中国購買力低下2(対中依存度2)

反日暴動後日本の穴を塞ぐ役割期待に応じていた点では、ドイツを中心とする西欧諸国も同じです。
ドイツのフォルクスワーゲンなども対中販売が大きな比率を占めているので、中国のクルマ販売が減速すると大変な影響を受けるでしょう。
5月20日の日経新聞朝刊9pには、フォルクスワーゲンの15年世界販売の約4割(353万台販売)を占めているが、更に天津に新規工場投資する・・中国シフトを鮮明にしていると言う記事が出ています。
1国だけで販売の4割ともなれば大変な偏り方(ドイツ国内販売よりも多いのかな?)ですが、更にその比重を上げるべく投資を続けるのでは、もはや後戻り出来ない・・中国の言うことは何でも聞くしかないのを承知でさらにのめり込んで行く覚悟を決めたと言うことでしょう。
以下は昨年の記事からの引用です。
http://jp.reuters.com/article/china-economy-germany-idJPKCN0QW0J120150827Business | 2015年 08月27日 16:46 JST
8月26日、中国への輸出は長年、ドイツ経済の力強さの源となってきた。ところが最近では、中国経済の急激な鈍化を受けて、対中輸出への依存度の高さが逆にドイツのリスクとなっている。(2015年 ロイター/Fabrizio Bensch)
ドイツ連邦統計局のデータによると、ドイツの輸出に占める中国の比率は、2007年には3.1%だったが、それが14年には6.6%に上昇して4位につけた。なお、14年のシェア1位は9.0%のフランスで、2位は8.5%の米国、3位は7.4%の英国となっている。
しかし、ドイツの対中輸出は今年、鈍化傾向が鮮明だ。ドイツ商工会議所のデータによると、ドイツの対中輸出は今年上半期は0.8%増と、債務危機に苦しむギリシャへの輸出と同じ伸びにとどまっている。」
このシリーズでは国力・発言力はもの不足時代の19世紀〜20世紀後半までは生産力比例関係でしたが、20世紀末以降物あまり・・供給過剰時代に突入以降国力の基準は、購買力に変わっていることを書いてきました。
日本は対中国では巨額輸入超過国ですから、買ってやっているのは日本の方です。
その点では日本とアメリカは対中国では(物を買ってやっている)経済関係では同じですから、他の国と違って、中国はこそこそしたことしか出来ない状態です。
http://www.recordchina.co.jp/a127971.htmlの引用です。
2016年1月28日(木) 19時30分
2016年1月27日、国際商報によると、日本の財務省は25日に貿易統計(日本から外国への輸出及び外国から日本への輸入について統計)を発表した。それによると、2015年の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆8322億円の赤字となり、中でも対中貿易は6兆1911億円の赤字で、赤字額の過去最高を更新した。」

国力の源泉・・国民の豊かさの基準が供給力から消費力に変わって来たこの数十年の間にすっかり日本が世界の消費を引き受ける国に変わっています。
中国は、まだ製鉄量や造船などの生産力・・ひいてはGDpと言う過去の亡霊・・19世紀型思考の後追いをして有頂天になっている愚かしさに気が付かない・・秀才採用の多い日本のマスコミがまだ19世紀型基準でそれを賞讃している様子です。
世界の消費を引き受ける→貿易赤字が続けば購買力がなくなりますが、日本は長年の海外投資の結果利子配当知財等の所得が増えて総合収支である経常黒字は年間15兆円前後ですから将来性も全く心配ありません・・この実態を反映して円高基調になっているは当然でこれを騒いでも仕方のないことです。
中国は「日本から買ってやらない」と言う脅しが効かないので、国内で反日暴動を煽るしかなかった原因です。
ソモソモ抗日とか反日とか国内で「抵抗運動」しなくてはならない国が,日本よりも強国ブルこと自体が論理矛盾です。
中国が日本の工場を要らない・・イヤなら日本企業はベトナム等へ工場を移転すれば良いだけのことです。
それで世界供給の9割ほど?を占めていたレアアース禁輸で勝負に出たのですが,日本はレアアースし利用率を減少する技術開発に成功し生産国を世界に広げたので、100%中国の失敗に終わりました。
逆に反日運動の結果、日系企業の中国現地工場・投資縮小の動きが盛んになっていることは周知のとおりです。

中国購買力低下1(対中依存度1)

