辛淑玉氏は実質亡命したのか?2

ムード攻勢に対してよく考えないで印象だけで、感情的に「こんな主張は許せない」と反発すると、批判を受けた方は、「どこにそんな主張しているか」「過激表現は許さない」と名誉毀損で訴えます。
思わせぶり、印象操作中心の報道姿勢が、言論市場の独占体制下で長年続いてきたように思えます。
このやり方ですと、イメージ操作だけなので事実無根の主張をしても(事実報道をしていない以上は)負けてしまいます。
メデイア界を牛耳る思想勢力が一方的イメージ垂れ流し放題となり、メデイア界に足場のない思想論は、反対イメージ報道するチャンスがないので、国民に対する一方的洗脳可能になります。
これが彼らのいう「思想の自由市場論」の実態です。
NHKの台湾族報道では、この手法でNHKが勝訴したのではないでしょうか?
これがいわゆる「第4の権力」と言われる政治操作能力をマスメデイアが獲得できた基礎構造です。
素人の方は、このイメージ報道にそのまま反応してまともに信じてしまう(ことが印象操作の目的ですから、信じ込ませるのに成功するからこそやっている)ので、国民の中で、「こんな主張は許せない」と思う人やグループがネット社会になって反論を始めると、どこにそんなことが書いてあるのだと「事実無根」を理由にイキナリ名誉毀損で訴えられることになります。
マスメデイアの印象操作に異議を唱えるネット発信者は、このような思わせぶり報道と事実報道の違いに慣れていなかったので連戦連敗のようですし、メデイアの真似をした攻撃手法が未発達のためにこれまた、京都朝鮮人学校事件では相手が違法行為をしていることに自信を持った結果、感情に任せて怒鳴りまくったので、これまた手痛い敗北を喫しました。
この4〜5年の名誉毀損訴訟の逆襲に懲りた経験で、マスメデイアに対抗するネット利用論者も相応の戦闘(口撃)技術・ソフトが身についたでしょう。
文化国家においては、粗暴な表現は不利・言葉を選ぶ必要性を理解したはずです。
高級レストラン等で威張り返っているよりは、ソフトな物腰の方が大事にされます。
このような経験を積んだ結果、今後粗雑・過激なヘイト表現が減っていくと思われます。
それにしても毎日のMX事件記事を読んで不思議に思ったことですが、国民にとって最も関心のある争点は、県民が主力なのか、県外の応援団が主力なのかにある・・沖縄基地反対闘争は県民なのかどうかです。
誰がどういう役割を果たしているかの関心は2の次でしょう。
MX報道に噛み付いたのは、外国人や辛氏が、基地闘争に関わっていることが、大々的に報道された点にあるとすれば、基地闘争に関わるのが「不名誉なこと」とする前提主張になりそうな違和感です。
福島瑞穂氏なども反基地闘争現場に応援で行ったような写真が出ていた記憶ですが、いざとなれば、「応援したことがない」「一緒に写真に写っていることと応援とは違うでしょう」となるのでしょう?
基地反対運動家にとっては「正義の戦いで名誉なことをしている」つもりだったのではないのでしょうか?
それとも辛氏の主張は反基地闘争の黒幕あるいはスポンサーであることを認めるが、違法行為に関わっていないというだけの争いでしょうか・・。
あるいは、反基地闘争にかかわって応援してきたのは認める、スポンサーではないということでしょうか?
そういう切り分けって訴訟等では通用するとしても、国民理解をえられるのでしょうか?
ある団体のスポンサーや応援していた人が、その団体構成員の組織的違法行為が発覚した時に批判されて、自分が知らなかったのに自分がやったように批判されたといって、名誉毀損訴訟をするでしょうか?
MX事件・ニュース女子の放映を見ていないので憶測にすぎませんが、うろ覚えでは当時の国民の関心は、沖縄反基地運動は沖縄県民の自主性によるのか、部外者が煽っているのかそれは誰か?という関心であったように思われます。
具体的役割の細かな違いやスポンサーが誰かなどの細かいことには国民の関心はなかったでしょう。
その話題の一環として、県外の人や外国人が長期滞在して運動するには、相応の資金が必要なので、組織的背景やスポンサーや応援者が誰かに関心が行ったのでしょうか。
そこのテーマからズレる余計なこと・個人名まで言ったために、名誉毀損という問題になった印象を受けます。
噂的話題では「沖縄に外国人が入って運動している」と報道したらヘイト問題になったかのような不満がで出ていたのですが、今回たまたま、辛淑玉氏のドイツへ移住に絡んで彼女の応援者らしい人の記事でドイツ移住を「実質亡命」と言い、実質亡命せざるを得なかった原因の一つとして書かれていたので、「実質亡命」に踏み切るほどの恐怖・何が言われたのかを知るために検索している内に1年前のMX・ニュース女子で報道した中の何が問題になっていたのかが少しづつ分かってきました。
京都朝鮮人学校事件ではメデイア界と法曹界一丸となった違法行為の断罪ばかりですが、・・上記事件では粗暴過ぎた点には弁護の余地がないと言えますが・この大規模ニュースのおかげで朝鮮人組織の長期間に及ぶ違法行為が白日のもとに晒されたマイナスの大きさを見れば、政治的には朝鮮人組織の負けでしょう。
法曹界は目先の事件で勝てばいいので、こういう大きな目でみる観点が乏しいようです。
今の所、まだMX事件の内容不明で書いているので、上記・ここでは巨額消費者被害発生事件で、著名政治家が名を連ねている場合など一般的な場合を想定して書いているにすぎません。
BPOがどういう事実を認定して何が名誉毀損なのか昨日紹介した毎日ニュースでは、毎日の編集が正確か否か不明のために、BPOに入って検索してみると以下の通り決定文と概要が公開されていました。
申立人とは辛淑玉氏のことです。

