調査主体による世論調査の傾向差3

世論調査は中国のGDPや各種統計発表を日本のプロは一定の修正を施して、解釈しているような関係です。
日本の報道機関各社は信用維持のために各社の(新聞界の押し紙慣行同様)、悪しき慣行を正す必要があるのではないでしょうか?
報道機関による世論調査の結果差は以下引用する通りで、時事ドットコムでは自民党支持率24%台と立憲3、5%しかないのに、NHKでは32、5%台と5%代に大幅に上がります。
朝日では、立憲は9%代で推移する表が出ています(引用省略)。
他政党との比率も毎回変動するのではなく、政党別支持率の比率傾向が調査主体ごとに毎回同じ比率で変動しているのが不思議です。
※確かな野党の社民や共産の支持率はどの調査主体でもあまり変わりません。
積極的贔屓をしているメデイアがないということでしょうか?
最新世論調査結果の具体例です。
https://www.realpolitics.jp/research/による調査期間別の政党支持率の5月平均です。

上記のように自民支持率は朝日、毎日が27、5〜28%しかないのですが、他は概ね30%台後半です。
アトランダムにかけたはずの電話応答者がたまたま偏った人に当たったのではない証拠にその前からもほぼ同じように朝日毎日とその他では大きな差が毎回ついている点をこのシリーズでは問題にしています。(「朝日が」という意味ではなく、読売の場合自民党支持率高めなどの調査主体でも)下請け現場で発注者向け忖度操作が行われていたのでないかの疑いです。
推移を見ていきます。
“https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalparty”
時事ドットコムニュース【図解・政治】政党支持率の推移


記事などの内容は2020年3月13日掲載時のものです
以下のNHKの7月の表を前記https://www.realpolitics.jp/researchの5月平均と比べれば傾向は同じです
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu
7月10日(金)~12日(日)
各政党の支持率 NHK世論調査

政党名
自民党 32.2
立憲民主党 4.9
国民民主党 0.7
公明党 2.8
日本維新の会 3.0
共産党 2.2
社民党 0.4
れいわ新選組 0.6
その他の政治団体 0.5
支持なし 45.5
わからない、無回答 7.2

調査主体別世論調査の傾向差2

その気で考えると国勢調査に始まり消費者物価指数その他各種調査は全て現場作業・機械的な単純作業に委ねているので、誰の味方でもない一般人がありのまま記録しているだろうとの信頼・・信仰でなり立っているようです。
家消費支出動向調査なども、レシート添付などのルールがあるのでしょうが、滅多に現物照合してチェックなどできないでしょうから、モニターになる主婦の鉛筆加減によります。
やらせ記事や報道が有名になりましたが、発注者がその気になれば街角景気でもなんでも数字は意のままになります。
弁護士間交渉の場合、お互いに別の業者に価格査定を願いするのが一般的ですが、本来発注者ごとに結果が微妙に違うものと一般に考えているからでしょう。
選挙の場合厳正に行う必要があるので、立会人の目の前で開票作業を行い、しかも1テーブル4〜5人で各人がABC候補別の(例えば10枚)束を作り,その束を順繰りに回して別の候補が混じっていないかきっちり10枚かの再確認していきますので、最後までA候補の票をB候補の票に取りちがえるようなミスは滅多におこりません。弁護士会である問題に関するアンケートを取った場合の例(私の知っている限りですが)では、みんな忙しいので委員会の中で誰かに集計作業をお願いして、次回委員会でその結果を表にしてもらって議論するのが普通で原票を確認し直すようなことをしたことがありません。
お互いこれといった利害がなく、実務上どういう事例があるかの問い合わせ・・を知りたいだけですので、改ざん動機がありえないからです。
その点、契約の成否に関わるデータや、世論調査等では調査依頼者の欲しい情報傾向があらじめ決まっているので、(集団自衛権や秘密保護法反対、森かけ騒動など、主体的に報道していたメデイアにとってはその影響が大きく出て欲しいでしょうし、反対の論陣の方は影響がないと言いたい気持ちがわかります)その意向に迎合した結果になり易いリスクがあるので、選挙開票作業のような厳格な監視をするか、社会コストから考えてそういう厳格な手続きは無駄だという視点で、「あのメデイアの調査結果はそんなもの」という諦めの目でそれぞれ贔屓の媒体の調査結果を見て、「あそこがこういう結果なら・」というバイアスで解釈している社会が良いかです。
対象企業から費用をもらって格付けすることが知られていますが、その程度の信用で良いといえば言えます。
なにかあるとテレビがよくやる街角の意見といっても、実はほぼヤラセというのが定説のようですし、世の中みんなそういうものと思って生きていくしかないのでしょうか。
この事件発覚後朝日新聞では当社はコンピュータAI処理しているので、恣意的操作が入る余地がないと発表していますが、A党支持のばあい① のボタンを押して下さいB党支持の場合②のボタンを押してください式の場合自動的にパソコンが記録できるでしょうが、電話かけ子が大勢で手分けして電話しているコールセンターの光景を見ると、口頭での応答が先行しているようですが、電話相手が世論調査にOKすると、以下自動記録手続きに移るのでしょうか?
データ処理のプログラムがどうなっているかの検査は高度な技術がいるのでしょっちゅう専門家によるチェック検査結果公表が必須ではないでしょうか。
企業帳簿で言えば「会計士がやってるので正確です」というのと同じで、不正が分かりにくくなっているだけということもあります。
専門の検査機構を抱えていたエンロンに始まって世界企業の巨大な不正経理がしょっちゅう発覚しています。
このため会計監査法人が特定企業を継続担当していること自体に問題がないかの議論すら起きているのが現状です。
「利益」のためにやったとは、電話料金ケチる意味ではなく、目に見えない大きな利益か?意味慎重な動機報道ではないでしょうか?

