韓国民の行動様式19(恩を仇で返す国1)

日本が征韓論を退けて自重していると更に図に乗って江華島沖事件が発生し、日本の抗議に驚いて初めて今度はぺこぺこ外交に転じました。
ぺこぺこ外交の鬱憤晴らしに、名目上の属国から実行支配政策に転じた清朝派遣軍閥の袁世凱と組んだクーデター事件・・壬午事変(1882)がおきます。
江華島沖事件とその後の壬午事変については「日本対中朝対立の始まり2と根深さ」
Published June 20, 2013」以下で書きました。
朝鮮族は昔から相手が強いかどうかだけが基準の国ですから、武力で叶わないと知るとぺこぺこし始めますが、韓国旧勢力は民度向上→国力充実よりは北朝鮮が将軍様の地位保全が最重要課題であるのと同様に自己保身が主要目的でした。
日本の主張するように民主化して国力が充実して王権が弱まるよりは、清朝であれ、ロシアであれどこかの属国に入っても地位を保障さえしてくれれば良いというの(事大主義)が基本精神でした。
それまでは、清朝の名目的な属国に過ぎませんでしたが、江華島事件後日本の近代化要求に対抗するため当初は清朝・袁世凱と組み袁世凱の軍を引き入れ直接支配下に入ります。
このクーデター事件では日本の大使館か公使館を襲撃したので,もしも清朝の支配下にあるとすれば清朝自身の賠償責任や責任者処罰など国際法上の責任追及が必要でした。
袁世凱は責任者処罰しないと実効支配の国際的責任を果たせないことから、壬午事変の朝鮮側の首謀者・国王の父の大院君を清朝領土に名目上拉致し、そこで客死させますが、自ら清朝の直接支配下に入った以上は王の父であろうとも上官である袁世凱による身柄拘束・譴責処分を受けるのは仕方がないことです。
こうした影での反日行動の繰り返しが日清戦争の切っ掛けとなり、日清戦争で清朝が敗北後は裏では今度はミンピがロシアと通じてロシアを引き入れてその属国になろうとしていたのが日露戦争の原因でした。
独立国である限り守旧派の抵抗が続きいつまでも埒があかないので、民度向上を目指す韓国内の愛国者の要望で、直接統治しない限り効果がないとなった・・日韓併合論に発展した経緯があります。
日本は韓国内愛国者の応援要望が強いので仕方なしに介入するようになったのですが、日国内でもそこまで肩入れすることに反対論がありました。
・・暗殺された伊藤博文は反対論者の中心でした・・業績不振企業の買収にはリスクがつきものです。
併合反対論はもちろん韓国内の旧体制護持派でしたので、伊藤博文暗殺者・安重根は、旧体制派の向けた刺客となるのか・・せっかく日本国内の併合反対派の中心人物の暗殺を計るのは、むしろ併合推進派の刺客だったのかよく分りません。
旧体制派の不安を除くために日本政府は,併合後も李氏王朝の王族を日本皇族並み待遇として、特権を失わないようにします。
併合後は周知のように日本は国内投資資金を朝鮮半島に優先して振り向け来たので順次の設立中の旧帝大も国内は一旦中止して先に朝鮮半島に作るなど日本国内の帝大設置が遅れます。
ちなみに旧帝大の設立順序は以下のとおりです。
1886年 東京 1897年 京都 1907年 東北 1911年 九州 1918年 北海道
1924年 京城 1928年 台北 1931年 大阪 1939年 名古屋
日本第二の大都会である大阪の帝大設置の方が植民地支配と非難されているソウルや台北より後になっているのには驚きませんか?
同様に各種資本投資に関してもその後は朝鮮半島優先政策が続きました。
この結果、敗戦当時は朝鮮半島に対する投資の方が国内投資よりは先端的なものが多くなっていたのです。
これほど資本や人材を入れ込んで来た日本に対して、日本が負けたとなると手のひらを返したように日本を何が何でも恨むばかりです。
・・真実は恨んでいるのではなく日本が戦争で負けて弱い立場になったと分れば「恨んでいる」と言えば何をしても何を要求しても日本が受入れるべきだと思っている国・民族です。
韓国にとっては日本が敗戦国になったという1点だけが言いがかりを着け続けるよりどころですので,戦争の当事者でもないのに靖国参拝に目の色変えて騒ぐし軍旗にもケチをつけるのです。
彼らの言う歴史認識というのも、この一点の認識・・敗戦国であることを忘れるなという1点にかかっています。
連合国/アメリカの対日怒りを如何に引き出すかに・・8月20日まで連載した「米軍占領政策1(虎の威を借る狐4)」トラの威を借る点に韓国の関心が集中しています。

