マスコミの役割・・情報紹介業3

家計収入でみれば、従来働いていなかった主婦層が、好景気の人手不足で月20万円前後の非正規雇用で働きに出るようになれば、夫一人が正規雇用で4〜50万円得て働いていたときよりも、4〜5割の収入増になっていることを2015年1月2日に書きました。
景気が良くなって新卒採用が増えれば、(新卒の給与は社内の最低水準ですから)従来5人しか採用していなかった企業が好景気で10人採用すればその企業の平均賃金が下がるのは理の当然です。
昨年〜1昨年就職浪人が何人いて、今年は何人減ったか(新卒就職率)など分野別に比較することこそが国民生活を論じるならば重要です。
就職浪人が減れば減るほど、新卒就職が増えて企業内の平均賃金が下がりますし、現場系事業が多忙になってそれまで無職だった人が非正規雇用採用されるようになると非正規雇用が増えたと騒ぎます。
従来定年退職後無職になっていた高齢者の雇用が増えても、同じ結果になります。
今後80歳台まで少しでも働きたい人が増えれば増えるほど非正規で働く低賃金労働者が増えて行くので、平均賃金が下がる方向に働くのは当然です。
あるいは障害者の雇用が進んでも、同じことが言えます。
国民生活を論じるならば、60歳〜70歳まで年齢別に無職者がどれだけ減ったか・実質就労時間がどれだけ増減したかが重要です。
従来定年退職で無職になっていた高齢者が働くようになったら、(・・定年で正規雇用から非正規になってしまった・定年前に比べれば年収が何割下がったので)却って彼らの生活が苦しくなったかのような倒錯した論理は噴飯ものではないでしょうか?
部分的データを捉えて、好景気と言っても庶民は苦しんでいる・・格差拡大しているとする方向へ頻りに洗脳的垂れ流し報道を続けているのがマスコミです。
ネットの発達が中国等の後進国よりは、日本等の先進国で威力を発揮しマスコミ支配が終わるだろうとjanuary 3, 2013「政権担当能力2(マスコミ支配)」「マスコミ支配の崩壊」Published February 2, 2013その他何年か前から書いて来たとおりですが、日本のマスコミ(これへの浸透を果たした中韓の意識)はまだその威力を充分理解出来ていないように思えます。
中国の場合は、いわゆる近代国家を経由していませんので、いくらでもネット規制出来る強権体質ですから、中国的発想に親しんでいる日本マスメデイアでは、国民操作などどうにでもなると誤解したままではないでしょうか?
日本ではネットを強権的に規制出来ないだけではなく、草の根の国民レベルが高いので「情報操作さえすれば国民など意のまま」と言う19〜20世紀型ユダヤ系マスメデイア支配思想・・やり方が通用しない国民であることを、同じ日本人であるマスコミ人が理解出来ていないのが不思議です。
