民度3(朝鮮民族)

韓国は李氏朝鮮以来の伝統に復帰して,庶民無視・・戦後約70年に及ぶ人民(ピープル)に対する愚昧化政策+反日教育の成果が出て来て収拾のつかない状態を招いていると思われます。
鳩山氏の「少なくとも県外へ」の主張同様に韓国野党は日韓合意破棄など国際常識無視の無茶な主張をしてますが,政権を取ったらどうするつもりなのでしょうか?
現政権は国際合意の重みをある程度理解しているようですが,次の政権に変わったら前政権の約束を守る必要がない」と言うような思い込みで野党候補が運動してるようです。
幼稚な政治レベルで国際社会で一人前にやって行けると思っているのが不思議です。
(事実上次期大統領選に出馬予定と言われる)前国連事務総長の潘基文が,「先ず10億円を返そう」と言う意見を述べている様子です。
国連事務総長を務めていた彼が,「貰ったお金さえ返せば」国際合意を反古に出来るかのような発言をするとは驚きです。
潘基文氏の公式発言は以下のとおりです。
http://www.sankei.com/world/news/170113/wor1701130027-n1.html
【ソウル=桜井紀雄】韓国メディアは13日、次期大統領選への出馬に意欲を示す潘基文(パンギムン)前国連事務総長が、慰安婦問題に関する日韓合意について、日本政府による10億円の拠出がソウルや釜山(プサン)の公館前に設置された慰安婦像の撤去が条件なら「金を返すべきだ」と発言したと報じた。」
こういう国・・対価を貰うだけもらった後は約束を守る気がない・・これが「詐欺みたいだ」と批判されることがやっと分ると「じゃ返せば良いだろう」と言う次の段階に気づいた・・少し進歩した程度のことです。
先取りしたお金を返せば良いのではなく,「合意や約束を守るべき」と言う大前提が理解出来ていない点では、前国連事務総長すらも同じですから驚きです。
こう言うレベルの相手に何百億ドルと言うスワップ(相保障)の約束を出来るわけがないと言うのが国際常識ではないでしょうか?
このテーマで今後交渉を進めるように持ち込んだ安倍外交は成功と評価すべきか、感情的対応と言うべきかは短期間に結果が出るように思われます。
1月12日のコラム冒頭で,中韓も民度レベルが低いだけで士大夫層・エリートは相応の政治経験がある(筈)と書きましたが,韓国の場合クニのエースとして国連に送った人材でさえもその程度のようです。
朝鮮族は朝鮮通信使の時代から,儒教を早くから信奉していたので?日本より一日の長があると自慢しますが,ヤンパン層の政治経験レベルはそんな程度・・彼らは長い間何を学び・考えていたのでしょうか?
儒教は専制支配秩序に便利なので,(日本の封建制・・利害調整必須社会とは違う)漢王朝が支配道具としたのですが,李氏朝鮮も「これは便利だ」として専制支配に利用して来ただけ(その分思考回路が硬直していただけのように見えますが)ではないでしょうか?
専制支配・強い者が論理の正当性無視で決める社会しか知らないので,合意の重要性を理解出来ないまま現在まで来た様子です。
社会生活の基礎・・「合意を守る」と言う基本原理が理解出来ない・朱子学には深遠な哲理?があっても、社会あるところに必要な「合意重視」ルールの教えがなかったのでしょうか?
赤穂浪士処分に際して「忠孝重視」の教えと「社会秩序維持」の相克について荻生徂徠以下儒者が困った原因です。
日本の場合,遣隋使以来中国大陸の学問や芸術の優れたものは概ね取り入れて来ましたが,朱子学までの儒学は学問的価値を左程見いだせなかったので軽視されて来たに過ぎません。
朱子学になって初めて理論哲学として優れたモノがあったので,徳川幕府がこの時点で漸く取り入れたのは理にかなっています。
ただし中国や朝鮮では,朱子学以外の学問が科挙試験から切り離された結果、事実上その他学問が窒息して行った・・これが明清時代や李氏朝鮮社会停滞の原因になったと言われています。
儒学思想が停滞の原因と言うより,「科挙」と言う国家試験が強力過ぎて,学問を志すほどものにとって,科挙試験合格が登竜門・・科挙試験で採用されないと誰も勉強しない・・私塾や出版が成り立ちません。
朱子学以外には学問として生き残れない・・その解釈学に特化して行くと全く発想の違う視点の自由な学問が生まれる素地をなくしてしまった・・学問が朱子学を中心とする訓古学になってしまった原因です。
文芸も社会制度も何もかも,過去の解釈が優れているかどうかだけで,新たなものを考える力をなくしてしまったのです。
焼きもの・・天目茶碗で言えば,トッピン級の画期的なものが出来ると・・清朝国内では異端扱いで見向きもされないので、良いものが出来ると直ぐに日本へ輸出する習慣があったと言われるのはこの所為です。
漢民族の逸品(書画骨董)の多くが日本に集まっている原因です。
現在日本で言えば科挙制度再来と言われる司法試験制度の弊害がここにあります・・異端学説では合格出来ない?・・一旦主流になった学説が幅を利かす弊害・占領期にアメリカの正当性を主張するために確立された憲法学説・歴史観を勉強しないと一流校→1流大学に合格出来ない→司法試験合格に不利となる現象です。
