「なんの保護もない奴隷」?2(辛淑玉氏発言録から3)

とりわけ在日は、在日特権と言われるように出入国管理及び難民認定法の例外扱いになっています。

平成三年法律第七十一号
日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法

第十七条 特別永住者は、法務大臣が交付し、又は市町村の長が返還する特別永住者証明書を受領しなければならない。
2 特別永住者は、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官その他法務省令で定める国又は地方公共団体の職員が、その職務の執行に当たり、特別永住者証明書の提示を求めたときは、これを提示しなければならない。
3 前項に規定する職員は、特別永住者証明書の提示を求める場合には、その身分を示す証票を携帯し、請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 特別永住者については、入管法第二十三条第一項本文の規定(これに係る罰則を含む。)は、適用しない。

(退去強制の特例)
第二十二条 特別永住者については、入管法第二十四条の規定による退去強制は、その者が次の各号のいずれかに該当する場合に限って、することができる。
一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二編第二章又は第三章に規定する罪により禁錮以上の刑に処せられた者。ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び同法第七十七条第一項第三号の罪により刑に処せられた者を除く。
二 刑法第二編第四章に規定する罪により禁錮以上の刑に処せられた者
三 外国の元首、外交使節又はその公館に対する犯罪行為により禁錮以上の刑に処せられた者で、法務大臣においてその犯罪行為により日本国の外交上の重大な利益が害されたと認定したもの
四 無期又は七年を超える懲役又は禁錮に処せられた者で、法務大臣においてその犯罪行為により日本国の重大な利益が害されたと認定したもの
2 法務大臣は、前項第三号の認定をしようとするときは、あらかじめ外務大臣と協議しなければならない。

一般外国人の場合は、以下の通り、ほとんどの一般刑事事件で強制退去事由該当です。
在日の場合、刑事処罰を受けても上記の通り「第2篇第2章内乱、3章外患、第4章国交の罪に関する罪」のみで一般犯罪の場合には国外追放になりません。
そもそも戦後このような罪で有罪判決になった事件はないでしょうから、ほとんど日本国民と変わりません。

出入国管理及び難民認定法 (昭和二十六年政令第三百十九号)

(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる
1〜4の1省略
四の二 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者で、刑法第二編第十二章、第十六章から第十九章まで、第二十三章、第二十六章、第二十七章、第三十一章、第三十三章、第三十六章、第三十七章若しくは第三十九章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条ノ二若しくは第一条ノ三(刑法第二百二十二条又は第二百六十一条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第十五条若しくは第十六条の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条若しくは第六条第一項の罪により懲役又は禁錮に処せられたもの

仮に国籍がないことによって一定の不自由があったとしても「なんの保護もない」ということにはならないでしょう。
電車やタクシーに乗り電話やネットを使えるのも、みな、法で保障された権利です。
何ら特別意識すらなく、空気を吸うように生きていられるのは、全て目に見えない法で守られている・国家の後ろ盾で守られているからです。
在日だからと言って乗車拒否したりレストラン等で入店拒否する権利はありません。
これらはすべて日本の国法で守られている権利であり外国人も同様です。
国家という後ろ盾がなくなればどんなに辛いものか?
このありがたみを知らないから、外国が攻めて来たら戦わずに逃げれば良い、逃げられなければ降伏すれば良いというような無責任な議論をする人がいるのでしょう。
病気して健康の有り難みが初めてわかるようなものです。
「何の保護もない」というのは、その有り難みを押し付けられないと、気がつかないレベルの低い人のことです。
本当にありがたい人は、恩着せがましく一々自慢して、感謝の言葉を強制するものではありません。
このような社会の仕組みは、普通の日本の大人であれば皆知っている常識ですが、朝鮮人は毎日感謝しろと、強制されないと分からないのでしょうか?
この状況で「なんの保護もない『奴隷』なんですよ」というのって、事実無視・虚偽主張そのものではないでしょうか?
出典を見ると「注40^ 東京新聞2005年3月6日」となっています。
このような間違った主張を恰も立派な意見のように報道したのか、批判対象として報道したか不明ですが、同氏が有名人になっているらしいですから、こうした無茶な主張を褒めそやすメデイアが多かったからでしょう。
(私が辛淑玉という人物をネット知ったのは、たまたまヘイト規制問題から「今後双方ともに過剰表現者は居場所をなくすのではないか?」の関心で、検索して見たら、ニュース女子事件を書いている記事があって、そこで辛淑玉という人が主役になっている事件を知ったのがきっかけです。
その人物を知るためにウイキペデイアをのぞいてウイキペデイアに掲載されるほどの有名人だと知っただけ・・その過剰表現はどのようなものであったかをウイキペデイアの引用で辛淑玉氏の表現を参考例示・こういう過剰表現が巷に流布している代表例として紹介しているだけです。
もしも東京新聞が共感して報道していたとすれば、フェイク報道の責任を感じないのでしょうか?

