中韓の外貨準備1(真水)

中国の巨額外貨準備と言っても、日本のように長期に及ぶ経常収支黒字の積み上げとは違い、銀行が預かった預金でお金を貸したり他国の国債を買っているような状態で本来の自己資金比率が低い状態と推測されます。
一種の預かり金や借金の運用がアメリカ国債の保有であるとすれば、逆回転・・人民元の買い戻し圧力・・預金取り付け騒ぎが起きるとたちまち行き詰まります。
これが1997年ころに起きたアジア通貨危機のカラクリでした。
ところで、中国のGDP統計発表自体およそ7〜8%水増しを繰り返していたのではないかと言う憶測が普通(少なくとも私はこのコラムでそう憶測して書いてきました)です。
中国では、(実質マイナスになったら大変ですから)7〜8%の経済成長率が生命線と従来強調されていたのと平仄が合います。
(この上乗せ発表を何十年もやって来たので、累積すれば大変な誤差で実質GDPは公表の3分の1くらいしかないとアメリカのどこかのシンクタンクが研究発表しています・そのGDPも無駄なマンション鬼城等を一杯作った不動産投資が中心ですから、将来発展の基礎にも殆どなっていません。)
最近は公式発表でも6〜7%になったようですから、実質マイナス成長に陥っている筈です・・何故か最近業種別統計が出るようになって、いろんな業種でマイナス数%の統計が出始めています。
主要業種・・例えば、鉄道輸送実績では前年比14年で7%減)でマイナス6〜7%(この統計も何%かの誤摩化しがあり得ますのでそのとおりの信用性がありませんが・・)と言うのに、トータルでなお7%弱のプラス成長をしていると言う発表をし続ける神経が不思議です・・以前のGDP数字はいい加減なものだと、徐々に慣れてもらうための訓練かも知れません。 
過去の貿易黒字発表も相手国の輸入数字と大幅に違うことが、以前から指摘されてきました。
国内経済統計自体が水増しですし、外貨準備は国内に保有する金塊等も含まれるのですが、どこの国でも内訳発表しませんし、したとしても言いたい放題でも相手国発表との整合性がないと指摘される心配がありません。
IMFだったかで中国の外貨準備増減を発表していますが、中国のいい加減な発表を基に推計しているのでしょか?
外貨準備発表自体何(金塊その他を金庫に満杯に持っていると言うのか?)をどこに持っているのか、外部からは窺い知れないことから実態は見えませんが、ある国の外貨準備総額の動きはアメリカ国債保有額の増減が大きな目安になるでしょう。
一般的経済原理では、小国の通貨保有していると、変動リスクが大き過ぎるので、その国との貿易決済に必要な程度の一定比率の資金しか保有しないのが普通です・・個人や企業で言えば日常的に不要な大口資金は定期にして、普通預金には日常決済用小口資金しか入れておかないのと同じです。
大口資金は金塊のままでは金利が付かないので、これも一定比率を国内保有するだけで、一応金利の付く・・・信用性のある国際通貨・・・米ドルや円、ユーロなど国際通貨にしておくのが普通です。
(0.0何%でも兆ドル単位の額面になると受け取る金利は半端ではありませんから・・)
中国のGDPや国内暴動数等の発表は、絶対数字では当てになりませんが、一定比率で水増したり減らしたりして発表しているとすれば、経年変化を読むことが推定出来るのと同様で、アメリカ財務省証券は世界で一番信用性が高い・・この保有額が減る場合、同率で国力・経済力低下が進んでいると推定されます。
中国は、従来のドルを買って人民元を安くする政策から人民元の買い支え作戦に変化していることが、昨日紹介したNHKの報道にあるように知られています。
これは反日暴動以来の外資流出(中国へ投資した工場等を売却して得た人民元をドルに替えて出て行く動き)+貿易黒字減少(実際は赤字?)でドル資金不足(流出超)になっていることが、背景にあると見るべきでしょう。
中国が大きなこと(大言壮語)を言っていても対外債務(ドル建て債務)国ですから、一旦人民元が下がり始めると返済額がその比率で膨らみますので大変なことになります。
これが97年ころのアジア通貨危機でした・・・昨日紹介したNHK報道のように人民元下落防止に必死の様子ですから、外貨準備は実際に(借金を引いた真水で)は大したことがなかったのではないでしょうか?

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