監査人、監査法人の交代制度について

監査法人の交代について
公認会計士法によれば、公認会計士は7年で担当企業を代わらなければなりません。
しかし、同じ監査法人が監査を継続できる期限は定められていません。
日本公認会計士協会としても、会長以下、主要な役員は大手監査法人の在籍者で占められているため、積極的に交代を制度化する意思は毛頭ありません。
ただ、数社程度ですが、日本の上場企業の中には、定期的に監査法人を交代する企業もあると見聞きします。
他方、欧州各国では、上場する大企業や金融機関に対する監査法人の交代制を来年から導入します。監査法人が連続で担当できる期限を原則10年とし、期限後の4年間は同じ企業の担当を禁じるものです。

継続関係だと発注者の意向を忖度する傾向が起きやすいのが普通ですので気になるところです。
コンピューターをどのように管理して誰がチェックしているかまで発表すべきでしょう。
ほぼ同時期でしかも調査方法がほぼ同じと言うのに、以下紹介するように調査主体によって毎回一定の傾向比率で大きな差が出る不思議・・イカサマ性に多くの人が気が付いているのではないでしょうか?
素人的な共通的理解・・・「ああ、そこの調査結果でそれくらいなら・・・」という受け止め方・・実態が正しいのではないでしょうか?
そんなことするわけがないと思いたいのが人情ですが、(請求書が来れば契約していない客が驚くし、問題になれば、客の声でないとすぐバレる)相手のある契約でさえデータ改ざんする手口が横行している現状を見ると、苦情を言う相手のいない世論調査委託のコールセンターだけどうして信用力が高いと言えるかの疑問に答える必要があるでしょう。

調査主体別世論調査の傾向差1

消費者事件が多発するようになってから企業は顧客に電話をかけて契約内容の確認をするようになっていますが、訴訟等ではその電話記録が提出されると原則として正しいものとして採用されています。
これは企業人が電話で聞き取ったことをそのまま記録しているものとする信用で成り立っているものです。
その録音記録原本まで提出を求めることは滅多にありません。
これをいいことにして、留守だったのに会話したことにしていても、保証人になった身に覚えのない方は、4年も5年も前に確認の電話があったかどうかなど・・なかったと言えても具体的会話を覚えていないのが普通です。
以下の事件のように直後のことでも高齢者の事件では問い合わせている息子の方は、録音があるなら、「おじいちゃん「お願いします」と言ったのでないか?忘れてるのじゃないか?と企業側の言い分を信用して終わってしまうのが普通です。
契約関係は相手があるので苦情が起きいざとなれば「録音自体を聞かせろ」となりますが、世論調査の場合誰の録音かの特定がないので、誰かの声と突き合わせることが不能で、改ざんする気になれば自由自在でしょう。
世論調査の場合、個別会話なく番号回答方式ですので、原始記録の書き換えでなく、電話を聞き取りながら右手で該当番号を丸していくスタイルの場合、当初から相手の回答が②なのに③であるかのように片手で丸していくことが可能なので書き換える前の原記録自体が存在しません。
録音自体がない・電話をかけなかったですませば、真相は藪の中になります。
電話をしていないのに担当者が好きなように政党支持の回答を作っていたとすればどういう基準で作っていたのか?こういうことも調査報道すべきではないでしょうか?
最もありうる調査結果は、正式に聞き取りした回答比率に合わせて配分したということでしょうが、そんな面倒なことをするくらいならば、実際に電話を掛けた方が手間暇かからないので「利益のためにやった」というのが正しいとすれば、発注者の期待に応える一定方向への色付け報告の意図があったのではないか?の疑念を払拭できないでしょう。
折から東電関連電話記録改ざん事件が発覚したばかりです。
このようなことが内部で普通に行われている疑いが起きて、世論調査についても内部調査が始まって今回判明したのではないでしょうか?
https://www.asahi.com/articles/ASN6D6VR0N6DUTIL01W.html

