政党資金源と党の存在意義縮小の意味2(社会党の場合)

旧社会党〜社民党が支持を失って消滅の場合、どういう遺産が残るのでしょうか?
もともと困っている国民の具体的救済・・地道な運動よりは中ソの代弁者役で国策反対、妨害でやってきた(外部から見ればそう見えるというだけで、内部的には日本国民のためにやってきたつもりかもしれませんが・・)政党ですので、バックが中ソから中韓に変わっただけで、中韓による対日攻勢の意欲が続く限り日本国内で分裂を煽る役割がなくなることがないし資金パイプもなくならないのでしょうか?
沖縄県民や野党が基地反対闘争をつづけていれば、仮想敵国にとっては日米両国軍の弱体化に有効な内訌ですので、なんとか盛り上げたいところです。
米ソ対決盛んな時には、ソ連が社会党へ資金提供していたことが秘密文書開示によって明らかになったことを紹介しました。
基地反対あるいは国策なんでも反対集団がいれば、日本弱体化を狙う国にとっては運動集団への間接資金供給は軍事費としてみれば安上がりなので、資金供給の誘惑が大きいでしょうし、複雑な経路利用して資金入手パイプができれば弱小野党にとっては食いはぐれのない安定的資金源になりそうです。
終わりのない闘争こそが「食いはぐれのない道」ということでしょうか。
ここで沖縄基地返還交渉と基地移転反対運動を振り返ってみます。
篠原章氏はどういう人かまったく不明ですが、福島瑞穂氏の検索で上記沖縄タイムズの記事と続けて出てきたので引用します。
http://www.jfss.gr.jp/home/index/article/id/230

【JFSSレポート vol.43】
無法地帯と化した沖縄・高江からの報告―「反日」に転換した基地反対運動 ―
経済学博士・評論家 篠原 章
沖縄県東村(ひがしそん)の北部に高江という字(あざ)がある。隣村の国頭村(くにがみそん)安波(あは)区と境界を接する高江区は、6つある東村の行政区のうち、住民登録約150人と、最も人口の少ない静かな集落である。メディアなどで報じられてきたように、その高江区がいま、米軍基地を巡って騒乱の只中にある。
普天間飛行場の辺野古移設と同様、問題の出発点は「基地返還」にある。基地返還によって沖縄の負担を減らそうという日米両政府の計画を受け入れまいとする基地反対派が、激しい抗議運動を展開しているのだ。在日米軍は、1996年の「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告」(日米合意)に基づき、東村と国頭村に跨る海兵隊の北部訓練場約8000ヘクタールのうち、北半分の約4000ヘクタールを返還することになっている。
但し、この返還には、返還区域内にある6つの演習用ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)を、非返還区域内に移設するという条件が付されていた。うち2つ(N4地区2箇所)が東村高江区内に、残り4つ(N1地区2箇所、G地区・H地区各1箇所)が国頭村安波区内に移設される予定だった。
この移設計画には、沖縄平和運動センターなどの反戦平和団体とその支援者、社民党、共産党などの政党や政治団体、地元住民の一部が反対し、工事用資材搬入口の車両による封鎖や座り込みなどで、再三再四工事を妨害した。「住環境と自然環境の破壊」が表向きの反対理由だったが、実質的には、米軍基地や日米安保体制そのものへの反対と見てよい。彼らは、部分返還ではなく全面返還を求めているが、米軍にとって唯一のジャングル訓練センターを含む北部訓練場が、全面的に返還される可能性は極めて少ない。無理を承知で全面返還を要求しているのだから、彼らの目的は「返還」ではなく「反対」にある。
激しい抗議運動の結果、2002年迄に返還される計画は、14年以上も遅延することになった。

中ソを含めた全面講和以外独立反対・・実現可能性のない条件を掲げて闘争(まともな交渉の場合、条件とは常識的に実現可能な条件であるべきですからこれを自分で闘争というのでしょう)していたことの焼き直し運動を今だにしているかのようです。
もともと解決する気持がなく半永久的に反対し、事業の妨害を目的とする集団を相手に話し合いしても無駄ということでしょうか?

