憲法とは?1

憲法って何のためにあるものでしょうか?
古くから、有名な大名家・商人の家訓や家憲などが知られています。
言わば一族や一家の永続繁栄を願って基本精神を制定するものでしょう。
法規はそのときそのときの社会の決まりごとを文章化したものですが、家訓や家憲は、細かな変化に影響を受けずに、永続的に守るべき基本を定めることによって、一族の永続・繁栄に繋がると言う意味で定めるものです。
商業のあり方は、日々変化して行きますが、「浮き利を追わず」などの家訓はいつの世にも通用して行ける価値観です。
法はその社会をよりよくするように決めたものであり、憲法は、国家の民族の基本精神を決めるべきものですが、いずれもその社会や民族をよりよく存続させるためのものです。
その民族を滅ぼすために制定するものではありません。
この意味で言えば、現行憲法は日本民族を半永久的に異民族の隷属下においてしまおうとする意図で決めたような骨格を持っています。

憲法
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

上記条文を見れば、「国権の発動たる戦争」が出来ない・・相手が侵略して来ても国としての戦争は出来ない・・義勇軍程度で抵抗するしか許されない書き方です。
戦争が許されないからどんな戦力も持てない・・禁止すると言うのですから一貫しています。
「国際紛争の解決に戦力を使うな」と禁止しているだけで、自衛権を禁止していないと言っても、領土紛争こそが国際紛争の最たるものです・・。
例えば沖縄は中国のものだと主張して来ても、日本は認めない状態・・国際紛争状態ですが、中国がそれなら占領すると言って、上陸侵攻して来た場合、これを阻止するために戦力行使すると憲法違反になるかのような書き方です?
竹島を占領されてもソ連に北方領土を占領されても何も言えないし、取り返しに行ったり、島のの防衛に出動出来ない状態でやってきました。
しかしこれでは、どんな不当な要求が外国からあっても全て相手国の言うとおりにしないで紛争になれば、日本は相手の選んだ好きな島や領土を簡単に占領されるばかりになってしまいます。
近隣国・・主として中韓とソ連のどんな無茶な要求に対しても、日本は屈服するかない・・言うとおりにしないと占領するぞ!と言われれば引っ込むしかない状態が、現行憲法の仕組みです。
民主国家とは国民主権・・憲法は当然国民が制定する権利があることになりますが、自分を守る権利もない・・「何をされても黙って殺されろ・家族が強姦されてもモンク言うな」と言う内容の憲法を国民が自主的に制定するなどはあり得ないことです。
奴隷支配しているモノが、奴隷に対して「お前は何をされてもモンク言えないんだぞ!と言うルールを作って奴隷に強制サインさせてその子孫に対して「お前の親が決めたのだから守れ」と強制しているような構図です。
このように憲法が解釈出来るとした場合、これをもって自分の民族の繁栄・幸福を願って作った憲法・・自主憲法と言う人は、皆無ではないでしょうか?
異民族支配を受けている場合でも、その国の法律は平等に適用されます。
例えばアメリカで言えば、今では、黒人も同じように正当防衛する権利があるし、裁判を受ける権利があります。
運用上の差別があるかどうかは別として法律上は現在は平等です。
ところが日本国憲法の場合、異民族の侵略が始まると政府として抵抗する権利がない・・殺されても監禁されても誘拐されても強姦されても犯罪にすらならない・・犯罪ではないから正当防衛する権利もないと言う制度になっています。
個人の行為は犯罪になるが、軍の行為・お墨付きがあれば犯罪にならない・・強姦略奪殺人などがあっても軍の規律違反で、軍自体が処罰するかどうかは別として、犯罪にはならない・・その代わり自国軍で対抗する・・負ければ仕方ないと言うのが古代からのルールです。
実際アメリカ占領軍は強姦等をやりまくりましたが、日本の警察は事件には出来ませんでしたし、マスコミも報道禁止されていました。
この重要な国軍を持つことを永久に許さないと言うのが日本国憲法の書き方です。

