司法と政治の棲み分け2(対外約束と司法審査)

徴用工訴訟の論理構造がもう一つ不明なので、(情報不足が、感情論を拡幅する構造の一例)私自身憶測感情論に陥ったままですがこれを前提に書いていくと、古来から中国からいろんな文物が入ってきても、その基本原理を咀嚼できない民度がここに現れたように思われます。
我が国の場合、古代に律令制を入れても換骨奪胎して行き、硬直しそうになりがちな科挙の制度自体を入れませんでした。
これに対して朝鮮族の場合、中世に勃興した李氏朝鮮は、専制支配体制と科挙制を丸ごと導入して硬直的教条主義的民d属性の骨格を作ってしまい発展から取り残されてしまったのですが、戦後でいえば、北朝鮮は共産主義政権とは言うものの独裁・恐怖政治の副作用のみを取り入れている状態です。
そういう傾向の人も我が国にも一定割合でいますが、我が国の「何でも憲法違反」と言い募る勢力も同じ批判を受けるようになるでしょうが、今のところ思想界もこぞって小児病的傾向ですから、みんなで自己陶酔しているばかりのようで、当面救いがありません。
多分戦後教育で洗脳されて育った我々世代がこの世から卒業して、世代交代が進まない限り現実無視の「立憲」にこだわる古色蒼然たる傾向は変わらないと思われます。
ただ若手弁護士でも平和主義=非武装と図式的に信じ込んでいる人が一定数いるのに驚きますが、よほど育ちが良かったのでしょう。
民進党から希望の党への合流を弾かれそうになった枝野氏を中心にして結成した新党名が古色蒼然たる「立憲民主党」と言うのですから、「憲法違反を許すな」と言いさえすればなんとかなると信じている衆議院政治家がまだ約50名もいることになります。
選挙の洗礼でどのくらい伸びるか、生き残るかで、今の日本の思想状況がわかります。
この辺の原稿は昨年秋の総選挙直前頃に書いておいたものですが、昨秋には選挙結果が出て、さらにその後の支持率変動調査も出ています。
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/09260640/?all=1
2018年9月26日掲載
・・・下落率が極めて激しいのは、ANN(テレビ朝日系列)・「報道ステーション」の世論調査だろう。立憲民主党は2017年の10月3日に結党されたが、11月4・5日の調査で支持率は19.9%に達した。
18年7月では13.1%を保持していたのだが、翌8月18・19日の調査で10.7%と1桁台転落の“崖っぷち”となる。その後も踏ん張れず、9月15・16日の調査では一気に4%を失い、6.7%と最低値を記録してしまった。
安定して12〜10%台をキープしてきた共同通信の世論調査でも、8月25・26日実施で8.8%と1桁台に突入。ちなみに7月は12.4%の支持率だったため、こちらもマイナス3.6%と激しい下落だった。
各社の世論調査で、軒並み急落を示している背景は何か、政治アナリストの伊藤惇夫氏(70)に訊いた。

「立憲民主党が失速した理由に、悪い意味でのリベラル臭が強くなってきたことが挙げられるでしょう。かつての自民党保守本流に存在したような良質なリベラリズムではなく、要するに社会党臭なんですね。立憲民主党には国会議員でも党スタッフでも旧社会党の関係者が散見されます。『民主党の失敗を超えられる新しい政党かと期待していたら、要するに昔の社会党じゃないか』と有権者が失望した可能性はあると思います」(同・伊藤氏)

11月分については以下の通りです。
毎月行っているNHKの世論調査結果です。
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/

11月9日(金)~11日(日)実施
自民党 37.4  立憲民主党 6.2  国民民主党 1.5  公明党 3.7  共産党 2.9 日本維新の会 0.4  自由党 0.4  希望の党 0.1  社民党 0.7

野党あわせても合計10%前後しかありません。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalparty

【図解・政治】政党支持率の推移

政党支持率の推移

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20181125-OYT1T50099.html

内閣支持率、4ポイント上昇53percent…読売調査/ar-BBQ4n3m読売新聞社が23~25日に実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は53%となり、前回10月26~28日調査の49%から4ポイント上昇した。不支持率は36%(前回41%)。政党支持率は自民党41%(前回37%)、立憲民主党7%(同5%)などの順。無党派層は42%(同46%)となった