ユダヤ系あるいは米英系が成功した・・マスコミ支配さえすればどうにでもなる19〜20世紀式の世界支配のやり方をそっくり(ユダヤ系のように巧妙ではなく、目に見えるような露骨な形で)真似して中韓はそのまま対日米政治文化工作や国際機関工作に精出してきました。
その結果、国連事務総長に韓国人がなり、国連保健機構の事務局長に中国人がなるなど着々と地歩を固めるとともに、日本マスコミ界への浸透やロビー工作で成果を上げていることは確かですし、我が国マスコミ界も事実上中韓勢力の浸透を許していて、両勢力の意のままになっていると言われています。
論者によれば朝日の動きを見れば、その後の中韓の主張が分ると言うほど中韓の先触れ傾向が強くなっています。
相互交流名目で新華社等の人材がNHK・朝日などに常駐していて、彼らの影響力が強大になっていると言う噂が一般化していますが、中韓による判で押したような軍国主義化・右傾化の日本批判が公式に始まる数ヶ月前に、その先触れ的報道が必ず朝日新聞やその系列で始まることから証明されている状態になりつつあります。
朝日から言えば、「自分の方が先見の明があるだけだ・・だから言わんこっちゃない・・やはり中韓から批判を受けるようになってしまった」だろうと言う反対論が当然あるでしょう。
あるいは逆に朝日が中韓やニューヨークタイムズに浸透していて、朝日の主張がそのまま中国や韓国の方針になりニューヨークタイムズの主張になると言う意見も可能です。
中韓の浸透を許してしまったのか・・どちらが浸透しているか、されているか不明ですが、相互交流名目で米中韓日一体化してしまったマスコミ各社は、今では日本にある米中韓の代弁者・基地みたいになっているので、1月31日に書いたように一旦組織の流れが出来てしまうと、反対の声を誰も上げられなくなっている可能性があります。
組織内論理は別として、マスコミ界は「自社(中韓あるいは米国の意向)の政治的立場によって国民を指導する」目的で報道するのではなく、事実報道=サービス業に徹して、判断は国民が自分で出来る方向へ姿勢を切り変えて行かないとマスメデイアを信用出来ない・・もしかして外国勢力の巣窟じゃないか?と思う人が増えて行きます。
国民は特定政治的立場のプロパガンダに飽き飽きしていますので、角度をつけない情報提供業に徹して行かないと今後紙媒体報道に関しては購読者数が激減して行くと思われます。
電波系はじっくり論理的に考えるレベル向けではなく、ムードに弱い視聴者をターゲットにしているので、角度をつけた根拠のない誘導報道が(バラエテイ番組など)まだ有効でしょうが、却ってその有効性の故にネットの激しい攻撃を受けて結局偏った報道が出来なくなって行くと思われます。
(韓流がイヤならみなければ良いでしょうと開き直っていたフジテレビ事件の教訓からみると、ネットの威力は半端ではないことが分りました)
NHKは購読料金や広告料金に頼っていない分、(視聴率競争も少ないので)市場競争の影響が出難い難点があります・・・。