憲法と戒厳令1

ISは自爆テロ末端では精神のおかしいものばかり利用しているとしても、これを利用している幹部はマトモでしょう。
テロ組織の幹部がマトモな人間の集まりであるとした場合に、彼らの挑戦に対する現行制度の不備・対応の必要性に戻ります。
2015-12-7「テロ組織と近代法の原理停止2」の続きになります。
現行刑事訴訟手続では、人権保障が手厚過ぎる問題点・・組織犯罪に対応出来ない・・継続的事件発生が予想されるのに、既発生の事件しか摘発出来ない・・点の外に、折角刑務所に入れても、中の規制は人権擁護思想の結果緩いので、犯罪者養成の巣窟になっている現実があります。
しかも刑務所では、格好のテロリスト勧誘場所になっている現実があります。
今回11月のフランスのテロ首謀者も、何年か前に軽い罪で短期間刑務所に入ったことでテロリストの勧誘を受けたらしいと言う報道が流れています。
軽い事件でも一旦刑務所入りになると出所後の生活不安がある・・ある程度ヤケになっている人間が多いので、勧誘ターゲットとしては確率が高い・・しかも毎日一緒にいるのですから・繰り替えしの勧誘が出来て焦る必要がないと言う仕組みです。
日本のヤクザ、外国ではテロ組織が刑務所内に網を張っていて、リクルート率が高い・・かなり成功率が高いと言われています。
テロリスト勧誘の温床になっていると世上言われているモスクよりも、刑務所の方がテロ組織やヤクザ予備軍培養の温床になっている・・政府が税金でテロリスト勧誘の場を提供していると言う漫画みたいな状態になっている時代です。
書き出せばキリがないほど、近代法の確立した個人責任主義の思想・・個人の人権保障制度すべてが組織的犯罪・・テロリストに誘惑とチャンスを与えている実態があります。
あるいは百万単位の難民が発生した場合、これを無制限受け入れする場合、人権保障理念に走り過ぎるキライがあると思う人の方が多くなるのではないでしょうか?
数日前にフランスの地域選挙があって、難民排斥を主張する政党が大幅躍進しました。
きれいごとばかりではやって行けない本音が出始めたと言うべきでしょう。
近所の人と時々挨拶する程度に仲良くするの良いですが、毎日泊まりに来られるといい加減にしてくれと言いたくなってきます。
テロ防止に戻りますと、個人犯罪と組織犯罪は性質が違うのですが、近代法はこの違いに対応出来ていない疑いがあります。
アメリカでは、9・11に対して、大統領がこれは戦争だと言明しましたし、フランス大統領も2015年11月のパリのテロに対してそのように言明しました。
戦争→非常時認定と言うことで一時的に人権保障法制度などを停止出来る仕組みになると思われます。
フランスは11月13日の事件で、すぐに戒厳令を布きましたが、(マスコミが報道しているだけで具体的に、どう言う効果のある布告か知りません)人権人権と言うばかりでは緊急の逮捕・アジト急襲も出来っこないことを露呈したものと思われます。
イザと言うときには、人権制限(訴訟手続も別にしないと)出来るように国家は時には非常大権で人権その他の制限を出来る別の仕組みを用意しないとテロリストはやりたい放題になります。
古代から合議で決める社会である日本でも、非常時には非常事大権・・幕末井伊大老で有名な大老制度を利用していました。
我が国憲法は自衛のために必要な相互防衛条約を締結するだけですら、憲法違反と言う意見が多いですが、緊急事態があってもいわゆる戒厳令を布く権能がないようになっています。
平和時の通常事件しか想定していない・・どんなことがあっても、予め令状がない限り検挙すら出来ないと言う憲法制度である点では平和憲法とその精神が一貫しています。
国家の非常事態に対する備えがない憲法・・世界でも稀な(唯一?)な憲法です。
日本の場合、テロがあっても事前の令状がないと警察は手も足も出ない・国連平和維持活動で派兵した自衛隊が海外で相手から発砲があるまではこちらから射つことも出来ないと言うのと同じです。
相手が領海侵犯しても自衛隊が先に発砲出来ないと言う変な解釈になっています。
戦闘機も相手が先に射って来ないとこちらから先に射てない・・これでは撃墜されてから発砲しろ」ことになり兼ねません。
自分だけで守れないならば集団で守れるようにしようとすると、これさえも憲法違反と言うのでは異民族や外敵・大規模テロに極めて脆弱と言うか無防備どころか、民族を外敵から防備してはいけない仕組みになっていることが分ります。