政党資金源と党の存在意義縮小1(共産党の場合)

共産党の資金源縮小傾向を紹介しますが、共産党は中ソに阿る(おもねる)ことなく独立独歩の地位を確立してきたので、いざ国内資金源が縮小すると救済してくれる他国がありません。
しかしだからといって方向を誤ったのではなく政党としては正しい選択だったと思われます。
チャーチルが対独戦で活躍して役割を終えて地位を失いましたが、これこそ大政治家の本領と言うべきではないでしょうか?
共産党も国内で貧困層に焦点を当てて地道に活動してきたので固い地盤を築いて来られたのです。
共産党の努力で貧困から抜け出せた人は、感謝しつつも自分が中間層に這い上がると中間層の利益実現してくれる政党を支持するようになるのは正しい流れです。
共産党はこの人たちを恩知らずと恨んでも仕方がない・・国民レベルが上がると政党も変わっていく必要があります。
戦後バラックしか建てられない時にはバラック建築業者が潤ったでしょうが、国民が豊かになれば、それに見合った建築を提供できる業者に客が流れるのと同じです。
ただし共産党や公明党が弱者に焦点を当てたのは戦後苦しい時には正しかったのですが、彼らの政策が良くて貧困者が減ったのではない点がチャーチルとの違いです。
公明党はこの辺の見切りをつけて社公民路線以来与党連立政権入りを目指してきたのは正解だったように見えます。
共産党は確かな野党の看板を掲げてきた歴史をどうするかに困っているというべきでしょう。
20年7月頃に社青同やブントや全学連諸派や社会主義協会系グループの変遷を見てきたついでに彼らの主張をかい間見てたのですが、彼らは生産手段私有による支配を中心に論じていて、今やそういう静的な仕組みより動的な関係・所有より利用・AI等をよりどうやって有効利用するか、表現するかに移りつつあるのですが、マルクス時代で時間が止まっていることに気づこうとしない不思議さです。
共産主義という看板自体・今どき軍事基地として空軍基地より熊本城が良いかどうか議論しているようなもので、無理があるでしょう。
共産党は政党助成金制度ができた当初から政党助成金を受けると政府からの独立性が侵害されるという理由で申請したことがないまま現在に至っているそうです。
それができるのは赤旗購読料金を主たる資金源にしてきた点が強みだったらしいですが、ネット時代到来でついにこの販売が急減して来たとの報道です。
赤旗発行部数の推移
https://news.livedoor.com/article/detail/17058047/
共産党に衝撃、しんぶん赤旗がついに100万部割れ
2019年9月10日 6時0分 JBpress
(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)
今年(2019年)の8月28日の「しんぶん赤旗」に、なかなか衝撃的な一文が掲載された。「『しんぶん赤旗』と党の財政を守るために」と題する岩井鐵也財務・業務委員会責任者の訴えである。
発表されている政治資金収支報告で一番新しいものは2017年分である。これによると党費収入は6億2841万円(収入に占める比率は3%)、寄付が8億3732万円(同3.9%)なのに対して、機関紙誌・書籍等事業収入は、179億8771万円(同84.6%)となっている。月刊誌や幹部の書籍も含まれているが、圧倒的に「しんぶん赤旗」である。その機関紙が減り続けているというのは、共産党が財政面で大きな危機に直面しているということだ。

