移民願望と受け入れ国減少(韓国9)

昨日引用した井出 弘毅論文紹介続きです。
2000年台に入って、韓国の国際的地位向上によって住みよくなったからか?移民排出が減ってきて逆に一旦移出した人の還流がふえてきているという紹介です。
ネット上飛び交っている「韓国は終わった」系の噂と違い、上記論文は国家統計データ(住民登録数など)を引用しているので正確でしょう。
韓国はもうダメだというネット記事が溢れていますが、ネットやメデイアの煽りだけで反応していると間違うかな?と心配です。
韓国では安倍政権が危機に瀕しているので、嫌韓感情を煽っているという報道があり、何を言ってるのだ!「盗人たけだけしい」と不快感を持つ人が多いでしょうが、お互い変な煽り報道が出回りすぎているのかもしれません。
ただし、上記論文は12年3月であり、引用できるデータは最新でも2年以上前でしょうから、この4〜5年の韓国経済の流れを反映していませんから、出回っているネット記事と矛盾するとも言い切れきれません。
(国勢調査は日本では5年に一回ですし、その集計結果が公表されるのはさらに2年ほど後です・・韓国の17年2月の大卒就職結果が18年末に公表されているのを見てもわかるでしょう)
ネットはこの4〜5年のアップツーデートなほぼリアル的データに基づいているし、研究者の論文は2010年頃までのデータでリーマンショック以降中国の台頭〜チャイナプラスワンの動きが始まってからの韓国経済低迷が視野に入っていない違いでしょうか?
いつも書く事ですが、学者は過去を学ぶ人であって、過去数十年の動きから将来を知るには有用ですが、発表〜半年前のデータを10日前に公表されたデータをもとにする意見はネットが最も早いのです。
この後で紹介する韓国の今年1〜3月のGDPマイナス統計を見てすぐ反応するのがネット報道です・・要は早いのです。
ただし、韓国人の国外脱出願望も韓国の統計あるいは世論調査によるものでしょうし、この実態はずっと前から出ていたものです。
この願望の強さと移民減少の矛盾関係を何故かこの論文は見ずして、韓国経済の好調による自信回復→移民減少という単線的結論を書くのでは、素人目にもおかしく思われます。
自信回復によって移民が減少したならば、そもそも移民願望・国外脱出熱が同率でしぼむのが普通で・現状維持〜増えるわけがないでしょう。
しかも内心の願望の強さだけではなく、実際の英語勉強熱の激しさ(夫を残して母子で留学する?雁家族問題を見ても)と移民出国の減少と移民願望の強さががなぜ同時的に起きているのかについて相応の検討をしないで、移民減少とUターン帰国する数の増加について自国経済に対する自信回復の結果という結論を導けるのでしょうか。
考え方によれば、移民願望・国外脱出熱の調査自体が捏造という論理もあり得ますが、その場合には、そのように検討したことを理由に書くべきでしょう。
移民願望の強さに全く触れないで、自信回復したので移民が減ったと断定するのは無理がないでしょうか?