調査機関によって支持率が大幅に違っていますが、自民党と立憲民主の比率で見ると概ね6対1で同じです。
読売に限らず、NHKでも内閣支持率と自民党支持率を比較すると概ね内閣支持率が上回っているようです。(上記の通りNHKでも自民党支持率は37%ですから、)
http://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/
2018年11月(11月13日更新)
安倍内閣 支持46% 不支持37%(NHK世論調査)

そうすると、日頃から喧伝されている法案や政策に対する世論調査?で、「法案や政策に反対ではないが、安倍内閣が嫌いだから・・信用できないから」とか、「安倍内閣での改憲反対」とかいう意味不明の報道が実態無視であったことがわかります。

 

政党は約束を守らなくて良いか3(ロシアのデフォルト2)

日露戦争前から帝政ロシアが何故デフォルト寸前の破綻状態に陥っていたかを考えると・・中世から近世に掛けて、スペイン王室が戦争ばかりしていてその都度イタリア商人から借金を繰り返していて、スペインのお王様が何回も(アメリカ大陸から莫大な金銀が入って来たのにこれを使い果たして)破産したのと似ています。
ロシアの経済破綻はクリミヤ戦争で負けたことだけが原因ではなく、大きな目で見れば、歴代皇帝が支配地拡大に入れ込み過ぎた結果と見るべきではないでしょうか?
支配地拡大を為政者が本能的に求める傾向がありますが、日本で言えば北方領土や竹島が戻っても(心情論を別とすれば)経済的に何か得るところがあるでしょうか?
逆に過疎地が増えて国民負担が増えるだけ・・ましてこのために戦争まですれば、まるで無駄遣いです。
ロシアは元々イワン雷帝やピョートル大帝以来、バルチック海への入り口を求め、シベリアにあるいは、南に支配地を拡大していって、何か得るところがあったかの疑問です。
ソ連経済も同じで、中核のロシア共和国の支配力維持のために域内共和国へは国際相場の何分の1かの超低価格で天然資源の供給をして来たことが知られています。
日本でも村の顔役を張ると余計な寄付をする羽目に陥るし、威張るには金がかかります・・アメリカもそれが嫌になって世界の警察官をやめたいと言い出したのです。
現在の尖閣諸島であれ、南沙諸島であれ、中国がこんな無駄なことに(大量の漁船団に日当を払っていると言われています)国力をつぎ込んでいるのは、国家財政→国民の大きな負担になっています。
世界中で威張りたい一心で、中国は不要な軍事力の膨張を続け経済合理性のない資金をバラまいていますが,長期的には国運を衰退させてしまうでしょう。
古代からみても、漢の武帝が遠征を繰り返した結果次の世代がダメージを受けましたし、随の煬帝も高句麗遠征でつぶれ、モンゴル・元も日本への2回遠征で倒れました。
戦争に負けるとダメージがすぐに表面化しますが、勝っていても戦争を続ければ古代から多くの国がつぶれています・・。
スペイン王室も戦争に負けてばかりだったから、破産したのではありません。
ウイキペデイアによれば、以下の通り最盛期の王様です。
「スペイン王にして神聖ローマ皇帝に選出された父カルロス1世は当時のヨーロッパで最大の勢力を持ち、ヨーロッパ以外の広大な領土とあわせて、その繁栄は「太陽の沈まない国」と形容された。なお、現在のフィリピン共和国、フィリピン諸島などの「フィリピン」は、1542年、スペイン人のコンキスタドールによってラス・フィリピナス諸島と命名されたことに起源を発するが、これは、当時アストゥリアス公だったフェリペの名に由来する。」