「なんの保護もない奴隷」?1(辛淑玉氏発言録から2)

昨日紹介した
「われわれマイノリティーは今、なんの保護もない「奴隷」なんですよ」40

と言うのも、根拠ない言い切りです。
奴隷とは一般的に以下のように定義されているようです。
本日現在のウイキペデイアです。

奴隷(どれい)とは、人間でありながら所有の客体即ち所有物とされる者を言う。人間としての名誉、権利・自由を認められず、他人の所有物として取り扱われる人。所有者の全的支配に服し、労働を強制され、譲渡・売買の対象とされた[1]。奴隷を許容する社会制度を特に奴隷制という。
1948年に国連で採択された世界人権宣言では、次のような宣言がある。
何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。(第4条)

一般常識的に理解されている日本語の意味から言っても、日本にいる在日朝鮮人は「奴隷」と言えるでしょうか?
そもそも売り買いの対象でしょうか?
彼女が自分勝手に奴隷を定義して言うならば、「ここではこう言う意味で使っています」と言う定義を限定してから言う必要があります。
「特別な定義の断り」なしに「日本では在日が奴隷になっている」と言うのは「虚偽主張」ではないでしょうか?
自分は「家に入った人を泥棒ということにした」からという理由で、ある日家に来た人を「泥棒と名指し」すれば、事実無根の虚偽主張による名誉毀損となるでしょう。
虚偽主張とは、言い換えれば「自分勝手な定義によって、ある事実を一般とは違う表現をすること」ではないでしょうか?
明白な嘘を言う人「白を黒という」と言いますが、要は「勝手な定義を主張する人」のことです。
ある人が「みかんを今後柿ということに自分で決めた」としても、それを知らない相手に従来のみかんのつもりで「柿をトラック1台ください」といえば相手は柿を送るでしょう。
柿が着いてから、「自分はそんな物を発注していない」・・・「10日前からみかんを柿ということに変えたのだ・だから5日前に発注したのは10日前までみかんと言っていたもののことだ」という主張が通るでしょうか?
言葉は社会での約束ごとですから、勝手に変更した意味で主張するのは約束違反・虚偽主張です。
犬も豚も四つ足という点では同じですが、でも犬と豚は違うから別の名称があります。
特定の特徴を基準にすれば、「共通項がある点では、同じだ」という言い方が普通にあります。
人間という意味では、日本人もフランス人も同じですが、昨日来たのは日本人なのに、「昨日フランス人が来た」と言えば嘘になります。
辛淑玉氏独自の定義で「奴隷」と言っているとすれば、「ここではこういう意味で使っています」という説明なしに一般用語のように言うのでは嘘と変わりません。
この点では、一般用語違う意味で慰安婦を性奴隷と定義した戸塚弁護士同様です。
「なんの保護もない」
ということ自体、「度のすぎた」言い過ぎ(過剰表現)を超えた故意による虚偽主張と評価すべきでしょう。
また「われわれマイノリティーは」と言い、在日限定ではなくもっと広い「我々マイノリテイー」という枠を設定しているようですが、「「われわれマイノリティー」の範囲がはっきりしません。
従来の主張を読んだ記憶では、沖縄県民やアイヌなどを仲間に引き込んで戦う姿勢を示していたように見えますから、彼らを含むことは間違いないでしょうが、その他マイノリテイー・たとえばLGBTその他範囲が見えません。
見方によれば、障害者も母子家庭も、認知症患者も、前科者も、皆マイノリテイーに入るようなイメージです。
ちなみにマイノリテイーをネット検索すると以下の通りです。
https://www.weblio.jp/content