https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201609_203080/

20~30代の「国外脱出願望」は80%超! 韓国の若者たちが海外を目指すワケ
2016年9月9日 22:00
「韓国が嫌で海外に渡る“移民”を計画する20~30代の青年たちが増えている。ウリナラ(韓国)を地獄にたとえた“ヘル朝鮮”と称し、(中略)青年たちが“脱出”を夢見て実行しようとしている」
まるで嫌韓記事のような文章だが、決してそうではない。韓国メディア「世界日報」が報じた内容を、そのまま翻訳したものだ。最近、韓国では若者の国外脱出が社会問題として取り上げられるケースが目立つが、同メディアは、その問題に真正面から切り込んだ形だ。
韓国では、多くの若者が就職活動に必死になっている。しかし、大企業に就職した先輩たちを見ると、40歳になる前に“名誉退職”やクビになることにおびえている。(中略)将来の展望が不透明な韓国より、もっと大きな世界に挑戦するほうがよっぽどいい」
一時期、日本でも注目を浴び、その後、あまり実情が報じられなくなった韓国の大企業だが、若者たちの間では“お先真っ暗”というのが共通認識のようだ。

上記には後に触れる4〜50才台の自殺率が、韓国で最も高い要因も出ています。
30代後半〜40代でリストラに遭うと50代で危機が来ます。
日本で言えば、見たこともない割増退職金・大金を手にして舞い上がって家族揃ってハワイ旅行したり子供にパソコンを買ってやりデイズニーへ行ったりしているうちにお金がなくなった家族の相談に乗ったことがあります。
韓国では退職金元手に飲食業などの自営を始めるのが人生サイクルのようですから、退職金を使い果たして倒産・娘が売春婦にする危機・自殺ピークが50台に来るのでしょう。
(新装開店した居酒屋なども10年もすると時代遅れになり、次のリストラによる新規参入組に負けてしまう時期です)
ロス暴動に関する19年4月27日現在のウイキペデイアの記事からです。

ロサンゼルス暴動(ロサンゼルスぼうどう)とは、1992年4月末から5月頭にかけて、アメリカ合衆国・ロサンゼルスで起きた大規模な暴動。
・・・日本の報道によるロサンゼルス暴動はロドニー・キング事件に対する白人警察官への無罪評決をきっかけとして突如起こったかのような印象を与えることが多かったが、その潜在的要因として、ロサンゼルスにおける人種間の緊張の高まりが挙げられる
・・・韓国人商店街への襲撃
もうひとつの主たる襲撃目標となったのが韓国人商店である。襲撃による被害額の半分弱が韓国人商店のものであるともされる。韓国人商店主らが防衛のために拳銃を水平発射しているシーンも幾度となくテレビにおいて放映された。ちなみに彼ら韓国人店主らの多くはベトナム戦争の帰還兵だった。ベトナム戦争に参加した韓国人帰還兵に米国政府が移住許可を与えたため、70年代に韓国系移民が4倍も増えた。彼らは主に競合相手のいない黒人街で商売を始め、従業員には黒人でなくヒスパニック系を雇い、閉店すると店を厳重にガードし、そそくさと韓国人街へ帰るというスタイルで商売していた。黒人の間では「自分達を差別しながら商売する連中」というイメージが定着し、そうした黒人による日頃からの韓国系への鬱憤が、暴動時の韓国人商店襲撃へと結びついたといわれている[2]。

アメリカの民主主義と大統領令3(移民)

入国関連法・・アメリカの場合「移民法」に国家安全保障上の緊急条項みたいなモノがあってイラクその他からの入国者を一律に「危険人物」(根拠のない)認定をしたのかも知れません。
ここで横道にそれますが、アメリカ関係報道では「不法移民」と言う報道が多いので,住み着いている移民をイメージしますが、日本の出入国管理法をアメリカでは「移民法 Immigration Acts.」と言う名の法律で管理しているだけのことです。
喩えば、留学ビザ、観光ビザ、ビジネスビザ、就労ビザ・研修・経営ビザ等々・あるいはアメリカのトヨタ工場に働いていた日本人が日本本社へ出張して(数週間帰国)アメリカに帰るときの再入国も全て「移民法」に基づいて申請する仕組みですので念のため・・。
ビザの種類については以下の「「アメリカ移民法基礎」の説明が詳細ですので,参考のため・・関心のある方はご覧下さい。
http://asoajapan.org/investusa/librarydocs/040129RichardGoldstein.pdf
日本では単に不法入国とかオーバーステイと言うのをアメリカの場合,マスコミが「不法移民」と翻訳している可能性があるために,この辺,正確に翻訳してるいるのか不明・・語感が違い過ぎる点に気をつけるべきでしょう。
