異文化尊重と人権5(国内法の国外適用1)

国外犯処罰の刑法原理を殺人等の重大犯に限定せず「主権国家の自由勝手」という主権絶対論によって、自制心なく金融取引法違反その他の法令違反にまで徹底すれば世界が成り立ちません。
タイでのワイロ要求に応じた企業社員が不正競争防止法違反で検挙された事例を年末(12月26日)に紹介しましたが、枢要な国策に限定すべき範囲が広がりすぎたのが最近の風潮ではないでしょうか?
人権を守るためには相手の人権も尊重する必要があって、人権とさえ言えば絶対的効力があるものではありません。
道路は自由に往来すべきものですが信号で譲り合いスピード制限も必要ですし、車は危険なので一定の性能保持や運転技術が必須です。
表現の自由といっても相手にも表現自由があるので、ののしる(誹謗中傷名誉毀損の)自由は制限されます。
「人権運動家は自分の主張が唯一絶対なもの・・」と言いたがる傾向・・・自制心が足りないのではないでしょうか?。
世界中がアメリカの真似をして同じような法適用をしたら、「万人の万人に対する闘争」と同じようになり兼ねません。
自分がどこかの国と貿易しないと決めるのは勝手ですが、それを世界中の国に強制する・上記のように他国間取引にまでアメリカ法の適用をする・・のは行きすぎでしょう。
トランプ氏は、TPPに始まってこれまで積み重ねてきたいろんな国際協調をかなぐり捨てて「アメリカンファースト」というのですが、自国権益を守るために敵対国との貿易をやめるだけではなく周辺諸国に協力を求めるならば、協調に対する仁義を守らないとどこの国も協調したくはなりません。
しかたなしに強制力行使に頼るとすれば、むき出しの暴力に頼る暴力団と変わりません。
「国際ルールを守らない国に対しては自分も守らない」と宣言するのは合理的です。
話せばわかるといっても銃乱射するような相手には、こちらも銃で反撃するしかないこういう人や集団が来た時のために警察力・自衛力・いざという時の防災準備は必須)のと同じですが、(頭にきたから)「俺も周辺の誰彼無しに無差別銃撃する」と宣言すれば自分も銃撃犯と同レベルになります。
中国の国際ルール違反をとがめ立てるペンス副大統領の意見は至極もっともですが、これを実践するべきトランプ政権の行動を見ると、国際慣習法や道義を守ってきた国相手にも、これまでの国際協調枠組みを守らない?で対中国同様の高関税脅しをかけるようになるのでは、銃撃犯同様で正義の基準がありません。
これでは米国ヘゲモニーの挑戦者として浮上してきた中国たたきをしているに過ぎないとしか、世界から見えないでしょう。
ペンス副大統領の演説はトランプ氏の拙劣さ(エゴ丸出し)を正義の装いで取り繕うためのものでしょう。
トランプ氏の言動を見ていると新たなルール構築する意味ではなく、自分も海賊や山賊の仲間にはいるという宣言でしかなく、これでは世界は無法状態に陥ります。
アメリカも中国も自分の国の法律を守るようによその国に強制するが「よその国の法律は受け付けない」という身勝手な主張です。
いわば「属国になれ」というに等しいでしょう。
そもそもグローバル化反対論が勢いを増したのは、ソ連崩壊後アメリカ一強になったのに気を良くして、アメリカのゴリ押しが進みすぎたのを見て、ロシアや中国が正規軍では勝てないので(サイバーテロ等により)裏口から、国連人権委員会等への浸透工作をかけてアメリカの「綺麗ごと」PCの逆利用を図ってきたことによります。
先進国の綺麗事・人権運動を逆利用してユネスコや人権委員会等を根城にして逆に先進国批判を進めるようになった結果、先進国自体が綺麗事の自縄自縛に陥り始めた不満が出てキア長に思われます。
18年12月26日頃に紹介したように国外犯処罰の法原理は枢要な国策違反だけでしたが、どこの資金によるか不明ですがNGO等により枢要な法令違反か否かではなく、労働法規、環境基準、衛生基準にまで先進国基準を機械的に当てはめ先進国基準違反摘発運動が広がった結果・・(中国企業は問題にならず、先進国企業だけ批判されてしまうなど・・)むやみなお節介をしすぎたとがめ・逆利用されるようになった不満です。
いわばこれまでアメリカが、CIAなど諜報機関を利用して違法に相手国の世論工作をしてきたことをロシアや中国がサイバーテロ方式で大規模にやり返したことに対する不満です。
ロシアによる米国世論操作の実態が次々と暴かれているように、「近年のグローバル化批判は強権国家による先進国の世論分断の試みが成功しているもの」と評価することが可能です。
中国によるサイバー攻撃も半端ではありません。
いずれも民主主義国家に批判される強権支配国家ですが、彼らにとっては自国内政批判ほど怖いものはありません。
国内強権=人権蹂躙批判を繰り広げる米国民主党政権を倒すために、選挙に向けていろいろなフェイクニュースを繰り広げてきたことが分かってきました。
ただし、私の知識源は大手メデイアによる一方的宣伝を前提にしたものですから、真相は歴史判断によるしかないでしょう。
そのつもりでお読みください。
12月24日日経新聞朝刊6pオピニオンでは元米国安全保障局長などを歴任した人物によると、