「フェリペ2世は、1556年の即位と同時に膨大な借金も受け継ぎ、翌1557年に最初の破産宣告(国庫支払い停止宣言:バンカロータ)をせざるを得なかった。在位中にこれを含め、4回のバンカロータを行っており、フェリペ2世の時代の厳しい国庫事情が伺える。しかしイタリア戦争においては1559年、カトー・カンブレジ条約でフランスのイタリアに対する要求を放棄させた。」
話題が飛びますが、デフォルトの繰り返しの結果(日本の大名貸しが危険だと言われていたのと同様に不良債権のために)イタリア商人も没落して行き・・産業革命に成功した英仏蘭の時代に移ります・・。
このように物造りあるいは実業によらないで、金融資本に頼ると貸している方も危なくなるのが歴史の教訓です。
ロシア経済・貨幣制度の発展段階に深入りするのがここのテーマではないので、社会党→社民党の一体性に戻りますと、ロシア革命後のソ連→現在のロシア同様に、社会党時代の資産(プラスマイナスを含めて)を引き継いでいるのが社民党です。
現在の集団自衛権反対や基地に対するケチ付け運動の基本は、「日本がアメリカの戦争に巻き込まれるリスクがある」と言う主張が基本ですから、元々の60年安保反対運動時の主張と同じ・・今も繰り返しているのでは、村山内閣の「安保堅持」を守っていないことになります。
60年安保に関する本日現在のウイキペデイアの記述は以下のとおりです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E9%97%98%E4%BA%89
「安保は日本をアメリカの戦争に巻き込むもの(※在日米兵犯罪免責特権への批判もあり)」として、多くの市民が反対した。これに乗じて既成革新勢力である社会党や日本共産党は組織・支持団体を挙げて全力動員することで運動の高揚を図り、総評は国鉄労働者を中心に「安保反対」を掲げた時限ストを数波にわたり貫徹したが、全学連の国会突入戦術には皮相的な立場をとり続けた。とりわけ共産党は「極左冒険主義の全学連(トロツキスト集団[4])」を批判した。これに対し批判された当の全学連は、既成政党の穏健なデモ活動を「お焼香デモ」と非難した。
なお、ソ連共産党中央委員会国際部副部長として、日本をアメリカの影響下から引き離すための工作に従事していたイワン・コワレンコは、自著『対日工作の回想』のなかで、ミハイル・スースロフ政治局員の指導のもと、ソ連共産党中央委員会国際部が社会党や共産党、総評などの「日本の民主勢力」に、「かなり大きな援助を与えて」おり、安保闘争においてもこれらの勢力がソ連共産党中央委員会国際部とその傘下組織と密接に連絡を取り合っていたと記述している」
上記によれば50年前の安保騒動のときも今の集団自衛権反対論同様に巻き困れリスクが争点だったコトが分ります。
安保反対論の根幹が「戦争巻き込まれリスク論」であったのは上記のとおり明白ですから、村山総理が国会で、安保反対を言わないどころか「堅持する」と約束しながら一体性のある社民党が今も「戦争巻き込まれリスク」「騒音があ・・」とか「危険がある」とかを理由にして米軍基地の利用妨害のために次々と足を引っ張るための反対するのは、約束違反です。
ヤクザでもギャングでも、組員や関係者に対する約束を守らないと組織が保ちません・・。
大もとの約束・・社会秩序も守らないで仲間内だけの約束だけは守る・・政府や真人間の落ち度追及には(鼻が利き)言いがかりをつけてダニのように食い下がり、ヤミでのオトシマエを求めて行くのが違法組織・テロ組織(テロ組織も現場へ行く交通や破壊すべき電車その他社会機能が予定どおりやって来る前提でそれを破壊することを予定しています)の特徴ですが、そう言う違法組織と大差ないコトになりませんか?
違法組織と大差ないと善良な国民が知れば、今後益々支持率が下がって行くでしょう。

政党は約束を守らなくて良いか2(ロシアのデフォルト1)

