外出規制緩和8(韓国の実験と監視社会化1)

必ず手洗いしていた人が感染しなかった場合、「私は強いから・・」と自信を持ってしまい、ウイルスの付着したものを触って手を洗わなければ即感染するでしょう。
日本の風水害のように1晩家にこもってれば、翌日台風一過の晴天が来るような被害では一晩やり過ごせば良いのですが、ウイルスは通過していくのではなくその間にも社会内に滞留している点が大違いです。
強風が収まらないうちに家にいるのに飽きたから(経済が持たないから)と家の外に出るようなことにならないかの疑問です。
ウイルスの立場では、人間が飽きたかどうか困っているかを斟酌したり容赦しません。
韓国の場合、外出規制強化と個人情報の徹底把握と追跡で感染増を押さえ込んでいたに過ぎないとすれば、沈静化したことを理由に外出規制緩和すればどうなるかの見本のようです。
韓国の安易な考えが、ウイルスの報復を受けたようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012422761000.html

韓国 制限緩和後 ナイトクラブで12人が新型コロナに集団感染
2020年5月8日 19時33分
韓国政府は、ソウルのナイトクラブを訪れた12人が新型コロナウイルスに集団感染したと発表しました。
ナイトクラブなど遊興施設の営業については制限を緩和したばかりで、韓国政府は引き続き対策を徹底するよう呼びかけています。

韓国政府は、ナイトクラブなど遊興施設には営業の中断を求めていましたが、新たに確認される新型コロナウイルスの感染者が減少傾向になったため先月20日から制限を緩和し、営業する場合は店内の換気や消毒など対策を徹底するよう求めていました。

【韓国の新型コロナ】ソウル繁華街の集団感染者は27人に。

業界への処罰を厳格化「感染発生で損害賠償」も(吉崎エイジーニョ) – Yahoo!ニュース 5/9(土) 15:54
本日の最新情報では、韓国政府中央疾病管理本部からこの件の合計の集団感染者数が「27人」と発表された。このなかには韓国軍の大尉も含まれていることも明らかにされている
9日午後、ソウル特別市のパク・ウォンスン市長が緊急会見を行い以下の点を発表した。
「ソウル市は即時にクラブや風俗、キャバクラなどすべてのナイトライフに関する営業の禁止命令を発令する」
「違反した場合、厳重な処罰を受けるだろう」
期限は設けられない。ソウル市内に関しては「禁止」の命令が下されるということだ。
韓国では5月6日からより緩やかな生活指針が示されたばかりだった。指針切り替え前の2日の感染とはいえ、ソウル市のパク市長も会見時には”怒り心頭”だった。
政府室病管理本部側は「我々はコロナをコントロールはしているが、消えたものではない」と注意を促した。

ウイルスを餌付けして飼いならす?コントロールなんてできるのかな?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200516-00258861-wow-kr

韓国“クラブ集団感染”「4次感染が発生」…関連感染者は計162人
5/16(土) 16:00配信
韓国ソウル イテウォン(梨泰院)の“クラブ集団感染”関連の累積感染者数が162人に増えたことが確認された。また4次感染の事例も初めて発生した。