契約認めたように…東電委託先、通話記録文書も改ざん
北沢拓也、久木良太 2020年6月13日 5時00分

不正な編集は、りらいあ社の鹿児島センターで行われた。2019年3月~12月に44件の音声データを改ざん・捏造し、東電EPに提出。契約を拒んだ顧客を契約成立にするなど、強引な勧誘実態を隠すことが目的だったという。
このうち東京都江戸川区の男性(85)は19年1月に勧誘の電話を受け、数日後に申し込み完了の書類が届いた。男性は「契約したつもりはない」と驚き、妻(77)と一緒に長男(51)に相談。長男はりらいあ社につながった電話で、高齢の父親は内容を理解せずに契約させられたと訴え、通話記録の提供を求めた。
その後、男性宅にA4用紙5枚にまとめた「通話内容」が郵送されてきた。長男は契約を了解したように見えるやり取りを確認。契約は継続したという。

ところが実際には録音自体が改ざんされていたことが発覚したという事件のようです。
朝日のニュースではその後の事実関係は有料記事になっていて見られませんが、時事ドットコムによると以下の通りです。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061100399&g=eco

不正を行ったのは、りらいあコミュニケーションズで、今年1月に内部通報で発覚した。東電などによると、電力・ガスの小売り販売の勧誘業務で、2019年3~12月に東電が提出を受けた71件の音声データのうち44件で不正が見つかった。顧客とのやりとりの一部を削除したり、顧客に成り済まして会話を偽造したりしていた。

録音自体改ざんされていると消費者には簡単に暴けませんが、(朝日の例では顧客の方が渋々認めるしかなかったようです)内部通報があって録音自体改ざん(なりすまし録音)されたものであることが判明したようです。
世論調査と違い顧客が特定されているので顧客と付き合わせれば声の違いなど判明します。
そういう場合でも「録音自体を聞かせろ」というクレームが少ないので「なりすまし」録音する誘惑が起きたのでしょう。
この場合契約を取りたい・・営業成績に関わるメリットに関係しますが、世論調査の場合、どういう利益と引き換えにしていたかの真相解明こそが重要です。
調査主体の思想傾向がよく知られている場合、迎合して一定率で電話かけ子が電話記録する時に電話相手の応答と違う箇所に丸バツすることも可能です。
どういう手口で何を不正入力していたか不明ですが、電話をかけていないとすれば、白紙状態に現場の意見をそのまま入力できそうです。
各種調査機関の委託先現場担当者がサジ加減入力しているのが常態化しているとすれば事前予想・世論調査と実際の選挙結果が大違いになるわけです。
数十年以上前ですが、環境アセスメントが始まった頃だったかに、橋梁工事前の河川敷等で野鳥等の生態調査をしている人と会話したことがありましたが、彼らのオフレコの話によると「だいたい合っているけど、「調査委託団体の意向に合わせて数字を作っていかないといけないので・・」環境保護系調査の人は苦しそうでした。
言われてみると、実際飛び交っている野鳥の数などどうやって数えているのか?その証拠保存は不明ですし・・・鳥や小動物の糞の数や営巣数などは写真添付するが周辺の草などちょっとイジれば別の巣にできると聞いたような記憶ですがうろ覚えです・・念のため。

メデイアはきちんとした調査を!