韓国民の行動様式18(話し合い社会へ6)

個人で言えば隣人が仮に泣きわめくだけの犬猫レベルの4〜5歳児から8〜10歳児に成長してくれれば、その限度で合理的理解が進んで自分にとってプラスです。
韓国人を犬猫レベルと言っている訳ではなく、もしもそうならば、というだけです。
短期間で大人になるのは無理でも、(50年単位で)時間をかければ普通の大人になるのではないでしょうか?
「千年恨む・・」と朴大統領が自国民のレベルを卑下して言っていますが、確かに千年単位の歴史経験の差がありますが、その違いは社会経験差によるだけです。
本当の犬猫ではなく、韓国人は人間ですから(そんなに馬鹿ばかりではない・・歴史経験がないだけですから)その気・謙虚になれば10〜20年程度である程度ものが分る国民(17〜8歳程度)に成長し、50年もすれば一応のレベルにはなるのではないでしょうか?
韓国人は今まで合理的な話し合いで決着を付ける習慣がなかったので、必要性に気がつかないで来ただけですから、(本当の犬猫とは違い)その方が得だと気がつけば身につけるのが早いのではないでしょうか?
私の知ってる限りの在日韓国人の多くは,功利的観点からだと思いますがこのような習慣を身につけています。
不合理でも何でもまずは突っ張る方が有利な社会構造であったし、日本はいつも(子供のような相手に一々反論して言い合いするのは大人げないと思って)「まあまあ・・」と認めて来たから、味を占めて突っ張るようになっただけではないでしょうか。
韓国民も突っ張るばかりではなく、柔和に対応した方が、長い目で見れば有利と分れば適応出来るでしょう。
社会意識の合理化は難しいものです。
経済的に言えば後進国が中進国の罠にはまるのが有名ですが、政治面で言えば、合議による政治が始まると(私の造語ですが・・)「先進国の罠」にはまるようになります。
アラブの春の結果大混乱に陥っている状態について以前少し書きましたし、この後でエジプト・シリア情勢やテロ等に関連して書く予定ですが、強権政治から民主政治に移行すること・・自治出来る民族は限られています。
経済面での中進国からの脱皮は、部品を輸入し、技術さえ導入すれば先端製品を作れるようになれますが、政治決定過程を大人の風土に変えて行くのは簡単なことではありません。
先端技術のように一人二人の技術者を高給で引き抜いたり知財を剽窃すれば追いつくのではなく、国民全体の民度・・合理的説得を受入れるように民度が上がらないとうまく行きません。
そのためには「先ず隗から始めよ」の故事のとおり強者・勝った方がまず自制することから始めないと、弱い方は負けるとどんな酷い目に遭うか分らないという状況のままでは庶民はいつも命がけで主張するしかなく、譲りようがありません。
韓国や中国では権力者の自己抑制がない・思いやりのない歴史が、国民同士を負けたらどうなるかと畏怖させている点に思いを致すしかないでしょう。
民度の向上は難しいですが、日本はこの分野でお手本を示し協力出来ることはして行くべきです。
明治維新当時欧米列強に共同で対処しましょうと日本が熱心に呼びかけても尊大に応じて日本の使節を侮辱するばかりだったので,あまりの無礼さに腹が立つ人が増えて来て征韓論が起きました。
最近では安倍政権発足直後関係修復のために派遣した政府特使を正式な大使でもないし・・と一般民間人の入国手続きに並ばせたか・あるいは特別入国手続き・待遇をしなかったと非礼な態度が報じられていましたが、昔からそんな子供じみた非礼を働く国です。

韓国民の行動様式17(話し合い社会へ5)