マスコミの役割・・情報紹介業2

昨日・2月4日の夕刊1面トップに大きく「昨年0、8%増」と出ました。
あわせて実質賃金2、5%減と大きな見出しです。
しかし普通文字の1行目をみると「一人当たり」と言うのですから、結局は平均値を書いていることになります。
論旨によれば「一人当たり0、8%増だが物価上昇率を引くと実質2、5%減と言う結論を導いています。
好景気になっても正規雇用者は年1回の定期昇給しかないし、中高年以上の年収1000万以上クラスでは管理職が普通でしょうから、残業手当もないので、殆どアップしていません。
景気と平均賃金の関係をみると、不景気になると臨時や期間工から人員削減され新卒採用が減るので、社内人員構成が高齢化し比較的高給取りが居残り勝ちですから、社内平均賃金が上がります。
好景気になると新卒や中途採用、パート等を増やした場合、その企業の平均賃金が下がる方向に働くのが普通ですから、景気が良くなれば平均賃金が下がるのが経済法則になります。
上記日経新聞夕刊のように「実質賃金2、5%減」と大きく書きながら、内容をみると「一人当たり」賃金にすり替えて計算し直しているのです。
景気が良く・国民生活の底上げがあれば平均賃金が下がるに決まっている当たり前の経済法則を、如何にもアベノミクスが失敗しているかのような印象を振りまくために書いていることになります。
これまで書いて来たように15〜25〜30万のパートや臨時工の収入が昨年どれだけ上がったかなど、1万円刻みの月収別のデータで経年比較しないと経済の実相が分りません。
年収数千万単位の人の賃金が増えなくとも既に高原状態ですから現状維持出来れば満足でしょうし、そもそも大根やネギが数十円値上がりしていても生活実感に関係しません。
ところで、物価上昇率何%と言ってもどの分野の上昇率をいうかによって影響を受ける階層が違ってきます。)
ブランド品や高級車が好景気で値上がりしていても庶民生活には関係がないし、ネギや蔬菜類が数十円・・率にして数10%値上がりしていても年収数千万の階層には全く気になりません。
本当に国民生活を気にして議論するならば、階層別に需要な商品別物価上昇率と収入増減率を検討するべきです。
その上富裕層クラスは別に有価証券益など資産益があるので、好景気・・株価上昇期にはベースアップ率に加えて平均してやる必要がないのです。
月収20万のアルバイトの収入が25%増えて25万になっていても、残業手当のない高給取り月収100万の人を平均に加えてしまうと2人の合計月収は120万→125万ですから、平均すればアップ率は5%弱の微々たるものになってしまいます。
無職だった人が20万で働くようになって、月収100万の人と平均すると2人の平均賃金が60万に下がってしまいます。
左翼やマスコミは、株価が上がっても恩恵があるのは金持ちだけで庶民に関係がないと決まり文句で批判しながら、庶民の生活実感をみるための実質賃金アップ率になると、高額所得者を含めて平均上昇率を出す二重基準で世論を誘導していることになります。
意見と言うものは、昨日書いた市議の意見や上記日経新聞の記事のように、根拠を書けば合理性のチェックがし易くなり、おかしいなと思う人が出易くなります。
根拠を書いていないと反論し難い・・実質賃金の定義がいろいろあるとどの定義を使っているのか不明で反論し難いし、定義は何ですか?と聞くのが恥ずかしいので、みんな黙ってしまいます。
化学実験で言えば実験経過を公開するとその欠点をチェックし易くなりますが、結果が出たと言うだけでは、誰も欠点を指摘出来ません。
政府が歴史的に情報根拠を出来るだけ出したがらなかったのも、政策批判され難くしたい心理が働いているからですが、これを批判しているマスコミ自身が根拠を滅多に書かないのでは、政府批判をする資格がなくなります。
じゃ、そんなマスコミは信用しなければ良いだろうと言うのでしょうが、このように根拠のない意見をマスコミがしょっ中垂れ流しにすると「実質賃金が下がっているのか」「格差拡大しているのか?」と結論部分ばかり毎日流し読みする多くの人が刷り込まれてしまう危険性を書いています。
多くの庶民では自分で考える習慣が少ないのでマスコミやテレビが繰り返し報道していると「受け売りで」意見を言う人の方が多いのです。
事件相談でその人の意見の根拠を聞くと「だってテレビで言ってますよ〜」自己正当化する人が圧倒的です。
(4日に紹介した市議会議員の意見もマスコミ報道が正しい前提で根拠なく信じてしまったものの、税理士であることから念のために自分流の理解?でベースアップ率を書いたので却って気の毒に私の批判を受けることになりました)

