中国バブルの本質2(新興国経済2)

中国では不動産バブル=マンションバブル・建設バブルになるしかない・・土地に特化した我が国と法制度の違いを18〜19日に紹介しました。
中国の不動産バブル崩壊は・・庶民大量参加の結果、バブル・好景気破裂の損害が庶民に影響が直接及ぶ外に、マンション=建設業や納入する鉄材・・セメントや製鉄業界・内装関連・鉄道製造やひいては地方政府の破綻まで大影響を受けるのが土地に特化した我が国バブル破裂との大きな違いです。
これ加えて17日から書いているように新興国型発展をして来た中国では、鉄道、港湾その他流通インフラ需要と工場立地と一体・同時発展・一斉開花でした。
工業的に言えば軽工業も、重工業も発展段階を無視した(家内手工業から中小零細企業時代の技術蓄積・経験を経由しない・・この辺は韓国も同様です)一斉投資でした。
中国の経済不振は東南アジアとの輸出競争に負け始めていることに真の原因・・輸出企業の不振にあるとすれば、大量設置した輸出目的工場系の方から先に資金繰りに窮する事例が多く出て来る・・来ている可能性があります。
マスコミやネットで論者が書いているように、不動産・マンションバブル崩壊が原因で経済不振になるのではなく、輸出系大規模工場の操業率低化によると言うべきです。
輸出系工場急拡大による農民→工業労働者への転換による収入増が続いたので、これを当て込んでマンションその他の需要とこれの継続を当て込んだ仮需が急拡大していたのですが、輸出系大工場の操業率低下・・経営不振による需要減退を誤摩化すために湯水の如き?際限ないインフラ整備等をやってきましたが、資金的に無駄な投資を続けられなくなって来たのが、中国の経済不振の真因です。
輸出競争力低下→操業率低下→供給過剰をの穴埋めのために、過剰生産される(例えば)鉄を使うマンション建設や鉄道新設工事、オリンピック会場等等の投資を続けてきましたが、無駄な工事はいつかは出来なくなるのは当然です。
一時的過剰品はどこかで無理に使えばなくなりますが、過剰生産力による過剰供給問題は、作り過ぎた分を折角建設資材等に使って山積みの製品在庫をなくしたと思ったら、工場から新たに過剰製品が出て来るので、無限に公共工事をし続けなければ製品在庫解消出来ません。
肝腎の供給元の生産を削減しない限り永久的に供給過剰品を無駄に消費し続けるしかない・・こんな無理なことは財政的にいつか破綻してしまいます。
水道の蛇口を閉めないで出て来る水をバケツで受けて、近所中の風呂桶などに配って歩いてもいつかは近所の風呂桶は満杯になるでしょう。
福島原発の汚染水が日々でて来るのをそのままで、受け皿のタンクばかり増設し続けている姿と似ています。
政府は供給過剰を認めて生産規制するか市場淘汰させて大本の過剰生産をやめさせるしかないのですが、共産党政権は赫赫たる未来・何年後にアはアメリカを追い越すような宣伝をしているためにこれが出来ません。
過剰製品処理のために下流の産業に無駄な投資を強いるのは、市場経済無視・・独裁政権だからこそ出来ることですが、・・無理は結局無理です。
需要無視の鉄道建設すれば、出来上がると乗客がいないと言うことで、転嫁先の鉄道業界の(過剰な大卒に始まって地方高速道路や自動車産業、空港や競技場やマンションその他需要無視して作った全ての業種)の過剰問題が起きてきます。
大本の粗鋼や石化製品等基礎資材の生産能力を削減しないままでの単なる在庫処分・消費拡大ですから、粗鋼生産能力等基礎資材の過剰が解消されていない・・従来どおり過剰生産が続いている上に、転嫁先の鉄道や自動車やマンションやオフイスビル等の過剰供給問題が再拡大してダブル・トリプル発生してきます。
政権延命のために過剰分野を国内で先送り・再拡大して来ただけの可能性があります。
再転嫁再拡大の繰り返しが限度に来たらしく、最後は人間を増やすしかないと言うところまで追いつめられて一人っ子政策を緩和するところまで発表されています。
鬼城と言われるマンション投資業界は、先送りされ転嫁されたいろんな末端業界の1つに過ぎない・・バブルの原因ではなく結果の1つに過ぎないと言うのが私の意見です。
不動産不況は、空き家を見れば分るので、・・これがネットジャーナリストである旅行者・ウオッチャーの目につき易いのが真実かも知れません。