今回イラク系などの社員が海外出張してアメリカに帰って来たら、再入国禁止されたと言うことが問題になっているようですから、日本語イメージの移民拒否とは大分実態が違っています。
日本人は,外国人が日本人になろうとして来た人だけを「移民」とイメージし,短期ビザ等で来ている人は単に「出入国している人」と言うイメージで分けていますが,(出入国管理法であって,移民法ではありません)法的には入国して来た人の中に就労ビザその他の区別があるだけです。
その後帰化して国籍を取る(これは国籍法)かどうかだけ(帰化した人ではあっても)で「移民」と言う概念はありません。
グーグルで「移民」の辞書検索してもアメリカの移民制度などの説明ばかりで,日本語の説明が出て来ません。
ソモソモ帰化人の熟語自体が,663年に白村江の海戦敗北の結果、「朝鮮半島から帰って来た人」と言う意味(最近では,満州からの引揚者と同じ)でしかありません。
要するに日本語の「移民」の定義がはっきりしないまま、何となくブラジルなどへ定住目的で行った人のイメージが定着している程度で実は意味不明のママですから、アメリカで出入国管理をしているに過ぎないイミグラントを「移民」と翻訳しないで「入国者」と翻訳する方が良いかも知れません。
翻訳の正確性などどうでも良いと思う方がいると思いますが,政治的に見るとかなり重要です。
私はどちらの肩を持つものではありませんが,トランプ陣営の主張では「移民を受入れる基準は主権国家・それぞれの民族が勝手に決めるのが何故悪いんだ」と言う主張があったように思いますが、こういわれると一応尤もに聞こえます。
しかし、民族の仲間として受入れる日本語のイメージする「移民受け入れ」(帰化許可)と,短期に商用や観光等で来る人も含めてどこのクニの人を入れないと言うのとでは次元が違っています。
個々人で言えば誰と同居するか(民族の仲間と認めて帰化を認めるかどうかは)は主観的な要件(好き嫌い)で良いでしょうが,レストランや劇場等で客を宗教や人種の基準で選ぶと言って良いかとなると別問題です。
日本の歌舞伎など関心がないからアラブ人や韓国人が見ないのは勝手ですが,「◯◯人お断り」と言うは行き過ぎでしょう。
高級ホテルやレストランは単価を高くしているだけであって、貧しい人はお金を持っていてもお断りといえないものです。
特定国からのビジネスその他の入国を一律禁止するのも主権の一種ですが,相手が不快感を持つから主権行為とはいえ乱暴なことを言ってよいかどうかは別問題です。
表現の自由があるとしても口に出して言って良いことと悪いことがある・・相手が不快感を持たないように自制し婉曲的方法で接するのが大人の智恵であり国際礼儀です。
この辺の区別なく,「表現の自由があるから何を言おうと勝手だ,誰を移民として受入れるかは主権行為で勝手だ」と言うのは論理の飛躍であり問題のすり替えと言うか、田舎者の智恵です。
(目上の人の家を訪問するのに身だしなみを整えず行ったり、乱暴な口の聞き方をするのは表現の自由の問題ではなく「失礼」と言う次元です)
以上のとおり日本語のイメージする「移民受け入れ」基準と一般的な入国お断りとは次元の違うものですから、翻訳がズレていると日本人に伝わるイメージ効果は大きな差になってしまいます。
話題を大統領令の効力に戻しますと,大統領が直截特定人物を危険と認定することは物理的不可能ですから「このクニ・教徒を危険人物と認定しろ」と言うような一定基準設定の大統領令があったとすれば・・入国手続関連官憲でもない大統領が「司々」の認定手続を経ない個人的意見でイキナリ作れる制度になっていることになります。
入国差し止めの大統領令が法的効力を発揮しているかのような報道によればアメリカの誇る「デュープロセス」「法の支配」尊重主義が本当に機能しているのか不思議・疑問です。
日本人は昔から孔孟の教えを尊びますが,肝腎の中国人の殆ど誰も尊敬していない・・解放後具体的中国人が良く知られるようになると彼らの行動基準にしていないかのように思う人が増えましたが、アメリカも外国には民主主義・自由競争や人権重視を自慢しますが実態はお粗末なのかも知れません。
「イギリス紳士」と習って育ちましたが,イギリスに行ってみると当たり前のことですが「紳士」は殆どいない・・貧弱な人が圧倒的多数でした。
この違いを私は中国の場合,士大夫層と人民が画然と分れているからとし、欧米は市民とピープルの階層分離社会である・・日本のように上下渾然一体社会ではないと書いて来ました。