特効薬もないのに規制を緩めればすぐにこうなるのは当然で、特効薬ができるまでは規制を緩めるのではなく、規制にあった生活スタイルや産業構造への転換努力・工夫するのが正攻法です。
中国風の監視社会化を推進している韓国では、上記ナイトクラブ周辺にいた人のデータ把握で追跡しているようですが、それは追跡には役立つでしょうが(どうせバレると言うことで刑罰を逃れるために名乗り出る効果がある)、中国のように個々人の健康状態まで把握してAランクの人は自宅から百メートル以内で食品マスクだけとか外出基準を細かくしていないで、国民平等に一般的外出許可している以上、ナイトクラブ周辺をうろついた記録があってもそれ自体違法ではありません。
「梨泰院に出入りしたものは届けるべし」という命令違反になるのでしょうか?
このような細かい規制を始めると中国並みに「何と何を買うための外出なら自宅から、数百メートルまで許可」というランク別の許可が出て職務質問されるとその許可内容をスマホで示せないと処罰されるほど・どんどん細かくしていく必要が出てきます。
これが中国武漢市内での現状らしいです。
日本でも車の運転免許証所持義務があり警察官から提示を求められると提示義務があり、免許証の種類により大型トラックやタクシーなどの運転資格が確認され資格外運転をしていると無免許運転で刑事罰対象になるのと似ています。
もともと危険物等については、人間というだけでは(調理用刃物など自宅内利用できるのは別として)外では利用資格がない・・覚醒剤や刃物拳銃等を国民は原則所持したり使用できない(現行犯を除く逮捕監禁も警察官が令状によってだけ行使できる)のを特に資格のあるものに限って(医師や調理師、理髪師など)に許可するからその資格提示義務があることに基づくものです。
これに対して元々の自然権と思われてきた行動・・人が普通に道路を歩くことまで原則禁止にした上で、許可受けた者だけが自宅外で歩けるし、出歩ける距離も人によって自宅から半径百メートル〜500メートル〜1キロ〜2キロ〜Xキロとか車での外出できる人できない人、市外に出られる人と出られない人まで区分するようにした上で、A〜B〜C~Nランクで人別した上で買える・受けられるサービス1覧表だけ買い物したりサービスを受けられる社会って!
いわゆるオーウエルの監視社会の実現です。
非常時限定であればやむをないこともあります・・ICUでの患者は100%プライバシイーがありませんが、本人が意思表示さえできないし意思表示できるようになるのを待っていると死んでしまうのでやむを得ないということでしょう。
それでも延命治療を求めるかどうかを元気なうちに事前に求めておく運用が合理的と言われています。

外出規制緩和基準3(ウイルス死滅が分かるか?1)