中国バブルの本質(マンションバブル)

中国では、巨大な鬼城・・ゴーストタウンが外国人旅行者・ウオッチャーに目立つので、マスコミあるいはネット論者がそこに注目して不動産バブル崩壊近しと早くから注目していましたが、(17日紹介した勝又氏の意見も同じです)中国に限らず新興国では、17日から書いているとおり不動産投資だけが過大ではありません。
ここ1年〜半年くらいでは製鉄所の製品が野積みされていることを報道されるようになりましたが、要は通りがかりに見えるものを基準に報道している感じです。
中国経済不振は不動産バブル破裂だけが原因ではない・・1つの原因にすぎないことを以下で書いて行きますが、仮に不動産バブル破裂が(正しい)原因としても、わが国の不動産バブル破裂とは違って大きな影響があります。
我が国不動産バブルは、業者による宅地分譲やゴルフ場用地買収など土地転がし中心で、エンドユーザー・庶民は、数年先に必要となるものを値上がりしそうだからと早めに購入して家を建てたり転勤族が定年後のために早めに土地を買っておこうかと言う程度で参加しただけであって、使いもしない家を建てたり庶民自身の投機(転売目的)参加は限定的でした。
当時の我が国はまだ戸建て需要(それも個性のある注文住宅)が中心でしたから、転売目的に家を建てておくような発想はありません・・業者の建て売り住宅は個性が乏しいので転売用になりますが、耐用年数の短さから短期に売り抜けないと損をするので、やはり投機目的は更地が主流でした。
この辺ワンルームマンションを投機用に買わないかと言う勧誘が当時引っ切りなしにありましたが、マンションの場合没個性・耐用年数の長さから、中国に限らず投機目的になり易いことが分ります。
バブルとは、実需がなくて投機売買で成立するものとすれば、土地売買バブルほど格好なものがありません。
チューリップや商品先物取り引きは「限月」の限界がありますが、土地は腐らないので際限なく転がして行けることと、実需の有無はマスコミによるもっと上がると煽る世論誘導次第によるのでそれほど難しくありません。
工業施設や店舗はむやみに投資すると取得資金だけではなく大量の従業員を雇用し、生産・販売用の原材料を仕入れたり、運転資金がいりますので本当に製品の販路があるか、ペイするかどうかの堅実な読みが要請されますが・・店舗の値あがり期待でラーメン屋や洋服屋を開店する訳には行きません。
1年先に仮に1割高く売れる期待があっても、店舗は陳腐化するしその間の赤字の方が大きくなるでしょう。
土地を10〜100倍仕入れるだけならば、何もしないで寝かしておけば良いので、「◯◯管理用地」と言う立て看板を立てる程度の管理コストしかかかりません。
土地は仕入れて寝かしておいて1年先に何割か高く売れれば、その間の金利コストよりも大きければ良いので計算が簡単です。
かかるのは仕入れ資金の金利コストくらいですから金融機関の出方次第でバブルが起きたり縮小したりします。