最近PC(ポリテカルコレクトネスpolitical correctness、)が大流行りと言われますが,政治的にこれが良いとなると誰もが政治禁句を強調してこれを言う人を批判する・・そうすることによって自分が先端人権運動家になったつもりになっていると言われます。
10数年前にこのコラムで書いたことがありますが,共産党支持者・前衛活動家が,女性の地位向上と言いながら自分の妻に対する視線評価が蔑視的なのに(私は自分の能力が低いこともあって,結婚後妻に対する尊敬の念が深まる一方でしたので)驚いたことがあります。
活動家が演説で人権擁護を言ってれば,自分は最先端人権重視家になったつもりになっている人が多いのを昔から実感しています。
外に向かって偉そうなこと言う人は実は怪しいことが多く人権や民主主義を主張する筈の学生運動では、内部の言論の自由や人権無視・・内ゲバに明け暮れていることは周知のとおりですし、弁護士会も外部に向かって偉そうなことを言っていますが,将来的には内部の言論の自由がどうなっているかその内問題になって来るでしょう。
そう言えば日弁連では、総会成立の定足数を設けると言う会則改正案を次回総会議案として出しています。
委任状でよいにしても一定数以上の委任が集まらないと総会が成立しないのですから、将来的には極端な活動家に牛耳られてしまう・・全学連のような空洞化を防ぐ一助になるでしょう。
「少数者の総会招集権を妨害するものだ」と言う反対意見が送られて来ましたが・・。
少数派が僅かな出席者で総会決議を得ようとする方がおかしい・・矛盾に見えますが、難しい駆け引きは分りません。

移民排斥とピープル概念の分裂?1

トランプ氏のスローガンでは,「移民追い出し」と言うだけで,アメリカ国内工場をどうやって維持するかの展望がありません。
移民を入れない以上はその分国内賃金が高止まりしますので,企業は(国内人材能力引き上げる努力しないで低賃金移民に入れ替えれば良いという意識でやって来た経緯から欧米の場合既存住民のレベルアップは困難ですので)企業は海外展開加速・・国内失業も加速するしかないでしょう。
これまでアメリカでは,企業は儲ければ良いという発想で,工場を海外に出そうが国内に移民を入れようが結果は同じと考えて来ました。
そこで新興国の低賃金攻勢に対する対応策として工場の海外移転と移民受け入れの平行対応して来たのがアメリカ企業であり,アメリカほど露骨ではないにしてもドイツ、イギリスなどの欧米企業でした。
この2方向の内移民受け入れが無理ならば・・海外へとなるのが普通の展開です。
これを防ぐために海外からに輸入への課徴金恫喝・・メキシコに工場を造る予定のフォードを名指しした演説でしょう。
ガバメント・・これを構成する企業家は現にいる人民だけのためではなく今後はいって来る移民を含めたピープルのための統治を期待されて来ただけですから、いくら移民が入ってもその移民を含めたピープルのためになれば良いと考えて来たフシがあります。
移民寛大政策がアメリカの長年の国是でした
この延長で海外展開してどこで儲けようと企業のためになれば良いし,企業のためを考えれば儲けた金をどこの国にプールしておくかも・・企業家にとっての有利不利が判断基準であり,自国民のためになるかどうかなどの基準不要・・自由自在であると考えて来ました。
これに不満を言い出したのがゴローバリズム反対論です。
西欧でもアメリカでも漸く新参古参を問わない・・ガバナーが管理の都合で商品構成や組立てライン設備を入れ替え出来る商品としてのピープルではなく、「既存民衆・先住民・現役従業員のための政治・企業経営をしてくれ」と言う気持ちが起きて来たように見えます。
これがイギリスのEU離脱の国民意思表示ですし、仏独での移民反対運動の高まりであり、「アメリカ第一・・移民追い出し」宣言でしょう。
エンクロージャームーブメントの例で書いて来たように,欧米のpeople・ピープルが人間も元々商品の一種として入れ替え可能概念であったと言うのが私の素人的意見です。
移民排斥のトランプ氏のスローガンを実行して行くには,移民あるいは新参者もピープルに含める従来概念を変更して行くか、移住して来たばかりの者を区別する新しい「仲間」概念の創設が必要になり,建国以来の移民受入れ基本方針の大転換が必要です。
トランプ氏の移民追い出しスローガンは,入れ替わり自由な(移民歓迎社会)ピープルを前提にしたgovernment・・for the peopleから、移民排斥・既存民だけのためのgovernmentへの変更宣言である以上、ピープルに2種類が生じることになります。
二種類にするには概念の変更が必須でしょうが,区別するには,区別するにたる内容実質の違いがあることが正当性・大義名分として必要ですが,これがないまま居住期間だけで区切りをつけるのでしょうか?