決意だけでモノゴトが実現出来る訳ではありませんが・・・理性に基づく話し合い・譲り合いを必要とする日本の価値観を理解し始めたことは重要な第一歩です。
勝負に勝てば人道を無視しても何をしても良いというのが中国の繰り返して来た歴史ですし、韓国でも勝った方の自由勝手と言う姿勢が顕著でした。
(専制君主制とは権力闘争で勝った方が専制的=道理を無視して何をしても良いという意味の政治体制です)
相手が強いアメリカ(将来は中国?)の支持を受けているかどうかの基準で押して来る今までの韓国のやり方に対しては、日本は韓国相手にまともな話し合いの余地がありませんので、「千年でもどうぞお好きに!」となりかけています。
善悪・合理性の基準で話し合うように韓国の社会意識変化が進めば、近い将来韓国との合理的対話も期待出来るようになるでしょう。
とは言え、直ぐに韓国がそうなるという意味ではなく、少なくとも会話のルール・・相手より強いかどうかではなく論理・善悪を基準にした話し合いに価値基準を置く必要性を理解し始めたことが大きいと書いているだけです。
「善人なおもて往生す、いわんや悪人おや・・」の(善悪を知っている)悪人程度になったのではなく、漸く「善悪・道理を知る必要性に気がついた」段階です。
本会議への議長職権上程の要件を絞って話し合い解決を促す制度さえ作れば、話し合いが直ぐにスムースに行く保障がありません。
こうしたルールは韓国では未経験の社会実験ですから、朴槿恵政権はどうして良いか分らず思案して内政が停滞している状態が9月1日の日経新聞に出ています。
朴大統領はこの打開策こそ日本古代からの長い経験に学ぶ必要・・協力を求めなければならない場面なのに、就任直後から内政の進め方が分らないマイナスを隠すために日本批判を強める一方ですから、いよいよ身動きがとれない状態になっています。
右翼その他嫌韓ムードの人たちは、経済側面ばかり議論していて「日本は韓国を見放せば良い」という議論ばかりですが、韓国がこれから話し合い社会に進化して(強いか弱いかだけが基準・・犬猫の争いのような社会から卒業して)真の文化国家に向けて変化するには、これこそ日本にしかお手本がありません。
古代から殆ど経験のない話し合い社会に変化して行く・・一種の文化大革命的な方向転換を始めるこの大事なときに日本を心底から敵に回してしまうのは、韓国にとって社会進歩の手がかりを遠のけて、大幅な遅れに繋がるでしょう。
反日をあれだけ煽っていても部品輸入を阻止出来ないように、社会意識変革を計るにも日本の生活文化を草の根から輸入して行かないと無理があります。
我が国は、朝鮮民族に対して明治以降経済ばかりではなく各地に学校を作り文化その他で多方面での育成に協力して来ましたが、戦後は反日意識が強いことから経済協力に特化限定して来ました。
韓国側では、最近まで日本の文化輸入を公式に制限して来たことを紹介したことがあります。
戦後経済面での近代化に協力して来たように、韓国側で日本からの文化受入れの必要性を理解し始めて(あるいはある程度自信がついたのでしょう)文化輸入禁止を緩めるようになってから、既に10年程度経過しているように思えます。
文化輸入解禁後これに比例して反日運動が盛んになって来たのは、文化面で飲み込まれる危険意識・防衛意識の現れとも言えます。
農産物等で関税を引き下げる代わりに補助金を出したり、競争力強化に精出すようになるのと同じで、基本を緩めればその分引き締めが必要になる関係です。
表面的な反日言動に惑わされることなく、韓国が日本文化・生活要式の輸入を切実に必要としている現状・・韓国政府や社会全体がこれを本音では必要としているシグナルを送って来ているのです。
そうとすれば社会意識の分野でも、一歩でも韓国社会が前進してくれれば、マトモな話が少しは出来る隣人が誕生するので、韓国社会が大人になるのを手助けしてやるのが日本にとっても合理的です。
隣の人が4〜5歳レベル・・日本人を見る都度吠え立てる・・犬猫みたいにいつも何か騒いでいるよりは、中学生程度のレベルに引き上げてやって、ある程度普通の会話・挨拶程度出来るようにしてやった方が、こちらも楽です。
嫌韓ムード一本で押して行くのは単純で分りよいですが、こちらも引っ越し出来ない隣人ですから、出来れば仲良く出来るに越したことがありません。
個人生活で考えても隣人が仮にキ印だといつ何があるか不気味ですが、せっかく常人になろうと言いだしたならば治療に協力した方が自分のためです。
韓国人を集団的精神異常ではないかと言う人もいますが、古代からずっと専制制で虐げられて来た結果、合理的な話し合いの社会経験がないから何か主張する段になると無茶を言う/突っ張るしか出来ないのです。
その結果合理的理解による落ち着いた話し合いが出来ない・・相手が強いか弱いかの基準だけ・・強ければぺこぺこする・・犬猫等の動物の争いレベルにとどまっているのであって、精神異常の集団とは思えません。