平和憲法の実質を議論するより先に問答無用式に「これを守れ」と言う論調がはびこる原因です。
ただし、司法試験は論理が優れていれば反主流の学説でも合格出来る点で,中国ではびこった学閥形成の弊害(漢時代に始まる党錮の禁その他面接官との個人的関係・・繰り返し弊害が起きています。)のない公正な制度ですが,それでも先ずは主流派の学説をマスターしておかないとマトモな論文を書けないので,主流派学者の方(ホンが売れます)があちこちで引っ張りだこ・・有利(事大主義意識が自然に刷り込まれる仕組み)です。
中国や朝鮮では,当時民間需要が発達していない・・官僚にならないと食えないし、政府買い上げでないと芸術品も売れない・・相手にされない時代ですから,その弊害の大きさが分るでしょう。
ちなみに現在日本では司法試験に合格しなくても民間でいくらでも実力発揮出来ますし、江戸時代にも将軍家お抱え絵師でなくとも民間でいくらでも活躍出来たし新たな浮世絵その他が輩出しましたし、芸大を出たからと言って芸術家と言えない社会でしたが,実は学歴社会の場合,その弊害が大きくなります。
これを利用したのが米軍支配制度で大学その他マスコミ等を占領政策貫徹目的の置き土産にした弊害が今になって目について来た状態です。
韓国では日本の何倍もの学歴重視社会ですから,一流大学やマスコミを内部侵蝕した方がた方が世論動向支配に有利・・・マスコミの多くは北朝鮮の工作成功の結果、事実上の支配に入っていると言われています。
最近の日本での法律家の政治運動・主張を見ると,(私もその一因ですが関与していませんので,運動を推進しているグル−プト言うべきかな?)どこか硬直した印象を受けます。
「秀才とは馬鹿の一つ覚えに特化した人材だ」と言うのが私の持論ですが)司法試験を頂点にする準科挙制の弊害・・主流学説=アメリカの占領政治の置き土産重視・事大主義の弊害を引きずっている結果かも知れません。

民度1

民度に戻しますと,日本は文字が入るとすぐに万葉仮名を工夫し、東国地方から徴兵された末端の防人(最末端兵士)なども歌(出身地の方言で・・方言の結果どこの出身か分るらしいです)を残し,平安時代には固有の音を表すひらがなを完成するなど庶民レベルの高い民族です。
留学者階層とそこから直接伝授された周辺階層だけが日本以外では「市民」であり当初エリートですが,日本では(遣唐使以来各種僧侶〜明治維新時の留学者→翻訳書の広がりも同じで)一定期間経過でドンドンと末端に広げる社会で古代から教養が一定階層に固定する社会ではありません。
日本は遣唐使の昔から,留学層(僧に限らず官僚)などが書籍を持ち帰っては日本語に翻訳や写経などして一般化に努める社会・・これを欲しがる民度背景・需要があったことが分ります。
横に逸れましたが,欧米の「市民」意識に戻りますと・・西洋式の(外来文化理解者)市民・・エリート意識を有り難がる人々が日本にも一定数います。
何かと学歴や家柄をひけらかす人は学歴・家柄相応の力がない人に多いものです。
西欧式市民・エリート概念を無意識のうちに教育されている日本の文化人が(欧米留学で古代都市国家への出入り業者資格・名誉市民?を得た気持ちになるのでしょう)「欧米では◯◯」とコトあるたびに外国権威をひけらかせば勝負がつくように思っている源流です。
敗戦直後には敗戦ショックもあってこの種エリート意識が幅を利かしましたが,社会が落ち着いて来ると,庶民から文化が生まれる日本の社会構造とは相容れませんので、次第に「バカじゃないの!と思う人が増えて来ました。
文化人が,日本のマスコミと二人三脚で欧米文化・バタ臭さが素晴らしいと煽れば煽るほど浮き上がって来ました。
この20年以上、土日休日になって余裕が出たせいか、月平均1回ほどの比率で美術館等に食事をかねて出掛けますが,洋画に比べて日本画の方が圧倒的人気差がある印象です。
最近「欧米では・・」と言うのではあまり国民受けなくしなったので,もっと有り難い権威を持ちだす・「国連勧告が・・」「近代法の原理」「立憲主義違反」と言う運動が増えて来ました。
日本社会経済のあり方を議論しているのに日本のための具体的政策に関係のない高邁な思想?・・自分の意見が何故正しいかの論拠を正面から主張する根拠がないので、外部権威を利用しているように見える点では同じです。
我々弁護士相談で相談者が自己の正当性を強調するために「みんなが言っている」と頻りに言いたがる人がいます・・他人がどう言うかではなく,「自分の正統性の根拠事実をきちんと説明して下さい」と言うとむくれる人がいます。
事実経過をありのまま説明すれば,自分に不利な判断になることを知っているかのような人に多い言動です。
「ナチスの蛮行に対する反省を見習え」と言われると日本人は思考停止するのではなく、いままで教科書で教えられたことだけではなく,逆に何が本当にあったのか研究し始めます。
ナチスの蛮行と言うだけで,思考停止しているドイツでは、具体的検証・・日本人の関心が集まるとどこかに痛いところがあるらしく,却ってドイツやユダヤ人が慌て出した印象です。
