日本より後発の韓国では日本とは違い中間層の形成期間が短くこれと言った蓄積を出来ないうちにアジア通貨危機に見舞われてしまい、中間層がナケナシの貯蓄を失い、その後国民の多くが非正規雇用の時代に突入しています。
漢江の奇跡と言われる高成長は、日韓条約による巨額円借款によるものがスタート台ですが、スタートから数えてもアジア危機までは僅か30年しかありません。
まして円借款と同時に経済成長したのではなく、この借款でインフラ整備してこれがそろってから日本企業の進出があって成長軌道に乗ったのですから、年収1万ドルになった時期から見ればホンの僅かです。
なにしろ、1人前の収入になったと認められてOECDE加盟(96年)の翌年には、アジア危機に見舞われてIMF管理に入っています。
僅か1年たらずのアジア危機で再び1万ドル割れして最近漸く2万ドル前後・・日本の約半分になっているところです。
以下のグラフで見ればアジア危機後1万ドルになったのはおよそ2000年過ぎのことですから、現在時点で漸く約10年経過したところに過ぎず、蓄積の薄さが分ります。
出典元URL
http://ecodb.net/exec/trans_weo.php?type=WEO&d=NGDPDPC&c1=KR&c2=JP
アジア危機以降上記のとおり、GDPこそ上昇していますが、アジア危機によって殆どの企業が欧米資本に買収されてしまった結果、利益・金融収益の殆どを海外に吸い上げられていることから、韓国では、GDPを一人頭で割っても実際の生活水準を計れません。
韓国や中国の貿易依存率が無茶に高いのは、国内消費水準が低い・・国民の購買力の低さ・・GDP上昇の恩恵が正当に国民に還元されていないで海外流出していることに原因があります。
(中国の場合、外資による収益の海外流出のみならず裸官・ラカンと言って政府高官・富裕層が保身のために海外へ不正蓄財資金流出させていることにより加速されています)
これが現在韓国で大財閥のみ栄えて、国民が悲惨な状態にある原因です。
日本の場合、企業の海外生産比率が上昇する一方です・・ここ10年以上貿易収支の黒字よりも海外収益の還流の方が大きかった原因です。
日本のような高齢化社会では労働収入よりも金融資産(年金を含めて)家賃等の収入の方が多くなっていますから、労働収入比で貧困率を計っても意味がありません。
この逆張りで中国や韓国では逆に外資に持って行かれるばかりですから、GDP・企業利益を基準にしても国民の福利状態・豊かさの指標にはなりません。
国際化時代には、GDPは1つの指標にしか過ぎなくなっています。
例えば中国の生産の半分〜3分の1を日本企業が担っているとすれば、その収益が日本に持って行かれるし、しかも日本企業が他所の国に立地変更すれば中国は困ってしまうので、GDPと国力との関連性は薄まっています・・時代遅れの指標です。
中国は反日暴動で底力を見せ付けたつもりですが、中国国内の売上が半分以下に減ったトヨタが皮肉にも昨年世界一の販売量を奪還して好調に沸いています。
日本は中国の成長が頭打ちならば好調な東南アジアや、北アメリカにシフトすれば済みます。