11月16日に書いたように日本社会の構成員・・国の民(たみ)とは郷土を同じくする「はらから」であり、ピープル・日本語約=人民とはこう言うハラカラ性を持たないものとすれば、ピープル自身が成長してしっかりした集団に(言語は進化するものです)化けて行くか、新たな集団特性を表すグループ名・・日本の「国民」のような名称が必要になるでしょう。
私の理解する日本の国民概念は、郷土を同じくするものと言う基本です・・ダム工事で村が水没して良いか、墓地移転のテーマでは、何世代にわたって住み続けた郷土を同じくする人だけが決めるべきことで移民や新参者が口出しできるのはおかしいと言う立場です。
アメリかもトランプ氏のスローガンどおりに「古くからいる人と移民や新参者」と区別するには、日本のように功利打算で来たばかり・・いつでも逃げて行く人と古くからいる人で簡単に逃げて行かない「国民」か否かで分けるべきです。
ただアメリカの場合,建国以来郷土を愛する精神教育をして来なかった・・環境無視して環境悪化すればゴーストタウンにして逃げて行く・・ビルが古くなれ爆破してしまう・・東京駅や法隆寺のようにチマチマと修理して行く社会ではありません・・のが新しい生き方のような思想教育して来た結果、(今でも環境保全に対して中国と世界1〜2位を争う無頓着な民族性のように見えます)古くからいる人が新参者に比べて郷土愛が強いとは言えません。
移民反対論を期待しながら,住み難くなっても何が何でも地元に残ってその街の復興に協力するつもりがなく,自分自身は真っ先にその街から逃げ出すつもりの人民が大多数とすれば,矛盾した自分勝手な願望になります。
先住権を保障しろと言うからには・・来たばかりの人たちと差をつけるに足る相応の愛郷心に裏打ちされる必要がありますが,アメリカの愛国心とは「郷土愛ではなく「軍旗である星条旗の元に拳を突き上げて歓声を上げる」敵対的行動を煽るためのに支配層から植え付けられた程度の浅い観念ですから,相手に要求する以上は自分ら自身も変わって行き・・新参者との違いを示して行く必要があるでしょう。
好き勝手に環境や資源を食いつぶして来た結果、残り少なくなったから仲間に入って来るな!と言うだけでは,道義的にも無理があります。
何かを要求するときには、「自分達も◯◯して頑張るから・・」と言うのが、(何か誘致するときにはそれなりの措置を講じたり,地元負担もします)普通ですが,現存ピープル自身が変身努力もしないし,出来ないとすれば,移民排斥論は論理的に無理が出て来ます。
元々功利打算で集まったに過ぎない「ピープル」であるから、そんな程度と言ってしまえばおしまいですが・・。
アメりカのこれまでの歴史を見ると名分など全く問題にしない・正義の基準は「腕力のみ」と言うやり方で来たしずば抜けた資源・経済力・軍事力を背景に無茶がそのまま通って来ましたが,今回もその一事例をつけ加えるだけの積もりでしょうか?