治療薬開発成功するまではコロナ禍沈静に成功した経験を活かすしかないのですが、これまでの経験を活かすならば、ロックダウン解除〜経済娯楽活動再開するにしても、従来と違った就労・娯楽パターンへの切り替えに成功した企業に限定すべきように見えます。
従来型のままでの経済活動再開では、何故今後安全になったと言えるのかの理解困難です。
13日日経新聞朝刊36p「疫病の文明論7中国の歴史」を読むと中国は古来から広大な地域と人口を擁していたので、集団免疫戦略で疫病が広まるとなすがままにする?しかないので、その内収まるので生き残った人が人口爆発で盛り返せばいいというような暗黙の合意・思想があるような解説です。
中国は古代から広大で人口が多いということ自体同意できませんが・・。
古代には国境がなく地球が広いという程度ならどこに住む民族でも同じです。
ちなみに疫病の疫とは、兵役の役の右側・・たて鉾を持って病と闘う文字で防疫とは文字通り戦争だったようです。
今回の武漢封鎖ではなぜか武装兵士が繰り出して要所要所を固めたほか、医師団、看護団その他要員を軍事組織のように編成して全国から動員して野戦病院を建て、戦時体制で対応していたのはこの歴史によるようです。
戦争なので負けてられない・・民間では「駆邪逐疫」で大人数動員で爆竹を鳴らしドラを叩いて大騒ぎするようです。
この文章を読んで(上記の通り中国の歴史としては同意できないものの)思いついたのですが、米国各州でロックダウン解除に動き始めたのは、米国得意のスクラップアンドビルド・・現在版の「どこかの町がダメになれば放っておけばいい、元気な町が頑張れば良い」ということでしょうか?
人間で言えば、なんとなくコロナに感染している人の圧倒的多数は下層労働者(不法移民が多い?)であると分かってきました。
米国ではとてつもない格差社会が構築されていて、住む場所も何もかも違い・・製造工場や各種サービス現場を再開した結果現場労働者がバタバタ死ねば、いくらでも移民を入れて補充すれば良い、いくらでも米国に来たい人はいるという姿勢があるのでしょうか?
武漢全面封鎖には驚きましたが、昔流に言えば、武漢城を厳重包囲して、城外へ人一人も出させないで城外への感染を遮断する・・その間に、城内に侵入したウイルス掃討作戦をするという現在版でした。
城を乗っ取った犯人も人質も区別なく容赦なく大砲や機関銃をガンガン打ち込むのと違い、一応籠城中の市民には食料配給し、治療行為をしていた点は現代的で、中国も結構やると思いましたが・・。
以上は冗談として、増加こそ止まっているものの日々の感染者数が高原状態で高止まり状態のアメリカや西欧諸国がどういう合理的成算があって解除に踏み切ったかに戻ります。
韓国が5月始め頃から解除に踏み切っていますのでその結果から見ていきます。
5月9日には韓国で規制緩和した結果、感染者が出かけたナイトクラブで大規模感染が判明したとニュースが出ています。
韓国も感染者との隔離・距離政策で感染縮小に成功した過ぎない以上、隔離前と同じ業態→濃厚接触再開すればウイルス感染が再開するのは当然ではないでしょうか?
韓国では新規感染が止まっていたので、国内にウイルスは最早存在しないと思い込んでいたのでしょうか?
あるいは集団免疫が成立していると思ったのかもしれません。
韓国内ウイルス絶滅論の合理性は、ウイルス生息環境に対する考え方次第ですが、プラスチックスや金属製の手すりドアノブ等に付着したウイルスは72時間も生きていると言われますので、この思考方式からいえば、生物体内に入り込まない限り最長何時間という実験をして生存期間が分かっているのでしょうか?
いろんな物質に付着させたり、乾燥した空気内で何時間とか紫外線に何時間など多種多様な実験をすれば、生物外での寿命がどのくらいかの実験はある程度可能でしょうが・・。
生物・・当面人間限定と思われますが、人間体内に入り込んだ場合の発症までの時間簡単に実験できず、いろんな結果からの推論でしかない点が、難しいところです。
発症者の感染場所機会を推定して、その日から検査して要請になった日までの期間が2週間前後が多い、あるいは最長で二十日前後しかないという経験に頼るだけであって、論理的に1ヶ月生きられるはずがないという論理が全くありません。
2週間〜20日以上の潜伏期間経過しても新規感染者が出ないとしても「逆は必ずしも真ならず」の原理通りで、ウイルスと体内抗争していた結果これといった発熱もなく数ヶ月経過で漸く完全駆逐(気がつかないうちに治った)した人がいないとは限りません。
日頃誰でも頻繁に経験する「軽い風邪にかかったのかな?」という罹り方をして忘れてしまうことが多いですが、このような軽い付き合いで終わる人が意外に多いのではないでしょうか?
こういう人はインフルエンザ等のウイルスを駆逐したのかゆるい症状で共存しているのか外形からは不明です。
この程度の人は検査を受けるチャンスが稀です
結果からの推論の場合、未発症のまま治ってしまった人は最後まで検査に来ないので、どの程度の期間、未発症・・体内でウイルスが潜伏していられるかの統計がありません。
まだどこでいつ感染したか不明の人が発症した場合には、感染したのが1ヶ月前か2ヶ月前かもわかっていません。
ほとんどの病気に急性〇〇炎と慢性〇〇炎や〇〇症の二種類がありますが、慢性の場合、我慢できない酷い症状がある人ばかりでなく時々調子悪いことがある程度の軽い人が一杯います。
このように病気と適当に付き合うのが上手な人がいっぱいいますし、大腸内で共存している大腸菌みたいにコロナウイルスをうまく飼い慣らしている人がいてもおかしくありません。
大腸菌の場合腸内にいる限り人に悪さしないのですが、糞便になって体外に出るとこれにそのまま接触するとお腹を壊します。

強制力に頼る社会の外出規制緩和基準2

昨日に続けてYahoo!ニュースからです。

出典>5月12日 厚生労働省発表(11日時点の集計)
国内の発生状況
現在感染者数 6,311 (前日比 -335) 新規感染者数 50 (前日比 -20)
累計感染者数15,874 死亡者数 643 (前日比 +22)退院者8,920(前日比 +389)