「中国よるサイバーテロの1方法として、「環境先端技術を持つ米企業のシステムに侵入して受注事業の施工に必要な資材発注を15%s苦なく操作し、極端に数字を低く改ざん生産計画を狂わせた。
この会社の株価が大きく下落した時に買収を仕掛け、安くその技術を手に入れた」

例が紹介されていました。
政権維持のためには民族丸ごとシベリヤ強制移住させたソ連や現在中国のように犯罪者でもないのに、法輪功信者という理由やウイグル族を異民族というだけで収容所に送り込み、収容者から販売用臓器摘出などが横行している社会と言われます。
日本の人権団体は、日本大手企業の中国下請け工場の先進国基準の労基法違反や、衛生基準以下の摘発などよりも、こうした重大人権侵害こそ(国ごとに違って良い基準をはるかに超えています)告発すべきですが中国の人権侵害には無関心のようです。

EU(ドイツ)と中国の関係1

16年9月の中国杭州でのG20の記念撮影では、オバマが端っこに追いやられ、習近平の右隣がドイツのメルケル首相、左隣がトルコのエルドアン大統領だったことについて、中国が外交儀礼を守れない礼儀知らずのイメージで報道されていましたが、そうとばかり言い切れません。
この原稿は16年9月G20の頃に書いておいたものですが、奇しくも17年7月7日のドイツG20では、メルケルが隣に習近平氏とし、トランプ大統領を端っこに立たせたことを紹介したばかりです。
16年の返礼だったのでしょうか?
ドイツが中国に優遇されているのは(対日戦勝記念式典参加で厚遇されたパク前大統同様に気持ちが落ちつかなかったでしょうが・・)中国に肩入れし過ぎて今更引くに引けない立場を表しています。
(フォルクスワーゲンもEUを除けば中国で多く売れているだけです)中国としては、日米を敵に回している結果、今後唯一の技術導入国としてドイツを重宝したい関係を表しています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ28HWY_Y6A720C1EA2000/