社会的少数者(しゃかいてきしょうすうしゃ)または社会的少数集団(しゃかいてきしょうすうしゅうだん)、社会的少数派(しゃかいてきしょうすうは)とは、その社会の権力関係において、その属性が少数派に位置する者の立場やその集団を指す。 欧米の「マイノリティグループ」(英語: minority group)の考え方を輸入したものであるが、日本語では単に「マイノリティ」と呼ばれることもある。

上記のように立場によって、いくらでも広がる言語ですが、革新系立場の人は「近代法の法理を守れ、」「憲法を守れ」など一般人には、意味不明言語に置き換えて相手をケムに巻く傾向が強いことを書いてきましたがこれもその一種どころか拡大版です。
いずれにせよ、「われわれマイノリティーは」のなかに在日が入っていることは間違いないでしょう。
沖縄県民やアイヌ系、LGBTが「なんの保護もない『奴隷』・・人身売買が合法化されている「奴隷」というのでしょうか?
少数者とは、なんの保護もない奴隷という意味ではなく、健常者向け画一的制度のままでは少数者が不便なので、少数者にも生きやすい制度やシステムにしようという運動ではないでしょうか?
わかりやすく言えば、経済レベルに応じて、最大多数の利用分野から便利化し安全化する・利用数の多い駅から順次エレベーター・エスカレーターや、ホームドアを設置する・・この発展段階をどこまで及ぼすかの問題です。
教育制度もまず低レベルでも全国普及が最初で、一定の普及が終われば、専門学校や画一教育についていけない児童に対する養護学級制度や順次個性的教育を標榜する各種学校や私立が発達するようになる・・洋服などの身の回り品もまず国民一般に普及して初めて通勤着とカジョアルの区別など多様なファッション製品が普及するものです。
豊かになればこれに比例して多様なファッションひいては多様な生き方を許容する社会になっていくのであって、政治運動すれば一定の弾みになるでしょうが、結局は、経済力を追い越すことはありません。
部落民や母子家庭、障害者・アイヌ族らの生活水準底上げのために、画一処理に委ねずに平均以上の支援などのゆとりが出て来るのでしょう。
外国人にも刑訴法の人権保障の枠組みが保障されるし、(外国人被告の場合証拠がいらないという特例がありません)表現の自由があるなど一般の人権保障の対象になっている・・日本国憲法で原則日本人同様の保護があります。
(憲法論を持ち出さなくとも)辛淑玉氏は名誉毀損でニュース女子の報道をBPOに審査申し立てしたり、名誉毀損で訴訟提起すると主張していたことが、このシリーズの関心の始まりです。
外国人でも代金を払えば商品やサービスを受ける権利もあり、犯罪を犯しても裁判を受ける権利が保障されています。

天皇陛下は働いていないか?(辛淑玉氏発言録から1)