確かに移民排斥は相手が国内弱者ですから一方的決定も可能でしょうが,こういうことを国内外でくり返して来た結果、国力がちょっと陰っただけで世界中が言うことを聞かなくなってたキたのです。
アメリカ第一のスローガンの連呼は・・習近平氏の言う中華の栄華復活と基本心情が同じですが,栄光の復活には正義に基づく行動をすることが先ず第一でしょう。
正義など問題にせずに栄光を復活したいという場合には,相手を暴力で威圧するヤクザのような一時的[栄光」の復活しか出来ませんが,正義観念未発達の人民を抱える習近平氏もプーチン氏もアメリカのトランプ氏も後者を選択したがっているような印象を受けます。
アメリカは世界支配を得た結果、道義に基づく支配の仮面をかぶるしかなかったのですが,この役割を演じるのが重荷になって来たのです。
正義の仮面をかぶった交渉ではいつも結果的にうまくやられているこコトに対する不満・・ストレス発散を腕力によって実現したい願望が国民に渦巻いているように見えます。
中国やロシアの自分勝手・強引なやり方が性に合っているし魅力を感じるようになったのです。
無茶を通すためにプーチンのような無茶をやりたいと言うのがトランプ氏であり,これを支持する国民の願望でしょうか?
無茶ゴリ押しが聞くのは,地域大国が限界・・天下を取るとルールによる支配が必要・・自分も自分の作ったルールに縛られるのは仕方のないことです。
ルール無視をしたいとなればアメリカにとって,世界支配の地位は荷が勝ち過ぎているからその地位を下りて,地域大国に格下げしたいと言うことでしょうか?

アメリカ式移民モデルの破綻4

過去に異民族大量流入によって、うまく行った社会があるでしょうか?
今のギリシャ、イタリア人は古代ギリシャ、ローマ人と関係がないと言われますし、古代エジプトやメソポタミや地方の現在居住者もメソポタミア文明の担い手と関係がないと言われています。
アメリカが、元々自分たちが元の住民を追い出して住み着いた移民である原住のインデイアン社会を壊滅させてしまったから、移民の害を知らない・知りたくないだけです。
アメリカインデアンや中南米の原住民達も、西欧の移民が入った後の方がずっと過酷な生活を強いられている・・西欧から移民が来る前の方が電化製品がなかったとしても心豊かな生活が出来ていたことは確かでしょう。
最初に漂流に近いような形で流れ着いた西欧人に親切に水を与え食糧を与えてやったことが、その後民族根絶やしになるほどの迫害を受ける元になっているのです。
中国も絶え間なく辺境の地・異民族を吸収して言わば権力的に異民族吸収・・同化によって人口を増やして来たから今の民度になっているのです。
アメリカで移民社会・・低レベル化進行の負の資産を何とか見えなくして来たのは、巨大資源や広大な農地、牧場の存在だったでしょう。
世界でモノ不足の時代には、粗放農業による農産物でも世界中が喜んで受入れ感謝しました。
クルマもブリキを組み立てたようないわゆる「アメ車」でもクルマのな足りない世界では(安い方が良いので)有り難く受入れてきました。
アメリカが流れ作業によって未熟連動者でも参加出来る方式を考案して大量生産による大雑把なクルマを安さを武器に大量に作って世界市場を席巻していたのです。
日本の例で言えば、戦後食糧難の時代にアメリカから届いた粉ミルクの学校給食を喜んで飲んだものです。
高校時代にワシントンハイツ(今の代々木公園)にあったアメリカ軍将校のアパートに招かれて行ったときに、ビフテキをごちそうになって多いに感激したものです。
今時アメリカ産の牛ステーキを喜んで食べる人は滅多にいないでしょう。
クルマも日本で作るようになって来ると、粗雑なアメリカ車は全く売れなくなりました。
粗放生産品・・汎用品は後進国で作れる=低賃金化が進み従事者は高度な生活を維持出来ません。
この状態でなお大量生産にこだわって移民を受入れて中国の人件費に負けないと豪語してもどうなるものでもありません。
汎用品・・量で勝負する限り、後進国並みの収益しかありません。
汎用品生産用の人口が増えれば増えるほど実力以上の生活費を補填すべき人数が増えるマイナスが増えるだけです。
アメリカンドリーム・・個人の大成功に社会みんながぶら下がるのは無理があります。