世界自動車大手の2016年1~6月期販売実績が28日、出そろった。2年連続の首位となった独フォルクスワーゲン(VW)は511万6800台と前年同期比1.5%伸ばした。排ガス不正問題が懸念材料となっているが、中国での拡大など需要の底堅さを示した。
世界最大市場となった中国での事業展開が差を生んだ要因の一つとなっている。景気対策の小型車減税の恩恵を受けトップ3社は販売を大きく伸ばし、増加率は トヨタが15.5%と最大だった。だが中国で先行するVWやGMの事業規模はトヨタの3倍強に達し、追い風もより大きくなった。」
上記によればトヨタの方が増加率が高くてもワーゲンの方が先行している関係で中国での存在が3倍も大きい・・その分中国に気を使う関係です。
両者の世界での年間販売数はほぼ同数ですから、トヨタにとって中国販売が世界販売の1割とすればワーゲンにとって3割,トヨタが2割とすればワーゲンにとっては6割と言う巨大な関係です。
この原稿の基本は16年7月16〜17日頃に書いていたものですが、同月18日日経朝刊4pを見ると、2015年ワーゲンの世界販売が1005万台で、内訳が、EU349万台、中国376万台となっています。
本拠地のEUよりも中国での販売の方が多い状態になっています。
上記記事によれば、燃費不正問題の世界的な逆風に対して「VWに助け舟を出したのは中国。現地で不正があまり話題にならなかった」となっています。
情報規制の厳しい中国で政府支援を受けるかどうかは大きな違いです。
燃費不正事件が報道されず、中国で伸びたことで打撃を防げたイメージの記事です。
人権や国際商慣習破りをどこかの首脳が批判するとすぐにその国の企業が狙い撃ち摘発や不正キャンペインが起きるのが中国のやり方です。
(数年前にマクドナルドが狙い撃ちされて以来業績低迷に陥っていました・・日本ではこの1年余りで急速に持ち直しましたが・・。)
消費者にとって、大関心のある燃費不正に対する中国の報道規制はVWに対する望外な援助になったでしょう。
報道規制どころか、ワーゲン救済を狙った特定車種向けの補助金政策で・・この逆張りを受けている(・・韓国系企業の電池使用を補助金対象から外していると言う噂)のが、ミサイル防衛用のサード配置で中国の逆鱗に触れた韓国現代自動車で、惨憺たる業績になっています。
http://www.recordchina.co.jp/a130248.html
「2016年3月1日、韓国の現代自動車と傘下の起亜自動車の中国での販売が急減していることについて、中国市場の変化に対応できなかったためとの分析が出ている。中国・環球網が伝えた。
韓国・聯合ニュースによると、現代・起亜の1月の中国販売台数は12万4495台で、前年同月に比べ約21.9%減少した。現代が7万5236台 で27.2%減、起亜は4万9259台で12.2%減だった。現代・起亜の中国市場シェアは6.1%と、2007年以来8年ぶりに最低水準となった。」
この記事を書いていた1昨年から2年近くもたってしまったので、その後の動きを紹介しておきましょう。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2017
国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数) (*)

2017年12月 2017年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 129.36 48.75 3.41 1,087.23 43.98 3.26
日系 37.66 14.19 -3.46 420.49 17.01 10.90
独系 40.12 15.12 5.97 484.97 19.62 7.52
米国系 33.15 12.49 1.50 303.95 12.30 2.53
韓国系 17.52 6.60 -21.36 114.46 4.63 -36.13
仏系 5.60 2.11 -35.41 45.58 1.84 -29.22

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より
(*)台数を修正いたしました。(2018年1月15日)

https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_201811月の中国新車販売は前年同月比13.9%減の254.8万台
2018年11月、自動車生産・販売の前月比はいずれもやや増加し、前年同月比の減少幅は依然として顕著であった。1-11月の自動車生産・販売の前年同期比は引き続き減少し、減少幅は1-10月に比べて拡大している。

国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数)

2018年11月 2018年1-11月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 90.99 41.86 -23.29 900.10 41.91 -6.03
日系 43.85 20.17 8.11 403.13 18.77 5.30
独系 46.36 21.33 0.32 463.90 21.60 4.28
米国系 21.37 9.83 -32.67 227.78 10.61 -15.89
韓国系 11.10 5.11 -23.40 102.03 4.75 5.25
仏系 1.69 0.78 -70.04 29.10 1.35 -27.21

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

ついでに15年末のデータと18年11月の比較をして見ましょう。
15年末にはドイツ系シェアーが15,0%韓国系が8,11%だったのが18年11月ではそれぞれ、21,33と5、11%に変わっていて日系は17、4%が20、17%に変わっています。
中国としては、韓国が逆らうとこんな目にあうぞ!という見せしめのつもりでしょう。
国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

国別ブランド乗用車販売シェア(工場出荷台数)

2015年12月 2015年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 103.64 42.4 21.6 873.76 41.3 15.3
日系 42.58 17.4 8.1 336.43 15.9 8.7
独系 36.70 15.0 24.6 399.82 18.9 1.5
米国系 31.22 12.8 16.7 259.57 12.3 2.8
韓国系 21.47 8.8 17.5 167.88 7.9 -4.9
仏系 7.72 3.2 19.1 72.93 3.5 0.3

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

http://news.nicovideo.jp/watch/nw2783338
中国のロッテマートがウェブサイトを再開
・現在も中国のロッテマートは9割が閉店
・THAADを配置させたことにより中国からバッシング中国のロッテマートがウェブサイトを再開
http://www.sankei.com/premium/news/170204/prm1702040027-n1.html洋式便器までダメ…中国のしつこい韓国「報復」 ミサイル配備の嫌がらせ露骨に 「春節」商戦あがったり
中国の嫌がらせはロッテに対する外「何でもあり」になっていることが分かります。
対中蜜月のフォルクスワーゲンは逆に大幅な伸びで、EU域外・・中国以外では殆ど売れていない・・独裁者の恣意的な恩恵に頼らないと国際競争力がない・・こうなると麻薬漬けになったような弱みがあります。
ドイツが言うことを聞かないとすぐに韓国のようなひどい目にあいます。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD30H0Q_Q7A130C1000000/
VW、中国市場で稼ぐ 販売比率は欧州並み4割に (2016/12/29 0:43)
16年末でも約4割が中国販売です。