精神障害者と宗教1

精神障害者がある日突然暴れるのは、特定の制度に不備があるからではなく、兎も角社会不適合による全般的な不満・・ムシャクシャの発散でしかないのですから、どんな制度にしても、何回破壊しても満足することはなく、破壊意欲がなくなることはありません。
ISはバラバラに孤立していた精神障碍者を世界的にブラックホールのように吸い込んでイライラを煽って破壊行動に誘導し、使い捨て戦士化して、緩いグループ化して・末端で勝手にテロをやるように煽動して通常人の住む世界を攻撃しようとする組織のように見えます。
(元々ドロップアウトしたグループに対する武器使用に方法の再教育ですから、きっちりした組織に組み込むのは無理があるので使い捨てが合理的なようです)
精神的に鬱屈して社会で孤立している人間を利用して、社会そのものを敵視する方向へ不満を振り向け破壊行動に駆り立てれば、自爆テロの供給源はいくらでもあるし便利です。
彼らを利用する限りにおいては、破壊のための破壊にしかなりませんし、利用している方は政権を痛めつける目的を達したので「もうこれで打ち止め」と思ってもそうは行きません。
彼ら精神病者は本来孤立して社会のお荷物意識で自己を卑下し、小さくなっていたのですが、ネットによる勧誘が容易なのと爆発物等の入手容易化によって、(その内簡易携帯型原爆を使える時代が来るかも?)少人数でも大きな効果を出せる時代が来たので、テロ活動情報交換を通じて一定の連帯が生まれ自信を持って一人歩きし始めます。
これの原始形態が、アフガンでアメリカが養成したゲリラ組織の現在の姿であり、ISはその進化した姿です。
したがって、こう言う方面に精神病質者らのフラストレーションのはけ口として誘導するのは、邪道ですし悪魔の手法です。
ISが、精神障害者を社会に対する破壊活動に煽動するやり方は世界を破滅に向かわせることになり兼ねません・・この動きが、がん細胞のように世界に広がれば、正に悪魔の宗教になります。
宗教に悪い宗教と良い宗教があるとしたら、精神不安者を破壊活動に向かわせない方法は、やはり良い宗教に頼るしかないのでしょうか?
私は、アメリカ式精神科医を増やし薬漬けにする方法は無理があると思っています。
戦後の混乱期には創価学会・立正佼成会その他新興宗教が伸張した結果、・・ヒロポンが蔓延しかけたこともありましたが、結局麻薬系に頼る人も減るなど・・日本社会の大混乱期の精神安定化に大きく寄与して来たと思われます。
戦後の新興宗教の新規吸収力が衰えて来たときに、オーム真理教と言う一種の宗教組織による吸収が始まっており、ISは、イスラム原理主義によっているのは、一応本籍として宗教が必要な点を暗示しています。
いつの時代にもいろいろな精神不安が起きてきますが、敗戦ショックのように一斉大量の画一原因で起きた不安発生とは違い、個別事情によるので、大量吸収方式は無理がでます。
戦後の新興宗教は大量吸収方式で勢力を伸ばしましたが、高度成長期以降、一定の高学歴高収入がありながら精神的に不安を抱える人が出て来ると、彼らの吸収装置としては個別対応が必要ですので、大規模組織で対応出来なくなりました。
この隙間・ニッチをついて、いろんな変わった事件も起きてきましたが、(オーム真理教事件以降では酒気薔薇事件など)全て単なる猟奇事件としてマスコミを賑わす程度でした。
オーム真理教はこの隙間産業的に受け皿として登場したものです。
マスコミや、文化人は馬鹿の一つ覚えのように格差拡大リスクを煽りますが、(伝統的に貧富格差の大きかったインドやその他後進国で反乱が起きなかったし、現在でも、格差の大きい中国や北朝鮮で反乱が起きていません)オーム真理教的顧客・・お金持ちの息子・高学歴層だってこの顧客になり得るのですから、格差問題を唱えるだけでは解決出来ません。
世間でまだ知られていなくとも、オーム真理教的受け皿がドンドン生まれている可能性があります。
人間の身体では、日々無数のがん細胞が生まれては死滅しているのに似ていますが、いつか大きなガンに成長することがあります。
精神病質者は、具体的に社会制度をどうすれば良いと言う合理的目的がない・・人間社会との付き合い方が分らないのですから、社会そのものが敵です。
労働条件を改善すればいい運動などとは、本質が違いますから、政治運動するのでは解決になりませんが、上記のとおり組織・制度変革で解決出来ない病者を集めているのに、社会組織破壊を目指していた点では、オーム真理教は悪魔の宗教になります。
どう言う宗教が吸収すれば社会が安定するかと言えば、我が国中世のように念仏を朝晩何百回も唱えたり踊って歩くような宗教・・陶酔系が合理的です。
お祭りをしょっ中やってダンジリを引き回したり、マラソン大会もその時点の陶酔感を満足させるだけではなく、次に備えた準備などで継続的受け皿になっているでしょう。
先進国で何万人を集めたショーやサッカー(フーリガンの破壊活動はその現れです)音楽のイベントなどで、興奮・陶酔させているのもその一種ですが、受け身である点では、ショーと次のショーの谷間の受け皿になりません。
ISテロ拡大の原因論はこの程度にするとしても、彼らを勧誘している組織構成員そのものは一定組織マネジメント能力の高い人材です。
彼ら幹部は、昔は海賊や流刑者や無頼漢を利用してトキの強者に挑戦していたのを、ネットの発達を利用して精神病質のグループに供給源を見いだした点に新規性があるだけです。
明日から新たなテロ組織に対応する法制度のあり方について話題を戻して行きます。

