マスコミ推奨の「次世代が損をしている論」の誤りは誰でも知っているから「黙って笑っていれば良い」というのが我が国の大人の智恵でしょう。
まじめに反論を書くのは子供っぽいかも知れませんが・・・その点私はまだまだ精神が若い?・・以下書き足して行きます。
我々世代は戦争で丸焼けで何も残っていない・・親の遺産としては、受け継ぐべきものが殆どないところから、ここまで各自の個人自宅だけではなく、世界に冠たる公共資産・港湾その他のインフラを築き上げて来ました。
我々学生時代には舗装道路が殆どなくてどろんこ道を歩いていたので、雨が降れば長靴をはくのが普通でした(ハネが上がるのがいつも困ったことでしたが、今では「ハネが上がる」などという言葉は死語になっているでしょう)が、今では舗装道路どころか石張りの綺麗な道路があちこちにあります。
身近なところでは各地でバラック同様であった国鉄(現JR)、私鉄の駅舎や地方自治体の建物や校舎が立派になったのを見ても分ります・・・空襲で焼失して応急的に復元していた東京駅でさえ、今年漸く復元出来る運びになっています・・戦後こうしたことに営々とお金をつぎ込んで来ました。
(地方ではお城の天守閣の復元が象徴的です)
各地美術館、博物館やその所蔵品の充実を上げても良いでしょうし、これに比例して鑑賞者も増えています。
一般家庭でも室内に観葉植物を配置したり、美術品を飾るなどレベルアップしています。
その分、金融資産が減るのは当然です。
(いつまでもお金・貯蓄ばかりにこだわって花も何も飾らない・・美術・音楽鑑賞もしない方がおかしいでしょう)
昭和40年代ころに数千万円のお金が貯まっているのにケチに徹して飢え死にした人が何件か報道されたことがありましたが、金融資産が一定以上になれば自宅改装や文化に投資するなど貯蓄一辺倒から変化して行くのが賢い生き方です。
マスコミ報道は国の全体資産がどうなっているかの視点がなく、金融資産=現金持ち高の収支だけに注目して財政赤字が巨額だとして騒いでいるのですから、守銭奴的価値観・・先ずは現金を稼ぐのに必死だった昭和40年ころまでの価値観を引きずっていることになります。
我々世代がゼロから始めてこれだけの投資(自宅を立派にして公共資産も充実させて)をして来てもなお、個人金融資産が1500兆円を残しているのは大したもの・・バランスの取れた資産の使い方です。
何故「次世代が損だ」とバカみたいに(次世代・教育学者まで)不満を言うのかということですが、マスコミが誤った方向で煽動しているからに過ぎません。
(1500兆円の個人金融資産を2倍の3000兆円にしてその代わり、個人の家はバラックのまま、どろんこ道を歩いている社会では仕方がないでしょう。)
個人資産を比喩的に言えば、バラックの家を相続して本建築の(今では100年住宅とも言われる耐久性です)家を次世代に相続させるようになった人が今の高齢者の普通の姿です。
都営・県営・市営住宅など公営住宅あるいは公立高校の校舎なども、昭和30年代の木造の貧弱なものに比べれば、(私の出た都立高校は当時木造2階建てで廊下教室などの床にはコールタールを撒いていたものでした)4〜50年代にみんな鉄筋コンクリート造りになり、最近ではなお綺麗に建て替えが進んでいるなど)格段に良くなっています。
橋梁も今では巨大で立派なものが普通ですが、私の子供の頃には、田舎では大川にまだ木造の橋が架かっていた時代で、台風が来て洪水になると橋の一部が流されて残骸が残っているのを見て育ちました。(そんな時代でした)