昨日紹介したように中国企業や個人の急激な債務拡大は(預金準備率引き下げと同時に予想されたことですが)既に国際的な注目の的ですが、その損(債務)をどこが最後に引き受けるか・・ババを引くかに?今は関心が集まっています。
日本は幸い反日暴動以来対中投資の撤退縮小が相次いでいたので,(暴動の対象になったパナソニックで言えば、今や中国に大した比重を置いていないでしょう)昨年来の急激な経済規模縮小被害を殆ど受けていない感じです。
以下に紹介するように我が国のGDP比の対中貿易比率・依存度が極めて小さいことが分ります。
輸出入依存度については以下のとおりです。
※個人記事からの紹介で正確性不明ですので、正確なデータが必要な方は公的データにご自分であたって下さい。
以下はhttp://blog.goo.ne.jp/ns-japan/e/3fe776f32f75542682bc68009313b65からの引用です
2015年01月27日 19時53分55秒 | 日記

G20諸国の輸出依存度と輸入依存度(GDP比)は下記の通り。
(中央日報)
●輸出依存度(GDP比)
韓国  :43.4%    ドイツ :33.6% メキシコ:26.2%
中国  :24.5%    ロシア :24.4% 日本  :11.4%
アメリカ: 7.5%
 ●輸入依存度(GDP比)
韓国  :38.8%  ドイツ :28.0%  カナダ :24.6%
アメリカ:11.4%  日本  :10.8%

対中輸出依存度(GDP比):2.79%
対中輸入依存度(GDP比):2.44%

日本の輸出依存度(GDP比)対中国比率は2.79%、輸入依存度(GDP比)2.44%が中国依存です。」

韓国の場合対中貿易比率が2〜30%に達していると言うのですから、この売上が何%減ると甚大な影響です。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12092445304.html(勝又氏の経済時評)からの引用です。
対中貿易に警戒信号 2015-11-12 03:11:07
『朝鮮日報』(11月4日付)は、次のように伝えた。

①「対中貿易黒字の規模縮小はペースがますます加速して いる。韓国経済研究院は11月3日に発表した報告書で、2009年以降数年増加した対中貿易黒字が、13年の628億ドルから昨年は552億ドルへと 12%減少したと指摘。今年1~9月の黒字幅も353億ドルで、前年同期(404億ドル)を13%下回っている。専門家は中国政府の内需中心の発展戦略に 経済成長の鈍化も重なり、中国への依存度が高い韓国が直撃を受けているとみている。昨年韓国の貿易に占める中国の割合は25%で、2位米国の2倍以上だ。 産業研究院のチョ・チョル国際産業協力室長は、『中国が主要中間財を国産化している上、現地の景気も悪く、韓国製品の立つ瀬はなくなってきている』と指摘した。」
同じく勝又氏の経済時評5月17日からの引用です
中国市場で極不調
日系車は高品質評価2016-05-17 04:39:54
2015年12月期の現代自は、中国での販売台数が104万台と7%も減った。低価格を強みとする地元メーカー車に押され、夏場に大きく販売を落としたもの。数カ月で回復に向かったが販売奨励金を大幅に増やした結果、収益を圧迫したようだ。現代・起亜自動車グループは、今年第1四半期(1~3月)の中国市場での販売台数が36万9320台となり、前年同期を16.2%も下回った。中国市場で自動車メーカー上位5社のうち、第1四半期の販売が減少したのは現代自グループだけ。「一人負け」である。4月は前年比0.1%増で、辛うじてマイナスを免れ皮一枚で首が繋がった。」
勝又氏は日本車の品質の良さが再認識された結果であると書いていますが、韓国製品はスマホ同様に中国現地生産品に追い上げられているが、(脅せば技術移転が進むと思って始めた)慰安婦・反日騒動が裏目に出た結果日本からの技術移転が止まってしまい、上級品へのグレードアップ出来なくなって困っているからでしょう。

中国購買力持続性6(外貨準備減少)