(金融機関・・金融行政の責任が大であることが分ります・・今回のアベノミクスも金融政策の舵取りが基本です)
上記のように設備投資には従業員や原材料仕入れ等のコストが付いて来るので、転売・投機目的では新増設出来ませんが、土地は金利コストが主なコストでしかないので、転売目的にぴったりの商品であって、金融姿勢と世論誘導次第でどうにもなる商品です。
中国の不動産開発は、我が国のような土地売買ではなく、「鬼城」の報道で知られるようにマンション販売が中心です・・これが建設用鋼材その他のバブルにも波及しますし、2戸目以上の購入を禁止したり緩めたりしていることから分るように、庶民が投機に参加していることが特徴です。
(いまでは株の投機売買にまで庶民が参加していることも5月13日に書きました)
ちなみに我が国は土地バブルでしたが、中国ではマンション建設バブルになっているのは、法制度・・我が国だけが土地と建物は別の不動産になっている特徴にも関係します。
世上共産主義国家で土地の個人所有がないからだとまことしやかに宣伝されていますが、法制度的には我が国が模範としているドイツ等の西洋諸国でも、土地と建物は一体の物=1個の不動産となっているそうです。
(そう習っただけで実際のドイツ法を知りません)
木造で耐用年数の短い・・2〜30年で建物販売価値がなくなる点が問題視されていることはご承知のとおりです・・我が国で、建物を別の権利とするのは不思議な印象を受ける人が多いでしょうが、逆に木造だからこそ良いものは移築可能と言う面があります。
国宝のふすま絵は簡単に外して博物館に保管出来ます。
レンガや石造りでは解体して移転する発想が起きません。
東京の第7環状線工事のときに環7予定地にあった細いくねくねした道路を良く走っていましたが、工事のために立ち退く家が個人の家でも、道路拡幅によって後ろに下がるときに曳き家する方法が普通にありました。
しょっ中解体修理して姫路城や法隆寺や大仏殿などが残って来たことも関係します。
聚楽第の遺構を伏見城へ移築したなど知られているように我が国では、解体して他の場所で復元するやり方が伝統的(明治村の発想も同じです)ですが、こう言う歴史を反映したものでしょうか?
国宝級ではないものの、京都の正伝寺だったかに夫婦で4〜5年前に立ち寄ったときに、伏見城の血が染み込んだ床板が廊下の天井板になっているとタクシー運転手さんから説明を聞いたことがあります。
また宇都宮で修習中に近所に立派な新築のお屋敷があって、夫婦で招かれて訪問していましたが、そのトキ奥様が家老の家柄だったとかでご実家の屋敷の板をこの新築の家の床の間の床板に使っていると説明されたと私の妻が記憶しています。
悪い方では、明治初年の廃仏毀釈・廃藩置県で五重塔や天守閣が短期間に大量に解体されたのは、その土地が欲しいからではなく部材を欲しい人が多かったからです。