ヤフーニュースでは日本では10日現在で、1日の感染者数が70人、退院数は238人で、11日現在では1日間の新規感染者数50人、退院数389人ですから、ベッド数に余裕がでる一方です。
死亡者は大量感染後20日前後遅れて出るのでまだまだ増えるでしょうが・・・・。
それにしても米国の1日あたり感染者2万人、死者数17〜800人規模との差は桁違いです。
先行きの方針決定には絶対数の比較だけではなく減少傾向の見通しが重要とも言えますが、上記の通り日本の新規感染減少傾向〜減少率も急激です。
それでもなおもう少し様子を見た方が良いというのが日本国民の暗黙裡で一致した国民意思です。
海外動向はバラバラと数字が出るだけで時間差の把握をするにはあちこちに今日何人と出ていた過去ニュースの拾い出しが必要で一覧化しにくいので厚労省の国際データを参考にしてみます。
以前書きましたが統計になるには、海外発表→WHOの正規発信したのを厚労省が毎日12時までにキャッチした分を発表するので、諸外国の国内ニュースで速報された数字より、数日前のデータ→感染者や死者数が少なくなる傾向がありますが、その辺をご理解の上で関心のある国別に4日間でどのように推移しているかを比較してみてください。
(例えば10日の厚労省の表で言えば日本の数字は12時までに各地からの厚労省に届いた報告の集計ですが、WHOも米国も公式発表に至るまで、日本同様の手順があると仮定すればWHOの発表は現地時間12時までに各国から届いた報告の集計ですのでWHOの加盟国への発信は12時以降になります。
諸外国分を日本厚労省が把握し発表用の表作成などできた後→翌日の発表になります。
米国連邦政府の発表が各州からの報告が現地時間12時までに届いた(前日)分だけとすればこの報告発信は、WHOへの当日12時までの報告期限に間に合わないので翌日回しになります。
各州も各郡や市からの報告が当日12時までにあった分をその日に整理して州政府に送っても州の集計では翌日12時までの集計になります。
各郡の報告書も現地各医療機関や検査機関等からの報告書の締め切り時間までに届いた分となるし、(例えば、医療機関で午後10時に死亡した報告あるいは検査機関から午後8時に検査結果陽性が出たと保健所へ報告があっても保健所は前日分の報告が終わっているのでその都度逐一の追加報告をしないでしょう。
(何時間おきに1回などの報告ルールがあるでしょう)
以上のように重層的関係が多ければ多いほどタイムラグがあるので公式統計は数日程度の誤差があります。
新規感染といっても検査結果が出た日を報道しているようですから、検査用検体採取日ですらないし(場合によっては数日かかるようです)まして本当の感染日でない(検査を求める人は異常に気がついて申し込んでも数日ざらに待たされるとも言われます)ので「新規」感染者という表示は大きな誤解を招く表現です。
正確なデータは半年ほど経過して確報値に変わらないないとわかりませんが、国別の大まかな流れがわかるという意味で見ておくものです。
現状の国際比較・・5月9、10、12の4日間の国別変化を並べて引用して見ます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11268.html
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年5月12日版)
4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと5月12日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 82,919 4,633
香港 1,048 4
マカオ 45 0
日本 15,874 643
韓国 10,936 258
台湾 440 7
シンガポール 23,822 20
ネパール 134 0
タイ 3,015 56
ベトナム 288 0
マレーシア 6,726 108
豪州 6,941 97
米国 1,346,163 80,297
カナダ 69,156 4,906
フランス 139,519 26,643
ドイツ 172,576 7,661

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11232.html新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年5月10日版)

国・地域 感染者 死亡者
中国 82,901 4,633
香港 1,045 4
マカオ 45 0
日本 15,747 613
韓国 10,874 256
台湾 440 6
シンガポール 22,460 20
ネパール 109 0
タイ 3,004 56
ベトナム 288 0
マレーシア 6,589 107
豪州 6,914 97
米国 1,309,164 78,746
カナダ 66,780 4,628
フランス 138,854 26,310
ドイツ 171,324 7,549