慰安婦騒動は,アメリカが背後でけしかけていただろうと言うのが普通の推測(勿論大手マスコミを含めて公式には誰も言えませんが・・)ですが,安倍政権が意外に屈服しないで頑張っていた結果、・・その間に米軍の欧州進駐時及び朝鮮戦争時の慰安婦徴用のすり替え疑惑・・日本占領時の性犯罪・ベトナム戦争時の蛮行・ナチスの蛮行検証・・ユダヤ人が何故西洋で嫌われるようになったか?など日本人が元々関心のなかった分野までネットで拡散するようになりました。
ユダヤ系にとっては他人の喧嘩に巻き込まれて、元々反ユダヤ感情が皆無だった日本人社会で反ユダヤ感情が広まるのは、迷惑なだけで何のトクもありません。
安倍政権による世界規模の複雑きわまりない外交の成功で、日本を敵に回し切れなくなったアメリカもこれ以上日本敵視政策を続けらなくなった状態がオバマ政権下の昨年までの状況でしょう。
大枠で言えば,16年5月のオバマ大統領の広島訪問、同年末の安倍総理の真珠湾訪問などをみれば、文字どおり過去にこだわらない日米関係強化の方向性が明らかです。
慰安婦問題や南京事件で日本人が内心アメリカの煽動を疑う状況を早く解消したい気持ちが、敗戦直後の慰安婦聞き取りなどの証拠を米軍が握っていながら長年隠していた?のを15年夏頃に漸く「残念ながら、証拠が出なかった」と言うアメリカの検証報告が出た理由になっているでしょう。
何十年も日韓を揉めさせておきながら,最近まで持っている証拠出さなかった結果から見てもアメリカの意図の変遷が分ります。
「アメリカ軍しか証拠資料を持っていない・・日本には証拠がないから日本はやっていない証拠を出せないから騒ぎ続ければ(・・アメリカがやっていない証拠持っていたのに知らん振りして)議会での非難決議など根拠なく道義非難を大々的にしてやると言う密約で)勝てる」とけしかけていた疑いが濃厚になりました。
日本人の被害意識を不合理な推測と言うのは勝手ですが・・戦後アメリカの数々の嫌がらせ経験からアメリカの陰を感じるのは日本人の勝手です・・。
昨年の広島訪問と真珠湾訪問でお互い恨みっこなしの決着を付けられたのは大人の智恵と言うべきです。
ヤバイ点がいろいろ出て来たので,世界中で「臭い物に蓋」式の[不可逆的合意」圧力が出て来て、15年末の日韓合意になったようです。
その頃に書いたと思いますが,多くの日本人が(感情的に?)この合意を許せないと思ったでしょうが,この合意成立によって,次のステージは合意違反したのはどちらかと言う単純な争いになるメリットです。
「ほぼ百%韓国政府は「国民が・・」といって守れないに決まっている」・・このためには10億程度捨て金になっても安いものだと言う読みが安倍政権にあった可能性があります。
まさにこの想定どおりの進行で,満を持した安倍政権が「已むにやまれず」4項目の通告になったと言う設定です。
長年にわたる韓国の反日教育・行動の結果、その反応としてこれだけ嫌韓感情が高まっている現在・日本人の多くは韓国を助けるためにスワップ協定など締結したくない人が多いとすれば、この人たちにとってはこのチャンスを利用しての協議中断は望むところです。
捏造の慰安婦騒動を収めるために日本がリスクの大きいスワップ協定(簡単に言えば韓国経済の保証人になってやること)に応じる必要があるか疑問に思う人が多いでしょう。
何か根拠のない言いがかりをつけられるたびに何らかの見返りを与えて解決していたら味を占めせるだけで却って両国間にマイナスの事例を残すでしょう。
このままご破算になった方がすっきりすると思っている人の方が多いのではないでしょうか?
ただ,本当にご破算になって良いかどうかは総合判断ですから,そこは文字どおり感情処理しないで落ち着くべきところに落ち着かせるのも大人の智恵です。
韓国に対しては物事にはケジメがある・・甘え過ぎたら痛い目に遭うことを教えて・・幼稚園の年長さんが理解する程度・・少しばかりの礼儀作法を理解させればそれで良いのです。
安倍政権が万全の体制・・熟柿作戦で通告しているように見る人が多いと思われますが,「感情的エスカレートは良くない」などとマスコミの期待に応じて言う政治家もいます。
韓国が謝って来たらどう対応するかは難しい・・大人の対応が必要ですが,ここでけじめを付けるべきであると言う判断自体を,感情的対応と言うのは無理があります。
そこで、数日前に書いたとおり,民進党でさえ何ら意見発表出来ていません。
ここで,野党さえ批判意見を公式に出せない状態下で・・マスコミが「政府対応が感情論に基づく行動である」と言う印象を拡散させようと努力しているように見えるのが不思議です。
マスコミは最近世論誘導がうまく行かないので?大衆迎合主義・オポチュニストは危険だとか,安倍一強でもの言えない雰囲気は異常だと頻りに印象操作しています。
マスコミ誘導どおりおうむ返しに無批判に言う人の方が,迎合者じゃないかの批判には答えません。
安倍政権が見事に国民世論に合致し過ぎているから,国民世論の反発が怖くてマスコミに迎合する政治家が減っている・・反対しようがないだけではないでしょうか?
