大陸は他地域からの異種の漂着可能性が滅多にないばかりか・・種子が風で飛んで来る程度では距離が知れていますので,中央アジアのように千k単位で同一気候の場合・・、50kmや100kの風による移動ではどうにもなりません。
気候が苛烈→単調である分、そこに生育出来る植物種が限定されるので、それを食べる昆虫動物も種類が限定されて自然界も単調ですし、これを反映して多様な動植物が存在出来ません。
ひいては人間も多様性に対する許容性がなく、異民族との混在を許容出来ないので、陣取り合戦に負ければ丸ごとその土地を逃げ出すしかありません。
(残っていると皆殺しに遭い・・あるいは奴隷にされてしまいます)
中国古代からの匈奴〜大月支国が中央アジアでの数千kに及ぶ民族大移動の歴史を見れば,明らかです。)
そして一旦逃げ出せば、そこには元いた民族が跡形もなくなってしまう苛烈さです)
自然の単調・苛烈さが、1神教が成立している土台です。
西洋ではイギリス等の片隅で漸くケルト族等の少数民族の末裔らしきものが生き残っているのは、(日本と比較すればブリテン等の自然の単調さが明らかですが、)それでも大陸に比べて島国の特性・・少しは多様性があると言えるからかも知れません。
ケルト人という曖昧な言い方ではなく今でもはっきり区別されているオランダフリース語を話す人の場合,低湿地の意味であるネーデルラントの中でも更に低地である北海海岸沿いに分布しています。
山岳の少ないヨーロッパでは、ベニス等湿地帯や辺境にしか少数民族が生き残れなかったことが分ります。
※ケルトの概念自体曖昧模糊としていることは周知のとおりで、今でもウエールズやアイルランド島中心に残ると言われているのは、ケルト語圏としての意味になるでしょう・・そのうえケルト語と言う定義自体も流動的です。
ケルト定義は別としても、生物・民族の多様さが外面上1神教のキリスト教支配をうけるようになっても、その浸透を根っこの部分で阻み、多様な妖精がいつまでも生き残った基礎と言うべきではないでしょうか?
ベルサイユ宮殿等の大陸の単調な庭園に比べて,イギリスで多様な草花を愛するイングリッシュガーデンがあるのも、このような自然環境差によるのではないでしょうか?
(多様性→1神教であるキリスト教の統制力が弱かったことが、イギリス国教会の成立に繋がり、絶対君主の力が弱かったことが早くから君権制限のマグナカルタが成立し,大統領制ではなく議院内閣制を創設して現在も維持出来ている根源です。)
イギリスに限らずベニスのように海上に逃れたり、あるいはネーデルラントのように湿地帯に逃れたりしているところで、少数民族がまとまって生き残っていることが分ります。
丸ごと民族移動をしたことのない日本や東南アジア諸国では、子々孫々にまたがる長期的信頼関係重視になりますが、民族マルごと・根こそぎ流動する大陸の民族ではいつ逃げだしても良いように目先・・短期間のゲインに目がくらむ体質になります。
会社経営も同じで、短期の儲けに目がくらむ体質は中国もアメリカも似ています。
相手を騙したりする戦略的行動をモテハヤスのに対して、日本の場合人智の及ばない数百年単位で見ることから、短期間だけ誤摩化せば良いと言う「見え透いた」戦略よりは、誠実信義が行動原理になります。
三井高利の家訓「浮き利を追わず」が重視される民族性です。
マスコミでは我が国の新規開業率の低さを問題にしている議論が多いですが(何でも欧米基準を・・横書き文字を縦にする学者同様)逆に古代から続いている金剛組など長期存続企業の多さも世界一です。
中国の場合極端だから分りよいですが,儲かるとなれば、何でも直ぐに飛びついて2〜3年でその8〜9割は倒産して消えていく社会・・・活力があると言えばありますが・・我が国では基礎的考え方が違います。
アメリカの場合も儲けられるとき巨万の高額報酬を得て、数年後に企業が倒産してもそれはそれとして前経営者の知ったことではないと言う方法です。
個々人の生き方としても、億単位で稼いでいたプロ野球選手の多くは隠退何年後には破産していると言われます。