テロの供給源(精神障害者)1

自分の住む社会秩序を破壊し尽くそうとするテロは、一種のアナーキズムですから、権力奪取のための反政府運動等とは性質を異にしています。
権力闘争の場合は、自分が権力をとった場合既存秩序をそのまま利用出来る方が合理的ですから、社会の基本を破壊し尽くすと却って自分が権力を得たときにこまります。
橋や道路等は再工事すれば良いことですが、社会心理=道義を破壊し尽くすと一旦荒廃し尽くした心・・秩序を守る意識の復興は簡単ではありません。
権力を握ったときに今度は自分の握った権力に対する抵抗勢力になってしまいます。
従って反政府勢力がこれを利用すると、今度は自分に対する犯行勢力・鬼っ子を育てる結果になるので、権力奪取目的の政治運動としては言わば禁じ手です。
ISはどのような展望で、テロリストを養成し、煽っているのでしょうか?
マスコミは頻りに移民2世等が社会的に恵まれないから、誘惑に唆されると言う解説が普通ですが、私はそんな簡単なこととは思いません。
アメリカで頻発している銃乱射事件は、経済的に困窮している階層に限りません・・12月2日の銃乱射も公務員が行なったものです。
社会制度に対する不満ならば改革運動になりますが、彼らは改革運動を一切しないでイキナリテロに走っています。
中国のチベットやウイグル族弾圧のような生命の危険がある場合でも内部の地位向上を目指す活動や焼身自殺が先ず先行していますが、アメリカやパリのような自由な政治活動を出来る場所で何ら政治活動も先行しないで、イキナリ銃乱射やテロに走るのは、自分達の社会的地位改善を求める行動とは思えません。
銃乱射事件等では自ら必ず死ぬ覚悟で、(11月のフランス・パリの事件はそうでした)自爆装置をからだに巻き付けて犯行に及ぶようになっています。
ISの支配地域では、残虐行為による恐怖心で支配していると言われていますが、単に野蛮なことをしているのではなく、・・自分を含めた全人類に対する報復感情に凝り固まっている彼らの核心的思考によると思われます。
ISのテロの場合、自爆が必須的アイテムになっているのは、検挙を恐れてと言うよりは自暴自棄・自殺念慮の一態様の発露・・個人の精神的葛藤に対して、ISの宣伝が切っ掛けになっているに過ぎないのではないかと思われるし、同種の連鎖検挙・・拷問等を免れるための組織維持戦術をついでに兼ねたに過ぎないでしょう。
精神病で行き詰まって自暴自棄で銃を発砲したと思われるよりは、ISに共鳴したと言う方がマスコミの取り上げ方が違うし、何となく、格好いいと言うだけの人が増えるのではないでしょうか?
従来から大きな事件があると模倣犯が増えていますので、マスコミが英雄のように取り上げるのは問題です。
IS参加者には、心理学的には自殺念慮と社会に対する報復感情の拡大・・従来個人が内心で鬱々としていたに過ぎない社会脱落者に対するテロ組織による炊き付け・煽動・・精神的応援が成功していると見るべき面があると私は思います。