マスコミは世論の直接批判を無視出来る(長期的には信用をなくしますが・・)コトを奇貨として?・国民意識から遊離した意見を拡散したくて,誰かの意見を無理に自己意見に合うような見出しにして印象操作している印象受けます。

文字文化普及4とピープル・民度1

自民族語表現(じぶんの言葉で考え書けるようになって)が始まって僅か3〜40年しかないクニでは,日本人が万葉仮名で自己表現するようになってからと比較すると、約1500年対40年の差です。
人の一生に変換すると150歳対4歳,75歳対2歳ですから,成熟した大人相手のマトモな外交をするには無理があるでしょう。
ただしこれまで書いているように士大夫層・一握りのエリートに関しては中国は2000年の歴史がありますから19世紀までの西欧のように(会議は踊る)職業外交官.政治家に委ねていれば無理がないのですが、民主主義理念が普遍化してくると庶民レベルが(幼児レベルかどうかが)重要になって来ます。
韓国ではすぐに民衆が激昂して大騒ぎになるのは、民度が政治を論じる程度に成熟していない結果によります。
言わば体力年齢は一人前だが成熟度が幼稚園児レベルの民衆に選挙権を与えたような社会で、何か気に入らないことがあると泣きわめいて収拾のつかない運動体になって暴れるような社会です。
幼稚園児に「昨年こう言う約束したでしょう」と言っても聞き入れる筈がありません・・これが日韓条約や1昨年の日韓合意を守れない実態ですし,トランプ氏も衆愚をバックにしている以上過去の政府間合意・・長年の歴史経緯など無視しようとしている点は同じです。
アメリカもピープルレベルではロシアと大差ありませんが,直截民主義と言いながら選挙人制度という目に見えない壁で衆愚の政治参加を事実上阻止して来たからボロが出なかったに過ぎません。
日本のように住民登録者に自動的投票権が配布されるのではなく,アメリカでは自主的に選挙民登録した人だけが投票権がある制度・・日本で5〜6割の投票率とすれば,アメリカのような制度の場合,ワザワザ選挙前に(仕事を休んで行ってみると身分証明する保険書の外に◯◯がいるとか言われて出直したりするのでは)登録しに行く人は激減するでしょう。
これをクリントン大統領当選時以来民主党が支持者獲得の戦略として選挙登録運動を押し進めた結果、庶民が大量選挙登録するようになった・・この10数年で地滑り的支持層の変化を起こしているのを注目する必要があります。
経営者的視点を基本とする共和党が、フードスタンプその他バラマキを基礎とする選挙民層の増加に付いて行けずジリ貧になっていた原因です。
民主党の戦略を逆手に取って中間層を含めたイライラ感に訴えた・・衆愚を利用したのが、共和党のトランプ氏と言う見方が出来ます。
日本のように全員参加政治になると政治は民度レベル自体に直結します。
韓国でもアメリカでも民衆レベルに従えば,過去の合意も理屈も関係ない・・旧社会党の土井党首並みに「兎も角イヤなものはイヤ」鳩山氏の「少なくとも県外へ」と言う過激な無茶苦茶な主張になります。
日本では単細胞的スローガンに賛同するのはホンノ数パーセントいるかいないかでしょうが、未成熟国ではこれが多数ですから大変です。
いまのトランプ氏の過激主張は・・言わば中国、ロシア、トルコ並みに(これまでこのコラムのあちこちでアメリカの民度レベルは中国と共通性があるから日本は気をつけるべきだと書いて来ましたが・その共通性が表面に出て来た・・感情の赴くまま腕力に任せて強引な政治をやると言う意思表示です。
論理も何もない・・幼児が床の上で仰向けになって泣き叫ぶだけならば,あまり酷ければ放置出来ますが腕力・力のある猛獣(地域大国)の場合放置出来ない・・餌をやるしかない状態・・強迫に従うしかないと言う満足感に浸る快感を求めていることになります。
猛獣と力のない人間が最終的にどちらが優位に立っているかは明らかですから,檻から出た猛獣が咆哮し人間を威嚇出来るのは実は一時のことです。
猛獣ほどの力のない幼児(小国)が泣きわめくだけでは放置される(スワップ協定交渉中断)とどうにもなりませんので,自国言語で文字表現手段を最近まで持たないで来た民族は形而上の複雑思考にはもすごいハンデイがありますので,文字どおり自分で言語表現出来る大人の保護を受けるしかないと言うべきでしょう。
国際動乱期に19世紀末の李氏朝鮮は,いまでの保護者であった清朝がぐらついて来たので,どこの保護を受けて良いのか迷った挙げ句日本,ロシア、清朝軍閥の間で右往左往していました。
李氏朝鮮の実力者大院君は「壬午軍乱」のときに清朝の李鴻章に拉致されて3年も抑留されているなど日露清の間で右往左往した歴史です。
この混迷状態・・とこれを取り巻く国際情勢下で,ロシアの南下を防ぐ欧米列強の都合で日本が面倒を見るように、国際暗黙合意で押し付けられた理由も朝鮮民族の文化度で見れば理解出来るところです。
朝鮮族のレベルから見ると日本にとって日韓併合はメリットがないどころか害があるので、(併合・・内国民・平等待遇は無理があるので友好国として徐々にレベルアップに協力する微温的方法)伊藤博文が併合に反対していました・・。
併合反対派の巨頭である伊藤博文暗殺→日韓併合の邪魔者を除いた功労者・犯人安重根を英雄視して讃える今の韓国政府・人民の態度は,日韓併合こそ自分たちが甘い汁を吸える源泉だったと自白していることになりませんか?