高齢者は85歳から2(長期支配の弊害1)

移動手段の発達(同じく区間でも時間短縮・乗り心地の改善)が距離の不利益(体力低下による移動能力低下)を緩和します。
例えばJR千葉・東京間の特急は所用29〜30分ですし、千葉〜品川〜横浜間〜鎌倉/横須賀間の快速にはグリーン車があるので、日常的行動半径の東京駅や品川などまでの約4〜50分の乗車時間は、体力消耗どころか(・・美術館巡りで足が疲れているときなど)疲れた足の回復時間になっています。
(乗車時間中に普段読めない本を読んだりネットチェック時間になっています)
京成電車は自宅から最寄駅まで200メートルで直通で上野(主に東博)に行けるので便利ですが、横坐りの電車しかないので座っていること自体が楽しくないのがJRに比べた問題点です。
昨日から書いた通り、分野別・職業によってもいろんな補完手段が進んでいますので、年齢で画一的に切り分ける今の基本的仕組み(定年制が代表的なものですが・・)は無理があるように思われます。
かと言って、個別能力次第にすべきというのは「言うは安く」して具体的運用が大変です。
車の運転免許のように、視力聴力など身体機能テストだけで済むなら割合簡単ですが、(テスト項目を増やし有効期間を短縮するなど)知的労働に限らずどんな現場作業にも監督行為と末端作業とは違った能力が求められるなど複雑系能力をどうやって判定するかです。
一般的に高年齢化すると現場的分野から統括分野に役職が移行するのが伝統的役割分担です。
我々司法界・・知的職業である裁判や検察でも同様で、若手裁判官は下調べ的記録調査に精出した結果を土台に合議体で基礎的意見を述べて、これに対して10年以上経験の右陪席が質問その他の意見を述べて、合議体トップの裁判長(20数年超〜定年まで)がさらに意見を述べる形で合議が進み、右陪席や裁判長の意見で問題となった点の補充をする形で最終結論に進みます。
(以上は、私の45年以上前の裁判実習時の経験によるので今は変わっているかも?)
高裁も左陪席がほぼ主査としてまとめた意見を合議体で披露し、これの方向性を合議体で確認されると、その方向での和解勧告→和解不調=判決となるようです。
こういう具合に知的職業世界でも年齢構成による分担が長年の慣習?の結果決まっています。
公的機関や民間企業でも懲戒処分をするには相応の議決機関があって行われているのでしょうが、懲戒処分を受けるには、相応の地位ある人の合議の結果=重みを重視する風潮が重視されている印象です。
組織の長老というか高位経験者が懲戒委員や選挙管理委員をやっている必要があるかどうかは、慣習に従っているものの今までのところその合理性が私には具体的にわかっていませんが、高齢者=知恵者という古来からの常識に従っているだけか?私に不明なだけで、相応の合理性があるのでしょう。
これが従来円熟期と思われてきた中高期(5〜60歳)を越えて高齢化するとあらゆる分野で能力低下が起きるのではないかの疑問・・複雑系判断分野でも担い続けられるか・・もっといえば、65歳の判断より75歳〜85歳の判断の方がすぐれていると言えるかの問題です。
裁判官定年は私が弁護士になった頃の定年は60歳だったというウロ覚えの記憶でしたが、いつの間にか65歳になっているようですが、この年齢程度までは年功ヒエラルキーがあっても良いという国民合意があるのでしょうか?
民間では役職(別)定年制があるように、定年あるいは就労期間を伸ばすことと決裁権を並行的に伸ばせるかは別次元・人の能力は複雑系分野でも一定年齢でピークが来ることを前提にしているのでしょう。
取締役では画一的定年制がない(ただしヒラ取締役等では事実上の定年制があるようです)のは、社長や会長等の超高度判断になってくると現時点では70歳前後くらいまでは、人によっては能力低下が起きない・70歳台が60歳台を指導する高度判断可能という合意でしょうか?
今も元気に指導力を発揮している有名人では、鈴木自動車の鈴木会長や、日本電産社長永守 重信(1944年8月28日 – )が知られています。
問題は能力低下が始まった時にどうやって「首に鈴」をつけられるかでしょう。
大物の首に鈴をつけられるほどの重鎮(他分野での大物)によって構成される社外取締役制度が必須ですが社外取締役の多くが現役社長の推薦によるのでイエスマン的機能しか果たせていないと言われています。
政治家は瞬時の判断によるちょっとした発言ミスが政治生命に直結するなど市場評価の最も厳しい分野ですから、生き残っていること自体で能力テストをクリアーしていることになるから別でしょうが・・。
政治の世界では地方選挙と参議院選挙を含めてしょっちゅう民意反映制度がある民主国家ではイエスマンに支えられる政権の存立が不可能になっているので外部勢力介入は不要・害悪になり・戦後枢密院制度などが廃止になりました。
政治の世界ほど頻繁な市場評価に晒されない・・任期継続禁止が確固としていない企業統治その他組織では放っておくと澱んでしまうので、戦前枢密院制度のような元老会議のようなものがどこの分野でも実は必須なのです。
企業統治の場合には、よほどの企業業績悪化や不祥事がない限り市場評価による進退表明に追い込まれることは滅多に起きないので、取締役会がイエスマンばかりの場合、ゴーンさんのような暴走が起きるのを防ぐ方法が確立されていません。
ゴーン氏が日産のV字回復に貢献したのは初期(2000年就任後)の数年〜4〜5年だけのことで、後はどちらかといえば打ち上げた目標未達の連続であったのにカリスマ支配力によって部下に責任を押し付けていたという意見を読んだ記憶です。
https://www.kuruma-sateim.com/market/carlos-ghosn-income/によると営業利益率の推移は以下の通りです。
具体的な経営再建の結果を、営業利益率の推移で見ていきましょう。

