放射能汚染された野菜でも「洗えば大丈夫」と言う23年8月9日コラムでの説明との関連で、肉牛汚染問題について少し書いておきます。
(8月9日のコラムの下書き(6〜7月)のときに書いておいたのですが、話題が横へそれていました)
牛肉の放射性セシウム汚染は、牛に与えた稲藁を洗わないまま与えるものだから牛が体内に吸収してしまったという論法が流通していました。
これは、福島・栃木、宮城県周辺の野菜その他を食べても洗って食べているので、人間の体内吸収とは関係がないと言う説明が流布していることに辻褄を合わせたものと思われます・・・本当かな?
稲藁は、今年の5月頃に白河方面から購入したと言う肉牛出荷農家の説明でしたから、昨年秋に米を収穫してから、半年以上も農地に広げていたままで雨ざらしにしていたとすれば腐ってしまいますから、そう言う保管方法をとっていません。
稲を刈り取った後これをまとめて(私の子供頃の経験では積み上げた藁の上に同じわらで屋根を葺いておくのが普通でしたが・・・)今では長距離移動・販売していることから考えると自家使用目的ではなく、売り物・商品になっているようですから、昔のように田んぼにそのまま置いておかないで倉庫保管・商品管理していたものと見るべきでしょうし、そこまで行かなくとも少なくとも屋根を葺いて保管しているものです。
積み上げて雨ざらしにしていると直ぐに蒸れて腐ってしまいますので、昨年秋に刈り取った稲藁が翌年5月にお金を貰って売れるようなものであった筈がありません。
昨年秋に刈り取った稲藁が放射性物質で汚染していたとすれば、その原因が、空から降って来るチリによる汚染によるしかあり得ないことになります。
仮に倉庫に保管していなかったとしても、最低でも屋根がついていて直接濡れないようになっていた上に、積み上げて(表面積が少なく)ある(横に広がっているところに上から降るのではなく縦に積み上がっている外壁面の側面付着しかありません)ので、藁の表面汚染率は、運動場の土壌や雨ざらしの蔬菜類よりも極端に少ない筈です。
学校で言えば校舎の壁に付着している程度の汚染でしかない筈です。
大量に販売用に管理していた形から見ると、仮に倉庫に入れずに仮に田んぼに積み上げてあったとしても、餌になった稲藁の大部分は積み上げた内部のもので、外気に直接当たった部分はごく少なかったことになります。
にも拘らず、肉牛が稲藁を食べたことにより高濃度汚染したとすれば、外を歩き回って外気をそのまま吸い込む人間や野ざらしの牧草・野菜その他を食べる人間・その他の乳牛や畜産類(豚や鶏)はどうなっているのかの疑問が湧いて来ます。
倉庫に管理されていた稲藁からの汚染は微々たるものでしょうから、むしろ空気中に浮遊する放射性物質を吸入したり地域の水・餌(牧草その他)等を吸収したことがその原因の大部分を占めている可能性があります。
そうとすれば、藁を食べる牛に限定する理由がなく、汚染牛の出た周辺地域のあらゆる生産食物(穀物・蔬菜類)・豚や鶏肉・鶏卵などを検査する必要が出てきます。