経営者にとってはいざという時のための必要資金と思っていても、プロから見たら心配しすぎ・もっと少なくて良いという場合もあるでしょうが、(金融機関との間でいざという時には、例えば即時に500億円まで融資を受けられる融資枠契約をしておけば保証料だけ支払えばすみます・・こういう工夫の余地)こういうことはアナリスト等の個別分析が有効な分野であって、一般論で煽ることではありません。
個別企業分析能力のない一般エコノミストがアナリスト意見・市場の声(株価反映)を踏まえないで単に最高益に対するやっかみ的連載を繰り返すのは困りものです。
産業界は最高益更新に湧いているが庶民には関係がないという型通りのやっかみ報道に見えます。
長期好景気と言っても庶民には「実感がない」という根拠なき断定報道も同根です。
仮に一般論であるならば、日本の企業全体の総売り上げの推移と手元資金との比率変化を論じるべきですが、全体の売り上げがどうなっているかの比較記事を見たことがありません。
産業規模が大きくなれば絶対額が増えるのは当たり前ですから絶対額だけを煽っても意味がありません。
1昨日(土曜日)はせっかくの好天に誘われて佐倉の川村美術館に出かけてお気に入りのな庭園を見ながらゆっくり食事をして帰ってきたので、夜帰ってから新聞をちらっと見て驚き、今日もこの追加意見に追われていますがまだ昨日からまともに新聞を読んでいませんので読み間違いがあるかもしれません。
テレビ局のサンゴ礁に関するヤラセが大問題になりましたが、テレビ局がサンゴ礁についてどういう意見を発表しようと勝手としても(中立性違反の問題は別として)が、前提事実にやらせ・虚偽または誤りがあるのではまともな意見とは言えないでしょう。
私のように趣味で書いている個人のブログでも前提事実の記憶についてはうろ覚えなので大方自信がないと毎回のように断りながら書いていましたが、最近簡単にネット検索できるようになったので前提事実についてはできるだけ(その分煩雑になっていますが・・)引用する(・引用文を信用するかは引用先次第・読者におまかせする)ようにしています。
紙媒体の新聞の場合、そのままコピーできないので、文字をそのまま打ち直していますが・今回あまりにも数字が違いすぎるので引用ミスをしたかな?と心配してまだ捨てていない21日の新聞を読み返してみましたが、「日本企業が持っている現預金は200兆円あまりになっている。」とはっきり書かれていました。
日経新聞では「手元資金と現預金の意味を交換して表現すべし」という内規があるとした場合、記事中に「当社では、『現預金とは一般にいう手元資金』のことであり、『手元資金とは現預金』のことです」という説明が必要ではないでしょうか?
新聞・マスメデイアは社会の公器かフェイクニュース元か?
日本では朝日新聞の慰安婦報道以来・・・トランプ大統領のフェイクニュースの批判+ロシアによるメデイア操作疑惑もあって、大手メデイアの信用力はガタ落ちですが、このような唯我独尊的熟語悪用がまかり通ると、トランプ氏の意見の肩を持つ人が増えてくるでしょう。
ところで、25日朝刊では、「直近で」と一応根拠らしいものを示していますが、「直近」というだけで何のデータによるのか?かつ何月何日付けデータを根拠にしているのか不明です。
11月21〜22日に私が、たとえば手元資金必要額は原則として・売り上げ規模規模拡大や新規投資など資金を必要とする個別事情チェックした上での批判でないと合理的でないと書きました。
好業績が続くと増産投資を計画をするのが普通ですが、設備投資資金の蓄積や、納税資金や配当資金需要などの例外を見る必要がありますが、これも結局は月商規模に関連します。
こうした(私の意見など問題にしていないでしょうが、他に批判があったのでしょう?)批判に対応するためにか?26日に紹介した通り総資産が4割しか増えていないのに手元資金が8割増えているのが如何にも良くないかのような書き方になっています。
いかにも反論のように見えて実は比較対象が違う(・手元資金の必要額は資産と比較する意味がない)ので何の反論にもなっていません。
日々・毎月の決済資金の必要性は、資産規模に比例するのではなく売り上げ規模等を大きな要素にして(好業績が続くと増産投資を計画する企業が多い→2〜3期分の税引き配当後利益を蓄積して不足を社債等の発行で賄うなど)出入り資金必要性に比例すると書いてきたのであって、資産規模には直接の比例関係がありません。
百億円の不動産等の資産を有する人と10億円しか資産のない人が同じく月商1000万の飲食店を経営している場合、(新規出店資金需要や食中毒事故による特別損失出費等の予定がない場合)必要な手元資金は資産の多寡に比例せずに売り上げ規模に比例する(10億の資産しかない人も必要な手元資金は同じ)ことは明らかでしょう。
この数十年のトレンドは持たざる経営・できるだけリースその他資産規模圧縮・身軽経営・外注・アウトソーシング経営が合理的とされてきたので、企業は売り上げ規模拡大に比例して資産を増やさなくなってます。
売上でさえ規模拡大やシェア拡大を目指さずに、利益率を重視するようになっています。
個人も車など保有よりは必要に応じてレンタルやシェアーするなどのトレンドになっている現状を無視する変な比較をしていることになります。
25日掲載記事は好業績に関わらず投資しないで内部留保が溜まっている・これを投資に振り向けるべく・・内部留保課税を直接言わないものの相応の政治圧力が必要というイメージ論旨が満載です。
最高益なのに(内部留保していて)投資がその割合に少ないというイメージ論旨ですので、日本企業の最高益の実態がどのくらいになっているかについて日経新聞24日朝刊第一面掲載の「最高益の実相」を見てみると、以下の通りです。
「18年3月期の純利益は2期連続で過去最高の見通し」「7%の壁ー上場企業の売り上げ高経常利益率は、今期バブル崩壊後初めて7%の壁を突破する」「企業が稼ぐ力を高めた要因は3つある。
1つは金融危機後事業の選択と集中を加速したことだ。」
「ソニーは、・・競争の激しい分野一方で量を追わない・得意分野に集中する戦略に転換したのが奏功する」
経常益更新・最高益の原因として日本業が無駄な資産を削ぎ落とした筋肉質経営に努力した結果、そこへ好景気と重なり好循環になってようやく平均利益率7%超えも視野にはいってきたという趣旨ですし、これが日本全体の常識的理解でしょう。
バブル期以来の好業績といっても7%を超える程度ですが、ここでの関心は投資が7%の高収益と比例しているかの比較でしょう。
さらに企業投資は国際化しているので、国内投資が国際連結利益アップと関連するわけではありませんから、企業の内部留保(最近では手元資金)がが多すぎるもっと投資しろと騒いでも国内に投資する保証はありません。
アメリカで車の販売が伸びればアメリカ等での増産投資が増えるのが普通ですし、中国やベトナムタイ等でコンビニが儲ければ現地出店が加速するのであって、国内出店投資が増える関係ではありません。
国際連結の利益率と国内投資額を比較するのは非合理であることは、子供でもわかる論理です。