年度営業利益率(連結)
2000年度4.8% 2001年度7.9% 2002年度10.8% 2003年度11.1% 2004年度10.0%
2010年度6.1% 2011年度5.6% 2012年度5.7% 2013年度5.0% 2014年度6.1%
2015年度7.0% 2016年度7.3% 2017年度6.2%

比較のためにトヨタの財務データと比較しておきましょう。
トヨタに比べて喧伝されているほど内容が良いわけではありません。
https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/editです

主な財務指標(連結)

会計年度 指標項目
売上高
営業利益率
売上高
税引前利益率
税金等調整前
当期純利益
総資産
総資産当期純利益率
(R.O.A.)
株主資本当期純利益率
(R.O.E.)
株主資本
総資産
2018年3月期 8.2% 8.9% 5.2% 5.0% 13.7% 37.2%
2017年3月期 7.2% 7.9% 4.5% 3.8% 10.6% 35.9%
2016年3月期 10.0% 10.5% 6.3% 4.9% 13.8% 35.3%
2015年3月期 10.1% 10.6% 6.1% 4.9% 13.9% 35.2%
2014年3月期 8.9% 9.5% 5.8% 4.7% 13.7% 34.9%
  • * 米国会計基準に基づく連結財務数値にて、算出しております。

高齢者は85歳から1

後期高齢者の対象年齢を75歳とするのは今では早すぎないか?という方向の意見を昨年大晦日に述べましたが、そうはいうもののトシは争えないもので、いつの間にか?健康第一の心境になってきているのが現実です。
70歳になった頃から、いつまでも元気だと内心自慢しながらも「老い先短いのだから良いものを食べたい」など高齢化を理由にいろんな面で身勝手な要求が強くなっています。
折良く農家の人が量が少なくとも美味しいものを作ろうと努力してくれるようになっているのは私の心境変化にうまくあっていてあり難いことです。
いつもこんな風におめでたく満足して生きてきたし、1月2日の箱根駅伝でも書きましたが、どういう結果が出ようと「ありがたいことだ!」と感謝したくなる、おめでたい気性です。
昨年12月初旬に司法修習終了(判事検事弁護士になってから)45年の同窓会が開催されましたが、未だに社会でこういうことをしていると活躍ぶりを披露する人もいれば、事務所時間の大半を碁敵との対戦に費やしている(夜中まで終わらないことが多く碁敵・・相手は横浜の弁護士らしく遠いので事務所に泊まっていくこともあるとのことで恐れ入ります)と現状紹介する人もいるなど、高齢者の同窓会になると何を大事に生きてきたかも分かり、味のある会合でした。
ただし、ほぼ全員が45年前卒業時の特徴そのままで今も生きていることが分かり、生きていくスタイルというものは変わらないものだなあと感心しました。
最近メデイア界では格差社会の弊害や不満論・煽っているのかな?が喧しいですが、日々の生き方の積み重ねが将来に大きな影響(格差が生じる)があるからこそ、若い頃から研鑚に励み(受験勉強やスポーツ各種芸事・・音楽やバレーなど訓練し)周囲から尊敬されるような人物にとか、ほどほど楽しく生きられる程度のゆとりを確保しようと皆励むのではないでしょうか。
蓄積資産・各分野での地位・健康管理による体力を含めて高齢者の能力は、長年の自己管理・研鑽の総決算・・結果ですから、歩んできた期間の長さに比例して結果に大きな差が出るのは当然です。
無茶な生活をしていた人の多くが40台なると大きな病気をして社会から消えていった時代には、(私が弁護士になった頃には、目の前でそういう人がゴロゴロいました・こういう人が多くいてこそ平均年齢73歳くらいであったと記憶しています)健康管理を含めた成功者しか高齢で残らない社会でした。
格差社会と批判しますが、無茶な生活をしていた人の多くが40台なると大きな病気をして社会から消えていった時代には、健康管理を含めた成功者しか高齢で残らない社会でした。
15年ほど前にこのコラムで書いたことがありますが、古代から名を残すような人は皆長寿でした。
古代から西洋ではアリストテレス、わが国では秀吉あるいは、家康、もっと前の藤原彰子(ウイキペデイアによると・・永延2年(988年) – 承保元年10月3日(1074年10月25日)北条政子(保元2年(1157年) – 嘉禄元年7月11日(1225年8月16日))など皆長寿でした。