過激派全学連や連合赤軍など正義無視の暴力集団は、国民支持を失って自ずから淘汰されて行きました。
共産党は中国とも決別している独立路線でしたし、中ソの代弁もしなかったように見えますが、沖縄基地闘争は、何のためにやっているのか?
野党共闘に他の左翼系を引き込みさえすれば内部浸透はお手のものということでしょうが、今のところ本音が見えません。
そもそもソ連崩壊後も本気で共産主義社会が良いと思っているのか不明です。
ソ連(ロシア帝国膨張の隠れ蓑に「世界革命」を言っていたにすぎない)も中国も皆単なる民族国家だったように思われますが・・・そういう目で見れば資本主義国家もそんな大仰なテーゼで成立したものではなく、自然発生的にあったにすぎず、「資本主義」という主義で運営してきたものでありません。
資本主義社会というのは共産主義社会を理想とする社会の対置として比喩的に言い出したにすぎないのではないでしょうか?
共産主義そのものは世界的に破綻しても、今なお約2〜3%の支持を確保しているのは本気で困った人のために活動してきた実績があるからではないでしょうか。
赤旗購読料収入がなくなり、独自資金がなくなるとどうなるのか心配です。
本当に困った国民をきめ細かに面倒見てきた模範的政党で終われば良いのですが、困った人が減ってくると潔くお役目終了すればいいのですが、無理して生き残ろうとして変な方向へ舵をきると却って最後を汚します。
裏から見れば何やかやといっても、日本経済は着実にレベルアップして国民の隅々まで福利厚生が行き渡る良い社会になってきたので、食うに困る人を基本的な政治対象にしてきた共産党の面倒見の良い政治の役割りが減ってきたようです。
今の日本は本当に困った人には保護がくまなく行き渡る仕組みですし、経済以外の理由?で路上生活する人も減る一方です。
米国のホームレスに関しては19年2月22日頃に1週間ほど連載しましたが「底辺労働切り捨てとホームレス1(奴隷解放)」のテーマから奴隷解放にテーマが移っていきそのままになっていたようですので、今回はその続きとなります。