ソ連解体後の新生ロシアは、帝政ロシアの旧債務支払義務を認めて国際取引社会復帰を果たせたとその頃報道されていたようなうろ覚えですが、ネット検索してみると、新生ロシア「共和国」がソ連の債務を引き受けて完済したのは出て来ますが、帝政ロシアの債務をその債務に含んでいる意味なのかがはっきりしません。
(ソ連は帝政ロシアの債務支払を拒否していたので、国際取引に必要な信用状発行を国際金融界から何十年も拒否されていた・現金取引しか出来ない状態がロシア革命以降続いていたという解説がありますが、そこには根拠が引用されておらずデータ的にはよく分りません。)
http://www.ier.hit-u.ac.jp/rrc/Japanese/pdf/RRC_WP_No57.pdf
帝政ロシア・ソ連・現代ロシアの金融統計の発展
と言う論文を見ると、そもそも(それまでの農奴制社会が崩れ始め)帝政ロシアで漸く貨幣経済・銀行制度が始まりかけたときに,日露戦争敗北〜第一次世界大戦〜ロシア革命前後の動乱が約10年間続き、その間貨幣経済が機能しなくなり物々交換経済に逆戻りしていたことが分ります。
およそ何千倍と言うハイパーインフレ(貨幣価値が1万3千分の1に下落)が続けば結果的に物々交換社会になって行くしかないでしょうし、モノ不足が極限化すれば共産主義かどうかに関わらず配給=貨幣不要社会にならざるを得ないのが現実です。
以下は上記論文の一部引用です
「内戦が激化した 1919年5月には人民銀行に対するすべての通貨発行制限が廃止され,通貨は国民経済の必要に応じて発行することとなった.1920年 1月には,人民銀行そのものが廃止され,紙幣発行は財務人民委員部(財務省)の業務となった.形式的には, 1897 年以前の国家紙幣発行が再現されたことになる.もっとも,実状は第1次世界大戦から革命,内戦へと続く混乱の中でハイパー・インフレーションが進行し,金融制度も通貨も機能しない状態であった(Alkhimov(ed.)[1981]pp. 8–9).1920年7月1日時点で,1 ルーブルの価値は1913年ルーブルの 1/13,000 まで低下し,1921 年初期において賃金の 93% は現物給付であり,税金納付も現物化されていた」
国内でさえ貨幣経済が機能しない混乱状態では、ソ連新政府が帝政ロシア政府の債務を返すどころではなかった・・本来デフォルトで良かったのにこれをしないで開き直って政府が違うから払えないと強弁していたに過ぎない印象です。
約10年間の原始的物々交換時代を経てNEP(新経済政策)で漸く経済混乱が治まった後に銀行制度の萌芽が始まりますが、それも共産主義経済強化・イデオロギーによる自己正当化によって(この辺の印象は私の個人感想です・・念のため・・)話がややこしくなってしまった印象です。
貨幣経済化の遅れを共産主義と言う理念で正当化する・・銀行制度などいらない・そもそも(民間企業がないとすれば)企業が融資を受ける必要がない・・全部国有企業・国有農場であれば、必要な資金は融資や投資ではなく、政府が予算として分配する仕組みで理屈だけは一貫します・・。
個人消費は全て配給制にするなど・・。
上記論文によれば、そうは言っても貨幣がないのは不便なので、中央銀行制度を作ってみたり、行きつ戻りつの繰り返しをソ連崩壊直前まで繰り返して来たことが分ります。
ソ連のデータが全くインチキで信頼性がないと言われていましたが、金融史の専門家の上記論文を見ると、ソモソモ統計以前に前提たる貨幣経済・・信用・与信システムが充分に浸透していなかった社会状況に唖然とします。
帝政ロシアの国家債務がどうなったかの根拠のありそうなデータが見つかりませんが、帝政ロシアの債務承継については以下のとおり(根拠不明?)のやり取りが出ています。  http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13140977113ベストアンサーに選ばれた回答