当時から江戸時代までは、食うや食わずのその日暮らしのものは2〜30歳前後で淘汰されていましたし、一定の地位があってあるいは戦後高度成長の結果生活環境の底上げが進んでも、無茶をしている人に限ると咎めが出るのがいわゆる厄年ですが、当時は一旦大病にかかると直す方法がないので40台で多くが淘汰されますので、働けなくなって生き残っている高齢者の多くはなお人生の成功者中心であって、(たまに貧者が生き残ってもそれは特殊要保護者であって、社会問題になりません。
こういう社会では高齢者の多くは成功者(村社会では地主階層などそれぞれの地位相応の)ですから、高齢者間の格差(食うや食わずのものは40歳前後まで淘汰されています)は問題になりません。
生活水準アップし始めた明治以降では、社会的地位構築(子供に恵まれない場合もあるでしょう)に成功しなかったにも関わらず生き残った例外的場合だけ「養老院」という施設が必要になった・もっとその前には山間僻地の地域限定ですが姥捨山の時代でしょうか?
健康管理だけ成功したが、本人の能力アップによるのではなく医療や保健衛生の発達によって他力本願的に救急医療等で偶然助かる人が増えると、働かなくても食えるだけの人間関係や資産を残していない人が増えるので社会問題になって来ます。
医療発達の結果、障害児の寿命が延びて親が先に死亡するなど面倒見切れない親が増えるので障害者年金が必要になって来たのは障害児の能力が上がって長寿になったのではない・外力に頼る点では同じです。
高齢化と格差に戻りますと、5〜10分間だけスポーツ練習や勉強した人としない人との差はほとんどないとしても、10〜20時間練習では少し差が開き、数百〜千時間の練習をしたり算数を習った子供と全く練習せず勉強しなかった子ではその分野での能力に差が開くし、この蓄積が万単位時間の差になると大きな差になります。
この差に気づいたのが、専門分化(世襲の優位性・今でも歌舞伎役者等に残る・・幼児期から親の仕事・・見よう見まねで幼児期から訓練していく優位性)の始まりでもあったでしょう。
人生50年時代から、超高齢社会(無茶な生活をしていて4〜50歳で大病を患ってそのままこの世から消えていたグループが、救急治療受けて社会復帰しないまでも入退院繰り返しで高齢化することが増えると蓄積時間軸が伸びた分、その間の生き方次第で、格差がより開いていく一方になるのは論理必然です。
こうなると「各人の生き方の責任だ」と放置しておけないので、(救急医療で延命させる以上は退院後の受け皿・・生活保障が必要になります)結果平等をどの程度保障するかのテーマが大きくなってきます。
独身高齢者の病気が治って退院する時になっても家で面倒を見てくれる家族がいない人が増えると(これが一人二人の例外現象の時にはボランテア任せで済んだでしょうが、大量に出てくると)受け皿整備・完全に良くなるまでの生活の面倒を誰が見るか(デイサービス等)の整備が必須になります。
刑務所の刑期を終えても受け入れる家族のない人が普通になると、(この種の問題・出所後の福祉との連携は早くから始まっています)刑終了で路頭に放り出して後はどうなろうと知りませんでは済まなくなります。
一方で犯罪を犯しても善行を積んでも老後の結果に差が開かないのでは、道徳を守り日夜精進努力する人が激減するでしょう。
長年の努力の結果、幸福な家庭を築いている人と、そういう努力をしなかった人との間でどの程度まで格差縮小すべきかは難しい問題です。
身体能力低下にも個人のばらつきが大きいだけではなく、職業によって例えば特定分野の能力が落ちても発揮するべき能力に関係ない分野もあります.
知的職業者では走る速さや、歩行耐久時間低下はあまり職業能力低下に関係ない・・機材の進歩による補充性・・眼鏡の発達が老眼や視力低下による能力低下を防義、車のハンドルさばきに力がいらなくなると女性のトラック運転が可能になった・フォークリフトの発達で荷物の積み下ろしも機械化され女性が担当できるなどのほか、手先機能の一部が麻痺してもキーボードさえ打てれば文書表現に問題がないなど多様な補助手段が発達してきました。
パソコンの発達は・うろ覚え程度の知識さえあれば必要な時にググればいいのですから正確な知識の必要性をなくし記憶の代替・知識力の活用能力を代替しています。
このコラムを書くにあたって朧げな記憶程度で論を進めて、念のためにググれば有名人の正確な年齢や時期が出るなど・・。
有名な詩歌でも片言隻句を記憶していれば正確な詩文が検索できます。