8月29日現在の辛淑玉氏のウイキペデイア記載紹介の続きです。

生い立ち
朝鮮学校で辛はいじめの対象となり[11]、日本の小学校に入学後に半日本人を意味する蔑称である「パンチョッパリ」と呼ばれ、”総括”と呼ばれる反省会の場で毎日のように自己批判をさせられた[11][12]。
ジーパンを穿いていたというだけで活動家から暴行された。ヘルニアを患っているのはこれが原因であるという[13]。
中学2年のとき、朝鮮学校で夏の遠足「革命キャンプ」の費用が払えなかったため、朝鮮籍の教師たちに暴行を受けた上で放逐され、日本人が通う杉並区立泉南中学校に転校した[14]。日本の学校では日本人の子どもに「おい日本人の男って小食なんだて。」と言って睨みながらスープを垂らすなどの行為を行っていたが、これは日本人からいじめを受けないための威嚇行為であったと述べている[15]。
天皇制について
「最近、あちこちで文句を言うと、『出てけ』とか『帰れ』と言われる。『ハイわかりました。朝鮮人はみんな帰ります。天皇つれて帰ります』と言ってやる。だけど、アイツ働かないからな(笑い)」[36]
北朝鮮の金父子(金日成・金正日・金正恩)による世襲体制を日本の皇室になぞらえ[37]、天皇制が差別的制度であり、日本国憲法第1章を廃止すべきと主張している。

生育環境の結果、気の毒ですが、「威嚇・先制反撃こそ最良の防御」という強気!精神で生きてきたようです。
反撃も合理的根拠のある反撃 なら別ですが、

「「最近、あちこちで文句を言うと、『出てけ』とか『帰れ』と言われる。『ハイわかりました。朝鮮人はみんな帰ります。天皇つれて帰ります』と言ってやる。だけど、アイツ働かないからな(笑い)」

とあるように言わば口から出まかせ的傾向が見られます。
「天皇を連れて帰る」などできるわけがない・・実際にドイツへ「実質亡命した」というのに天皇陛下を連れていけませんでした・・ことを言い切ること自体、日頃から根拠のない意見を公言する習慣になっているようです。
「アイツ働かないからな(笑い)」
高齢の「天皇陛下は働きすぎ」が社会問題になっているというのに、事実無根・・これも虚偽そのものです。
こういう根拠のない主張をありがたがって囃し立てて来た(持ち上げる結果有名人になっているのでしょう?)ジャーナリズムのレベルが心配ですが、以上は過去の記録紹介ですから、今でもこういう乱暴な主張で国民を煽り続けることが可能か・相手にされなくなって国外へにげたのかの関心で以下紹介をつづけて行きます。
辛淑玉氏に関するウイキペデイアの続きです

経歴
本人の自伝『せっちゃんのごちそう』によれば、収入を得るため、小学校2年のときから内職をし、小学校4年からはヤクルト販売の仕事に従事していた[16]。中学生の頃、美容室のヘアモデルで収入を得たのをきっかけに、ヘアショーにも出るようになった[17]。高校は東京都立第一商業高等学校に入学し、在学中は新宿の焼肉料理店「名月館」などでアルバイトをしながら、代々木ゼミナールと代々木学院に通ったという[18]。17歳で銀座のモデルクラブに所属し、翌年映画のエキストラ出演で知りあった 「DJ 」に音楽の仕事を紹介してもらい、しばらくモデルと兼業した[19]。20歳の時、博報堂で契約社員(特別宣伝班)となるが、夜間はアルバイトを続けた。1983年頃にフリーランスの広告業者として独立。この頃、本名(辛淑玉)を名乗るようになった[20]。
発言
北朝鮮による日本人拉致について
「仮に北が日本人を拉致したとしても日本人は批判できるだろうか。戦争中、膨大な数の朝鮮人を国家の名の下に拉致した歴史的な事実がある。いまなぜ日本に多くの朝鮮人がいるか考えてみてほしい。自国の歴史を忘れた発言が多すぎる」

「北朝鮮による日本人拉致について」の意見については、8月2日に以下の通り紹介して批判しました。

「ウイキペデイア引用続きです。
・・・・朝鮮人の引き揚げは継続され、1959年に外務省は、朝鮮への国民徴用令適用による朝鮮人徴用は1944年9月から下関-釜山間の運行が止まる1945年3月までの7か月間であり、また、戦時中に徴用労務者として来た朝鮮人の内、そのまま日本に留まった者は1959年時点で245人に過ぎず、日本に在住している朝鮮人は、「大半が自由意志で来日・在留した者」とする調査結果を発表している[116]。」