日本はこんな聞き分けのない「ガキ」みたいな民族をおしつけられて大損した関係です。
日本敗戦後朝鮮半島は保護者がいなくなる大ピンチだったのですが,期せずして朝鮮戦争勃発によって,北は中国,南はアメリカの保護下に入るチャンスに恵まれた状態で約70年も経過しました。
(無責任に)勘ぐれば,南北示し合わせて騒乱を起こせば、米ソが介入してくれると言う遠大な計画実行だったと言えないことはありません。
何ら理由もないのに、李承晩が軍をワザワザ南部に移動していて,38度線付近を空っぽにしていて,開戦直後にほとんど戦争らしい戦争なくほぼ全土を占領される異常さ,米軍が参加すると北朝鮮軍はまるで抵抗しないで,すぐに北の端まで追い上げられる・・その後中国義勇軍が参加するとまた押し戻した挙げ句にもとの38度線で膠着する・・何か出来レースっぽい動きです。
しかも巷の噂では,南北共に朝鮮人兵は逃げてしまってマトモニ戦わずに、米兵と中国兵同士だけが戦って甚大な被害を出していたと言われています。
北朝鮮の方ではソ連が早くに愛想を尽かし,体よく中国に押し付けて逃げてしまい,押し付けられた中国が縁を切り切れずに今でも困ってる状態です。
上記事情もあって米中とも朝鮮民族のためにもう一度自身が危険に合うような戦争する気持ちはありませんし、長距離砲,衛星その他兵器の飛躍的発達によって前線基地としての地政学的重要性・利用価値が薄れたので、ロシアの南下を防ぐ必要のあった1900年当時のような戦略的価値もなくなりました。
ロシア自体が,(プーチンが頑張っているにしても地域大国として振る舞えれば良い程度で)世界制覇の意図を持っていませんし,その実力もありません。
新たな野望を持つ中国にとっても朝鮮半島に米軍基地がない方が有り難いというだけで朝鮮半島そのものに基地を持ってもメリットよりデメリットの方が大きいでしょうから,このために米国とリスクのある戦争をするメリットはありません。
世界大国にとって重要でなくなってしまった・・そこで大国の気を引くために北では核開発による挑発に必死ですし,韓国では,反日運動過激化・・子供がダダをこねている印象です。
アフガンが古代〜中世までの中央アジア・世界通商路から外れてしまった焦り・・いつも強国を引きずり込むメリット・・観光客の代わりに軍でも何でもが来て欲しい?のと似ています。
沖縄はいまも通商路にはあるものの航続距離が長くなって沖縄で水などの補給不要になった結果、米軍もグアムで守れば足りる・基地縮小過程に入った焦りが昨今の激しい反対運動になっているとも言えます。
何しろ普天間基地が住宅密集地で危険だと言う激しい運動の結果、過疎地の辺野古+海上に移転すると決まると・・移転反対ですからわけが分らない・・最近では騒音苦情に対して,ヘリポートを基地内の奥の方への移設工事を始めると工事反対の座り込みですから・・・合理的に推論すれば,もめ事を大きくすることを目的にしているとしか見られません。
朝鮮民族対策に戻しますと,今後二度と(親代わりになって養いたくない)面倒見たくない・・「チャンスのある都度一歩ずつ引き下がって行くべきだ」と言うのが、現在日本の国論でしょうし、米中ロ共に今後南北で戦争が起きても関わらない・・「自分たちで好きなように戦争をして下さい」と言うのが本音・基本方針でしょう。
南は放っておかれると困るので世界中に慰安婦問題など拡散して騒ぎを大きくするのが目的のように見えますし、北も核開発その他何か世界の耳目を引き付けること自体を目的にしているように見えます。
南北共に,強国の関心を引きつけて介入を期待しているようにみえるのが現在の大きな構図です。
慰安婦合意を守らない韓国の態度に対して遂に「満を持して」いた政府が1月6日駐韓大使一事帰国命令やスワップ合意交渉中断などの4項目を発表しました。
ダダをこねている子供に対して「いい加減にしないとこれ以上相手にしないよ!」と言うのは,1つの選択肢と思いますが,どこまでダダに付き合うべきかの判断は冷静な判断によるべきですから,感情的対応で良いわけがありません・・。
ただし、教師や親が子供や生徒を叱る場合,これを常に感情対応と批判するのも間違いです・・冷静に将来を見据えてやっている場合に必要な判断ですし,カッとなって後先考えずに子供を叩いたりする場合は分りよいですが,暴力を伴わない場合,その区別は意外に難しいものです。
そこで何でも反対式のマスコミ風潮に圧されて最近では「事なかれ式」・・先生も教育上必要な叱責が出来ない問題が起きて来ます。
石破氏のように政府の4項目決定に対して,感情行為対応が良くないと言う意見は、従来型マスコミ意見の風潮に合わせて迎合的に発言した可能性があります。
ミノモンタ氏が熊本地震の際に何の根拠もなく自衛隊批判さえすれば良いかのようなtweetして批判を受けたのと同じ印象です。
さすがに政治家ですから,政府はよく考えてやっているとも表現しているので,形式上はどうにでも逃げられる形ですが,印象的には政府が感情的対応しているかのように強調したニュアンスになっています。