中央の具体的指令によらずに末端の小グループでテロを起こせば良いと言う原始細胞的活動方式は、自殺願望で周辺を巻き込む銃乱射事件の犯人を誘い込んで単なる自殺行為をテロに格上げする方式としては、合理的です。
精神障害など自殺願望者がある日突然これと言った準備もなくイキナリ個人で暴れるよりは、予め銃器等の操作訓練を請け負い、(「そうだ、そうだ社会・周囲が悪い・・やれやれ」と煽って)精神的応援をしてやる・・後はISに迷惑がかからないように勝手なときに(同病相憐む)「小グル−プで標的を定めてやりなさい」とやっているとすれば実態にもあっています。
12月2日にアメリカの勤務先のパーテイでの乱射事件を見れば、(まだ背景事情がはっきりしませんが・・)個人的不満を吐き出す従来型銃乱射事件をISなどのテロ組織に伝授されてもっと大掛かりに・自信を持って実行したに過ぎないように見えます。
・・ISは精神障害等で、鬱屈した個人が従来一人の思いつきで刃物を振り回したり、銃乱射していたに過ぎなかったのを、プロが手助けしてやることによって世界中の精神障碍者・・自分の住んでいる社会に敵意を持っている人を取り込んでいると位置づけることも可能です。
ISによるテロの広がりは、組織運営者にとっては政治運動でもあると同時に世界中どこにもいる精神障害者・周辺予備軍を巻き込んでいるところに、従来型法制度では対応出来なくなっている側面があると思われます。
社会に対する不満は、アラブ系出身者の生活苦にもあると思いますが、そればかりではありません。
日本人で札幌から出国しようとして制止された人がいましたが、イスラム教徒でなくとも世界に内心鬱屈している人・・けしかけられればすぐに火がつくような人はいくらでもいます。
昇進途上のエリートでも、うつ病等で長期休暇→解雇になってしまう人が一杯いるように、こう言う人は基礎的にもやもやした社会に対する不満を抱えています。
ISがこう言う人をうまく取り込んで行くと、民族融和や経済側面だけの対応では無理があるし、どこにどう言う予備軍がいるのか分らなくなって行きます。
我が国では、オーム真理教がこうした不満分子を吸収して、事件を起こした経験があります。
古来からこう言う人は一定割合でいますが、個々人ではイキナリ刃物を振り回す・・「気違いに刃物」・・時々「通り魔事件」を起こす程度で、どうってことがありませんでした。
アメリカでは元々日本のカッターでの切り付けなどと違い刃物の代わりに銃乱射事件になって影響が大きくなっていたのですが、あくまで個人的思いつき事件だったのを、背後応援する集団が生まれ、背後で爆発物の供給・組織化が進んで来たとすれば、大変なことになりました。
あるいは模倣犯に近い・・感化を受け易い人はいくらもいます。