zuoteng1981さん2015/1/2916:14:53
「ソ連はその成立時に対英国だけではなく、全ての国に対する債務を一切拒否しています。
英国の損害も少なくありませんが、最大の損害を出したのは仏国です。仏露同盟の関係で多くの投資を行っていたんですね。」
歴史では仏露協商ばかり習いますが、11年頃から続いている南欧危機同様に、ロシア革命前に何回もロシアのデフォルト直前の危機が発生していて、貸し込んでいた西欧諸国が何とか支えて来た経緯があります。
上記論文http://www.ier.hit-u.ac.jp/rrc/Japanese/pdf/RRC_WP_No57.pdf
帝政ロシア・ソ連・現代ロシアの金融統計の発展の一部の引用です。
「・・・1854年のクリミア戦争の敗北は,政府主導による近代化・工業化をさらに強化する契機となった.帝国ゴスバンクは農奴解放の前年の1860年に設立された.この時期の帝国ゴスバンクは,中央銀行というよりは,国家資金の経済への供給を主要な役割としていた.近代化・工業化の加速に伴い資金需要が増大していた一方で,1857-1859年金融危機により従来の諸国家金融機関はほぼ破たん状態であった.外国銀行からの借入は月利2%の高金利であった・・省略。
月利2%と言えば年利24%ですから、政府がデフォルトしてくれないで国民に緊縮・増税を要求するならば、(贅沢して借金したのは王侯貴族ではないかと言う不満・・)国民は革命でも起こしたくなるでしょう。
ギリシャ・・南欧諸国危機では緊縮政策=貸し込んでいる債権国の独仏蘭(の金融機関は2〜3割有していると言う噂でした)がデフォルトされると自国銀行が連鎖倒産→自国の公的資金投入が必要になることから、「南欧の債務国が質素倹約して借金を返せ」その代わりECB+IMFが南欧諸国の国債買い入れを認めて当面救済することに決めました。
多分ロシア革命前に繰り返されたロシア危機でも、似たような繰り返しが行なわれていたでしょう。
ECBによる国債買い上げでギリシャやイタリアは何とか息をついたのですが、少し落ち着くと国民が緊縮の継続に耐えられなくなり、ギリシャでは緊縮反対派のリプラス氏が今年7月に国民投票に掛けて6割以上の支持を受けています。
緊縮の継続に国民が我慢出来ない・・(ギリシャのような国民投票制度がなかったことが)ロシア革命の経済的要因・・だからこそ、革命政府が支払を拒否したとも言えます。
元々債務超過国で苦しんでいたロシアが巨額戦費のかかる戦争などしている余裕がなかったのに、遠隔地の極東で日英同盟のある日本と戦端を開いたのが失敗でした。
薩長同盟が出来ている状態下で、沽券に関わる程度の意味で?第2次長州征伐を敢行した幕府に似ています。
国民からしてみれば、自分たちの生活にはどうでも良い遠くの極東での覇権争いのために自分たちに戦費負担や生命の提供を求めるのは納得がいかなかったでしょう。
日露戦争では、日露共にユダヤ資本から戦費を借りたのですが、日本は戦争に勝ったのと経済興隆・勃興過程にあったことから(第一次世界大戦による好景気到来で)1916年までかかって漸く返せたのに対し、ロシアの方は、元々デフォルト寸前を繰り返して漸く息をしているような脆弱な体質であった上に戦争に負けて借金だけ膨らんでしまった。
ツアーの威信が大きく傷ついてしまったので国民に対する抑えが利かなくなって混乱状態が激しくなっているときに第1次世界大戦に巻き込まれてしまったこと(好景気が来た日本とは好対照)が致命的でした。
国内不満が大きくなる一方で内政混乱に陥ってしまったことから、国民が借金返済に堪え切れなくなった・・・デフォルトの政治的表現がロシア革命であったと見ることが可能です。

