精神障害者がある日突然暴れるのは、特定の制度に不備があるからではなく、兎も角社会不適合による全般的な不満・・ムシャクシャの発散でしかないのですから、どんな制度にしても、何回破壊しても満足することはなく、破壊意欲がなくなることはありません。
ISはバラバラに孤立していた精神障碍者を世界的にブラックホールのように吸い込んでイライラを煽って破壊行動に誘導し、使い捨て戦士化して、緩いグループ化して・末端で勝手にテロをやるように煽動して通常人の住む世界を攻撃しようとする組織のように見えます。
(元々ドロップアウトしたグループに対する武器使用に方法の再教育ですから、きっちりした組織に組み込むのは無理があるので使い捨てが合理的なようです)
精神的に鬱屈して社会で孤立している人間を利用して、社会そのものを敵視する方向へ不満を振り向け破壊行動に駆り立てれば、自爆テロの供給源はいくらでもあるし便利です。
彼らを利用する限りにおいては、破壊のための破壊にしかなりませんし、利用している方は政権を痛めつける目的を達したので「もうこれで打ち止め」と思ってもそうは行きません。
彼ら精神病者は本来孤立して社会のお荷物意識で自己を卑下し、小さくなっていたのですが、ネットによる勧誘が容易なのと爆発物等の入手容易化によって、(その内簡易携帯型原爆を使える時代が来るかも?)少人数でも大きな効果を出せる時代が来たので、テロ活動情報交換を通じて一定の連帯が生まれ自信を持って一人歩きし始めます。
これの原始形態が、アフガンでアメリカが養成したゲリラ組織の現在の姿であり、ISはその進化した姿です。
したがって、こう言う方面に精神病質者らのフラストレーションのはけ口として誘導するのは、邪道ですし悪魔の手法です。
ISが、精神障害者を社会に対する破壊活動に煽動するやり方は世界を破滅に向かわせることになり兼ねません・・この動きが、がん細胞のように世界に広がれば、正に悪魔の宗教になります。
宗教に悪い宗教と良い宗教があるとしたら、精神不安者を破壊活動に向かわせない方法は、やはり良い宗教に頼るしかないのでしょうか?
私は、アメリカ式精神科医を増やし薬漬けにする方法は無理があると思っています。
戦後の混乱期には創価学会・立正佼成会その他新興宗教が伸張した結果、・・ヒロポンが蔓延しかけたこともありましたが、結局麻薬系に頼る人も減るなど・・日本社会の大混乱期の精神安定化に大きく寄与して来たと思われます。
戦後の新興宗教の新規吸収力が衰えて来たときに、オーム真理教と言う一種の宗教組織による吸収が始まっており、ISは、イスラム原理主義によっているのは、一応本籍として宗教が必要な点を暗示しています。
いつの時代にもいろいろな精神不安が起きてきますが、敗戦ショックのように一斉大量の画一原因で起きた不安発生とは違い、個別事情によるので、大量吸収方式は無理がでます。
戦後の新興宗教は大量吸収方式で勢力を伸ばしましたが、高度成長期以降、一定の高学歴高収入がありながら精神的に不安を抱える人が出て来ると、彼らの吸収装置としては個別対応が必要ですので、大規模組織で対応出来なくなりました。
この隙間・ニッチをついて、いろんな変わった事件も起きてきましたが、(オーム真理教事件以降では酒気薔薇事件など)全て単なる猟奇事件としてマスコミを賑わす程度でした。
オーム真理教はこの隙間産業的に受け皿として登場したものです。
マスコミや、文化人は馬鹿の一つ覚えのように格差拡大リスクを煽りますが、(伝統的に貧富格差の大きかったインドやその他後進国で反乱が起きなかったし、現在でも、格差の大きい中国や北朝鮮で反乱が起きていません)オーム真理教的顧客・・お金持ちの息子・高学歴層だってこの顧客になり得るのですから、格差問題を唱えるだけでは解決出来ません。
世間でまだ知られていなくとも、オーム真理教的受け皿がドンドン生まれている可能性があります。
人間の身体では、日々無数のがん細胞が生まれては死滅しているのに似ていますが、いつか大きなガンに成長することがあります。
精神病質者は、具体的に社会制度をどうすれば良いと言う合理的目的がない・・人間社会との付き合い方が分らないのですから、社会そのものが敵です。
労働条件を改善すればいい運動などとは、本質が違いますから、政治運動するのでは解決になりませんが、上記のとおり組織・制度変革で解決出来ない病者を集めているのに、社会組織破壊を目指していた点では、オーム真理教は悪魔の宗教になります。
どう言う宗教が吸収すれば社会が安定するかと言えば、我が国中世のように念仏を朝晩何百回も唱えたり踊って歩くような宗教・・陶酔系が合理的です。
お祭りをしょっ中やってダンジリを引き回したり、マラソン大会もその時点の陶酔感を満足させるだけではなく、次に備えた準備などで継続的受け皿になっているでしょう。
先進国で何万人を集めたショーやサッカー(フーリガンの破壊活動はその現れです)音楽のイベントなどで、興奮・陶酔させているのもその一種ですが、受け身である点では、ショーと次のショーの谷間の受け皿になりません。
ISテロ拡大の原因論はこの程度にするとしても、彼らを勧誘している組織構成員そのものは一定組織マネジメント能力の高い人材です。
彼ら幹部は、昔は海賊や流刑者や無頼漢を利用してトキの強者に挑戦していたのを、ネットの発達を利用して精神病質のグループに供給源を見いだした点に新規性があるだけです。
明日から新たなテロ組織に対応する法制度のあり方について話題を戻して行きます。