テロ組織と近代法の原理停止1

先進国の刑事訴訟法では、検挙されてもすぐに保釈されるなど、自白強制されない仕組みですし、死刑も廃止の方向ですが、その代わり非合法取り調べ?や現場射殺が大分前から充実?して来ています。
アメリカでは、9・11以降グアンタナモ基地での訴訟手続無視の長期拘束や拷問等が行なわれていると言われているのが、この先駆です。
人権侵害批判に対してオバマ政権はその内やめると言うだけでいつやめると明言出来ていません。
人権活動家は不満でしょうが、人権は社会の治安が守られていてこそ、保障されるものであるから、治安維持の方を優先すべきです。
シリアの現状を見れば分りますが、住居区域で連日銃の打ち合いをしている・・日々命の危険に曝されている・水もまともにのめない状況では、通信の秘密や表現の自由がどうのと言う前に、先ずは治安回復・・安心して生活出来るようにすることが先決であって、人権運動家やベンゴシが盗聴を人権侵害だと議論しても意味がありません。
戦国時代で言えば、先ずは統一して平和回復することが先決で価値のある行為であり、その過程で敵対する集団を滅ぼす・・法的手続なしに相手方兵士多数を殺したりすることは仕方のないことです。
この過程・信玄や信長、秀吉、家康などを大量殺人者と言って非難する人がいないように、それぞれおかれた状況ごとに判断すべきことであって、その社会の発展段階を無視して国際社会が非難し介入すると却って解決が長引いて、住民の生存維持関する直接被害・・盗聴やプライバシー侵害などと比較にならない本来の人権侵害が大きくなります。
(内乱を放っておけばその内に強い者が統一して社会が安定すれば、内政は文治政治に自然に移って行きます・・順次発展を待たないで軍事力行使が人権侵害と介入するから混乱が長引き、もっと酷い人権侵害を起こさせているのです。)
これが、リビヤその他でアラブ諸国で混乱が広がり、今シリアで収拾がつかなくなっている基本的過ちであり、人権屋に対する私の批判です。
今やテロに対する対応としては、事前情報収集が必須であることは論を俟たない状況ですが、これをしも、旧来型人権思想で非難する人権屋やマスコミの方が時代遅れになっています。
ロシアに亡命したアメリカ政府の盗聴暴露・・スノードン事件に対する人権運動かの批判・情報収集批判も同じで、あらゆる面で現実には人権保障が現実の必要に合わなくなっていることは確かです。
急迫不正の侵害に対する正当防衛があるように、法的手続では対処し切れない事態・・組織によるテロ被害防止には、現行法の適正手続条項でゆっくりと対処するのは無理があります。
相手が近代法の原理を根底から否定する組織・・行動に出ている場合に、こちらだけで適正手続きでやっていたのではかみ合いません。
サッカーでも野球でも相撲でも、相手がルール違反を繰り返す場合、こちらだけルールを守っていたのでは、試合が成り立ちません・・試合を続けるならば、相手のやり方に合わせて・・・相手が選手を2人増やすならこちらも増やし、相手がドーピングやるならこちらもドーピングするなど・・これがイヤならば、試合をやめるしかありません・・。
銃を乱射する相手には、こちらも銃で対抗するかないのに、私は人権屋ですから、銃は撃ちません・・先ず話し合いましょうといっていると殺されてしまいます。
中国による尖閣諸島侵犯や南沙諸島の例を見ても分るように、話し合いが重要と言って何もしなければ、ドンドン実力行使してきます。
慰安婦問題や南京事件でも日本が何も反論しないから、いくらでもやって来たのです。
フィリッピンのような弱小国でも中国に対抗するために戦闘機を買い巡視艇を増やそうとしています。
テロリストを養成しテロを仕掛ける方は、先進国の法・ルール・・例えば交通信号が作動する前提で移動するなど先進国ルールを利用しながら、自分の方はルールを無視して行動する組織です。
相手がルールどおり動くことを前提に自分がルー違反すれば有利に決まっています。
野球やサッカーのルールを守らない相手に対して、こちらだけがルールを守って試合をするのは、不可能であることは上記のとおりです。

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