手元資金と日本経済

大手企業の(連結決算)利益は世界中で稼いだ利益ですから国内売り上げだけではありませんので、最高益だろうが利益に比例して国内投資する訳ではありません。
国内の儲け中心で最高益になっている大手企業は皆無に近いでしょう。
仮に国内だけで7%の利益とした場合を仮定すると、1%しか投資が増えないならば、残り6%はどうなった?ということですが、そもそも単年度利益が出てすぐに新規投資する企業の方が稀でしょう。
今朝の日経新聞4Pには宇宙監視部隊(宇宙ゴミの浮遊状態の監視)を創設すると出ていましたが、読んでみるとこれから機器の準備の他に今後アメリカ基地で訓練を受けるなどを経て制度発足は22年度からということらしいです。
こういう制度構想を構築すること自体に数年の根回し・政治力が必要でいよいよ受け入れてくれるようになってからでも、人材育成や機器整備システム構築などで22年までかかるようです。
身近な機器の補修と違い社運をかけるようなあらたな方向性に投資するには、数年以上かけて温めてきた企画(新分野の場合内部人材が手薄なので人材養成から始まります・・業務提携するには相手との信頼関係構築等の準備が必要です)があってあるチャンスを機会に始まるものですから、1期や2期の利益だけですぐに新規投資・決定実行までできる企業などほとんどないといってもいいでしょう。
そもそも世界的規模の企業で、その年度の儲け(トヨタの18年3月期末予想を23日に引用紹介しましたが、半年前の売り上げ伸び率予想だけでその期中に大規模な投資計画をつくるだけでも拙速すぎるのにその計画に基づいて工場用地を選定しかつ地主等との買収交渉して契約を済ませて、その後地元政府への許認可申請など済ませて、さらに工事を済ませて支払いまで終わり、手元資金に残っていない状態にしてしまうなど想定不能です)でその年度内に投資するのは物理的に無理があります。
機動的投資が可能なように、あらかじめ広めに工場用地を取得しておいて新規事業やラインは既存工場敷地内に立ち上げる事例が多いですが、それにしても旧設備と同じラインの増設ではあまり意味がないので、第1期工事後に発展した新技術を盛り込んだ新たなラインとなれば、どの程度盛り込むかなどのすり合わせも必要です。
美容院、レストランのような簡単な新規投資でも、半年や1年顧客の入りが良いからといってその年の儲けの何倍もの新規投資・・すぐに支店出店まではしない・ある程度好調が続いてから決断するのが普通です。
この客の入りは本ものか、この好調がどのくらい続くかの判断を経て(円安景気がいつまで続くか、原油安がいつまで続くかなど)出店や増産投資を考えるのが普通です。
大手企業の生産力増強投資の場合には、諸外国での立地が多くなっている関係でもっと複雑なプロセス・時間が必須です。
まして資金力の問題では全額借金では怖い(リスクが大きすぎる)ので、ある程度利益が溜まってから考えるのが普通です。
最高益と投資の状況については、25日の「最高益の実相」の欄で「じわり動く現金の山」という表題で個別企業の動きが出ていますが、最高益なのに投資が少ないというイメージで書く以上は、投資額と利益率との比較が論理的ですが、これをしないでいきなり下記の通りの総資産増加率との比較になっています。
26日紹介したように「積み上がったのが手元資金だ・・・00年度に比べて8割増えた。総資産の増加率(4割)より大きい。」というのですが、2期連続の最高益なのに投資がその割に少ないというイメージ主張をするならば、7%の利益率と資産額がどういう関係にあるのかを書くべきでしょう。
企業は資産規模の競争をしているのではなく、稼ぐ力の競争をしているのですから資産規模伸び率と比較しても意味がありません。
レストランやホテル・デパートなどが巨大施設を構えて1割くらいしか客がいない・ガラガラでも施設の大きさだけ自慢するのではなく、10人程の客が入る店でも利益率をあげる経営者の方が優秀です。
中国やロシアが未だに領域の広さを重視していること自体が、数世紀遅れの価値観にこだわっていることが分かり、ひいては国民意識がそうである以上は国内政治手法もこれに連動しているのでしょう。
先進国では、小規模のコンビニや居酒屋があちこちにフランチャイズやチエーン店化して盛況している理由です。
過去約25年間産業界はバブル崩壊後の贅肉削ぎ落とし→資産の圧縮・筋肉質の経営プラス(リーマンショック級の大変動に耐えるための)自己資本比率アップに苦労してきたのですから、日経新聞がバブル崩壊前の資産と手元資金を比較して批判して(論理的でないことを自覚しているからか括弧書きで書いているだけなのか?)いるようなイメージ主張するのは無理があります。
上記の通り企業高収益が2期も続くと積極投資に踏み切りたいと思っても、それには長期的傾向を見極める下調べ等の準備が必要です。
ベトナムやカンボジアに工場進出するかどうかも1〜2ヶ月の思いつきで実行できることではありません。
もともとの関心である手元資金(決済用資金)が、過大かどうかを新聞がシリーズで主張する以上は、判断根拠・基礎的資料として少なくとも総売上の資料提示してそれとの比較が最低必要です。
その上で個別事情のチェックに入るべきでしょう。
そこでネット検索してしてみたところ、データが13年分と古い(なぜか近年のデータ検索がでない)ですが、以下の通りです。
ikkei.com/article/DGXNASFS2900I_Z20C13A1EB2000/2017年11月25日(土)

2013/1/29付
日本企業の売上高、全産業で1302兆円 経済センサス・活動調査
経済産業省・総務省は29日、2012年の「経済センサス・活動調査」を発表した。企業活動の国勢調査と位置付ける新しい統計で、今回初めて各企業の業績を集計した。全産業の売上高は1302兆2523億円、粗利益に近い「付加価値額」は242兆6658億円になった。岩手、宮城、福島の被災3県では震災後1割前後の事業所が減ったこともわかった。

