・・株売買の損得は新規参入者からの所得移転が行なわれたと言うことです)から値下がりして庶民がいくら困っても長期的にボデイーに利いて来る程度ですから、目先の政権維持に必要な権力周辺層の救済に必死の政権は超短期的政策として庶民救済を重視しません。
時々政府資金投入期待でバブル再燃させることによって、投機心の高い個人にまだもっと儲けられると期待させて、在庫(株式)の多くを末端個々人に売り抜けさせる目的のように見えました。(この辺は5月ころに書いてあった原稿です)
実際に今年前半には値上がりした株を元手に多くの不良債権処理できたし、焦げ付き先が減った・・金融機関の業績が良くなっていると言われていました。
一般企業は相場上昇前提に新株発行が出来て巨額資金を吸い上げられたので、不動産相場下落の損失や過剰生産による赤字販売損失を穴埋め出来て延命出来たし、金融機関に対する当面の返済資金になったようです。
要するに、庶民の資金投入によって政権周辺や赤字輸出継続資金を確保したことになります。
個人も一定の資金余力のある階層は、株の儲けでマンションの損失穴埋めできたでしょうが・・マンション購入後、相場下落で困っている人の中で、更に株に投資出来る余裕のある人はごく少数でしょうから、この分、新規参入庶民から企業や富裕層への所得移転が進んだことになります。
(ただし、信用取り引きの場合、少額資金で大きな取引が出来ます・・・上海市場では信用取り引き比率がバカに多いと言われていました・・)
後世、国を挙げて・・庶民まで参加して可哀相な経営不振企業やマンション値下がりで困っている富裕層を助け合ったと言う美談になるかも知れません。
この裏腹の関係で6月以降の株価下落で新株発行(資金吸い上げ)はぴたりと止まっていますから、資金繰りの穴埋めが止まっています。
大企業の大方の株が売買禁止になっているので値下がりしていない・・庶民は売って現金化出来ないものの名目上は下がっていないので、今のところ名目上は大きな損をしていません。
現金化すれば、暴落した結果、信用で買った金額との差額決済が出来ません・・損失現実化の先送り政策ですから、高値づかみした多くの国民に不満はありません。
この逆の取引相手はどうなるかと言うことですが、信用取り引きの決済出来なくても、デフオルト扱いしない通達が出ているらしいですが、・・不足証拠金の積み増しや強制売却させないと言うことでしょうか?
不足証拠金補充要求→強制株売却処理が売りが売りを呼ぶ・・下落が下落を呼ぶ連鎖関係ですから、言わば市場のこの自律運動を強制停止した状態ですが、停止期間6ヶ月過ぎたらどう言う形で再起動出来るのか不思議です。
6ヶ月後に再開して下落幅が今より大きくなっていた場合、証拠金不足が大きくなり過ぎて決済出来ないでしょうから、その時点で証券会社が大きな損失をかぶってしまいます。
そのころの報道を忘れてしまったのですが、証拠金ではなくその他の担保(・・例えば不動産?)でも良いと言う形式だったように思いますが、これではすぐに換金処分出来ないので、即時的決済が必要な株式取引資金には間に合いません・・不動産が売れるまで証券会社がその差額資金拠出を立て替えるしかないとすれば証券会社には資金的に耐え切れないでしょう。
新規の「信用取り引きをするな」と言うのと同じですが、この辺のカラクリは複雑過ぎてよく分りませんが、全面デフォルトならすっきりしますが一部取引停止だと誰かがババを引くしかないので、却って複雑に連鎖して行く筈です。
その内に先送りの咎めが出て来るでしょう。
政府に言わせれば、庶民から資金を吸い上げて助けるべき企業は大方助けたから、この後は淘汰に任せても良いと言うことだったかも知れませんが、このまま大暴落のスパイラル現象を放置・無視出来ないので、何かしている振りをするしかないことと、半年先には何とかなるだろうと言うその場しのぎで一部売買停止にしたのかも知れません。
裾野の広い産業や個人に幅広く(信用取り引きまでさせている・深く)バブルに参加させてから破裂すると、個人は貯蓄を失うだけではなくマイナスになるので、購買力の復活・・国の底力の復活は遠い先のことになります。
ダムが決壊すれば大事件ですが、個々の水田の水が満杯になって周辺水浸しになっても短期的には大したことにはなりませんが、浸水状態が長引けば底力の消耗は大変なことになります。
この辺はAug 23, 2015に紹介した唐成氏の論文によっても、個人は取られる税に匹敵する税サービスを受けていない・・・徴収した税を企業等への配分をしているデータが紹介されているように、個人は救済対象ではなく搾取・食い物対象の社会です。
我が国は個人が企業等から徴収した税による受益の方が多いのですが、中国では全く逆の運営をしているのです。
これを韓国がやり、表面上うまく行っているように見えたので・・ソフトランディングの極意だと中国は理解して真似していると私は思っています。

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