現在の在日約50万の始まりとして少なすぎますし、上記245人は自己意志で残っているくらいですから、もともと反日ではないでしょうから、そのほとんどが帰化申請して今では善良な日本人の父母になっているのではないでしょうか?
「自国の歴史を忘れた発言が多すぎる」というのですが、歴史を歪曲しているのはどちら?ということです。
上記主張を見ると、気にいらないことがあると即、根拠なく切り返す処世術が、身についている印象ですが・・。
過激応酬表現社会が落ち着いてくると、こういう生活習慣って、無理が出てくるのではないでしょうか?
ウイキペデイア紹介の続きです。

在日朝鮮人について
「NHKの紅白歌合戦が始まると、親戚の叔父たちが私を呼んでくれる。その時だけは台所の仕事から解放されて、テレビを見ることができた。『おい、セツ子(辛淑玉の日本名)、見てみろ見てみろ。こいつは朝鮮人だぞ、こいつは朝鮮人、こいつの家はパチンコ屋、こいつの家は焼肉屋、こいつは総連系で、こいつは民団で、こいつは山口の××出身で済州島なんだ、こいつの弟は算数が5点で、その嫁さんは・・・・』と、延々と『在日のワイドショー』が続く。当時、私にとっての紅白歌合戦は、年に一度の『チョウセンジン』の数を数えるイベントであり、一度も日本人の数を下回ったことがない」
われわれマイノリティーは今、なんの保護もない「奴隷」なんですよ」[40]
「不法滞在と言うのは凶悪犯罪ではない。信号無視程度の人」[41]
「凶悪犯の検挙人数は、東京都全体で978人で、来日外国人は109人と全体の11.2%。9割近くは日本人の犯罪だ」[41]

辛淑玉氏は亡命したのか?4

昨日まで見てきたように、沖縄基地反対運動に関わってきたことがニュースになると「日本は危険すぎるので亡命せざるを得ない」かのような表現には飛躍がありすぎる弱点・大いなる論理飛躍補強のためにか?
「2月23日には、朝鮮総連に対する極右の銃撃事件が発生しました。」
といかにも彼女を標的にしたテロが起きそうな恐怖を感じることに関係がありそうに(これもイメージ主張です)書いていますが、朝鮮総連銃撃事件で検索すると以下の通りです。
https://www.sankei.com/affairs/news/180315/afr1803150040-n1.html

容疑は共謀して2月23日未明、同本部前に乗り付けたワンボックスカー内で、ブラジル製拳銃1丁と弾丸8発を所持したとしている。助手席から川村容疑者が発砲し、弾丸は門扉に命中。直後に2人は建造物損壊の現行犯で警戒中の機動隊員に逮捕された。
2人は「北朝鮮による相次ぐミサイル挑発に堪忍袋の緒が切れた」・・・

辛淑玉氏が客員研究員になったのは8月4日に見たウイキペデイアによると17年12月1日からであり、今年2月の朝鮮総連発砲事件は18年2月であってドイツへの「実質亡命」(客員研究員になるには、相応の準備手続き期間があります)と時間軸が合わない上に、総連発砲事件は個人の生命身体へ攻撃でなく、総連本部の鉄の門扉に向けた発砲であり威嚇行為でしかありません。
上記の通り器物損壊事件に過ぎず・・行動目的は存在誇示であり、人命等を攻撃目標にしたものではないことが明らかな事件です。
しかも上記は当時緊迫中の米国攻撃予告・一触即発緊張下における北朝鮮政府に対する意思表示であり、彼女の沖縄基地闘争の黒幕指摘されたことと、どういう関連があるかも書いていません。
一般論としては、日本ではすぐに感情的に反応する人がいるので怖いと言う例示でもあるのでしょうし、彼女はISの呼びかけに反応する人がいる例をあげているのは、その意味でしょうか?
しかしISのテロは人身攻撃・殺傷行為が日常的イメージですから、これに反応する人がいるのは怖いですが、朝鮮総連事件は門扉に向け発砲しただけで人命殺傷目的事件ではありません。
辛氏のBPOに対する理由を再引用見直して吟味しておきましょう。