石破氏が深く考えた結果の発言だったかどうか今のところ・・この後の展開(国際的根回しを済ませていたかのなど)を見ないと分りませんが,今のところ印象的共通性を書いているだけです。
だだをこねる子供に対する突き放しの第一弾が、感情で行なわれた判断の結果だったのかはこの後の展開で決まるでしょう。

ピープル2と文字文化普及1

韓国で学歴志向が強いのは,「長かったヤンパン支配に対する憧れ」と一般に言われていますが,先進文化・・中国の知識を得られるのは,エリートだけ・・特権維持のために漢字文化独占にこだわって来たことに原因があり,中世を通じてラテン語にこだわった西欧文化人と意識では共通です。
欧米旧植民地でも,飽くまで英仏語等支配者言語文献を読み書き出来る人だけがエリート・・自国文字に翻訳せず民族に先進文化を移植する努力しなかった植民地の王族(傀儡支配層)も同じです。
シンガポール・香港を始め多くの旧植民地では今でも全て自国文字を持たないままで,意思疎通出来るように庶民まで英語を使えるように拡大・・外来文字・言語文化の大衆化を実現しただけです。
数十年前にシンガポール人が日本人の殆どが英語を話せないのを知って,日本人の多くは文盲・・自分達よりもレベルが低い民族だと誤解しているような記事が出回ったことがあります。
初めてビフテキを食べた庶民が,淡白な食事をしている上流階級を馬鹿にしているようなものです。
「子鹿のバンビ」の物語で,一時期人間に捕われていて群れに戻った若い鹿が,人間社会を自慢してバンビのお父さんから[可哀相なヤツメ!」と言われる場面があります。
ローマ社会が王族・周辺人を取り込むために,周辺未開人の主立ったものにラテン語やキリスト文化を身につけさせて、ローマ名誉「市民」の称号を与えて取り込んで行った過程で生まれた概念に過ぎません。
日本も古代には「漢の倭の奴の国王」とか卑弥呼の時代までは冊封を受けて特権(漢語では現地異民族で特権を受けた人が「王」(出先市場支配人の意味)この一定の取り巻きが地中海で言う市民)扱いを享受していました。
日本列島の民族独自性が強まった結果、自らを「天子」と称し,冊封を受けなくなったのは周知のとおりです。
聖徳太子が頭でっかちにイキナリ無茶を言ったのではなく,日本列島は,古来から充分な社会変化してから改革して行く社会ですので遣隋使以前の百年以上も前からじわじわと独自性が出来上がっていたからこそ,聖徳太子がそのように表現したと言うべきです。
要するにこのころには独自民族意識が確立していたと言えます・・この確立があってこそ,白村江の敗戦と同時に列島防衛意識が列島全体で自発的に生まれたのでしょう。
歴史上白村江敗戦→列島一体感形成と思われていますが,実はその逆です。
その前から独自民族意識が出来上がっていたからこそ、元々さしたる武力を持たない(だからこそ,やおよろず体制で))弱体な大和朝廷が大した抵抗もなく遠くの東国人を九州の防人に動員出来た背景でしょう。
民族意識が成熟していたからこそ(中世の蒙古撃退も幕末の植民地化阻止)出来たと言うべきです。
日本以外の西洋あるいは中国では,同化度合いに応じて特別扱いする・・社会構成員仲間として[市民」と」[ピープル」の二種類が出来上がったと見るべきです。
我国では聖徳太子・遣隋使の頃から,異民族支配下の経験・序列意識がありませんので,市民と言えば単に行政区画としての「◯◯市に住む人」と言う程度の意味しかありませんし,国民と人民の区別もピンと来ない所以です。
異民族支配の道具として名誉市民・・今でも外国の優秀な人材を取り込む道具としてレジオンドヌール勲章やガーター勲章・・ナイトの称号・名誉貴族・名誉学位などの称号を与えて西洋では取り込むのに利用している大もとです。
韓国はシンガポールが英語を庶民に広げたように戦後外来の漢字を庶民に広げる方向を採用するには,(英語に比べて漢字は難易度が高く)無理があるので語順に無理のない日本の漢字仮名交じり文の利用が合理的だったのですが,文化独立性を優先するために,逆に全面廃止・・民族文字・ハングル一本にしました。
これはこれで(民族独立の意気込みからしてある程度の無茶・元気も必要です)見識のある態度です。
中国も外来文化輸入社会として韓国の先輩と言うだけ・・李氏朝鮮のヤンパンと庶民の関係同様に、士大夫層のエリ−トと庶民とでは文化が隔絶して数千年経て来ました。
何回も書いて来ましたが、四書五経・漢詩・詞文などの高尚な文化を継承して来た士大夫層等はホンの一握り(十何億人中数百人〜数千人以下?)であって,庶民とはまるで文化の違う異民族のような関係だったのです。
民度差が国力差になって来た現在社会において,中国でも遅ればせながら,庶民も人的資源として活用する必要に迫られて来ました。
庶民のレベルアップ・戦後文字文化を庶民に広げるには漢文表記は難し過ぎて無理があるものの、(中共政権は中華の栄光が拠り所ですから)香港のように英語文化圏に入るのは沽券に関わるのでそれは出来ません。