4.国外の発生状況について

・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと5月9日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 82,887 4,633
香港 1,045 4
マカオ 45 0
日本 15,628 601
韓国 10,840 256
台湾 440 6
シンガポール 21,707 20
ネパール 102 0
タイ 3,000 55
ベトナム 288 0
マレーシア 6,535 107
豪州 6,896 97
米国 1,282,003 77,178
カナダ 65,399 4,471
フランス 138,421 26,230
ドイツ 170,588 7,510

厚労省データ12日、(10日版)9日版死者や感染数を比較すると→日本643→613→601=42人死亡に対して米国の場合80,297(78,746)ー77,178=3119人死亡です。
感染者数では米国1,346,163(1,309,164)ー1,282,003=14万7390人増加に対し、日本15,874(15,7479)ー15,628=246人増ですから米国とは桁が違いますし、減少率も大違いです。
日本とは比較にならないほど巨大な数字の被害発生中に規制解除に動きだしたのは危険そのものに見えますがどういう成算があるのでしょうか?
日本メデイアは安倍政権の対応を批判するためにか?しきりにドイツの対応を見習えというのですが結果結果をみれば上記の通りで、日本がドイツのどこを見習うのか疑問です。

強制力に頼る社会の外出規制緩和基準1

ただし、地震や風水害に対する非難訓練があるようにシステム化の準備は必要ですが、強制力まで用意しなくとも日本の場合本当の非常時になれば民族一丸の行動を起こす能力がありますのでそれほど心配がいらないことを3月17日に書きました。
強制になると画一執行が宿命で、現場ごとの裁量に委ねると現場が混乱するので、部分的不都合が起きても強行する・・いちいち例外を認めがたい不都合がありますが、上からの命令がなくともみんなで同胞を守るために頑張るので結果的に個々人の事情に合わせた柔軟対応できるので一定の民度信頼関係があれば信頼で動貸した方がうまく行きます。
自粛要請の場合、例外行動をとる人には自粛できない相応の事情があるだろうからと周囲が大目に見る社会は無理のない良い社会です。
一方でいざという時にこそ本性の違いが出る・・・切迫状態もないのに、自粛だから守らなくても良いだろう式の行動に出た場合、即時的処罰はないものの時間をかけた社会の淘汰・冷たい目が待っている・・こういう社会です。
今日の日経夕刊には、「非常時には非常の手段」という題名で関東大震災時に逓信大臣だった犬養毅が預金払い戻しに殺到した超金金者に対して「通帳や印がなくとも言う通り払え」と命じた逸話が紹介されています。
震災の大混乱が終わり、検証したら不正引き出し請求した人が1人もいなかったとのことです。
信頼の政治をすれば、民もそれに応える民度です。
今回も特定業種(といってもそのまた一部の跳ねっ返りだけかな)では一部暗黙のルールなど守る義務がないと言わんかのような営業強行が目立ちましたが、このようなことをするとその業界に対する社会の目が厳しくなり、のちに考えるとあの時の営業強行が顧客層急減のエポックだったということになりかねません。
こういうことになりかねないので、村社会の時には一族から規範違反をしないように無言の圧力が必要だったのでしょうし、村社会が終わって桎梏がなくなり生きやすくなったとは言え、その代わり個々人の多くは企業社会その他の組織に組み込まれているので企業で一人でもニュースになるような不祥事を起こすと企業のイメージダウンになるので個々の企業や組織も社員の不祥事が起きないように必死ですし、業界団体も必死です。
興行界も、その道の顧客には個別企業名が知られているでしょうが、社会一般ではたとえばパチンコ業界や、風俗系で言えば、一般人にとっては何という店か、個別店舗名を記憶する人は稀です。
しかし、もともと「〇〇が趣味です」などというのは憚られる傾向があったところへ、社会を挙げての自粛に協力しない「〇〇」とのイメージが広がれば業界全体のマイナスイメージの増幅につながりかねない危機感を抱くのが普通です。
メデイアに出てくる知識人?系の意見は、〇〇人といってもいろんな人がいるのに〇〇系人は、〇〇と画一的断定で差別するのが「偏見」だという説明が多いのですが、他方で特定企業の不祥事があるとその企業に対するマイナスキャンペーンを張るのがメデイアです。
特定企業営業マンの不祥事があるとその企業の営業スタイル・・そういう体質を持っているのではないかと警戒するのは当然の防衛作用です。
法的に見れば、労災事故や企業活動の不祥事があると現場の責任に止まらず企業に対する罰金や営業停止処分制度等があるのは、組織体質と社会通念があるからそういう制度が一般化しているのでしょう。
新型コロナウイルスの話題は、年初から出ていましたが武漢が全面封鎖になった1月23日・・国際関心を集めていたその1〜2週間前を基準にすれば、ほぼ4ヶ月経過しました。
・・治療薬ができていない結果、どういう場合収束したとか収束に向かっていると言えるのか・・今わかっているのは、人の交流を縮小すれば拡大を止められることが分かってきた程度にすぎません。
この経験に頼る限り、ロックダウンによって新規感染が減ったすれば、減った原因のロックダウンを緩めればまた感染拡大するのではないか?と思うのが普通です。