中国バブルの本質(新興国型経済1)

元々アメリカは成金でしかないのでややこしい話をまとめる力が弱いのを、軍事力でカバーしていただけであり・・これを覇道政治と私は書いています。
アメリカは、軍事力を基礎にしない正義での説得能力が低いので、テロ・ゲリラを相手とする中東地域の紛争解決には正規軍の誇示ではどうにもならない・・湾岸諸国の代理出席は、軍事力を背景とするアメリカ外交能力の限界を如実に表しています。
アメリカの圧倒的な軍事力・・これによる世界支配・・経済制裁その他の嫌がらせ能力は今でも健在ですが、イスラムゲリラやイランに対して威力を発揮出来なくなりました。
覇道政治の限界を書き掛けていましたが、13日以来中国バブルに話題が移っていますが、その内覇道政治の限界に戻ります。
アメリカは軍事力低下に比例して複雑な国際仲裁能力こそ地に墜ちましたが、なお、正規軍では一強ですし、いじめっ子としての実力は半端でない(・・これは覇道政治です)ことがアメリカの方向転換次第で極東の勢力図が大きくぬり変わる・・アメリカにはしごを外された韓国の焦りを見ても分ります。
中国はまだ大したことがないのに何を思い違いしたのか威張り過ぎた・・国内的に虚偽統計で自慢し過ぎているので、その延長で軍部の対外挑発行為を抑え切れないなどいろんな分野で身の丈に会わない威張り方をするしかないのかも知れません。
そうしないと習近平政権が維持出来ない弱点がありそうです。
バブル崩壊に話題を戻しますと、我が国のバブルは、世界第二の経済大国として着実に発展して来た巨大産業群の中で融資先に困った金融機関が不動産関連に融資を拡大したことが原因でした。
日本は不動産関連に限定したバブルでしたが、中国の場合対外宣伝しているGDP成長の約2割も不動産関連利益が占めていた・・マトモな産業が育っていなかったことに大きな弱点があります。
新興国は一般的に基礎産業が育っていないので、外資流入を求めるのですが、流入が始まると何もないところに受入れ用のホテルや工場団地や大規模な空港や港湾設備や立派な道路を造り線路を敷設しますので、中国に限らず不動産関連に先に資金が回る仕組みです。
日本のように順次発展して来た国では、小さな町工場を徐々に大きくし、江戸時代の漁港を少し大きくして行き、港湾設備を荷物が増えるに従って少しずつ大きくし、駅舎も道路も町工場も、ちょっとずつ大きくしてちょっとずつ機械して近代化して行きました。
東京駅の工事あらかた終わりましたがその工事の仕方を見ても分るように仕事しながらの改築ですから、何もないところに新築するのとは違い目覚ましい発展はありません。
最近の報道を見ても分るように、成熟企業では、大手が増産投資すると言っても大多数は既存工場敷地内でのラインの新増設・改廃などが中心で工場用地の買収は滅多にありません。
新興国が外資導入すると、順次の発展を省略してイキナリ、最新式空港や鉄道や駅、大規模工場用地取得から始めますので、投資活動も先ずは土地大規模買収から始まって平行してその他産業も操業開始・・北国の春のように一斉開花が普通です。
このために経済成長率としてみれば、急激になるのは北国の開花と同じで別に珍しい・賞讃されるべきことではありません。
中国は規模・・図体が大きいことによって世界の注目を集めていただけで、新興国経済型で先進国(主として日本)から最新施設・技術を導入して物流インフラ投資に始まって大規模工場新設など一斉に始めた点では、ベトナム、ミャンマー、インドネシア等と本質が同じです。
中国の場合、不動産投資がGDPに占める比率が世界?標準よりも極めて大きいことが特徴と言われていますが、新興国経済=外資導入で成長が始まった以上は(私に言わせれば)当然の原理原則であり、中国に限りません。
以下は「勝又壽良の経済時評http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi」からの引用です。
2015-05-13

「経済の最大の成長部門が不動産開発であった。それが、中国経済の実態である。不動産開発とは、ブルドーザーで山野を均し平地にする。そこへ、コンクリートと鉄筋でマンション群を建設する。きわめて「原始的な産業」である。お世辞にも高付加価値産業とは呼べない代物である。もっとも、農民から田畑を安値で強制買収して高値で売り払う。この限りでは、皮肉にも立派な「高付加価値産業」である、だが、ここには高度の技術が介入していないから、厳密に言えば「粗放産業」に分類される。換言すれば、中国は粗放産業によって支えられてきた。」

経済不振国の高金利(緊縮政策)