そこで、漢字を簡体字化・・結局は日本の仮名文字の数段階手前の文字化して大衆化・・一般国民が読み書き出来るように努力するようになりました。
韓国のハングル普及と同じ動きですし、時期もほぼ同じです。
ウイキペデアの記事です
「簡体字(かんたいじ、中国語: 简体字、拼音: jiǎntǐzì)または規範字(きはんじ、规范字、拼音: guīfànzì)は、1950年代に中華人民共和国で制定された、従来の漢字を簡略化した字体体系である」
ところで、・・自民族が修得出来ない自国発祥文字とは何か?と言う基本的疑問に発展します。
民族自らの自己表現道具として生まれて来た言語表記であるならば,[てにをは」の助詞がないと不便ですが,我が国に一般に伝わっている中国の漢文表記は私の子供の頃に良くあった電報のようで,「てにをは」がありません・・。
元々象形〜表意文字の発展は原始形態であって,(絵文字を並べて意思疎通しようとする場合を考えれば分るように)表音文字で補足する方法がないと意思をきめこまかく表現する文字として完成しないと言うべきでしょう。
外国へ行って単語だけ並べて何とか物を買ったりタクシーに乗っているような生活は半端な状態です。
何となく犬猫が「ワン」と言ったり少ない表現で最低の意思疎通しているのに似ています。
以上は,私がフランス・イギリスにへ行ったときに「犬になったみたい!」とおかしく思った経験によります。
これを国民が日常的に行なっているしかないとしたら,知能の発達に大きな影響があります。
ただし犬猫と違い人間にはいろんな発音があるので,文字化出来ない不便だけですが・・・。
文字化しないと形而上的観念の反芻・思考訓練には不便・・知能の発達に甚大なマイナス影響を与えます。
ただし,この辺もいつも書くように素人の意見ですので,(漢字は専門的には前後の文字によって意味が変わるので表意文字ではないと言う分類らしいですし)そのつもりでお読み下さい。

シチズン(文化人)とピープル(無知蒙昧?)1

市民・・都市国家の始まりは,フェニキア人等が地中海沿岸に進出して市場を開いた場合に,現地未開人の夜襲等を防ぐために先ずは柵で囲んで城門を夜間閉じるのが先決だった歴史を物語るもので,都市国家とは異民族地域に進出した場合の現地駐在拠点に始まることを書いて来ました。
このやり方は(私の仮説によれば・・)メソポタミア文明の到達点であった中国古代も同じで,川沿いに荷物・交易品を運び現地有力者と交易場所を決めて交易する・・日帰りは不能なので,現地駐在時に夜襲を防ぐため、日没とともに城門を閉じて夜明けとともに城門を開けて(鶏鳴狗盗の故事のとおり)鑑札のある地元業者だけ出入を認める・・これが普通のやり方でした。
集落の交易点は水運を利用して始まるのが普通ですが,中国の場合水源近くの最上流から始まった不自然さは,中央アジアを通じて山を越えて来た異民族が最初に居着いた場所(山越え後平野部に出たばかりの扇状地)とすれば理解可能です。
中国の場合海岸沿いに都市文化が広がらずに,黄河上流から下流にかけて順次下りながら発展した原因です。
すなわち都市国家形態の社会は先進異民族が遅れた地域へ進出して来た名残と見るべきでしょうし,市民(元は駐在員・長崎出島の居留民のようなもの)と城壁外の民族とは別部族と見るべきです。
ただし地中海世界とは違い西洋大平原の農業・牧畜地帯では都市住民と周辺住民とでは,16年12月29日に書いたように同一民族なのでローマ文化受容者とその他の違いでしかありません。
そこで違いを強調するには,「優れた外来文化(キリスト教)を持って来た人と・これを吸収した者のみ」がローマ市民資格と言えます。
キリスト教は西洋の原住民にとって自分たちで生み出した宗教ではない・隔絶した文化レベル差があったコトからキリスト文化を身につけた教養人だけが名誉?「市民」であり、その他はピープルと言う差別意識が生まれたのでしょう。
インデアンのうちで白人文化を身につけたものだけが、人間・市民扱いされる教育をして来たアメリカのインデアン同化政策はこれに似ています。
欧米植民地支配政策もこの延長で,地元酋長・有力者を留学させて欧米文化を理解させる・・名誉白人扱いで上流社会に出入りさせて,特権意識をくすぐり満足させていました。
自国に帰ると貧しい低レベル環境・文化に嫌気をさして文化施設その他インフラの整ったロンドンやパリ・・気の利いた詩文を口ずさめば受ける高度な社会に早く帰りたいと思うように仕向けて来たのです。
日本古代に国司等になって地方赴任すると早く都に帰りたいと願うのと同じ心境です。
ここで、元々の関心である欧米のシチズンとpeopleとの対置に戻ります。
フランス革命で支配権を奪取したのは城壁に守られた市内に住む「市民Citizenの政治参加の権利」であって庶民peopleは対象になっていません。