中国の外貨準備と言っても日本等からの外資の投資が多いから膨らんでいるのであって、真水の外貨準備金は少ないとMay 5, 2015「中韓の外貨準備1(真水)」その他で繰り返し書いてきました。
孫正義氏が世界的大富豪と言ってもこれに匹敵する巨額負債を抱えてM&Aを繰り返していることも知られています。
日本の財政赤字報道はプラス財産を見ない不思議なものですが、孫氏の富豪度報道になると逆に巨額債務を見ないで買収した相手の株式評価額だけを計算して世界何位と言うのですが、中国関連報道も中国に都合の良い面ばかり報道している傾向があります。
(本当の事実を知らないと中国も方向性を誤るので虚偽報道が中国自身にとって良いかどうかは別問題です・・政権中枢だけが本当のことを知っていても、国民がねつ造の歴史を信じていたり強国になったと誤解して強気になってしまうと、政権がこれまでの教育は全て噓でしたとは言えず引きずられてしまうので、結果的に国民全体が誤解しているかどうかが重要です・・個人で言えば、本当の健康状態を知っている方が良いのと同じです)
中国は見かけだけの外貨準備で威張っていたのですが、外資の引き上げが始まり先行き人民元下落のリスクが高まって来た昨年末に掛けて月に千億ドル規模の外貨準備減少が続いていました。 
以下は、日経新聞ネット配信記事です。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H1R_X00C16A2FF8000
北京=大越匡洋】中国の外貨準備高が過去最大規模の減少を続けている。中国人民銀行(中央銀行)は7日、1月末の外貨準備高が3兆2309億ドル(約 378兆円)で、前月に比べ995億ドル減ったと発表した。
減少幅は過去最大だった2015年12月の1079億ドルに次ぐ大きさだ。中国の通貨人民元への下落圧力が強まり、人民銀がドルを売って元を買う為替介入を繰り返していることが大きな要因だ。」
上記は政府発表の外貨準備ですから本当の流出はもっと大きいかも知れませんが、中国政府は人民元防衛に必死で、実際の輸入決済以外には両替を認めないとか個人の年間の外貨持ち出し限度額を規制強化するなどあの手この手の為替規制をしていることが報じられています。
それでも減少を食い止めることが出来ず2月にも300億ドル近い外貨準備減少です。
以下はhttp://jp.reuters.com/article/china-reserve-feb-idJPKCN0W90QH
Business | 2016年 03月 7日 18:48 JSTの引用です。

[北京 7日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した2月末時点の外貨準備高は前月比285億7000万ドル減の3兆2000億ドルで、2011年12月以来の低水準だった。
減少幅はロイターがまとめたエコノミスト予想の300億ドルをやや下回った。1月は995億ドル減だった。
12月は1079億ドル減少し、過去最大の減少を記録した。
外貨準備は、2015年通年では5130億ドル減少し、年間の減少としては過去最大となった。」

この間貿易収支が黒字発表(政府発表自体が当てにならないことは周知のとおり)ですが、それでも減少を続けている状態です。
言わば、張り子の虎の「紙」が破れ始めた状態で輸入・自己消費だけ増やすことになる内需拡大が出来るかの疑問です。
充分な年金積み立て金+個人預貯金等蓄積がないのに高齢化が先に進む・・支出だけする人が増えると(未富先老)個人も国家も借金地獄になって大変ですが、これを国際的に拡大して行こうとする・・外貨準備を越えて内需拡大出来るかのテーマです。
国家的モラルハザード期待論・・債務を国外に付け替え(て踏み倒す)運動でないかの危惧で書いています。
健全社会日本では、高度成長期にも爆買いせずに環境保護や子育てを含めて将来のために投資してきましたし、現在金利を下げても更にはマイナス金利にしても合理的な投資予定がないかぎり「タダだから借りよう」と言う人(モラルハザード)がそれほど増えません。
中国の場合金利を下げると人民元がさらに下がるのでこれが出来ませんので、預金準備率を下げて紙幣供給量を増やす政策になったのですが、そうするとゾンビ企業や消費金融利用者の延命を助けるだけ・・負債が増える一方になっていると言われています。
この結果、中国が決めた6、5%成長論を実行するための金融緩和をすれば、過剰投資の整理どころか逆に投資再開されて破綻を先送りし、破綻時の規模を大きくする政策だと言う批判が普通です。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12135478183.html
勝又壽良の経済時評
2016-03-10 04:03:52
中国、「預金準備率引下げ」人民元相場より経済成長を優先
③「長期的には、債務拡大という形での刺激策導入で状況がさらに悪化する恐れもある。ゴールドマン・サックス・グループの投資管理部門は、中国債務の国内総生産(GDP)比の増加が近年で目立つと警告してきた。2月に公表されたブルームバーグ調査のエコノミスト8人の予想中央値によると、今後数年以内に同国債務はGDP比283%でピークとなる見通しだ」。
以下は韓国の場合です
http://biz.searchina.net/id/1598022
まずい!韓国企業の債務比率が主要新興国で最悪の水準に、債務拡大が加速 2015-12-24 13:58
韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版は18日、米財務省はこのほど国際通貨基金(IMF)の統計データに基づいた報告書を発表し、2014年第4四半期までの国内総生産(GDP)に対する韓国企業の債務比率は主要新興国のなかで最悪の水準となったことを伝えた。(イメージ写真提供:123RF)