大震災直後の12年でも1300兆円・月商で言えば約110兆円ですから、決済用資金としてはその1〜2倍が必要です。
今は5年経過で好業績=決済用資金も膨張しているはずです。
日経新聞の書いている117兆円はもしかして全企業の売り上げではなく、上場企業だけのデータ(それも東証一部だけかどうかも書いていません)を書いているようにも思いますが、はっきりしないので何と何を比較して良いのかすらわかりません。
仮に117兆円とすると手元資金としては月商の1〜2ヶ月前後が必要とする会計原則と大幅な乖離がないように見えます。
ただし、上場企業全部か東証1部だけかすらはっきり記憶しませんが、総売上が700兆円前後とどこかで見たように記憶していますが(今すぐにはデータ根拠を示せません)そうとすれば月商平均約60兆円・その1〜2ヶ月分の決済資金準備プラス増産投資や企業買収あるいは資本参加のための資金需要や納税、配当資金等々がこれにプラスされると)とすれば大方整合しています。
まして上記「金融経済用語」説明のようにリーマンショック以降危機管理コストとして手元流動性を手厚くする傾向・金融機関等の自己資本比率アップ強制の世界的傾向とも合致しています。
イザという時のためにどの程度自己資本を手厚くしておくべきかは、各企業の独自判断で良いのであって、それを批判するのは、個別事情分析のアナリスト意見に市場がどのように反応するかに委ねるべきです。