https://www.afpbb.com/articles/-/3281791

ロックダウン一部解除、感染「第2波」に注目 時期や規模は?

2020年5月6日 11:56 発信地:パリ/フランス [ フランス ヨーロッパ ]

欧州で最も深刻な被害が出たイタリアとスペインは、約2か月ぶりに屋外での運動を許可し始め、米国の複数の州は企業の操業再開を許可。さらにフランスは、11日に外出制限の解除を予定している。

経済・娯楽活動再開→交流拡大しても何故再拡大にならないと言えるのか?の疑問がありますが、刑事処罰を伴う厳しい規制によって感染数鵜が急減した中韓を始め、感染数の拡大傾向が治ったといえ、高原状態が続く米欧でも規制緩和に動き始めました。
ちなみに米国の新規感染状態は以下の通りです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58793210W0A500C2000000

米ジョンズ・ホプキンス大学の調べによると、米東部時間5日午後4時(日本時間6日午前5時)時点の新型コロナウイルスの感染者数は世界で約364万人、死者数は25万5千人に達した。感染者数が最多となる米国は119万4千人となり、死者数は7万人を超えた。新規感染者数は1日に2万人超と、高止まりが続いている。

グラフで示すとはっきりですが、要するに高原状態・・高止まり状態で収束どころではありません。
ヤフーニュースによれば日本の感染状況は以下の通りです。
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207

新型コロナウイルス感染症まとめ
<出典>5月11日 厚生労働省発表(10日時点の集計)
国内の発生状況
現在感染者数  6,646(前日比 -176) 新規感染者数  70(前日比 -9)
累計感染者数  15,798  退院者数    8,531(前日比 +238)
死亡者数    621  (前日比 +8)