政党は約束を守らなくて良いか?1

ヘリパッド移設工事妨害の実力部隊を上記シバキ隊幹部が担っており、これを応援している?と噂される福島瑞穂氏の経歴をウイキペデイアで見ると今年夏の参院・16年選挙で当選したのは、福島瑞穂氏一人だけですから、同氏は今も党の顔です。
10年間も党首をやって来て、今も党の顔であり続けている同氏が党首でないから何をしても良いとは言えないでしょう。
企業が社名.商号を変えてもあるいはワンマン社長をクーデター式にクビにしたとしたとしても、(福島氏は土井党首からの禅譲です)その前に約束した契約(例えば従業員を前党首が雇ったと言う理由では解雇出来ませんし、取引先との契約)を引き続き守る義務があるのが当然です。
共産政権(ロシア革命以降)では前政権の約束(債務だけ)を守る義務がないと言う身勝手な主張が普通ですが、革新系は党名さえ変えれば責任がないと言う理解が身に付いているのでしょうか?
在日やヤクザは本名を名乗らないことが多い・・30年ほど前に関与したある組関係事件では、来るたびに名前が違う・・今は◯◯と言います・・と言う説明が普通でした・・15〜20年ほど前からヤクザではないものの周辺系のグループでは借金を踏み倒すために養子縁組や結婚・離婚を繰り返している事件も何件もみました・・このように責任を遮断するために通称名を次々と変えて行く狡い生き方がアウトローを中心に広がっています。
こう言う狡い生き方を許さないためにはマイナンバー法による生涯変わらない識別情報が有効です。
マイナンバー法による識別が始まると通称名で責任逃れをして来た勢力が困るので、プライバシーにかこつけて反対論を展開してるように見えます。
そう言えば福島氏自身「パートナー」として海渡氏の名が上がっています・・事実コンと言う説明も出ていますが、正式な夫であるのかさえも不明ですので、通称名か本名かも分りません。
これだけの有名人であり国政に影響のある人物が、家族関係も何もかも秘密にしている・ウイキペデイアには何も出て来ないこと自体が異常と言うべきでしょう。
プライバシー分野でも文化人がしきりに欧米基準を持ち出しますが、アメリカの有名政治家・・クリントン氏であれ、ケネデイ駐日大使であれ、その家族関係が秘密のママの人がいるでしょうか?
民進党党首の蓮舫氏も・・重要な国籍でさえ誤摩化せていた?あるいは曖昧にして来られた背景です。
ロシア革命の例で言えば、前政権の約束・債務に全く関係がないというならば、例えば前政権(革命前の王朝)が有していた領土その他(債権や利権)のプラス資産もいらない(そうするとソ連政府はどこの国にも成立出来ない・・宇宙空間にでも浮かんだ状態になるのかな?)と言わないと一貫しません。
国家債務承継に関するウイキペデイアの本日現在の記事です。
「19世紀には、政府の形態が変更しても国家が同一のままなら当該国家の他国に対する権利義務は影響を受けることがなく継続するということは学説や国家実行から認められており、これは包括的継承説とされる・・」
「昭和61年10月30日第107回参議院内閣委員会2号において、玉置和郎(総務庁長官:当時)に「共産主義国家は、継承国家論をとらない、私たちはこれはおかしなことだな、と思っておりました。…やっぱり日本国は、勅語によって継承国家論というものをとっておるわけでございまして、当然のように戦前だからそれは政府に責任が無いんだとか、そんなことはいえないわけでありまして、…戦前であろうが戦後であろうが…政府の責任は政府の責任。国民は責任が無いと、私そうは思いません。国民も責任がある。…こう思います…」との答弁がある。
明治政府の徳川政府・・各藩の関連債務引き受け状況に関しては以下のとおりです。
http://s.webry.info/sp/justeye.at.webry.info/201302/article_1.htmlからの引用です。
「明治政府は藩の債務については天保14年 (1843年) に幕府が棄捐令 (きえんれい) という一種の徳政令を公布していたため、これ以前の債務については全額を引き継がないことにした。そして天保14年から明治元年までの債務を旧債務とし、無利息・50年の分割返済とした。次に明治元年から廃藩置県までに生じた債務は新債務となり、こちらは3年間据え置きの上、年4%の25年・分割返済とした。これにより引き継がれた債務は約2800万円となり、約54%が切り捨てとなった。
藩への債権を保有していたのは、江戸や大阪の豪商や各地の富豪たちで、大手債権者の安田商店ではこの決定により、貸付債権を旧債務は16%、新債務を54%に減額評価し、損失処理をしている。仮に全ての債権者にこの比率を適用して計算すると、各藩の債務総額の約85%が切り捨てとなり、ほぼデフォルトに近い状況だったことになる。
また江戸幕府の抱える国内債務約250万円は全額が切捨てとなり、幕府から回収した債権の約900万円は、外国への債務の返済 (こちらはほぼ全額が返済された) や一部の現金償還に廻された。」
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/8184.pdf/国際金融市場における国家債務再編をめぐる課題
調査部 上席主任研究員 河村 小百合氏の論文によると、敗戦のときにも新円切り替えで国内債務を事実上大幅な切り捨てましたが、対外債務はそのま履行したようですからこれまでのデフォルトの歴史・データ分類によると国内デフォルトに分類されています。
明治政府が、「幕府の結んだ諸外国との通商条約は無効」だと言ったのでは列強は承知しないから、日本は幕府の開港約束をそのまま承継し、不平等条約撤廃に何十年も苦労したのです。