2017年度 第67号

決定概要
「申立人は、「高江でヘリパッドの建設に反対する住民を『テロリスト』『犯罪者』とし、申立人がテロ行為、犯罪行為の『黒幕』であるとの誤った情報を視聴者に故意に摘示した。『テロリスト』『犯罪者』といわれた人間は、当然のごとく社会から排除されるべき標的とされる。本放送によって〈排除する敵〉とされた申立人は平穏な社会生活を奪われたのである」などとしたうえ、そのように描かれた基地反対運動の「黒幕」であり「日当5万円」を支給しているものとされた「申立人の名誉の侵害について主に」問題とするなどと訴え、委員会に申立書を提出した。」
「TOKYO MXは、・・申立人が「のりこえねっと」を主宰する者で、現在は沖縄の基地問題にも取り組んでいるという事実を摘示するものに過ぎず、これらの事実摘示が、直ちに申立人の社会的評価を低下させるものではなく、また、申立人が基地反対運動の「黒幕である」とか、基地反対運動参加者に「日当」を出しているとの内容ではないし、仮にそのような内容であり、それが社会的評価を低下させるとしても、公共性のあるテーマについて公益目的で行われた放送で、その内容は真実であるから名誉毀損にはあたらない、などと反論した。」
委員会決定の概要は、以下のとおりである。
「申立人が日当を基地反対運動参加者に支給していると受け取る余地がある出演者の発言やテロップ、ナレーションが重ねて流される。これらの放送内容を総合して見ると、本件放送は「申立人は過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動を職業的にやってきた人物でその『黒幕』である」、「申立人は過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動の参加者に5万円の日当を出している」との事実を摘示しているものと認められ、それらは申立人の社会的評価を低下させるものと言える。この放送に公共性、公益性は認められるが、TOKYO MXによって、上記各事実の真実性は立証されておらず、申立人に対する名誉毀損の人権侵害が成立する。」