16年12月17日紹介した記事最後にあるように、フランス革命ではブルジョアのための革命である本質を逸早く表明しています。
ブルジョアとは何か?一般に教養と財産のある「市民」と翻訳されている階層ですが、ここで言う教養は・・天動説を含むキリスト教の教えが中世の支配概念です。
これを体系化するために努力していたのがキリスト教神学者であり,西洋の学問は神学が全ての始まりです。
神学は天動説と言う迷妄な理論ばかりが有名ですが,実は芸術表現も神学によるテーマしかなく,我が国のように花鳥風月や個々人の心情描写が始まりではありません。
漸く宗教から解放された後・・近代でも王様の肖像画中心ですし・・ミレーの晩鐘のように風景が絵画に入って来てもなお教会の鐘の音を背景にする程度です。
ウインザー城を見学して驚いたのですが、天井その他あちこちに書いている絵画は、キューピッドその他神話に出て来るらしい人物画ばかりです。
一緒に行った子供が,人間ばかりで夢に出て来そうだと怖がっていました。
フランス凱旋門の屋上にある塑像?も似たようなものです。
ルネッサンス芸術と言っても,(全部を知らないので遠慮して書くとほぼ全部?)キリスト教神話に基づくものばかりです。
日本の例・・万葉集の歌です。
「山部宿禰赤人が不盡山を望てよめる歌一首、また短歌
  天地(あめつち)の 分かれし時ゆ 神さびて 高く貴き
  駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振り放(さ)け見れば
  渡る日の 影も隠(かく)ろひ 照る月の 光も見えず
  白雲も い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける
  語り継ぎ 言ひ継ぎゆかむ 不盡の高嶺は(317)
反歌
  田子の浦ゆ打ち出て見れば真白にぞ不盡の高嶺に雪は降りける」
赤人は(生年不詳 – 天平8年(736年)ですし、万葉集には自然描写が一杯あります。
数百年下がると日本人らしいきめ細かな感性も歌われています。
「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかねぬる」
上記は藤原敏行(生年不詳〜906〜7年頃死亡)ですが、西洋は近代に入っても肖像画に毛の生えた程度の絵画表現だったのですから,西洋文化の浅さが分ります。
自然現象その他全てが,キリスト教と言う迷妄な宗教・・神学と言う名の学問もどき?に縛られていたのです。
以下は冗談ですが、日本に来た西洋人がちょっとした地震に大騒ぎするのは,未だに地動説を心の底から信じていないからではないでしょうか?
日本では天地(あめつち)が動くことは,万葉の昔から誰でも知っていることです。
古今集仮名序(現代語訳)
「仮名序によれば、醍醐天皇の勅命により『万葉集』に撰ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの時代までの和歌を撰んで編纂し、延喜5年(905年)4月18日に奏上された」
「やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふ事を、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり 花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、いづれか歌をよまざりける 力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女のなかをもやはらげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり」
上記に対する江戸時代の狂歌
「歌よみは下手こそよけれ天地の 動き出してたまるものかは(宿屋飯盛)」
ここで西洋庶民(ピープル)の文盲・・無知蒙昧時代が長かった原因・・元々の関心である欧米のpeopleとの対置に戻ります。
フランス革命で支配権を奪取したのは城壁に守られた市内に住む「市民Citizenの政治参加の権利」であって庶民peopleは対象になっていません。
16年12月17日紹介した記事最後にあるように、フランス革命ではブルジョアのための革命である本質を逸早く表明しています。
ブルジョアとは何か?一般に教養と財産のある「市民」と翻訳されている階層ですが、当時のキリスト教に対する批判的文化人であれ,キリスト神学教養が基礎になります・・例えばニーチエFriedrich Nietzsche(1844-1900)の「神は死んだ」と言う哲学はキリスト教神学の理解なしには書けないでしょう)がフランス革命で対象としていた教養人です。
トランプ氏以前のアメリカでは,「民主主義価値観共有」が文化人の資格です。

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