韓国民の行動様式16(話し合い社会へ4)

韓国では国会先進化法によって大統領・与党による独裁=強行採決運営をするのに一定の要件が嵌められたのでその分、少しは妥協が成り立つようになって・・切り捨てられる国民の怨嗟が減って今後は任期満了による前大統領の逮捕や自殺が減るでしょう。
漸く日本が古代からやって来た合議(納得・譲り合い)による政治制度・器を作る準備が始まったのですが、この運営能力・民族として合議をして来た歴史経験が少ないので、今のところどうして良いのか分らないが実情のようです。
韓国社会では、これまで何か議論するにしても相手が強いか否か・・古くはヤンパン出身か否か立場の違いが重要でした。
9月3日に少し書きましたが、政治対象にすべき国民と言っても、ヤンパン以外は人にあらず・・庶民の場合、家畜のように扱って来たのが李氏朝鮮時代でしたし、その風潮が今も抜けていません。
これが現在韓国国民の不幸の根源です。
今でも日本での韓国人同士の討論を見ていると相手が有名大学出か否か・肩書きで先に議論を遮る傾向があり・学位の低い方はそれで大人しくなってしまうのには驚く日本人が多いでしょう。
国会先進化法が話し合い運営を少しばかり重視するようになったのは、今後は選挙での勝者敗者の基準だけではなく、善悪・合理性の基準で行動する必要性を理解する社会になった・・あるいは、して行こうとする韓国社会の決意表明を意味しています。
しかし、これはエリート同士で話し合いの必要に気づいただけであって、庶民相手にその気持ちを汲む必要性までは進んでいません。
大声で主張するのもヤンパン同士で、「文明国らしく少しは相手の意見も聞いてみるか・・聞く必要もあるでしょう」と気づいた程度であって,日頃から家畜のように見下している庶民相手に議論したり、その意見や気持ちを汲み取る必要性までは到底気づいていない印象です。
現代自動車労組による過激要求によるストの連続が今も報道されていますが、難しくしているのは経営層はエリートの意識であって、労働者を家畜扱いの意識があるからです。
力づくで押し合って力の強い方が勝って来た経験中心の社会では、合理的説得・譲り合いが利く社会になるには時間がかかります。
勝ち負けしか知らない社会では、勝った方がどんな非人道行為をしても良いとなり、負けたら大変なので必死・・一歩でも引いて相手の言い分を聞く姿勢・・心の準備が出来ていません。
和解社会にするには、勝った方が無茶をしても良いという風潮から改めないと成り立ちません。
和解とは互譲をして妥結することを言いますが、韓国は中国では勝てば相手を何十万人と穴埋めにしたり敗者の内臓を取り出して行進するような歴史の繰り返しで、安易に譲ると死活問題ですから譲り合いの経験が殆どありません。
これが国会での乱闘や労働争議過激化の基礎です。
譲り合い意識を社会全体で身に付けることこそ、自分が強いか弱いかの基準・犬猫の喧嘩みたいな野蛮な国から先進・文明国の仲間入りするに必要な経験です。
日本は相手の言い分が不当でも「盗人にも五分の理と言うからな!』とこの際相手が引きさがり易いようにこれを少し受入れてやって円満に解決になるのが普通です。
ところが、どんな些細なことでも命がけで守る・・大声で言い張ることしか知らない韓国では、日本が可哀想だと思って寄付金など集めると、全面的に認めざるを得ないから認めたのだと鬼の首を取ったかのように、更に言いつのって来ます。
日本社会では、貸金や売掛金、交通事故等で1000万円請求されて、借りていない、あるいは払う義務がないと主張していて大方勝ちそうになっていた被告が、裁判官から
「原告も可哀想だから、50万円位解決金を払ってやってくれませんか」
と言われて裁判長期化にうんざりしていたので、「50マン円くらいなら・・」と和解・支払に応じることがかなり多くあります。
こう言う和解をすると韓国基準だと「責任を認めたのだから50万円では安過ぎるもっと払え」と裁判が終わったのにまた請求して来る民族です。
韓国ではどんなことがあっても少しでも責任を認めると何をされても文句言えないような大変なことになる社会ですから、どんなに自分に非があって全面的に否認する・・白黒はっきり決着がつくまで引き下がらない社会ですから、一部でも認める以上は全面的に弱いからだろうと理解したくなるのでしょう。
日本から見れば、せっかく可哀想だからとある程度払ってやったのに後でまた蒸し返してくるなんて卑怯な国だということになって、もう今後韓国とは話し合いなんかしたくない・・スルだけ無駄だという気分になってしまった・・すれ違いの基礎です。
今後韓国も命がけの突っ張りばかりではなく、妥協・譲り合いの意味を理解するようになれば、労使紛争ももっと柔らかくなるでしょうし、日本にとっても朗報です。