マスコミの役割・・情報紹介業1

これまで書いて来たように国民から信託を受けていない「マスコミには情報操作権がない・・持たすべきではない」と言うのが私の結論ですが、角度をつける報道をして来たマスコミ界が、国民の支持を得て生き残って行くためには、情報伝達機関・サービス業に純化して行くべきです。
情報を入手したならば、これを取捨選択しないで一刻も早く(紙媒体をネット・ウエブ情報に載せ変える時間差だけ)国民にそのまま「こう言う情報を入手しました」「こう言う統計が発表されました」と言う形で原資料公開するのが最低の義務となるべきです。
(紙媒体時代には量的に無理があったでしょうが、ウエブ上の公開は何ページ分でも可能です)
この義務を果たすならばマスコミによる知る権利=国民の知る権利になりますが、マスコミが入手した情報を直ぐ国民に知らせるのはまずいからこの発表をこの結果が出るの待ってから◯◯会談を待ってからとか、慰安婦報道で言えば宮沢総理訪韓時期にぶっつけよう・・交渉直前にしようかと、時間をずらしたり内容を小出しにする権利を主張し、そのように運用するならば、国民の知る権利とイコールではなくなります。
サービス業として競うならば、情報へのアクセスを便利にするソフト開発し・・要約版その他編集能力・ソフトに価値があれば、(要約だけでなく全資料にあたりたい人だけが全資料に、あるいはちょっと気になるなと思う部分だけ、簡単に原資料にあたれるようにする)それに対して国民が現在の新聞購読料同様の利用料金を払うことになるでしょう。
マスコミは、情報独占をよいことにして自社角度に都合良く誘導するために取捨選択して小出しに公開して行き、国民を特定方向へ指導する必要がないばかりか、国民の信を受けていないのですから、国民の意向に関係なく世論誘導して行くのは、反日であれ親日であれ結果的に国民を誤って誘導する危険があって害があります。
朝日新聞の吉田調書報道が虚報ではなく、データ読み込み・解釈意見に自信があるならば、データそのものにアクセス出来るような簡単なサービスをしていれば、すぐにどちらが正しいか分ったことです。
たとえば、1月2日に紹介した日経新聞12月31日の記事で言えば、出典がなく「実質賃金減」と言うばかりですが、その都度どこの省庁や機関発表に基づくのか原資料にアクセスが容易になるように明記してくれると(省庁や日付・題名まで詳しく書かなくともクリックだけでアクセス出来るような記載で良いのです)助かります。
(何ヶ月前に初めて書いたときには、出典・メールアドレスを書いていたと言うのかも知れませんが・・仕事で読む人ならばメモしておけるでしょうが、ちょっと斜め読みする時間しかない読者は一々覚えていられません)
出典もないので、「実質賃金減」と言う意味すら(平均値と物価比較を言うのか国民人件費総収入の合計が減少したと言うのか)不明です。
2月1日・・日曜日に時間があったので、(税理士でもある)千葉市議会議員の議会質問を読んでいたら、昨年4月のベースアップ率が何%で物価上昇率に及ばなかったから実質賃金が下がったと言う主張をした上での質問をしていました。
こんな一部だけを見た意見はおかしなものです。
国民の実質収入増減は、年1回春闘でベースアップする大手企業社員の基礎賃金による部分はむしろ一部です。
ベースアップする大手企業社員だけでみても、年1回のベースアップ前から、繁忙になれば残業が増えたり(2交代が3交代になったり)休日出勤あるいは出張等が増えて、実収入が大幅に上がっています。
ベースアップ率がどうだったかだけを調べてみようと言う準備的統計ならば分りますが、国民経済の実態を論じるならば、ベースアップ率だけを基準に論じるのは、形式的過ぎます。
大企業でも景気が良くなって採用を新卒増やしたりベースアップする場合には、半年以上前から残業手当増加等が先行しているのが普通です。
ベースアップ率と収入増加率は直接関連していないし、末端の現場労働系・・大工職人その他では、単価が上がり労働時間も増えて人手不足と言われている経済実態を無視した空論です。
残業手当等のアップ率は、2%どころか何割単位のアップが普通ではないでしょうか?
まして職のなかった人が働けるようになったり、数日しか出番がなかった非正規雇用の人が、忙しくなって週5日働けるようになったなどの庶民生活の底上げ実態こそが国民福利や景況感に重要な指標です。
2000万円以上の高収入者の賃金が上がらなくとも・・このランクでは残業手当は元々ありません・・消費税数%の増減は生活スタイルに関係がないでしょうが、月収2〜30万の人が1〜2割残業手当やキュ日出金で増えると大きな影響があります。
これを全部平均すると0、何%程度しか賃金がアップしていないことになります。
底辺層にとってはベースアップ率は低くても月数万円の増加は大きなメリットですが、こうした実態を無視した上っ面のベースアップ率だけを尤もらしく主張している・・こうした皮相な議論が横行していることに驚きます。

タマタマ市議会議員が根拠を書いていたから、このような批判を出来るのですが、マスコミには滅多に根拠を書かないので、間違った報道かどうかすら分り難い特定方向へ向けた誘導が多過ぎます。
実質賃金上昇率を書くならば、先ず定義を明らかにした上できっちりした統計数字等をあわせて書くべきです。
そうすれば国民が其の意見が合理的かどうかの判断が出来ます。
朝日新聞の吉田調書問題同様に、全てのマスコミは一定方向へ繰り返し誘導するには、根拠を開示しないで行なえば批判され難い(根拠を書いていないので間違いとは言えません)から、マスコミは便利だと思って根拠開示しない「狡い」習慣になってしまったのでしょう。

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