不祥事発覚と企業体質2(マック異物混入事件1)

汚職がはびこる・多めにみる社会でこれを拒むと何も進まない商慣習のある国で、昨日紹介したタイでの贈賄事件・・司法取引事件の様に、現地公務員から贈賄要求されても拒めるかの難問があります。
新興国や後進国では国内レベル無視で環境や労働規制も先進国基準を制定だけしておいてあとはお目こぼし社会では、ほとんどの企業が守っていないときに先進国基準の国内法令を自分だけ真面目に守れば倒産してしまう社会があります。
賄賂によるお目こぼしが常態化している時に、政敵相手に贈収賄罪でどしどし摘発を始めると政権中枢への擦り寄りしか身の安全を保てない・・それ以外の基準がない状態が出来上がり、習近平の専制支配体制がすぐに確立しました。
この流れは、外資も例外でないどころか以前よりも政府の標的にされないように神経を使わざるを得なくなってきました。
マクドナルド事件はこうした状況下で、次第に米中対決が険しくなってきた矢先に先制攻撃的にアメリカの代表的商品であるマクドナルドに照準が合わされたような印象を受けていました。
もちろん私の根拠なき一方的憶測です。
以下検索してみると、中国人の方が言われなき誹謗を受けた被害者のような受け止め方をしているようです。
26日に書いたように中国人にとっても自国文化度が先進国基準に遠く及ばないのを知っているから、已む無く低賃金や売春婦等で稼いでいるのですから、こんなことで世界の話題になるのは恥ずべき宣伝をされたと思っている人もいるようです。
NGOが中国政府筋の意向を受けて?(証拠があって言うのではなく、そう言う憶測をする人が多いと言う程度の人の意見によればの話です)日本や米国企業を痛めているつもりでも、実は自国の恥を世界に宣伝しているようなものです。
日本マクドナルドに供給する中国内の工場摘発が最初の打撃で、すぐに日本国内でも製品異物混入事件が連続発表され、その直後1〜2年は経営上どん底に陥ったのは記憶にあたらしいところです。
どのような展開であったかネット検索してみました。
https://matome.naver.jp/odai/2142059939551602301によると以下の通りです。