以上見てきたように日経新聞報道による最高益と手元資比率の関係は、どの対象を調べた数字か不明なので合理的比較をできないようになっています。
11月25日の記事では、最初の方に「日本経済新聞社の調査では企業の17年度設備投資額は前年度比13、6%増と4年ぶりに2桁になる見通しだ」というだけで、この調査がだいぶ後に書いてある「積み上がったのが手元資金だ。直近で過去最高の117兆円と00年に比べて8割増えた。」という手元資金の数字根拠にもかぶるのかすらはっきりしません。
仮にかぶるとしてもどこの業界発表の数字を集計したのですらなく自社で独自?「調査」したというのですが、そもそも何を調査したのかすら書いていません。
日本企業全部または上場企業だけか、従業員何百人以上の企業または資本金何十億以上全部調査したのか、回答率何%か回答しない企業をどのように推定したかという方法などすべて闇の中です。
私の意見では、手元資金の大まかな第一次基準は月商規模によるべきで、投資計画中で資金蓄積中などは個別事情によるというものですが、第一次的妥当性を見るために月商と比較しようとしても、日経新聞社調査によるというだけで調査対象を書いていないので比較対象すべき企業群が不明です。
「直近で積み上がった手元資金は117兆円だ。」の手元資金が上場企業全部ならば、上場業全部の月商合計が必要ですし、日本企業全部ならば、日本企業全部の月商が必要です。
あるいは業界別の聞き取りによるというのならば、業界平均の月商が必要でしょうし資本金何億円以上の企業集計かもしれません。
数字根拠を出さない報道の仕方は、その数字が正しいかどうかのチェック不能にするばかりか、その数字を前提としたその先の議論の材料にもできない点で、第三者参加による合理的議論の積み上げに寄与しない不毛な報道の仕方であるように思われます。
そもそも第三者との合理的議論の高まりを期待していない・・議論に自信がない報道だからデータ出所をださないのでしょうか?
思想表現の自由は、思想市場で合理的議論対象にできてこそ必要で有用なものです。
ムードを煽るだけの言論に有用性があるのでしょうか?
個々人にとっては、合理的な調査をする時間も能力もないので「何かおかしい」というだけでも表現の自由が必要ですが、マスメデイアが根拠を合理的に示さずにムードだけけ煽るのは危険です。
ところで、仮に日本企業が必要以上の手元資金を保有しているとしても、メデイアはこの主張を繰り返すことによって何を実現したいのか連載意図が不明です。
その主張によって日本経済をどのようにすべきだという目的があるのでしょうか?
メデイアが何の政治経済効果を求めて「企業が儲けを溜め込んでいて投資に振り向けない」と批判するシリーズを組むのでしょうか?
韓国では内部留保課税実行で雇用促進を狙ったものの配当が増えるだけで終わっていることを11月19日に紹介しましたが、韓国と日本とでは経済活動の実情が違っています。
韓国では大卒や若者の就職率が低く、失業率の高さが危機的状況にあることが知られていますが、日本では求人が求職を超えていて人手不足のため受注に対応し切れない・・事業規模縮を縮小するしかないほど・たとえば宅配大手のヤマトでは配達回数を減らすために指定時間枠を減らすしか無くなっているのがその象徴で、就職難で困っている韓国とは実態が違っています。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/info/info_170317.html

配達時間帯の指定枠の変更(平成29年6月中)
(1)「12時から14時」の時間帯指定を廃止します。
(2)「20時から21時」の時間帯指定を廃止し、「19時から21時」の時間帯指定を新設します。

今朝の日経新聞朝刊2ページには大きな見出しで「外食無休もう限界」という記事が出ています。
無休前提の外食業界も人手不足に勝てないので(交代勤務要員の手当てがつかない)徐々に深夜終日営業を切り上げていましたが、ついに無休営業をやめて休業日を設けるところが出てきたということです。
他方韓国では大変な雇用状況が以下の通り報道されています。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12329294824.html