賃貸借契約の真意

貸金に関する本音の約束と文書に書いた約束文言との違いに似た話は賃貸借にもあります。
契約期間2年と文書に書いてあってもそば屋に貸した場合、正当事由がない限り満期が来ただけで出て行ってくれというのは許されないと説明します。

借地借家法
(平成三年十月四日法律第九十号)
借地権の存続期間)
第三条  借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
(強行規定)
第九条  この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。
(建物賃貸借の期間)
(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条  建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
第二十九条  期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。

相談者は
「きちんと2年と期間を書いてあっても約束を守らない方が正しいのですか?』「これでは何を信用して良いのか分らなくなる・・道徳は地に堕ちた・・そんなことを法で強制しているのは納得出来ない」
と言わんばかりの質問をして来る人がいます。
そもそも、そば屋でも喫茶店でも魚屋でも「そこで商売を始める以上は、2年で店を畳むつもりで借りる人はいないでしょう」と説明します。
2年でやめるのは商売に失敗したときだけで、誰だって失敗するつもりで始める人はいないので、順調にいけば行くほどそこから動きたくないのが普通です。
(実際2年ごとに動いていたのでは客を失うし、設備投資も無駄になりますから、本気で2年で出て行くつもりで借りる人は皆無でしょう)
2年の契約は契約書に印刷していてこれが普通だと言うから仕方なしに署名しているだけでしかなく、本音は商売に失敗しない限り半永久的に借りていたいというものですし、合理的に解釈すれば、せいぜい家賃の見直し期間くらいの意味でしかなくて「あなたも本当に2年で出て行ってもらう予定で貸した訳ではないでしょう。」と説明します。
何か気に入らないことがあったときだけ大家が2年契約の文字をたてに主張するのは、大家の方こそ本当の約束を守っていないことになります。
本当の気持ちを裁判で認定して行くのは大変なので法律で「正当な事由がない限り自動更新して行く」と決めたのであって、決して契約を守らなくとも良い・・道徳はどうなるのかということにはなりません。
と、地主や家主さんには説明してきました。
金貸しも同様で、
「困っている人に仏様のように手を合わせて頼まれたならば、最後まで仏様のままでいれば一貫したね」というのが私の意見です。
そう言われると
「先生の言うことも分りますが、それでは我々は食って行けませんよ〜!」
という金貸しが普通です。
金儲けのための投資資金の融通と違い、お金でも何でも、ものがなくて困っている人に貸すのは金儲けのためではなく、慈善事業と思うしかないでしょうと説明しています。
個人の金持ちが貸した場合・・こう言う会話の結果、「仕方がないか!」と諦めることが多かった経験です。
こんな風にお笑い話でやりながら交渉して行くのですから弁護士って結構面白い商売?でした。
ここ20年ばかりの間に個人的サラ金は淘汰されて行き、今では大手企業ばかりになってマニュアル式交渉になって来たので、こうした面白み・・個人の個性で交渉する仕事がなくなってきました。
個人関係で言えば、誰かに道具類を預けるとその間に使って傷んだりするのが普通・・お金の場合で言えば、誰かに預けておけば預けたお金を少ししか使い込まれなければ良い・・8〜9割も戻れば「あぁよかった」と思うのが普通ではないでしょうか?
今後先進国では投資機会が少ない・・あっても投資すれば、投資金の何倍になって戻って来るような高成長機会は滅多にありません。
(何時の時代にもアップルやユニクロのように部分的に急成長する企業はありますが、私の書いているのは国全体レベルで成長企業より沈滞企業の方が多くなる状態です)

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