ブラジル(インドネシア)などは、もの凄い景気減速→急激な通貨安に見舞われてしまい、景気減速下での金利引き揚げしかないジレンマに襲われています。
8日に紹介したようにブラジルは景気減速下で11、75%〜12、25%に引き揚げるしかないのですから無茶苦茶・・経済活動が窒息しそうな金利です。
通貨安は貿易上有利ですが、一定限度を超えると純債務国では、ドル建て負債の支払が膨らみ過ぎて支払不能になるリスクがあります。
経済弱小国では、大幅景気悪化になると、金利を下げるどころか逆に金利を上げて通貨防衛するしかない状態です。
(一般商取引では、資金繰りが苦しくなれば、金利を下げて欲しいのですが、逆に金融機関の提示する高利でも借りるしかありません。
国単位になると通貨主権があるとは言うものの、弱小国では不景気になっても低金利にして国民を助けるどころか、自主的に高利を設定して外資を呼び込むしかない点は経営不振に陥った商人と同じです。
この辺は伝統的な経済セオリー・・不景気になれば金利を下げて過熱すれば金利を上げると言う金融政策はグローバル化時代には、時代遅れになっていることが分ります。
日本の場合、純債権国であり所得収支黒字国ですから、円安になると貿易収支が有利になる外に収益金や返済される金額が増える仕組みです。
・・・例えばアメリカに投資したり貸した収益が100億ドルで同じ状態でも、円換算の日本での受取金額が1ドル80円台のときと120円では大きな差がでます。
(800万円の返済予定額が1200万円になります)
債務国で通貨が半値になると輸出には有利ですが、同じ1億ドルの借金返済で言えば自国通貨では2倍の負担になってしまいますが、輸出がイキナリ2倍に増えないのでデフォルトになってしまいます。
純債権国では円高になると貿易収支が悪化する外に、海外資産の円評価減や海外収益の円換算手取りが減るので3重苦になりますが、円安は3重の恩恵です。
純債務国ではこの逆回転になります・・1〜2%ずつ通貨安になると貿易収支の有利さが上回りますが、急激な通貨安だと付いて行けなくなるのが普通です。
人事で言えば、徐々に地位が上がれば対応出来ますがイキナリ何段階も飛び越して地位が上がると準備・適応能力不足で大失敗してしまう・・政敵になりそうな有望若手を早めに潰すために行なういわゆる「官打ち」効果と同じです。
財務省と学者の主張する「財政赤字のままだと大変なことになる」と言う意見は、純債務国に通用する議論を純債権国の日本に当てはめているので、多くの人が感覚的にピントと来ないのです。
貿易赤字が続くと通貨変動による競争力修正作用によって徐々に物価高になって購買行動が手控えられて行くと輸入が減って輸出が増えるので貿易収支が均衡しますが、南欧諸国はユーロ域内にあって独自通貨を持たないので通貨安による国際競争力修正機能が働かない以上は、際限ない赤字を溜め込んで行きこの赤字穴埋めに国債発行・財政赤字を続けて行くと結果的に国債の信用性がなくなってデフォルト危機に陥ってしまいました。(一種の固定相場制の無理が出たのです)
この解決のために緊縮政策の実行をECBから求められていますが、為替変動による事実上の修正作用と違って権力的緊縮政策は政治的には無理があります。
この辺については、日本の地方交付金のような再分配政治が必要であることをJuly 10, 2014「国内生産過剰9(人口縮小策3)」に書きました。
ドイツ等北部諸国は南欧等の弱い国をバスケットにすることで、自国の競争力からすれば(マルクのトキにはマルク高になっている筈のところ)ユーロが割安通貨になって、輸出好調でも通貨が上がらないで得をしているのですから、その分域内で再分配をするのが公平です。
この辺の配慮が足りないドイツ等の言い分ばかりでは、本当の解決にはならないでしょう。
ブラジルは独立国ですから、ギリシャのように外国から強制されませんが、通貨暴落→国民生活大混乱を避けるためには、結果的に金利を上げて国民に痛みを強いるしかない状態に陥っています。
為替の急落が大騒ぎになる・・急激過ぎる変化が危険・・コマメな変化・・早めの修正適応が重要なことが分ります。
健康管理を怠ると大病するようなものです。
政権に不都合だからとコマメな変化対応を怠っていると、あるときにダムが決壊するような大打撃を受けるしかありません。