次々に発覚するマクドナルドの商品への遺物混入事件をまとめました。
更新日: 2015年02月07日
中国で期限切れの肉混入
マック 期限切れ肉混入の恐れ(2014年7月22日(火)掲載) – Yahoo!ニュース
マクドナルドが国内で販売しているナゲットのうち、使用期限が切れた鶏肉混入の恐れ。中国の会社が供給。
◼️ナゲットに異物混入◼️
Yahoo!ニュース – 青森のマックでナゲットに異物 (SankeiBiz)
Yahoo!ニュース(SankeiBiz) – 日本マクドナルドは5日、青森県の店舗で販売した「チキンマックナゲット」に異物が
Yahoo!ニュース – マックナゲット異物問題 東京・江東区の店舗でも「5ミリ」ビニール片混入 (産経新聞)
Yahoo!ニュース(産経新聞) – 青森県の1店でチキンマックナゲットにビニール片のような異物の混入が確認された問
チキンナゲットにゴム手袋片 マクドナルド、岡山の店舗  :日本経済新聞
岡山県津山市の日本マクドナルドの店舗で、昨年10月に女性客が食べたチキンマックナゲットに、約3~5ミリの青いゴム片が混入していたことが10日、同社への取材で分かった。タイの製造工場の従業員が肉の裁断
◼️ポテトに異物混入の恐れ◼️
フライドポテトに「歯混入」苦情 日本マクドナルド – スマホ版 – 47NEWS(よんななニュース)
日本マクドナルドは6日、昨年8月に大阪府の店舗で販売したフライドポテトに、人の歯が混入していたとの苦情が客から寄せられていたことを明らかにした。「製造工場、店舗での混
容器の中に虫 保健所がマクドナルド指導 NHKニュース
去年9月、群馬県吉岡町のマクドナルドで、ポテトフライの容器の中に大きさが1センチ程度の虫が入っていたとして、保健所が立ち入り検査をして防虫対…
◼️デザートメニューに異物混入◼️
長野のマクドナルド ソフトクリームに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになっていますが、長野県松本市にある店舗でも、7日販売されたソフトクリームにビニール状のも…
◼️ホットケーキに異物混入◼️
マクドナルド異物混入 京都の店舗でホットケーキに金具が混入:日本マクドナルドの商品に、異物の混入が確認された問題で、2014年9月、京都府の店でも、ホットケーキにアクセサリーの金具が入っていたことがわかった。…
◼️朝マックメニュー◼️
マクドナルド 沖縄でもプラスチック片 NHKニュース
沖縄県北谷町にある日本マクドナルドの店舗で、去年11月、客の4歳の男の子が、食べた商品にプラスチック片が混入していたという報告が寄せられてい…
川越のマクドナルドで針?混入、男性がケガ : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
◼️ハンバーガーメニュー◼️
沖縄のマクドナルド チーズバーガーに異物 NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、那覇市にある店舗でも先月、客が購入したダブルチーズバーガーに、発泡スチロールの…
ハンバーガーに虫、金属片…新たに混入発覚 | 日テレNEWS24
日本マクドナルドの異物混入問題で、埼玉県川口市の店舗でも先月5日、ハンバーガーに約1.5センチの金属片3本が、千葉県船橋市の店舗でも去年9月、ハンバーガーに虫が混入していたことが発覚した。
仙台のマクドナルド “チーズバーガーに紙片” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物混入が相次いで明らかになるなか、仙台市の店でも、去年11月、チーズバーガーを購入した客から中に紙片が混入してい…
マクドナルド 大分の店でもビニール状異物 NHKニュース
釧路のマクドナルド “ハンバーガーに異物” NHKニュース
日本マクドナルドの商品への異物の混入の報告が全国で相次いでいるなか、北海道釧路市の店舗にも、去年9月に販売されたハンバーガーに差し歯のような…
マクドナルドのハンバーガーに毛が混入 : 社会 : スポーツ報知
福島県郡山市のマクドナルド郡山並木店で昨年12月25日に販売されたハンバーガーの中に、長さ3センチ程度の毛が混入していたことが13日、郡山市保健所などへの取材で分かった。
マックでネジ混入 誤飲の苦情(2015年2月7日(土)掲載)
てりやきマックバーガーにネジが混入していたとの苦情。客は誤ってのみ込んだという。

こんなに次々と異物混入が起きるのって、常識的に見て企業テロの疑い濃厚と思いたくなりますが、警察が動かなかったようです。
海外工場なので日本の警察が捜査できなかったのでしょうか?

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