「高江でヘリパッドの建設に反対する住民を『テロリスト』『犯罪者』とし、申立人がテロ行為、犯罪行為の『黒幕』であるとの誤った情報を視聴者に故意に摘示した。『テロリスト』『犯罪者』といわれた人間は、当然のごとく社会から排除されるべき標的とされる。本放送によって〈排除する敵〉とされた申立人は平穏な社会生活を奪われたのである」
認定事実によれば

「「申立人は過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動を職業的にやってきた人物でその『黒幕』である」、「申立人は過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動の参加者に5万円の日当を出している」との事実を摘示しているものと認められ、それらは申立人の社会的評価を低下させるものと言える。」

というものに過ぎず、「住民を『テロリスト」』『犯罪者』「申立人をテロ行為の黒幕」と表現したとは認定していません。
犯罪には、スピード違反や無免許運転に始まり、過失犯その他いろんな態様があり、それぞれ違った結果があります。
犯罪者には色々あって、テロリストとは特別な犯罪者をいうものです。
ハンドル操作ミスで、事故を起こしたにすぎない人を「テロリスト」と名指しするのは名誉毀損でしょう。
「犯罪行為を繰り返す・・」と表現されたことを「テロリスト」と言われたというのは、事実にあっていません。
名誉毀損の申し立て段階では、ある程度の記憶違いがあってもいいでしょうが、(ニュース表現の場合、録画再生してきっちり発言を記録化して検討の末に申立てる筈ですから、申立書作成段階ではそんな誤解がありえないように思いますが・・)現在「実質亡命」する必要があるかどうかの理由として、「テロリスト」と言われたことを材料に使うのは無理があるでしょう。

『テロリスト』『犯罪者』といわれた人間は、当然のごとく社会から排除されるべき標的とされる。]

というのですが、犯罪者にも色々あるので「当然のごとく社会から排除される」ことはないし、上記の通りテロリスト言われたことがないとすればなおさらです。
しかも「標的にされる」と絞っているのですが、交通事故を起こした人だけではなく、泥棒その他の犯罪者でもどう言う標的にされるのでしょうか?
辛氏は

「犯罪者.黒幕」と名指しされた→社会的地位低下→社会から排除・標的にされる・朝鮮総連事件・・暴発者存在→IS同調者の危険性→自己へのテロ行為の危険性→亡命せざるを得ない切迫性」

を主張するようですが、社会的地位低下すれば、直ちに「排除される標的にされる」かのように結びつけ、ISの危険性と右翼の危険性と同視する無理があります。
言語の言い換えにより、意味の重心をズラして行く表現のごまかしも目立ちます。
「銃撃事件」といえば国際的ニュースとしては銃撃戦・相当の死傷者発生の大惨事をイメージしますが、総連事件の場合、鉄の門扉に打ち込むだけのパフォーマンス目的の器物損壊事件でしかありません。
銃撃と発砲とは違うから違う表現があるのであり、引用したニュースでは正確に「発砲」と表現しているのに辛氏はこれを禍々しい「銃撃」と言い換える・・「右翼」を「極右」と言い換える・・社会的地位低下から「排除される標的になる」とズラしていき(テロの)標的にされるイメージに繋いでいます。
辛氏が発案したものではないですが、慰安婦騒動も性奴隷と翻訳してとてもひどい人権侵害のように海外発信していたように文化人?もいます。
慰安婦を性奴隷というのは、慰安婦の中で被強制性の強さに着目した慰安婦の中の限定さ荒れた狭い概念であり、慰安婦全てを表現出来ないにも拘らず、日本軍関係の慰安婦を無制限に「性奴隷」と定義して英訳発表するのは虚偽主張と言うべきでしょう。
スピード違反も殺人者も犯罪という点では同じだ、だから「スピード違反者を殺人者といっても良い」という人がいるでしょうか?
違う単語・熟語があるのは、それぞれに含意・ニュアンスが違うから違う熟語になっているのです。
亡命と逃亡や移住との間にも、もちろん意味が違うから違う熟語になっているのです。
従来概念の「亡命」というには無理がありすぎるので「実質」という意味不明の撹乱的修飾語をつけたように見えます。
亡命とは一般的に権力闘争の当事者が主体で一般人は想定されていません。
ウィキペデイアの亡命解説です。