内務留保の重要性と流動資金の関係4

経営者にとってはいざという時のための必要資金と思っていても、プロから見たら心配しすぎ・もっと少なくて良いという場合もあるでしょうが、(金融機関との間でいざという時には、例えば即時に500億円まで融資を受けられる融資枠契約をしておけば保証料だけ支払えばすみます・・こういう工夫の余地)こういうことはアナリスト等の個別分析が有効な分野であって、一般論で煽ることではありません。
個別企業分析能力のない一般エコノミストがアナリスト意見・市場の声(株価反映)を踏まえないで単に最高益に対するやっかみ的連載を繰り返すのは困りものです。
産業界は最高益更新に湧いているが庶民には関係がないという型通りのやっかみ報道に見えます。
長期好景気と言っても庶民には「実感がない」という根拠なき断定報道も同根です。
仮に一般論であるならば、日本の企業全体の総売り上げの推移と手元資金との比率変化を論じるべきですが、全体の売り上げがどうなっているかの比較記事を見たことがありません。
産業規模が大きくなれば絶対額が増えるのは当たり前ですから絶対額だけを煽っても意味がありません。
1昨日(土曜日)はせっかくの好天に誘われて佐倉の川村美術館に出かけてお気に入りのな庭園を見ながらゆっくり食事をして帰ってきたので、夜帰ってから新聞をちらっと見て驚き、今日もこの追加意見に追われていますがまだ昨日からまともに新聞を読んでいませんので読み間違いがあるかもしれません。
テレビ局のサンゴ礁に関するヤラセが大問題になりましたが、テレビ局がサンゴ礁についてどういう意見を発表しようと勝手としても(中立性違反の問題は別として)が、前提事実にやらせ・虚偽または誤りがあるのではまともな意見とは言えないでしょう。
私のように趣味で書いている個人のブログでも前提事実の記憶についてはうろ覚えなので大方自信がないと毎回のように断りながら書いていましたが、最近簡単にネット検索できるようになったので前提事実についてはできるだけ(その分煩雑になっていますが・・)引用する(・引用文を信用するかは引用先次第・読者におまかせする)ようにしています。
紙媒体の新聞の場合、そのままコピーできないので、文字をそのまま打ち直していますが・今回あまりにも数字が違いすぎるので引用ミスをしたかな?と心配してまだ捨てていない21日の新聞を読み返してみましたが、「日本企業が持っている現預金は200兆円あまりになっている。」とはっきり書かれていました。
日経新聞では「手元資金と現預金の意味を交換して表現すべし」という内規があるとした場合、記事中に「当社では、『現預金とは一般にいう手元資金』のことであり、『手元資金とは現預金』のことです」という説明が必要ではないでしょうか?
新聞・マスメデイアは社会の公器かフェイクニュース元か?
日本では朝日新聞の慰安婦報道以来・・・トランプ大統領のフェイクニュースの批判+ロシアによるメデイア操作疑惑もあって、大手メデイアの信用力はガタ落ちですが、このような唯我独尊的熟語悪用がまかり通ると、トランプ氏の意見の肩を持つ人が増えてくるでしょう。
ところで、25日朝刊では、「直近で」と一応根拠らしいものを示していますが、「直近」というだけで何のデータによるのか?かつ何月何日付けデータを根拠にしているのか不明です。
11月21〜22日に私が、たとえば手元資金必要額は原則として・売り上げ規模規模拡大や新規投資など資金を必要とする個別事情チェックした上での批判でないと合理的でないと書きました。
好業績が続くと増産投資を計画をするのが普通ですが、設備投資資金の蓄積や、納税資金や配当資金需要などの例外を見る必要がありますが、これも結局は月商規模に関連します。
こうした(私の意見など問題にしていないでしょうが、他に批判があったのでしょう?)批判に対応するためにか?26日に紹介した通り総資産が4割しか増えていないのに手元資金が8割増えているのが如何にも良くないかのような書き方になっています。
いかにも反論のように見えて実は比較対象が違う(・手元資金の必要額は資産と比較する意味がない)ので何の反論にもなっていません。
日々・毎月の決済資金の必要性は、資産規模に比例するのではなく売り上げ規模等を大きな要素にして(好業績が続くと増産投資を計画する企業が多い→2〜3期分の税引き配当後利益を蓄積して不足を社債等の発行で賄うなど)出入り資金必要性に比例すると書いてきたのであって、資産規模には直接の比例関係がありません。
百億円の不動産等の資産を有する人と10億円しか資産のない人が同じく月商1000万の飲食店を経営している場合、(新規出店資金需要や食中毒事故による特別損失出費等の予定がない場合)必要な手元資金は資産の多寡に比例せずに売り上げ規模に比例する(10億の資産しかない人も必要な手元資金は同じ)ことは明らかでしょう。
この数十年のトレンドは持たざる経営・できるだけリースその他資産規模圧縮・身軽経営・外注・アウトソーシング経営が合理的とされてきたので、企業は売り上げ規模拡大に比例して資産を増やさなくなってます。
売上でさえ規模拡大やシェア拡大を目指さずに、利益率を重視するようになっています。
個人も車など保有よりは必要に応じてレンタルやシェアーするなどのトレンドになっている現状を無視する変な比較をしていることになります。
25日掲載記事は好業績に関わらず投資しないで内部留保が溜まっている・これを投資に振り向けるべく・・内部留保課税を直接言わないものの相応の政治圧力が必要というイメージ論旨が満載です。
最高益なのに(内部留保していて)投資がその割合に少ないというイメージ論旨ですので、日本企業の最高益の実態がどのくらいになっているかについて日経新聞24日朝刊第一面掲載の「最高益の実相」を見てみると、以下の通りです。

「18年3月期の純利益は2期連続で過去最高の見通し」「7%の壁ー上場企業の売り上げ高経常利益率は、今期バブル崩壊後初めて7%の壁を突破する」「企業が稼ぐ力を高めた要因は3つある。
1つは金融危機後事業の選択と集中を加速したことだ。」
「ソニーは、・・競争の激しい分野一方で量を追わない・得意分野に集中する戦略に転換したのが奏功する」

経常益更新・最高益の原因として日本業が無駄な資産を削ぎ落とした筋肉質経営に努力した結果、そこへ好景気と重なり好循環になってようやく平均利益率7%超えも視野にはいってきたという趣旨ですし、これが日本全体の常識的理解でしょう。
バブル期以来の好業績といっても7%を超える程度ですが、ここでの関心は投資が7%の高収益と比例しているかの比較でしょう。
さらに企業投資は国際化しているので、国内投資が国際連結利益アップと関連するわけではありませんから、企業の内部留保(最近では手元資金)がが多すぎるもっと投資しろと騒いでも国内に投資する保証はありません。
アメリカで車の販売が伸びればアメリカ等での増産投資が増えるのが普通ですし、中国やベトナムタイ等でコンビニが儲ければ現地出店が加速するのであって、国内出店投資が増える関係ではありません。
国際連結の利益率と国内投資額を比較するのは非合理であることは、子供でもわかる論理です。