実際にこの3〜4月頃に1線都市での不動産バブルが再燃し、今春G20で公約していた過剰生産力整理どころか、休止設備再開の動きすら出て来ている様子が報道されています。

中国購買力持続性5(債務膨張2)

アメリカ大統領候補選挙に関する報道のあり方に話題にズレましたが、格差社会論・・中国債務に戻ります。
5月14日に記載のとおり、社会全体の装置によって統計の意味が違いますからアメリカのフロー収入の統計や社会問題をアメリカの問題として論じるのは意味がありますが、あたかも日本社会の重大問題であるかのような議論をしても国民がしらけるのは当然です。
外国で問題化していることを日本の問題であるかのように安易に置き換えるのではなく、日本特有の問題を自分の目で見て国民に報道すべきです。
今朝の日経新聞17pの大機小機「課題先進国」と言うテーマを見ると、格差拡大やテロで困るようになった欧米基準が正しい前提にして日本が取り組むべき価値観未到達のオンパレードです。
日本は昔から子供や身の回りの小動物・植物・自然環境を大事に育てて来たことその他、あらゆる面で共同体全体の信頼構築型社会・・欧米と違った価値観で成功して来たことが今や世界中で尊敬されるようになって来た原因です。
中韓の場合「人民」はつい最近まで専制支配の対象でしかなかったし、今も同じ価値観で支配していることは誰でも知っているとおりです。
西欧でもフランス革命まで被支配者を人扱いしていなかった点で同じでしたが、日本は古代からそんな社会ではありません。
欧米では、アタマで人権や平等感・動物愛護精神を理解した程度でしかないので、法に触れさえしなければ、移民でも何でも少しでも安く奴隷的労働させて搾取出来る限度まで搾取する前提のやり方(奴隷解放前の黒人奴隷に対するのと同じ基準)が壁にぶつかっている現実・・・格差拡大やテロ頻発が大問題になっているのは、低賃金労働力を取り込みさえすれば良いと言う社会のあり方に基礎があり矛盾激化の原因です・・。
上記大機小機の主張は、この現実を見ないで、子育てなんかどうでも良いから労働力になる人間を生みさえすれば良い、あとは保育所に預けてもっと働かせろ、少子化対策に外国人を入れろなどなど未だに欧米基準に到達するのを目標としていて,日本はこの課題が克服されていないとする主張でしかありません。
中国の豊かさ・・真の購買力に戻りますと、新興国のフロー収入=GDPだけを見ても真の豊かさとは関係がない・・バリバリと稼いでいる若いときの名目収入高を見て豊かさを計れません。
まして借金・第三者からの投資で水ぶくれしている場合にはなおさらです。
若いときには周囲への配慮や将来への思慮が足りない傾向がありますが中国の場合、新興・青年期の行動様式として他国に比べると、環境無視の顕著な姿勢からみて(一事が万事)共同体維持や将来への備え意識の低さが極端な社会であることが明らかです。
何千年単位で圧政を受けて他者を顧みるゆとりや経験がないから仕方がない面もあります。
将来無視の青年期の派手な消費が・・いわゆる爆買いに繋がっていたのですから、高齢化する前でもちょっとでも調子が狂うと直ぐに消費力が激減します。
14日にアメリカでホワイトカラーが失業すると直ぐに路上生活者になる不思議を紹介しましたが、マスコミに誇大報道の傾向があるので割り引いて考える必要があるとしても、アメリカ社会のあり方の一端を表していると思われます。
これまでアメリカと中国の国民気質が良く似ている(環境無関心の程度も似ています)・・だからいつでも直ぐに手を握る傾向があるので、安心出来ないと書いてきましたが、日本とは「人としての生き方」の基本が違っています。
中国の勢いは、たまたま、新興国としてどこにでもある勢いでしかなかったのに、爆買いの基礎となる中国の高収入が一生涯・・永続すると誤解し煽って来た方がおかしいのです。