亡命の理由として政治的迫害によるものが多いが、宗教対立や民族対立、経済的窮乏など、その他の理由によるものが含まれることもある。
政治家や官僚や王族ではない一般市民が他国に越境する場合は難民として区別される。
「refugee」を亡命者と訳すか難民と訳すかの問題で、両者は同一であるとする見解もある。

亡命と難民の区別の難しさは分かりますが、亡命を実質と形式に区別する見解はないのではないでしょうか?

辛淑玉氏は亡命したのか?3

名誉毀損とは結果から見れば社会的地位を落とすことですが、基地反対運動が正義の為の運動とすると基地反対運動の資金的黒幕・スポンサーと名指しされると不名誉なこと・名誉毀損になるというのはおかしな印象ですから、理解困難でしたが、決定概要を昨日初めて見てようやくスッキリしました。
決定概要によれば、反対闘争の黒幕・スポンサーであるとの表現が問題視されたのではなく、「違法行為を繰り返している集団の黒幕・スポンサー」という点が問題になったのであれば、事実の有無次第で「名誉毀損」被害事件になるのはもっともです。
「朝鮮人等が基地反対闘争に首を突っ込んでいるとニュースで言ったら、ヘイト騒動になって関係者が降格された」という一方的拡散しか知りませんでしたが、今回決定概要に直截当たれたので、MX・ニュース女子擁護者は批判された理由を正確に伝えていなかった・・自分の都合の良いように脚色して支持者が拡散していたことになります
ただし、違法行為を繰り返した企業のトップあるいはスポンサーあるいは応援者が、直接違法行為(例えばデータ改ざんなど)をそそのかしていなくとも大事件があると社会的責任を問われるのが、社会通念ではないでしょうか?
広告に名を出していたなどの有名人が大規模消費者被害などで陳謝したり政治の表舞台の活動を自粛するなど日常的です。
このような事件直後の説明会で、「社長は知らなかったで済むのか!」「社長が命じたに決まっている」と誰かが言った場合、事件の陳謝をそっちのけにして、名誉毀損だとか刑事告訴するような逆襲をする企業があるでしょうか?
正確には民事上の使用者責任や監督責任があることと、個人が命じた「事実」とは別ですが一般人にはその区別がつかないことから、言い過ぎがあっても大目に見られているのです。
ニュース女子の報道自体知らないのですが、「違法行為の黒幕」とまでの厳格な区別がなく、「反対運動のスポンサーであれば相応の責任がないのか?」という意味の流れ「舌足らず表現」だった場合もあり得ますが、この辺については、BPOできっちり事実認定した結果責任があるとしたのでしょう。
あるいは、印象操作中心のメデイア報道に慣れている・・・逆からいえば、私を含めて消費者はイメージ操作に簡単に引っかかる・思わせぶり報道のタイトルだけで、事実報道のように意識の奥に染み込ませてしまうのに慣れさせられています。
私の例を何回も書いていますが、忙しい出勤前や帰宅してからの合間にちらっとニュースその他のタイトルしか見ない大多数の人にとっては、週刊誌等のタイトルだけで、こんなことが今話題になっているのか!と脳の奥にすりこまれていくのが普通です。
この結果、だいぶ時間が経つと内容を読んだ上の知識か、見出しを見ただけの知識かの区別も不明になり、既定の事実と印象表現に過ぎなかったかの区別がつかなくなります。
送り手のメデイア側では見出しをセンセーショナルにしても中身では堅実な事実解説にしているなど、通常の注意力を持って読めばわかるという基準をクリアーするために周到に事実主張を避けて印象操作にしているのですが、イメージ操作される素人はそのまま事実報道と受け止めている人が多いでしょう。
(これこそが印象操作に走る効能であり、メデイアにとっては世論操作して政治方向を事実上決めていく醍醐味です)
視聴者の方は、無意識に断定報道を聞いたかのような理解をする習慣化・イメージと結論の直結に慣らされています。
一般人・報道の素人がネットを通じて論争に参戦すると、疑問で終わらせるべき意見と結論を一体化して過激な主張・・断定的主張が許されるような気分にななりがちです。
MX事件は、沖縄デモには外国人や県外からの応援が多いことや違法行為が多いということを報道する本来の目的を逸脱して、余計なことを強調しすぎたような事件でしょうか。
MXテレビ発言者が注意深く発言・・「辛さんはどういう関係なのでしょうかね?」程度で結論は視聴者の想像に任せておけば、メデイア界一般に行われている印象操作範囲のようですが、そういう巧妙な表現技術が身についていなかったのかと思っていたのですが、決定概要に「テロップと総合すると」と書いているところを見ると、出演者各人は慎重な表現をしたがMXの方で、「彼女に決まっている」という意味のヤジのようなテロップを流していたように見えます。
これでは単なるミスではなく、MX側が、終始一貫した意図的企画であったとなりそうです。
そうとすれば、ミスではないので、きちんとした取材が必要とするBPOの決定内容は相当ですし、辛淑玉氏の申し立ては的を射ていたことになります。
ところで、この事件を知ったのは「実質亡命」の主張の一環として出てきたので「聞いたことのある事件だな・・と思ってついでにどういう事件かが気になって、横道に逸れましたが、なぜ亡命という言葉を使う必要があるかの疑問に戻ります。
BPO決定概要を見ても、名誉毀損しか書いていないし、辛淑玉氏の申し立て理由を再引用しますが、「社会から排除されるべき標的とされる」→社会的地位低下=名誉毀損を主張しているに過ぎず、ここから「テロの標的にされるリスク」が迫っている・・「亡命を決意しなければならない」というのは飛躍がありそうです。