内務留保の重要性と流動資金の関係3(メデイアと用語統一必要性)

昨日紹介した解説でも「手元資金」には「流動性の高い資金の総称」とあって現預金に限らないことが示され、短期有価証券を含むことが多いとなっています。
そもそも言葉の意味から考えても「現預金」の表現は現金と預金等の個別分類を表していますし、手元資金とか決済用資金・流動性資金等の使用目的による表現よりは範囲が狭いことが明らかで、下位概念の現預金の方が手元資金よりも多いとは(経済知識のない私のようなものでも)常識的に想定できません。
手元資金等はすぐに現預金化できる資産を含む=手元資金の方が現預金よりも多いことが経済用語としても明らかですが、日経新聞記事ではなぜ逆転した書き方になっているのか不思議ですが、私のような素人が食事や仕事に出る合間にちょっと読む程度の人間には思いがけない深い意味がこめられていのかもしれません。
仮に日経新聞で論説を書く人の経済用語理解が間違っているとした場合、日経新聞の21日記事と25日記事両方とも間違っていることってあるの?という疑問です。
仮に別の人が書いているとすれば2人とも逆に理解していることになるほか、両記事ともに内容からして情報収集して歩く新米記者が書ける執筆ではなく、ベテランのエコノミストによるものと思われますが、プロが2人も揃って経済用語の基礎知識を間違って逆に書くようなことがあるのでしょうか?
仮に執筆者が同じとしても・校正等の事務局が充実しているはずの大手新聞社の語句チェックが機能せずに2回も通っていることになりますが、(現預金が200兆円で手元資金117兆円と出れば普通は?おかしいぞ!と気がつくものです)2回目の記事では1回目と大幅な数字違いがあるのでこの時点で「どうして大きな数字違いがあるのか?」に気がついて見直せば、どちらかが間違っていることがすぐ分かる筈ですが、2回ともスルーしているとすれば関連部局のチェック能力に疑いが起きます。
事務局能力の名誉のために邪推?すると関連部局ではわかっていたが、世論誘導のために?意図的にスルーさせて逆の意味で書く必要があると判断したのでしょうか?
もしも世間常識と違う意味で熟語を意図的に使う場合には、誤解を招かないように「ここではこういう意味で書いています」と「断り書き」を入れるのが公平な立場でしょう。
ちなみに資金滞留批判のトーンは21日の「大機小機」に続いて24日の日経新聞の第1面に「最高益の実相」欄として大きく出ていて(1面の左約半分の大きさ)その続きで今問題にしている25日3pの記事になっていることがわかります。
今朝の日経第一面では「利益剰余金56%が最高」の大見出しでいかにも巨大な剰余金を溜め込んでいるかのようなイメージ強調の連載は終わっていません。
内容を見ると、設備投資の動きが紹介されていますが、以下の通りあくまで部分の紹介で全体の動きを期待するかのような書きぶりです。

「スバルの・・社長は・・・『次元が変わる技術進化に備えこれまでできなかった設備投資や研究開発を増やす』と話す。溜め込んだお金をどう使うか一層のの説明を求められる」