中国購買力持続性4(債務膨張)

世界中から借金して贅沢していても買ってくれさえすれば売る方は喜びますが、貸す方はデフォルト危機を恐れてその内貸さなくなりますから、結局一定期間経過でアウトになります。
これの先取り現象が為替相場の動向・・人民元での取引量縮小傾向です。
相場には一一時的に行き過ぎがあるとしても、中長期的にはその国の経済力に連動することを否定出来ません。
中韓の発言力維持を期待する立場からは、中韓に対して内需比率が低過ぎる・・内需拡大が必要と言う意見が多いものの、真水の外貨準備が足りない場合、絵に描いた餅・・内需拡大可能なのは資金豊富な国の話です。
内需比率とは個人に喩えれば、収入から自己消費にまわせるお金のことです。
事業者の場合、売上ががいくらあってもそれを仕入れ代金や家賃や労賃に払ってしまい自分が使えるお金がほとんどないのでは、本当の豊かさではありません。
若い世代の場合、仮にAが月収60万、Bが月収35万円とした場合、Aが内30万円を将来のために・・自宅購入資金準備(貯蓄)や老後資金用の貯蓄などに回して、日常生活費が30万円の場合と、Bが月収のうち5万円を貯蓄に回して生活費に30万円使っている場合、ABの生活水準は変わりません。
違いが出るのは、子育てや住宅ローンの支払が終わってからのことです。
高齢化して仮に収入が10分の1になっても過去の蓄積の差・・自宅ローン支払い終わり家賃不要の人と家賃を払い続ける人・・その他取り崩せる貯蓄のある人とない人、個人年金を積んでいた人はそのバックが始まるなどの差がついてきます。
格差社会論で書いてきましたが、高齢化社会ではフローの収入格差見ても実際の豊かさは分りません・・ストックが重要で実際にどれだけ消費出来ているかによります。
現在の統計処理では相互扶助関係の人脈を含めてストック把握が出来ていないので、ストック社会で個々人のフロー収入の統計だけを見て議論してもあまり意味がないことを議論しているのです。
高額所得者の妻や次世代が働きに出ていなかったのが景気が良くて20万程度で働くようになるとこれが統計に出て、低賃金労働者が増える・・格差拡大する統計処理です。
(大きなお屋敷の有価証券何十億と有しているお祖父さんおばあちゃんの収入ゼロだからと最貧層にカウントしても意味がないでしょう)
蓄積の乏しい国・社会ではフロ−収入格差が生活水準に直結するでしょうが、(上記のような大金持ちだけなく1億前後から、5000万〜自宅があるなどいろんな階層がありますが・・)蓄積のある国の場合フロー格差がストレートに生活水準格差に直結しません。
アメリカのニュースを見ているとリーマンショック時の金融危機等でホワイトカラーが解雇されると直ぐに路上生活者になる状態が報道され・フードスタンプに列をなす風景が出ていますが、日本では考えられない風景です。
ただし、日本の日比谷公園でのテント村の報道でもヤラセっぽい(非正規が解雇されたら明くる日から路頭に迷ってテント生活する人って本当にそんなにいるの?)と書いたことがありますが、マスコミが一部だけ誇張している可能性があってアメリカ全体の傾向がどうか不明ですが・・兎も角日比谷テント村騒動の結果、アメリカ社会の格差問題に関する報道まで噓っぽい印象で関心が薄れてしまいました。
日本でヤラセ報道をしたことによって、多くの日本人にアメリカ社会を逆算してアメリカの報道を実態を表していないと印象付けてしまうのはアメリカに限らず西欧その他の国際状況を日本人が見る目を狂わせる危険性があります。
実は、アメリカヤ西欧の格差社会化の問題点は本物でこれが西欧でのテロ頻発の基礎的原因ですし、トランプ旋風でも証明されました。
アメリカ社会の報道の方は実態にあっていたのに、アメリカや西欧の問題点を何でも日本に当てはめて主張したい左翼系文化人が日本社会をこれに合わせるために日比谷公園にテントを張ってマスコミと共同して、ヤラセ・虚偽報道していたことが、日本人の国際情勢把握を遅らされた原因です。

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