ましてやアップルの例を見ても分るように次々と新製品企画が当たる保障がありません。
アメリカンドリームは自分もそうなれるかも?と言う期待感でみんなが前向きになれる時代精神ですが、汎用品工場やストアーで働き夜はフードスタンプに並ぶのでは精神が屈折します。
民族一体感のない国では成功した方は自分の働きを高率の税でフードスタンプ資金に取られてしまうのは面白くない・・海外逃避したくなりますし、他方で庶民から見ると金融商品の転がし・・トレーダーがぼろ儲けしている場合、どこか胡散臭いイメージ・・制度に問題があるんじゃないかと言う不満が出て来ます。
金融規制強化論が唱えられ、タックスヘイブンが槍玉に挙がるのは、こうした不満の結果です。
日本の場合成功者とは部品を夜も昼もなしに磨きに磨いてナノ単位の精密製品を作り上げるような人(ノーベル賞を受賞した田中氏もそのような一人です)が中心ですから、企業で大事にされてもだれも不満を言いません。
2ヶ月程前まで日経新聞に連載していた京都大学の類人猿の研究生活をしていた松沢氏の連載を見ても「えらいなあ!」「良い人生を送っているな!」と感嘆するばかりで、うらやましいとかの不満を抱く人はいないでしょう。
EPS細胞の中山教授に関しても同じです。
我が国はそのような価値観の国ですから、こう言う人が報われるのは別におかしなことではありません。
成功した本人も皆様の御陰で・・と感謝し、法外な報酬を欲しがらない・・民族全体の利益になれば良いのが普通です。
日本は民族全体のために努力する意識の社会なのに、縁もゆかりもない人が勝手に入って来て(移民)同じ率で分配を要求されるようになると成功者も自分独り占めしたくなるし、努力する気持ちが失せてしまいます。
日本人は日本人のためにみんなで力を合わせて頑張って来た縄文時代からの歴史があります。
今は国際化時代ですから相応の国際負担は必要ですが、これは個人で言えば近所付き合いとして町内会費を払い公共負担するのと同じであって、親しく交際することと他人が自宅にズカズカ入って来るだけではなく更に長期間同居を容認する義務があるかとは別次元です。
日本国内に入って来たばかりの人に何世代も前から環境保護に協力して来た人と同じように分け前を(晩ご飯を一緒に食べる権利)要求されるほどのものではありません。
会社のために努力して収益が上がり、この成果を全社で享受する・・同僚の給与がアップし会社の将来の備えも図れるのは嬉しいですが、その儲けを関係ない人にも平等に払うしかない制度だと努力する意欲がわかなくなり,稼ぐと隠したくなる・・タックスヘイブンが流行する所以です。

アメリカ式移民モデルの破綻3(朝鮮人学校2)

言葉の通じない国へ移住した場合行く先々で何か寄る辺が欲しくなるのは当然です。
たとえばアラブ系の場合、モスクが出来ると危険な印象を持つ人が多いでしょうが、バラバラに放っておいて孤立させて犯罪・テロ組織に入って行くのを放置するよりは、ある程度自分達で教育してくれて如何に日本社会と仲良くやるかの自主的教育をしてくれる組織があった方が合理的です。
それでも100人に一人はグル−プから離れて過激思想にかぶれる人が出るとしても、こう言う組織がなく、移民2世の半分がドロップアウトする人が出るよりは有り難いことです。
自主組織が必要と言う私の意見は、テロかぶれを減らすために必要と言うだけであって、組織さえあれば根絶できるとは思っていません・・。
こう言う基本意見ですから移民を入れることは、朝鮮人どころか2世以降になると社会の安定に極めて危険と言う逆意見で書いています。
朝鮮人学校など民族別組織の存在は、反日の温床にもなれば、その逆に日本社会からのドロップアウト率を下げる効果があり、しかもかなり効率よく(全小中学校にイラン語やフィリッピン語の教師を配置して相談に乗るよりは)成功していると思っていますので、この存在自体を批判するのは間違いであるように思っているだけです。
先の大戦中に朝鮮人の多くは良き皇国臣民として日本人と一緒に戦ったことも良く知られています。
大戦中に反日活動していたと言う記録を知りません。
外国人系としては、日本人と親和するのに成功している民族と言うか、日本人も彼らをうまく包摂して来たと思います。