経済不振と排外行動のツケ4

ゲリラ相手では大国と言えども簡単ではないのは、人間が蚊や細菌等の小さなもの相手では、おいかけ回すことは出来ても完全勝利できないのと同じです。
アメリカはベトナムの経験があるので、どうせ泥沼になることを知っているので始めっから一定のところで撤退する予定で行動していました。
イラクやアフガンのアメリカ軍は負けているとは言えないまでも、どのようにして終わって良いか分らない・・折角存在した現地秩序を無茶苦茶に壊したまま無責任に撤退する様子です。
イラクではフセイン政権が独裁であれ何であれ、国内秩序維持していたことは明白な事実です。
これをアメリカが民主化のためと称して侵略して秩序をぶっ壊しっぱなしで混乱させたまま新たな秩序も作らずに撤退するとなれば、何のための侵攻だったのか?正義の名分が全く見えません。
結果から見ればフセイン体制をぶっ壊してどう言う秩序を作ろうとしたのか不明ですから、事前に言われていた産軍複合体や石油利権獲得の思惑+イスラエルへの脅威の1つを弱体化する・・親米政権を中東のど真ん中に樹立する目的で侵略を始めたのではないかと言う推測が正しかったような結果になりつつあります。
第二次世界大戦は、アジアでの競争相手になって来た日本をぶっつぶす目的で、次々と難題をふっかけては苦し紛れに飛び出して来るニッポンを舌なめずりしながら待ち構えていたアメリカでしたが、今回のイラク戦争も大量破壊兵器を保有していると言う虚偽報道した挙げ句に侵略したものの、どこからも大量破壊兵器は出て来ませんでした。
アメリカの歴史を見ると周辺国(テキサスその他地域)併呑に始まって、米西戦争によってフィリッピンを植民地化するなど侵略のオンパレードである点は、現在中国の歴史と共通項です。
アメリカは戦争をしたくて仕方が無い・・このためには、どんな汚い手も使うと北朝鮮にさえ恐れられている国になっています。
アメリカは頻りに自国をローマになぞらえれるのが好きですが、ローマが難癖つけて戦争を仕掛けたポエニ戦争を彷彿させます。
アメリカも資源輸入しないとやって行けない普通の国になれば、国内企業救済・・資源浪費・無駄な支出目的に言いがかり的な戦争を吹っかけられなくなるでしょう。
ナチスも破竹の進撃を続けている間は、すごい勢いで国内総生産が上昇していました。
2番手3番手がこれをやるには、世界トップが出て来ない程度の段階でやめられない限り最後は負けてしまうので、行き詰まってしまいます。
ヤクザは被害者が警察を呼ばない程度の脅しや嫌がらせで終わりにしないと警察を呼ばれると失敗するのと同じです。
日本は満州建国時点で日米関係を納められれば成功だったのですが、アメリカの方は対日戦争したくてウズウズしている状態・・如何に日本を戦争に引っ張り込むか手ぐすね引いて待っていたのですから、(河野談話が出来レースだったのと同様で、リットン調査団の結果は見えていたのです)収まる訳がなかったのです。
排外行動の成功の秘訣は、自分より強い国の参戦がないうちにやめる見通しを立てて始めること、また際限なく紛争を拡大して行っても負けることがない・・世界一の大国であると言うことでしょう。
中国もロシアも超大国ではないので、欧米が参戦して来ると引っ込まざるを得ません。
これを防ぐために中国は頻りに太平洋2分案を持ちかけて西太平洋にはアメリカが口を出さないようにしてくれと懇願していることになります。
尖閣諸島やフィリッピン、ベトナム等での実力行使は、アメリカの本気度を試すために行なったものと解釈するべきでしょう。
チェンバレン融和策同様に、腰砕けのオバマ大統領がどこまで中国のゴリ押しを黙認するかを試してみたのでしょう。
アメリカはこれに対してコミットすると明言し続けているので、中国は振り上げた拳の持って行き場に困っています。
勿論ロシアのクリミア併合〜ウクライナ介入に対する経済制裁が、どの程度実効性を持って行なえるかも中国はじっと見ている状態です。
日本は対中牽制のためにはロシアとの関係が良好な方が良いのですが、かと言って経済制裁尻抜けの原因になって中国を勢いづかせるだけで困ります。
日本にとってのロシアは、領土問題に限らずシベリア抑留や日ソ不可侵条約違反などの根に持つべき・・簡単に許せないこと柄が山積しています。
対露関係宥和の必要性は、対中関係の備えのための必要性程度の意味でしかないのですから、基本は対中関係にどう言う影響を与えるかの基準で考えるべきでしょう。
日本にとってのロシアは、領土問題に限らずシベリア抑留や日ソ不可侵条約違反などの根に持つべき・・簡単に許せないこと柄が山積しています。
対露関係宥和の必要性は、対中関係の備えのための必要性程度の意味でしかないのですから、基本は対中関係にどう言う影響を与えるかの基準で考えるべきでしょう。

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