「申立人がテロ行為、犯罪行為の『黒幕』であるとの誤った情報を視聴者に故意に摘示した。『テロリスト』『犯罪者』といわれた人間は、当然のごとく社会から排除されるべき標的とされる。本放送によって〈排除する敵〉とされた申立人は平穏な社会生活を奪われたのである」

あらゆる名誉毀損行為は社会的地位低下をもたらすものですが、地位低下・・業務で言えばあちこちでお呼びがかかりにくくなることもその通りですが、それをいかにも居場所をなくすかのような「排除される」と表現し、さらにテロに結びつけようとしているのですが、言葉の意味を徐々に怖い被害がありそうな言葉にズラして行くのですが、それでも関連が遠すぎる印象です。
基地反対闘争に関して「違法行為をしている集団の黒幕」と言われただけで、「テロリストと言われた」という主張自体も言語的に飛躍がありすぎるように見えますし、違法行為者に生活費等を渡していても違法行為の共犯にならな方が多い・・共犯というには違法行為の共謀関係が別に必要なことから分かるように、スポンサーであれば直ちに犯罪者になるものでもありません。
黒幕とかスポンサーと名指しされたことと「テロリストや犯罪者と言われた」ほとんど関係がありません。
さらに、仮に「犯罪者と名指しされた」としても、犯罪者であればテロの対象になりやすいという統計的関係も全くないでしょう。
違法行為にもいろいろあり・・道交法違反に始まり脱税や各種規則違反もあり、名誉毀損も犯罪になる場合があるなど・・違法行為者・例えば「泥棒」と言われたらテロ被害に遭いやすいということ自体非論理的主張です。
テロ被害→強度の反感による場合が多いとすれば、有名人が基地反対闘争者と一緒に写真に写っている場合、その人が黒幕だろうと応援に入ったであろうと基地推進派にとっては反感を持つ相手である点では大差ないのではないでしょうか?
まして本件では日当を配ったことや黒幕であることがBBPOで否定されたのですから・・いわば危険が去ったわけです。

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