ここで彼らを根拠なく誹謗中傷して、反日に追い込むのは安全第一の日本社会のために得策ではありません。
現在の嫌韓感情は韓国政府の行為によって触発された在日に対する悪感情に飛び火して敗戦直後の乱暴狼藉が言われますが,日本人の戦前の行為(仮にあったしても)を戦後70年も日本が謝り続ける必要があるか!と言う議論同様に、少なくとも現在の在日の具体的悪行によるものではありません。
在日組織(民団や朝鮮人学校)が反日を煽っているかどうかについて考えると、彼らはもはや韓国へ帰るメリットが皆無ですから、日本社会と対立して何の得もない立場です。
出来るだけ日本人に嫌われないように「こう言う点に気を付けましょう」と日本人より日本人らしく生きるための教養を教える立場であって、朝鮮人学校で積極的に反日を煽っているとは到底思えません。
7月1日にバングラデシュで日本人のテロ被害が起きると、バングラデシュ人が非常に恐縮しているし、異郷に住むものは自分たちに悪感情をもたれないかとその国に対してもの凄く気を使っているのが伝わってきます。
在日も大地震があると民団が率先して支援に動くなど積極的に日本社会への貢献をアッピールすべきでしょうが、日本社会が困っているとき何もしない・拉致事件の手先だったのではないかと言う疑いをもたれているのに、釈明あるいは潔く謝ってしまう度胸がないので黙殺・・開き直り行為が日本人に嫌われているのです。
昨日書いた在日の犯罪率に戻りますと、同じ日本人の犯罪率でも大手企業従業員や公務員になっている人と日雇い人夫や現場系・・風俗系従業員とでは大きな違いがあるように、在日全部と日本人全部とで見れば在日の方が犯罪率が仮に高いとしても大手企業等従事率が極端に低い点を無視出来ません・・。
正確に見るには、職業別あるいは所得階層別犯罪率の高さで比較しないと日本人あるいはフィリッピン,タイ人と比べて在日の犯罪率が有意に高いかどうかは分りません。
慰安婦騒動以来在日に対する批判論が高くなっていますが、韓国政府の反日教育や政治活動に対する不満があってもそれは国際交渉で解決すべきことであって、「居候的立場」の弱い人を苛めているような疑いをもたれるようなことをするのは恥ずかしいし、大人の取るべき態度ではありません。
韓国ともめ事のないときに在日特権の有無・あるとしたらその合理性について、冷静に議論しておくべき純粋国内問題であるべきです。
朝鮮人学校問題も煽られると感情的になり易いでしょうが、上記のように民族別受け皿があってそこで日本社会同化教育をしてくれることは結果的に不良化防止・・日本の公益に役立っているように思います。
日本人がフランスやその他の国に赴任した場合、そこでの生活習慣の勉強会を日本人社会でやってくれれば、助かる筈です。
外国人を砂粒のようにシャッフルしないで、フィリッピン、イラン、パキスタン人会等がある程度まとめて教育してくれた方が効率がいいので、そこにある程度の援助・・土地を貸すのはトクケンとは言えません。
100%税投入・・公立小学校よりも安く済みます。
話題が飛びましたが、ここで言いたいことは在日の応援ではなく、移民は何世代にわたって適応上の不利があって、(在日に限らずフィッリッピン人でもタイ人でも風俗系や現場労働で入って来た場合、数世代にわたって大手企業に就職するための高学歴化するのは困難・・高学歴化しても大手企業は朝鮮人など外国人を簡単に雇用しないのではないでしょうか?)長期にその社会のお荷物になる傾向が高いと言うことです。
お荷物に対するフォロ−は無理がある・コストがかかり過ぎるので手が回らない・・イキオイ過激思想によるテロの温床になり兼ねません・・その例がフランス社会でしょう。
アメリカのように多様な移民が入り乱れている場合、相互理解困難のマイナス・・きめ細かな洞察が出来ず粗雑な文化?が育つでしょうが、数世紀にわたって社会負担がづづくと思われます。
ローマの衰退原因として民族大移動や傭兵に頼ったことなどを学校で習いますが、ゴート族の移動は単なる自然現象ではなく、その前提として日常的に移民に頼る生活・・ローマ市民が自ら手を汚さない安逸な生活で、民族の基礎力が蝕まれていたことが前提です。

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