以上委員会の事実認定によると申立人が基地運動に関与していることが問題ではなく、しかも直接発言がないが、総合判断して辛氏が違法行為者らに日当を出している黒幕と表現したかどうかが争点であったようです。

辛淑玉氏は実質亡命したのか?1

辛淑玉氏がドイツへ移住した理由について、同氏の主張を敷衍している記事がネット検索で出ましたので、これを引用しておきます。
同記事は、辛淑玉氏の新聞投稿記事の一部を引用していますので、そのまた一部の再引用となります。
辛淑玉氏の主張を書いたらしい新聞記事写真が出ているほかに、記事そのままの引用らしい文章の行があったのでそれに△をつけました、それ以外の引用文はこの著者の要約または意見かもしれません。
https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/e/8ce05aaea1801739c5d86184731f02da

辛淑玉さんの「亡命」の危機は絶対に傍観できない

2018年03月05日 | 民主主義・人権
自己紹介
K・サトル:1953年広島県生まれ  以下省略
△ 「この間のMXの対応はひどいものでした。彼らは、一度として私に謝罪をすることも、ありませんでした。放送事業者としての責任を全く理解していないからです。」
これは番組を制作したDHCグループの問題ではありません。日本で進行している在日に対する迫害は現在、言論やメディアによる段階から、特定のターゲットに対する物理的なテロの段階へと移りつつあります。2月23日には、朝鮮総連に対する極右の銃撃事件が発生しました。
私がドイツに逃れたのは、極右テロからの自衛であり、事実上の「亡命」です。旧大日本帝国は父祖の地を奪い、MXは私のふるさとを奪いました。帰れるところは無いのです。
△ 「虚偽報道でその原因を作ったMXは1年以上もたって、DHCに逃げられ、番組中止を発表する。どれほどズレているのか、と言わざるを得ません。」
極右テロは、メディアがまずターゲットを指さし、極右のならず者が引き金を引く形で連携的に起こるのです。組織的でなくても、観念の連携があればテロは起こります。IS(イスラミックステート)の宣伝サイトをみて共鳴した人物がテロを起こすのと同じです。
△ 「だから、たとえBPOがこの番組をフェイクで、辛淑玉に対する人権侵害だと指摘してくれても、極右のならず者たちがテロを思いとどまるという保障はない。まして、このフェイク映像は、この時点でもまだネットに垂れ流されている。きわめて危険な状態なのだと思います。」

辛さんの恐怖・怒りはいかばかりでしょう。
辛さんの指摘の通り、フェイク情報とテロの関係はけっしてひとごとではありません。「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから…社会民主主義者…労働組合員…そして、彼らが私を攻撃したとき、声を上げる者は誰も残っていなかった」というニーメラー牧師(ドイツ)の言葉を思い出します。
最後の文章は˚Kサトル氏の意見ですが、結局はナチスに結びつけるパターンです。
実質的亡命の意味は、亡命申請してもは認められないが、実際には命からがら逃げ出したと言うことでしょうか?
「極右テロは、メディアがまずターゲットを指さし極右のならず者たちがテロを思いとどまるという保障はない」

というのですが、テロのターゲットをメデイアが予告した事実があるのか?テロリストによるテロの予告またはその動きがあるのでしょうか?
罵詈雑言でさえ文明社会で許せるかの議論をしているのに、本当に暴力にまで発展する動きがあり得るとすれば由々しき事態 になります。
亡命しなければならないほどの危険があったのか?上記文章では「何があって怖いと思った」かを書いていないのですが、上記引用記事では、これが原因だというような印象を与えるためにかMX事件と朝鮮総連本部銃撃事件が出てきます。
上記記載のMX事件(これだけではどんな事件か不明)を検索してみました。
この事件でテロ行為を誘発するような発言があったのかもしれません。
検索してみたら毎日新聞の報道が見つかりましたが、これによると要旨以下の事件らしいです。
https://mainichi.jp/articles/20180308/k00/00e/040/322000c