2017-11-21 05:00:00
韓国、「身勝手」日本と同盟組まぬが「大学生就職」宜しく!?
韓国の就職状況は惨憺たるものだ。『中央日報』(11月2日付)は、その実態を次のように報じた。
「11月1日、韓国経済研究院によると、日本の8月求人倍数は1.52で、2015年1月(1.15)に比べて0.37ポイント上がった。就職希望者100人が就職できる雇用が152という意味で、52の雇用は労働者を求めても得られない状況だ。韓国は同期間の求人倍数が0.68から0.62にむしろ後退した。就職希望者100人が62の雇用をめぐって競争しているという意味だ。日本や米国はここ2年間、雇用環境が急速に改善されている一方、韓国の雇用事情は依然として停滞しているためと分析される。日本はアベノミクスのおかげで恩恵を受けている。
・・・・
1)「韓国外交部の趙顯(チョ・ヒョン)第2次官が11月13日、東京で日本政財界の要人と会い、韓日関係改善に対する韓国政府側の意志を伝えた。韓国外交部は『趙次官は日本経済団体および政府関係者の面談時、韓日関係改善に向けた韓国政府の意志を伝えた』と明らかにした。また『韓国人材の日本企業就職増大の必要性を強調した』とし、『日本側もその必要性に共感し、今後、双方の緊密な協議を通じて、日本企業が希望する韓国人材に対する情報提供、韓国学生の日本留学の増大および現地就職支援など協力方案をより具体化していくことで一致した』と伝えた」
このパラグラフを読むと、外務次官の訪日目的は就職依頼である。その前段に、日韓関係改善とあるが、主題は就職依頼だ。
・・・・
(2)「韓国人材の日本企業就職増大のための具体案として、趙次官は韓日大学間の相互単位認定制度の拡大を通じて、韓国の大学3年生が日本の大学4年生の課程履修後に現地で卒業および就職する案を積極的に推進することにした。また、日本の法務省や厚生労働省ともこの方案を進めていくための協力方案を協議していくことにしたと外交部は伝えた」

韓国学生の日本での就職促進で、具体案も持参していた。早手回しである。韓国の大学3年生が、日本の大学4年生に編入して卒業させ、日本で就職するという案である。数年前から韓国の就職難によって、日本の大学へ留学するケースが増えていた。日本語もその間に上達するメリットがあるというのだ。ただ、4年生からの日本留学案は、いかにも「羊頭狗肉」の感じだ。日本の大学を卒業するから日本人並みに扱って、就職させてくれというに等しい話である。」

この結果韓国は反日感情を一方で煽りながら同時に外交当局が韓国若者の就職を日本公式にお願いして来ている身勝手さを上記で書いています。
今の日本では、仕事(受注しても)が(人手不足で)間に合わないので投資を先送りしてほしい(オリンピック後に先送りしているプロジェエクト)分野がいっぱいあります。
一時の好景気よりも、長く続いた方が国民にとってもよいでしょう。
人手不足で各種プロジェクトを先送りする必要に迫られている我が国で、内部留保や手元資金過大をイメージアップし投資不足を強調する必要性がわかりません。
論理的でないのを知っているからこそ、非合理なイメージ報道しかないのかな?と思えますが・・。
韓国では国内投資不足を背景に内部留保課税を実行したものの一時的に配当が増えただけで雇用創出に結びつかなかったことを11月19日に紹介しましたが、日本では同じ問題・・失業で若者が溢れているどころか、逆に人で不足で事業縮小ているところが出ている始末です。
日経新聞の連載は日本の実情を地道に観察した結果の問題点指摘ではなく、韓国の緊急テーマを無批判に日本にそのまま持ち込んでいるのではないかの疑問があります。
アメリカで格差社会反対がブームになると日本中のメデイアがこれを煽っていましたが、日本社会に関係が薄いのですぐにしぼみましたが・・、主体性がなさ過ぎるように見えます。
朝日新聞のの慰安婦報道もそうでしたが、客観事実調査能力がないのではないでしょうか?

超高齢者調査が必要か

 

戦前の政府は国民を臣民と言い、(明治憲法では国民の権利義務ではなく「臣民の権利義務」と書いていました)を税金を取ったり徴兵する対象・管理するべき客体であって国民は国家の主体・主権者ではありませんでした。
国家の経営主体は天皇にあって国民はその対象・・今で言えば牧畜業者が牛や豚の頭数を管理しているような関係、「朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ」と言う文言を見ると今風に言えば親の代から大事に可愛がっているペットみたいな扱いです。
第2章は現行憲法では国民の権利義務とあるのですが、明治憲法ではすべて臣民となっています

大日本帝国憲法(明治22年2月11日公布、明治23年11月29日施行)