格差社会の構造(米中と日本社会の違い)2

中国歴代皇帝は遠方の巨大な国が誼を通じて来たという(信じていなかったでしょうが・・・騙されたふりをして?)相応のお土産を与える仕組みが千年単位で続いていたようです。
ですから日本の遣隋使や遣唐使などもほんのちょっと手土産を持って行けばその何倍もお土産をもらえるという結果になっていたのです。
朝貢といい、朝貢に来る諸国を属国のようにいう人がいますが、平和関係にるという程度の関係だったようです。
今でも外交関係を結ぶと大使が原則として相手国の元首との謁見をするのが原則ですが、その儀式を朝貢と言っていたように思われます。
日本は遣隋使や遣唐使を送っても朝鮮族のように冊封される関係になっていません。
テーマがそれましたが、中国では何千年ものあいだ、政府高官は自己の地位維持に汲々として相手から自国がバカにされるか、どうかなど気にしない国益より私益優先の生き方の社会です。
この種のことを世界中でしていただけでなく、昨日紹介したように事もあろうにアメリカ国内で、中国贔屓の議長との誼を本国にひけらかす目的で現地総領事が行ったようですが、いくら親中派の議員でもこんな露骨な文章をもらってそのまま議案提出するわけにはいかない・・度肝を抜いたでしょう。
これがトランプ氏の目に触れたのか?不明ですが、世界中で行なっていることが逆鱗に触れたのが今回の対中口撃騒動の影の主役のようです。
要するに宮廷内の権謀術数に慣れているものの、世間がどう思うか・・多様な目を読む経験がない中国人材の弱点が表面化したものです。
自由主義には独占の弊害が生じるとしても、だからと言って、独裁が良いのではなく独占禁止法という例外制度であるいは貧困の発生については労働者の団結権や争議権などの諸権利を認めたり、各種保険・福祉制度の充実などで対応する方がしなやかです。
さしあたり中国政府・官僚の宣伝競争の行き過ぎが原因で世界孤立化が進む状態になり、中国始まって以来生き抜く大事な知恵と思っていた行動ルールが世界に通じない過ちに気付いて内部は大騒ぎの状態でしょう。
同時に行われた中国政府報道官個人名による「今回のウイルスは米国軍人が撒き散らした」という意見表明も「こんなことを言えば米国が怒るのでないか?」などの配慮に気が回らない・・同じように。上層部の覚えを気にした点取り競争の結果だったのでしょうか。
上記の通り国際世論を読む能力はないとしても、中国の方が被支配者になった経験豊富な分だけ、米国よりもある程度国際政治適応能力が高い可能性があるかもしれません。
戦後は竹のカーテンで欧米との自由競争条件対等化=発展のチャンスを自ら閉ざしていたし、今はまだ共産主義政治→独裁による桎梏がブレーキになっていますが、共産主義政権が倒れ民主化され米中競争条件が同じになれば、こういう意味では、日本保守系ネットでは中国共産党政権の破綻期待が強いですが、共産党政権が倒れて民主化すると中国の国力発揮の制約がなくなり、さらに上がることになります。
中国が民主化されて人の道・道義を守ってくれるならば、(日本はもともとトップを目指す国はないので)どこが世界のリーダーになっても良いことであれば別に矛盾しませんが・・保守系ネット世論はそこまで割り切っていないように見えます。
ただし国際政治は専制政治に向かないので、(弱者の無言の意向を読み取る能力が中国にない点では米国とどっこいどっこいですので)複雑な国際情勢の読みではトランプ氏同様に日本の政治家を頼る必要が高いでしょう。
日本のネット論者の立ち位置を見ていると日本民族のためにという視点よりは、ともかく韓国、中国憎しという熱意中心のように見えます。
ネット言論人もいろいろですが、時には「アメリカが味方になるから日本の勝ち」「文政権はアメリカに見放されているからザマー見ろ」みたいな意見が散見され、正義の基準など問題にしないような意見もあります。
真の愛国者は正義が自国にあるかどうか及び、現実の国際政治の動向に即しているかが重要です。
正義が日本にあるのに不当な国際力学で正義が通らない場合憤るのは自由ですが、日本に正義がないのに米国の支持が日本にあるから・というゴリ押しをするようでは、長期的にみて日本を危険に追い込みます。
韓国も無茶を言う国のままでは隣国として困ったものですが、もともとそういう民族性だったのか、戦後米国が日本の背後で足を引っ張る存在を必要としてそそのかされてたので、虎の威を借る狐として正義に反する主張を繰り返す習性が身についただけかもしれません。
今になって韓国が米国に梯子を外されると、正義に反する主張をしてきた分に比例して苦難が待っているでしょう。
正義に反したごり押しをしていれば、自分の社会に大きな無理を抱えたままになる・・権力に媚びて無理が通る社会になってしまうと、自国社会の道義を歪めてしまうので結果的に発展が阻害されるので、本当の意味の競争相手・日本にとって脅威にならない点は同じです。
日本も自国主張が正義(時期にあっているかを含め)に合致するかどうかが重要で、米国が味方してくれるからという基準で強気に出るのは危険です。

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