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会(委員長・坂井真弁護士)は8日・・・・共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)さん(59)の名誉を毀損(きそん)する人権侵害が成立すると認め、MXに再発防止の努力を一層重ねるよう勧告した。
・・・
審理対象となったのは、昨年1月2、9日の放送分。沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動に参加する住民らを「テロリストみたい」などと現地からのリポート部分で表現。スタジオのトーク部分で運動に資金提供をする「黒幕」の話題に触れた際、辛さんの名を出していた。人権委はリポートとトークの各部分を一体として判断。出演者の発言やナレーション、テロップを重ねることで、辛さんが「過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動を職業的にやってきた人物でその『黒幕』」などと伝える内容になっていたと認定した。
坂井委員長は、異なる立場を批判する自由は保障されるべきだとした上で「批判する根拠が真実かどうかや、適切な取材がされたかどうかを確認しないまま、放送することまでが許されるものではない」と述べ、名誉毀損が成立するとした。

上記によれば、生命身体に対する害悪を直接誘発するような発言は一切問題になっていないようですし、しかも彼女が「黒幕ではない」ことが分かったということでしょう。
この事実無根のニュースがあったことで、テロ標的にすべき発言をしたとは書いていませんし、名誉侵害を受けると何故テロ被害を恐れて亡命しなければならないのか脈絡不明です。
ただ彼らの黒幕であるが、違法行為の黒幕かどうか不明というのであれば、かっちりした論理区分けは別として批判がかえって強まるかもしれません。
ただ、私の個人的常識からいえば、政治運動家や評論家がスポンサーを求めたり講演料収入をほしいことがあっても、自分が逆にスポンサーになったりお金を出す方に回るのは稀有のことですから、MX事件・・ニュースでこれといった根拠事実も上げずに「資金提供している黒幕」という断定意見・・あるいはいきなり話題を振られた出演者が「〇〇じゃないの!」咄嗟に述べたり、「スポンサーは〇〇さんですか?」と言われてこれと言った根拠なくあんちょこに「そうだよ」答えたとしても、視聴者の多くが「評論家が日当をもらうのでなく、自腹を切る方に回るなんて無茶」だと感じて信用しなかった・・影響がもともとなかったのではないでしょうか?
この名誉毀損事件・・決定書をみないと「何が事実無根」なのかすら不明ですが・・「事実無根と分かったとしても、テロ被害の恐怖に結びつくのか不明だ」と私のように批判するのは・・感度が鈍すぎということかもしれませんが・・・。
児童売買春事件の名誉毀損事件でもそうですが、如何にも自分の手柄のごとく自己宣伝のネット発信をしていた(ただし過去の発言を正確に見直せば、こういうことをして貢献したという事実の主張ではないイメージ流布していた程度でしょう)のに、いざ批判されると「自分は何も関与していない。しているというなら証拠を出せ!」ということで勝訴しているような印象です。
(ただし、児童売買春事件の弁護士の過去の主張を吟味したこともないし、判決書を見ていないので、以上は想像でしかありません・・念のため・・正確に知りたい方はご自分で確認してください)
メデイアで一般的な「思わせぶり表現だけで」どこにも(自分または自社が)「誰それが何をしたと書いていない」思わぶり表現に素直に引っかかって、抗議すると、逆に名誉毀損で訴えられる仕組みです。
朝日の慰安婦騒動でも同じですが、朝日新聞は具体的に何を虚偽報道したかとなると大した事実は出てこないし、植村記者の問題も彼が具体的に「何を捏造したか誤報したかとなると何もない」ことになりそうです。
でも彼に限らず「宴たけなわ」のころには、自分の手柄のごとくチヤホヤされている時には黙っていてわざわざ否定しないのが普通ですが・・。
メデイア+文化人は「思想の自由市場論」によって何を言っても良いような立場でやってきましたが、実はメデイアは印象報道中心で事実をきっちり書かない・・「事実」を言わず、事実を書かな」ければ、不満な方は「事実が違う」という反論もできない仕組みです。

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