憲法発布勅語
朕国家ノ隆昌ト臣民ノ慶福トヲ以テ中心ノ欣栄トシ朕カ祖宗ニ承クルノ大権ニ依リ現在 及将来ノ臣民ニ対シ此ノ不磨ノ大典ヲ宣布ス
以下中略・・・朕祖宗ノ遺烈ヲ承ケ万世一系ノ帝位ヲ践ミ朕カ親愛スル所ノ臣民ハ即チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念ヒ其ノ康福ヲ増進シ其ノ懿徳良能ヲ発達セシメムコトヲ願ヒ又其ノ翼賛ニ依リ与ニ倶ニ国家ノ進運ヲ扶持セムコトヲ望ミ乃チ明治十四年十月十二日ノ詔命ヲ履践シ茲ニ大憲ヲ制定シ朕カ率由スル所ヲ示シ朕カ後嗣及臣民ノ子孫タル者ヲシテ永遠ニ循行スル所ヲ知ラシム ・・以下省略
第2章 臣民権利義務

第18条 日本臣民タル要件ハ法律ノ定ムル所ニ依ル
第19条 日本臣民ハ法律ノ定ムル所ノ資格ニ応シ均シク文武官ニ任セラレ及其ノ他ノ公務ニ就クコトヲ得
第20条 日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ従ヒ兵役ノ義務ヲ有ス
第21条 日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ従ヒ納税ノ義務ヲ有ス
以下省略

戸籍に載っている人が死んでいるのにこれを抹消しなかくとも、死んだ人から税を取れないし徴兵出来ないことは同じですから、(死んだ人が記録に残っているだけでは犯罪を犯さないので、治安上の問題がないし)国家としては何の不都合もないので、生死を調べて歩く必要がありませんでした。
むしろ生きているのに死亡したとして、あるいは勝手に除籍して税や徴兵逃れをされるのは困るので、除籍には厳しく対応して来たのが明治以来の歴史でした。
今でもその精神で運用しているので、死亡届=除籍には医師の死亡診断書等証拠を要求したりして大変です。
日露戦争まで相続税の考えがなかったことを、11/20/03「相続税法 10(相続税の歴史1)」のコラムで紹介しました
相続税が制度化されると政府としては死亡したら税を取れるメリットがあるようになりましたが、実際に行方不明者・・普通は蒸発→どこかの公園で寝たりドヤ街で暮らしている程度ですから、行き倒れの人の死亡で相続税が発生するようなことは殆どあり得なかったでしょう。
政府は費用を掛けて死んだ人を探し出して戸籍を抹消する必要がまるでないまま、現在に至ったのです。
当時の政府は国民に要求するばかりで、国民が恩恵を受けるような今の時代・・社会保障の充実した現在の感覚で国民と国家の関係を考えるとまちがいます。
自分の納めている税金よりも受ける給付の方が多い人が今ではかなりいると思われますが、今の国民は政府に対して社会保障等要求する傾向が強くなる一方ですが、当時の国民と国家の関係はまるで違っていたのです。
個々人の納税額は別として、全体としては、(金持ち貧乏人・法人税や間接税も含めて)総納税額以上の支出を政府が出来ない理屈ですが、赤字国債の発行で可能になっている・・財政赤字の累積分だけ国民の受益の方が大きくなっていることになります。
財政赤字下では平均以下の納税者は、受益の方が大きいのは明らかです。
今になって(最近収まりましたが、このコラムは昨年秋頃の大騒ぎ時に書いてあったものですが間にいろいろ原稿が挟まって今になったものです)超高齢者の死亡が記録されていないのは政府の怠慢だと大騒ぎしていますが、届け出もないのに職権調査するとなれば膨大な人件費がかかります。
将来全部コンピューター化出来れば別ですが、死亡者の登録を消すだけのために過去100年分の戸籍簿を全部コンピューター化するために膨大なコストを掛けるのは無駄ですから、紙記録のままで調査するしかないでしょう。
紙の戸籍簿をにらんで(蒸発したような高齢者は戸籍筆頭者=戸主でないことが殆どですから、表紙だけ見ても分らず中をめくって行って初めて分ります。)その中の生年月日から逆算して今は何歳として、その人の関係者の追跡調査を始めるのには膨大な時間コストがかかります。
しかもこの種調査は一時的に全部やれば終わるのではなく、定期調査しなければまた100歳以上の高齢者が溜まってしまうのですが、そんなことに高額所得の公務員を多数貼付けて巨額の税をつぎ込む必要がありません。
今でもこの抹消のメリット・・戸籍に残っていることによる政府のデメリットが皆無に近いからです。

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