と思わせぶりに書いています。
「思わせぶり」だけでカチッとした事実がないといえば、朝日新聞の記事の多くにその傾向が強くて歯ごたえがないので20年以上前に朝日新聞から日経新聞に変えて満足していたのですが、日経も最近ではムード報道中心になって来たのでしょうか?
事実の裏取り必要性といえば、最近では週刊文春の山尾志桜里氏の不倫騒動で見ても分かるように、(経済報道のように難しいことではなくスキャンダル的事実中心ですが・・)裏取り能力の高さに驚きます。
こうした手を変え品を変えての日経新聞報道の流れ(内部留保悪玉説の浸透努力?)を見ると、21日「大機小機」で小さく出して置いて(その間小刻みに何かを書いていたのかも知れませんが、私は気づきませんでした)24日は第1面大見出しと格上げして25日には3pで大きな記事にしてきた流れを見ると「大機小機」掲載時点から、社あげての目標設定によるシリーズ連載企画・・執筆者の個人プレーではなかったように見えます。
新聞社組織あげて(世論誘導したい)企画でありながら、この程度の基礎概念を押さえる必要性スラ認識できない組織レベルなの?という疑問です。
日経新聞の「経済欄はまるで議論の対象にならない・しっかりしているのは文化欄だけ」という口の悪い人の意見がネット上で流れていますが、以上を見ると驚くような低レベル組織になっているとの誹謗?もムベなるかな!という印象・誤解?(私の読み方が間違っているのかも知れませんが)を受けました。
もしも単語表記の単純ミス・現預金が117兆円で手元資金200兆円が正しいとすれば、(6ヶ月の誤差がありますが、10月末時点の現預金が私には不明なので)仮に同時期として計算すると200−118=82兆円が短期有価証券等保有であり、現預金ではなかったことになります。
世界企業で言えば、現預金は世界中に散らばった事業現場で日々支払いできる資金・現金払いの場合、預金払い戻し時間が必要ですが、大口支払いは振込等の操作で済むので時間誤差がほとんどありませんが、有価証券の場合どの銘柄をいくら売却して資金化するかの判断時間(売却優先順位を決めておくことでこの時間は短縮できます)が必要な他に売却指示後現金化できるまでの決済時間・・最短で5〜6日の誤差があります。
このために約1週間〜10日程度のタイムラグに耐えられる・+アフリカ現地で不足した場合に外貨両替して送金する時間差(為替リスクも考えある程度余裕を持った現地通貨保有)程度の現預金が現地出張所等に必要となっています。
短期処分可能な有価証券の利用とは、通常決済には十分であるが九州の震災等のような突発事態への二次的備えとして、預金よりマシな国債等への一時預けにしている数字が短期保有有価証券ですが、これは4〜5ヶ月先に予定されている大口決済資金(例えば配当までのプールとか工場用地取得契約や企業買収がまとまりそうな場合とか、本社ビル完成引渡し予定数ヶ月先にある)などがこの種の資金になってプールされます。
企業が必要もないのにゼロ金利下で不要な資金を現預金で持っていたくない点については意見相違がない(無駄に持っている方が良いという人は滅多にいない)のは明らかですから、新聞・言論機関が不要資金プールするのが合理的か否かを議論する必要はありません。
ある企業の保有資金が「過剰・無駄」かどうかこそが議論の対象ですが、それは個別企業の事情分析によるべきで抽象論で煽るのは間違いです。
希望の党の公約の一つ「不要不急のインフラ整備をやめる」という点についてこの後で書いて行く予定ですが、「不要不急の公共工事をした方が良い」という政党はありませんので「何が不要不急かの選択」を示さない公約ではどういう政治をする約束なのか意味不明なのと同様です。
外部から見て一見多すぎるように見える場合にも個別企業によっては相応の必要がある可能性がある・・
外部から見て一見多すぎるように見える場合にも個別企業によっては相応の必要がある可能性があります。
今朝の日経朝刊で紹介されていたスバルのように、この1〜2年好業績を背景に単なる増産投資ではなく、「次元が変わる技術進化に備えこれでまでできなかった設備投資や研究開発を増やす」ために準備している企業もあるのです。
・・本当に不要な資金なのか、近日中に大口決済が待っているか、配当支払い資金や設備投資計画の有無等の個別事情によりますから、個別企業の実情無視の日本全体の一般論に意味があるとは考えられません。

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