韓国民の行動様式15(話し合い社会とねじれ国会1)

9月3日書いたように日本の場合行政決定段階でも各大臣が支持母体を独自に持っている関係から、内閣構成員との間で利害調整が必要なのに対して、大統領制の場合は閣僚が全員大統領から政治決定の指示を受ける配下に過ぎない(選挙で選ばれていないので、日本では長官と翻訳されています)違いがあります。
日本では政府決定が複雑なだけではなく、議会も簡単に強行採決が出来ないルールになっているので、揉みにもんで進めなければ本会議上程にこぎ着けられない・・悪く言えば決められない政治に陥り勝ちです。
2院制である結果、違った時期の選挙・・時期が違えば微妙に民意が変化しますし、選出単位が違えばこの面でも衆議院と違った票の出方をします。
2院制の場合違った選出である以上は違った民意を反映するようになるのは当然です。
2院制である限り、原理上多数派のねじれがおき易くなりますし、もしも同じ結果を期待するならば、2院制の必要がないでしょう。
ねじれ国会になるから2院制不要あるいは改正すべきだという議論は、問題のすり替えか道義反復論です。
元々違う角度からの民意吸収を期待して制度が成り立っているのですから、必要なのは意見が違った場合の優劣・妥協の着け方にあると言えます。
これに関しては「決められない政治」と揶揄することによって、マイナス面ばかりマスコミによって強調されていますが、きめ細かく丁寧に弱者の意見を吸収するためには時間軸の差・選出方法・単位の差は有効な制度です。
きめ細かな民意吸収の結果,国民間の同質性・・民族の絆を維持している効果を軽視すべきではありません。
議論すべきは、きめ細かく国民各改革層の意見を吸収してゆっくり改良して行く必要を認めるべきか否かです。
何事もアメリカやIMFの御託宣どおりに、これが良いと言われると敗者を蹴散らしての迅速実行・拙速ばかりが良いとは限りません。
仮に良いことでも、じっくり納得の上で5年10年かけて周辺準備を周到にしながらゆっくり変えて行けば良いことです。
百年単位で続いて来た社会の慣習を変えるには、多様な意見や痛みを聞きながら変えて行く時間軸が必要でしょう。
何故、そんなにマスコミや識者が急ぐのか理解出来ません。
昨日まで書いたとおり韓国での即断即決(拙速)が国民を家畜のような対象にしていてこそ出来ることであって、我が国のように国民こそ大事という国ではそんな乱暴なことは出来ません。
韓国では国民の福利を無視して来た咎めが大きく出ていることを考えれば、我が国が拙速せずにゆっくりやって来たのは恥ずかしいことではなく、やはり2千年も政権が続いて来ただけの深い智恵が我が国にあると思い直すべきです。
韓国では大統領制なので政府決定は大統領単独で可能・・閣僚は部下・相談相手でしかないので、即決出来る上に、国会は1院制ですから与党と議会多数派は同時に選挙すれば普通一致しますし、そのうえ国会手続きさえも強行採決が簡単に出来るようになっていました。
選挙で勝った方=大統領=多数派がいとも簡単に強行採決出来る・・これが常態化している社会では、ことの善悪よりは、専制君主の意見にあうかどうかが基準であった時代と思考基準が変わりません。
国家運営・・国内でのいろんな場での意思決定が、強弱・勝ち負けかあるいは白か黒かの単純基準で動いている社会では、対外主張でも勝者敗者(・・どちらが上位者・アメリカの覚えが良いか)の基準で押して来るのは、仕方がなかったと言えます。
今後議長職権による法案の本会議上程要件に絞りを掛けたので、話し合い解決が必要な場面が増えるような手続きを国会で議決したのは、(多数派・強者かどうかだけを基準にするのではなく)話し合い=善悪・合理的か否かの基準で決める社会にして行こうとする韓国の決意表明です。
話し合い解決の経験が少ないので直ぐにはうまく運用するのは無理としても、こう言う法律が出来たことで、今後韓国の思考様式が合理化して来る・・何かと無茶苦茶言って来られて困っている日本にとっても、プラスになることです。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC