対支21か条2(中国の反日運動激化)「コラム再開」

※8月29日から昨日までは約1ヶ月間コラムアップできなかったので、今日からアップできるようになりましたが、書く気力がなかなか復活しない・・8月30日以降昨日までの分は、時節の話題に関係なく半年〜数年前からの原稿先送り分そのままの掲載になっていますが、今日からのコラム同じく過去原稿のアップですが、掲載時現在で少し見直して手入れした内容復活です。
こうしてみると「高齢者が入院すると退院後歩いて良い」と言われても歩けなくなる状態がよくわかります。
時事問題をすぐに書く気力が復活しないのでまだ過去の先送り原稿の手直し程度ですが、今後おいおい、書く気力が復活していくと思います。

昨日引用の続きです。

日本の要求書を受けとった袁世凱は、即答を避け、ポール・ラインシュ米公使やヒンツェ独公使らと緊密な連絡をとり、相計って国内世論を沸騰させ、外国に対しては、日本の要求を誇大に吹聴して列国の対日反感を挑発した。
在中ドイツ系機関紙である北京ガゼットや独華日報は山東問題に関する袁世凱との直接交渉を攻撃しはじめ、20余紙はドイツの新任公使ヒンツェに買収されたなどと言われた[13]。排日派や宣教師らは日本軍の暴行を喧伝し日本軍の撤兵を要求した[14]とされる。
アメリカは第1号第2号第3号については抗議する意図なく、あるいは敢て反対しない態度を日本政府に提示したが[15]、第4号第5号に関しては明確に反対であり、とりわけウィルソンの関心は第5号に集中していた[16]。
大隈内閣は3月15日に日本側に提示されたこの対日覚書の意図を正しく理解することができず、第5号に関して米国は「左シテ重キを措カサルモノ」と判断し安易に対華強硬策に転じたことは、4月中旬以降のアメリカの極東政策に影響をあたえることになった

列強支持のもと21ケ条要求貫徹・成功・・これを不服とする中国人民の抵抗・条約の無効化による不服従抗争→宣戦布告なき戦争の泥沼に入って行った原因です。
野党系政治家の弱点・民意把握より観念論で押し通す習癖→唯我独尊傾向を繰り返し書いてきましたが、大隈内閣に対する戦後メデイアの偏った高評価が多いのですが、日本の命運を間違った方向へ導いた元凶であったことが上記引用でわかります。
(明治憲法制定前からの大隈重信の行動は今の革新系野党同様の現実無視の主張が多かったように・記憶だけですが・・)
大隈重信のアメリカ訪問時に大統領との会談記録に「こんな激しい主張をする人は見たことがない」(要は「話しにならない人物」という評価)と記録されている記事を引用紹介したことがありますが、なんのコラムで引用したか忘れましたので、以下の通り再引用します。もともと自由民権運動政治家で、今で言えば鳩山〜菅内閣で知られる民主党政権の先祖のような性格です。
要は政治能力がないのです。
第一次大隈内閣に関する本日現在のウイキペデイアの記事からです。

またアメリカのハワイ併合に対して、「これほど激烈で宣戦布告か最後通牒に等しいような外交文書は見たことがない」とマッキンリー大統領に言わしめるような強硬姿勢を示して外交危機を招いた。そして組閣後4ヶ月余りで総辞職を余儀なくされた。

対し21か条要求は、日本の協力を必要として指定た連合国の承諾で国際政治力学上で日本の主張が通ったとはいえ、要は日本が中国で火事場泥棒的に「やりすぎた」点について、政治家としての反省が足りなかったのです。
強い国や強いものからの不当な要求を跳ね返すために、訴訟や国際政治力学を利用するのは良いことですが、不当な要求を通すために国内であろうと国際であろうと政治力学.権力を利用して弱者をいじめると、時間の経過でその無理が跳ね返ってくるのは政治の常識です。
さらに話題が変わりますが、先の大戦ではたまたまドイツと同盟しましたが、日本を世界孤立に追い込んだ元凶は実はドイツの反日宣伝に始まるものでした。
日本が世界の思想変化(植民地支配に対する批判精神浸透)について行けなかったのが原因ですから、今更ドイツを恨むのは大人気ないですが・・事実は事実です。
7年ほど前の中国の反日暴動後日本に代わって着々と進出しているのがワーゲンを代表とするドイツ企業であったことからわかるように(慰安婦騒動でドイツを見習え論が韓国等で強いですが、)、もしかして?今も中国や韓国の反日運動にはその背後にドイツの陰・・「日本排撃しても高度部品の供給は引き受けるから」と言う後ろ盾示唆がある可能性があります。
21か条要求と現実支配が始まると中国人民を巻きこんだ不服従運動が高まるに連れて、現実に合わせて英米は日本離れを加速していきます。
日本はあくまで戦後講和会議を乗り切った以上譲る必要がないという立場で、強制→不服従行動の激化→弾圧強化→治安維持のための満州の切り離し(要は野党系の好きな観念論強行です)→欧米人権思想家の反発・運動→国内世論に影響を受ける米英政府の上申の徐々に変更・反日方向への転換へとなって行きます。
日清戦争後の三国干渉を範にとると法理上横車であれ、それを受け入れるしかないのが国際政治の現実でしたし、第一次世界大戦時の対支21か条要求は、国際的に日本は多くの支持を受けて決まったこととしても、敗戦国ドイツは中国在住メデイアを通じて(日本に奪われた権益回復のため?)反日感情を煽っていて、現地反日運動が激化してきた以上は妥協をするしかないのも政治の現実です。
日本はこの辺で世界情勢を読んだ上での謙抑的行動が必要だったのですが、これができなかったのは右翼メデイアや学者が世界情勢を読むことが(素人・半可通のメデイアが政治を左右する悪弊)できなかったことが第一の原因でしょう。
日露戦争時に半可通の知識人が、妥協を拒み国民を煽って日比谷焼き討ち騒動になったように、今朝の日経新聞を見ると安倍総理がプーチンの無条件平和条約締結先行提案にその場で明白に拒否すべきだった」という立憲民主の主張を引用し、数日前の日米首脳会談の日米円満合意を批判して日本が多国間協調主義に反して2国間協議に応じたのは許せないという観念論を宣伝?しています。
旧社会党の国会戦術・通りそうもない強硬意見を言い張りで妥協しない結果、最後は何の主張も通らない強行採決誘引しては、国民大多数の批判無視と声高に主張する・・「執行部は筋を通した」と虚勢を張ることの繰り返しでした。
彼らは国民や労組のためではなく、(自分はやるだけやったという)保身のためにのみ行動している勢力ではないでしょうか?
大隈内閣は、隈板内閣と言われたようにいまの立憲民主党のようないわゆる野党系の観念論の集団でしたがこれに似ています。
今回の日米会談で多国間協議以外受け入れないと頑張って決裂して帰る選択肢はあったでしょうか?
何かを受け入れない限り交渉は成立しないのですから、自動車の輸出数量制限を受け入れない代わりに何かの輸入を受け入れるしかないのが現実です。
何しろアメリカが、一方的に関税をかけた場合、日本は打つ手がないのが現実です。
国際ルール違反だと騒いでも、どうなる訳ではありません。
日本が報復関税をかけて相互貿易が滞れば日本にとってもっと大きな被害になります。
だから中国だって焦っているのです。
カナダもメキシコも「約束違反」といっても仕方ないので、結局なNAFTAの再協定に合意しているのです。
日本のメデイアや野党は、なんらの対案もなしに批判だけする・・安倍総理が円満解決したのが減点かのように騒ぐのは、日露講和条約時以来の無責任な煽り体質に終始している印象です。
元に戻しますと、日本の大陸進出政策への邁進に対する米国の警戒は日比谷焼き打ち事件の頃から、すなわち満州事変の約25年も前から始まっていたのであり、これが21カ条要求事件後、日本がアメリカの修正要求に応じないところから顕在化し、日本は逆に強硬論の拡大一方・・満州事変〜北支事変〜上海事変へと広がっていき、その都度欧米の反日姿勢が強まっていきます。
日米開戦はその延長上の結果でした。
野党系観念論者が政権を取るとこういう結果になる歴史です。

目的と手段の取り違え社会(社会矛盾激化→反日の誘惑)2

9月30日に書きましたが、反日教育は数十年以上掛けて漸く効果が出る・・しかも始めると途中の政治家権力者がやめることが出来ない・麻薬的効果があるので、特定個人の権力維持政策とは関係がない・・江沢民の真珠湾演説の前に党を上げての永続的?反日で行く決定があったことが推測されます。
共産党政権の存続と反日は表裏の関係・・切り離せない関係にあると確認されたと思われます。
日本では11年の反日暴動ですべて終わったような印象操作がされていますが、中国としては日本が大震災で弱ったときでしかもアメリカとのすきま風が吹いている民主党政権時を狙って、イザと言うときのために実験・・小手調べをしただけでしょう。
中国の究極の目的は、この先必ず到来する成長ストップ(成長がストップしない国はありません)・・経済破綻による大混乱に際しての最後の切り札・・対日侵攻作戦を予定していたと見ておいた方が良いでしょう。
フィリピンやベオナムなど元々格下の国相手に戦争で勝っても、コクナイ危機時のストレス解消になりません・・古代から今まで勝ったことのない日本に勝つかヘコませることこそ最大の国威発揚・国民の目をそらせる手段になります。
先制攻撃である程度戦果を上げてから、ウクライナ危機のように、アメリカの介入による膠着状態に持ち込んだ方が民族意識鼓舞の持続性が高いと言う読みもあるかも知れません。
実は中国は前回のレアース禁輸のときと違って対日交渉では、絶対的な力を手に入れています。
南シナ海のど真ん中に軍事基地を設けた真の意味・・11年の反日暴動時と違って次は「日本向け船舶に限って南シナ海を通さない」と言い出したら日本は遠回りするしかない・・コスト的にお手上げです。
安倍政権は、これを前提にアメリカ産LNG輸入やロシアとの協商など輸入先の拡散に必死になっていますが、中東産原油の輸入比率を下げるだけであって、その他東南アジアとの交易に莫大な支障が生じます。
中国から日本(尖閣諸島など)先制攻撃は国際非難がきついでしょうが、これをしなくとも日本海軍が遠く離れた南シナ海に先に出動して船舶の護衛をしなくてはならない事態(補給その他ですごく不利)・・日本軍が先に領海を侵犯したと言う理由で中国は尖閣諸島や沖縄攻撃の名分を得る予定でしょう。
手段と目的の逆転社会の応用ですが、中国では経済破綻を防ぐ努力よりはアタマっから防げないと決めて・・破綻を小さくする努力をするよりも、危機対策・・危機乗り切り策の方に頭を使っているのではないでしょうか?
これまで書いているように権謀術数特化社会・・権力闘争・・権力維持策に優先的に関心が行く社会だからです。
今年に入って、中国の民間債務急膨張によって、中国の経済破綻(無駄な公共工事によるGDP底上げ努力や公的資金注入によってゾンビ企業の延命←投資に向かわない債務膨張によって明らか)先送りに必死ですが・・ネット評論だけではなくIMFでもハードランニングリスク論が表面に出始めました。
以下勝又壽良の経済時評2016-08-24 04:25:38によります。
中国、「慢性疾患!」過剰債務が招く経済急減速と元安リスク
8月12日に発表されたIMF(国際通貨基金)による、対中国経済審査では、「衰弱」を裏付ける幾つかの指摘が出ている。
(1)「国際通貨基金(IMF)は、中国のシャドーバンキング(影の銀行)関連の19兆元(約290兆円)に上る信用商品について、企業向け融資と比べハイリスクで、デフォルト(債務不履行)に陥れば流動性ショックにつながる可能性があるとの見方を示した。
IMFでは、シャドーバンキングのデフォルトを懸念しているが、格付けAAAをとっている債券すら5割以上のデフォルト懸念である。中国経済が「信用危機」に陥る可能性は十分ある状況なのだ。見過ごしできないところまで追い込まれている。
(2)「IMFは、対中年次経済審査で次のように指摘した。景気刺激策の質を高めるためには、中国の政策当局者は国内総生産(GDP)伸び率目標の設定をやめるべきとの認識を明らかにした。
「インフラ投資を行ってGDPかさ上げの辻褄合わせをしてきたからだ。将来、投資資金も回収できないような無駄な投資を続けることが、中国経済をさらに追い込む。」
以上勝又氏の情報・意見を転載しました・・いろいろな情報がぱらぱらありますが、引用するには勝又氏上記経済時評の情報に多くを頼っています・・・考えも当然影響を受けているでしょう。
日本で考えている以上に、中共政権は民主化していない分に比例して危機管理に敏感な体制ですので、天安門事件に対する国際反応を受けて中国幹部の危機感が半端ではなかった筈です。
次の大混乱・・イザと言うときにどう対処するかについて真剣に対策を練って来たと思われます。
その一環として先ずはコクナイ体制の整備・・江沢民による法輪功弾圧に始まるコクナイ騒乱の核になりそうな集団排除や言論統制強化・党の支配体制確立=集団指導制から個人集中支配体制への移行など大きな流れが決まって来たと思われます。
江沢民のとききから国家主席と党のトップを兼任するようになったと言われてます。
そして今の習近平氏は言わば軍事を含めて全権掌握間近(これに反比例して不満の蓄積が大きくなっている点を強調する意見もあります)です。
国内衝撃の大きさに比例して耳目をそばだてるような大きな事件を引き起こす必要性・・経済ハードランニングが近づいている・・先送りすればするほど先送りに比例して衝撃が大きくなるのが明らか・・政権にとって最高度の危機間近ですから、対日関係で格段のエスカレートさせる必要性が高まって来ました。
この実現のためには、国際環境・・どの程度までの日本侵略をアメリカが事実上容認するかの擦り合わせ・・アメリカの同意またはどの時点で介入するかの読みが必須です。
始めから介入されて引き下がるのでは却って恥をかくので、大枠としては、太平洋二分論・・西太平洋で中国が何してもアメリカが介入しないのがベスト・・介入するにしても、ある程度戦果が出るまでぐずぐずしている内諾・・どこまで行くと介入するのか?この内諾またはニュアンスを求めて江沢民は1年間に4回もアメリカ訪問していたのです。
イラクのフセイン大統領はアメリカの内諾を得たと思ってクエート侵攻して大失敗しました。
それまでフセインはアメリカの手先として対イランの代理戦争を戦っていたのでまさか手のひら返しを受けるとは思っていなかったでしょう。
中国の場合大きいので、対イラクのように簡単な手のひら返しで陥れることは出来ません・ロシアのクリミヤ占領同様に既成事実を作ればこれをひっくり返してしまう力をアメリカは持っていません。
軍事基地がある限り軍事利用する・・その周辺が軍の都合でいつでも通行止めされる事態が予定されていますから、諸外国の航行の自由と相反する事態です。
中国が南シナ海のど真ん中にに軍事基地を作っているときに「航行自由」と言うばかりで、阻止しなかったアメリカが軍事基地が出来があった後でこれを破壊出来る訳がないのが常識です。
軍事基地を作るのを黙認しておいて「航行の自由」と主張するのは矛盾です・・から、「言うだけにとどめる」中国との暗黙の合意であったと思われます。

目的と手段の取り違え社会(社会矛盾激化→反日の誘惑)1 

現在中国の対日感情の紹介でテーマが逸れてしまいましたが、大躍進政策に戻ります。
大躍進政策そのものが、9月28日紹介したとおり非合理極まるものでしたが、翌29日に紹介したとおり今の統計のデタラメぶりと同じことが行なわれていたこと・・中央の命令どおりにやるとうまく行かないことが分っても・・地方政府が失敗を報告出来ず、過大な成功報告していたことが悲劇を加速したことも分ります。
現在中国の需要無視の生産競争もそうですが、虚偽報告によって大成果が積み上がって行く・・統計が意味をなさなくなっている現在の悪弊が既に大躍進時代に始まっている・・今に始まった事ではないコト・・専制支配下で必然的に生じる現象であることが分ります。
ソ連最後の大統領・ゴルバチョフでさえ、国内生産がどうなっているのかさっぱり分らなかったと回想しているとおりです。
権力者に都合の悪いことを言うと粛清される社会では、下部組織が迎合するしかないことが大もとの原因ですが、この4〜5日書いているように中国では約2000年間にわたる専制支配の結果、手段と目的の逆転があるから全ての分野でこういうことになります。
統計や報告が実態を知るためにあるのではなく下部の官僚にとっては自己保身と出世のためにあり、トップにとっては内政成功の誇示・国威発揚のためにあります。
正しい事実を知るためではありません。
中国がGDP統計にこだわっていて民生向上に頭を使わないのも同様で何のための生産力増強か分っていないのです。
生産力も需要に裏打ちされてこそ意味があるのですが、生産力と言う数値にこだわる結果おかしなことになります。
需要無視の生産力増強が仮にうまく行ったとしても在庫のヤマで、生活必需品の鍋釜や農機具を供出して売れない鉄鋼製品の山を築いた場合、食糧不足のマイナス効果は国民に帰せられます。
大躍進政策では作った鉄の多くが粗悪品でしたが、解放後は日本からの技術導入で一応世界標準の製鐵や石化製品を作れるようになっています・しかし世界需要無視の大増産計画であることは変わりませんので、これが世界に溢れ出して世界中が困っている状態です。
大躍進政策の悲惨さを1昨日紹介しましたが、下が虚偽報告をするしかない中国の社会習慣を見ると、歴史は繰り返すと言うよりは民族の生き方は百年や千年では変わらないと言うことではないでしょうか?
時々千年〜500年前のご先祖も私と同じような考えや生き方歩き方・・笑い方をしていたのかと思うと何となく不思議な気がすることがあります。
中国人は昔からこんな風に上が下の意見を聞かない風土ですから、下は虚偽報告するしかない・・この繰り返しによって、全ての分野で目的と手段が入れ替わる社会になってしまったのでしょう。
大躍進政策強制に対する不満による暴動発生リスク・・あるいは毛沢東に対する怨嗟の声が満ち満ちていたでしょうから、文化大革命運動はこれに対する先制攻撃・・反革命運動を先手必勝の目的でやった粛清の大型判と評価すべきではないでしょうか?
国民のための政治をする能力がないが、こう言うこすからく狡い戦術にたけているのが、共産党政権の本質と言えるかも知れません。
共産党は国共合作中・・孫文の組織内共産党員も委員も参加していましたし、蒋介石の作った士官学校にもソ連の援助があったかの理由で共産党員も参加していました)に国民党内に浸透して行くのに成功します。
権謀術数の得意な中国の中でも更にこの分野に特化し,組織内で着々と勢力を広げ政敵を失脚させて行く能力・・そのために生まれて来た政党と言えるかも知れません。
戦前コミンテルンのルーズベルト政権への浸透ぶりはよく知られていますし、今でも北朝鮮の韓国政府内への浸透ぶりはよく知られています。
政治・経済時その他で比較すれば、来たと南とでは、競争にすらならない程の格差があるのに権力確保では共産党の方が格段に上位になっている逆転現象です。
日本の全学連で言えば学生の多くの支持を受けている訳ではないのに、自治会執行部を全面的に牛耳ってる過激派と同じです。
その内日弁連もそう言う評価を受ける時代が来るでしょう。
日本でも共産党との共闘を他の野党が嫌がるのは主義が大きく違うと言うのが表向きの理由ですが、選挙協力を続けると内部浸透されてしまう恐れが中心的関心と言うべきでしょう。
中韓が何かと反日心情を煽る理由に戻りますと、日清戦争で敗北したことによって、地域大国のメンツを潰された中国の心情・・これは今でも有効な切り札・・これを煽るのは支配者にとっては格好の材料になります。
ところで改革開放後日本サマサマだった中国がイキナリ反日に転じたので、日本人にとっては寝耳に水・江沢民個人を反日的というイメージ報道が多いですが、反日転換は共産党首脳の一致した長期方針だったと思われます。
鄧小平の韜晦戦術同様で、イザとなればいつでも実行出来るように反日教育から始めたものと思われます。
天安門事件によって国際孤立・・危機感を持った幹部間協議で、将来再び同様の事件が起きたら同じことが出来ない・・危機感・・政権が最高度の危機に瀕したときの最後の切り札として反日暴動あるいは対日戦開始で凌ごうと言う重要決定がされていたとみるべきです。
改革開放後日本の優れた技術がドンドン導入され技術指導を受けていると対日親近感が増す一方だったことから、これ自体が共産党専制支配にとって脅威だったでしょうから、言わば一石二鳥の政策決定です。
韓国が長年日本文化流入を禁止して来たことからも分るように、中国にとって日本文化浸透は由々しい問題です。
イキナリの反日攻撃は無理があるので、先ずは国際環境を整えることと、騒乱時に国内敵対勢力の核になる組織が育たないように整備すること、反日感情を徐々に育成する必要・・反日教育から始める数十年先の長期方針が決まったと思われます。
国内敵対勢力の芽を積む戦略・・王朝崩壊時にいつも騒乱・庶民凝集力の核になって来たのは いつも宗教組織(日本の一向一揆もそうですが命を棄てても戦うには向いています)ですから、江沢民が法輪功弾圧を直ちに始めたのは、当然の政策です。

中国の権力闘争激化2

政府とはなれた企業でさえ国有の場合、変化に適応出来ない非効率が問題にされていて、この打開のために日本でも諸外国でも公営事業の民営化に努力していますし、中国の場合にも・・改革開放→朱鎔基首相時代に思い切った国有企業の民営化断行したのが今の発展の基礎になっていると言うのが定説です。
このシリーズの基礎原稿は5月のサミットの頃に書いておいたものですが、タマタマ今朝の日経新聞朝刊にも朱鎔基の功績が出ています。
共産党幹部が企業トップに就任していて党の末端委員会が企業内に常駐していて、(常駐しているだけも事実上にらみが利いていたのですが法的に経営陣が常駐している委員会の意見を一々聞かねばならないとすれば、国有企業の非効率どころの話ではなくなります。
現在の中国経済の危機打開には一段の民営化が望まれるところなのに、やっていることは逆向です。
国有企業の債務超過=経営不振に困っているときに、事業経営判断に自由な経営を知らない共産党ゴリゴリの幹部が口出ししてどうなるの?
日本で言えば国鉄の赤字解決のために、政府から監督員を派遣してもっと厳しく監督しろと言うに等しい政策です。
現実妥協政治・・学問と違って現実政治は生身の人間相手ですから、妥協で成り立っています・・。
IMFでSDR昇格運動をして認められれば、人民元取引自由化を拡大するしかないからリスクが大きいのが分っていながら、国威発揚のためにSDR昇格運動を要求するしかない。
習近平は裏で・・内々大量失業を出すなと厳命しながら「ゾンビ企業の淘汰を進める」など言わせて権威筋意見として「ゾンビ企業延命をしているのはけしからんと」政権批判する・・現在の行政府は習近平の何を信じて動いていいのか立ち往生の状態に追い込まれているようにも見えます。
あるいは二人三脚で、ガス抜きしているのか高度な政治背景は不明ですが、兎も角政権中枢がL字型見通しを言わざるをなくなっている状態にあることは間違いないでしょう。
現在の中国の苦境は反日に始まり周辺国の領海侵犯の繰り返しなど無茶な政策決定に原因があるのですから、(領海拡張や、南京虐殺宣伝を大々的展開しながら裏で日本の協力を求めるなど)基本的矛盾を放置して政策変更だけ求めるのでは現実政治を預かる方はどうして良いか判断に困ります。
(今の経済状況では誰が何をやってもドンドン沈んで行くばかり・・モノゴトは一定のところまで行き着かせないと上昇気流に転換出来ません)
難しい政策決定に(責任をとりたくないので)敢えて自分の意向を入れず、傍らから「権威筋意見」としてアリバイ的に批判しておく・・結果うまく行かないのを待って李克強ら現政府当局者の責任追及準備にはいったと読めます。
権力闘争手段として正論を主張しておけば、後から李克強首相の政策失敗を追及して失脚させることが簡単です。
習近平氏は政権を握ると同時に汚職追放を打ち出してその論理で政敵を次々と葬ってきましたが、汚職では追及出来ないダンパ系に対して遂に牙を剥いたと解すべきでしょうか?
実務官僚(ダンパ)まで敵に回すようになると政権が持つのか?あるいは何をやってもどうせ持たないことを前提に最後には李克強らの責任だと言い逃れする破れかぶれ政策と言うことでしょうか?
今年始めの株価下落対応の対応不手際では、証券取引のトップが責任をとらされてクビになりましたが,(マスコミは、本質を書けないのであたり障りのない不手際程度を書いていたに過ぎません)本質は基礎構造の矛盾にあって個人能力が問題ではないのにその場凌ぎをするしかないのが中国政府です。
中国の統計はいい加減で信用がないのが定説と言えるでしょうが、日頃から不正をやらせておくと担当者の首を切りたければ統計数字を誤摩化したなどの責任追及をすれば、簡単に処分出来ます。
いずれにせよ国民のための政治ではなく、権力闘争に勝つことが主目的の政治ではその先も知れています。
もしも最後にハードランデングしたときに、自分は一刻も早く金融引き締めでバブル退治しろと言ってたのに、李克強・政府側が企業と癒着していてゾンビ企業の延命をしていたと言う大義名分にしたいのか?
そのためにV字型やU字型回復は無理・・L字型しかないと言う本音を書いているのかも知れません。

中国の権力闘争激化1

中国が、過剰生産力整理の痛みに堪え兼ねて潤沢な資金供給継続=補助金の積み増しでゾンビ企業の赤字輸出を拡大(赤字分を補助金で補填すればいくらでも輸出可能ですが補助金で本来のコストの半値で輸出される方の国内産業が破壊されてしまいます)する構図については今年5月ののサミット首脳宣言でも槍玉に挙がっています。
中国は外貨準備急減の穴埋めのためにダンピング輸出に頼るしかないのでしょうが、さすがに西欧諸国も中国市場進出メリットよりもダンピング輸出される損害の方が大きくなって来たようです。
中国の人民元防衛のために外貨準備の取り崩しが続くとマサに通貨危機が到来する滝壷が近づきます。
猛烈なダンピング輸出で外貨を稼いでいる筈なのに、5月の発表では中国の外貨準備は279億ドルの減少と日経新聞6月11日朝刊6pに書いています・・中国の発表自体正確ではありませんので本当はもっと減っている可能性が高いでしょう。
翌5月のデータは以下のとおりです。
http://jp.reuters.com/article/china-reserve-foreign-idJPKCN0YT0T7
「北京 7日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)が発表した5月末時点の外貨準備高は3兆1900億ドルで、2011年12月以来の低水準だった。ドル高や散発的な市場介入が影響した。」

赤字企業の整理を進めるために、チョっと引き締めて、企業が苦しくなれば金融緩和等を補助して債務拡大→出血輸出奨励策は一種の外貨準備穴埋め策とも言えますが、こう言う自転車操業的穴埋めを今後どこまでやって行けるかです。
中国共産党内部でもこのリスクを無視し切れなくなって来た様子が見えます。
日経新聞朝刊5月23日4ページには、共産党機関紙に政府発表・・現在の金融緩和政策と真っ向から反対する「権威筋の意見」が繰り返し掲載されるようになったと対照表付きで出ています。
私に言わせれば「権威筋批判」は正論ですが、正論であっても政権中枢の党機関誌が別の意見を公式に出すのは異常です。
中国特有の権力闘争が基底にあって、敵対勢力打倒のためにこうした反対論が表面化して来たものと推測されます。
正論が表面化せざるを得ないほど・・現政策矛盾が限界に来ている・・・経済的に追いつめられているとも読めます。
ちなみに現在の勢力関係は、共産党大幹部間権力抗争の結果、習政権による胡錦涛系追い落としが一段落したので中立を保って来たいわゆるダンパ(共産党青年団生え抜き幹部・・李克強首相などテクノクラート系?)が目障りになって来た?状態でしょうか?
中国経済は日に日に悪くなっていることは明らかで、いろんな苦し紛れの矛盾した手を打たざるを得ないものの、いつかはどうにもならなくなることも(私に言わせれば)明らかです。
私は日本としてはその現実を見るべき・・「賞讃ばかりすしていると危険だ!」と言うだけであって、現実政治を預かる者・・中国政策当局者がある程度の妥協政治・・厳し過ぎて倒産続出も困るので、時には手綱を緩めて、ほっと息をつかせてやるのも1つの政策です。
習近平氏への権力集中が進んで、今や政府部門まで共産党が直截口出しするようになっていると言われます。
日本で言えば、自民党と政府が区別されていて、与党からの注文はありますが具体的政治は内閣の仕事です。
中国の場合共産党の分身があらゆる行政府に支部的に存在している点は橋下市長が大阪市で問題化していた労組事務局が市庁舎一部を無償使用している仕組みと似ています。
大阪市の場合場所を無使用使用していた(京都で朝鮮人学校が公園を事実上占拠していたのと似ています)だけですが、中国の場合彼らの給与も税金で賄い(労組専従の場合労組員が給与天引きで負担していますが・・負担するのは労組員だけです)しかも市長よりも権限が強い関係です。
後記のように実際に企業のトップは共産党幹部がつく仕組みです。
このように元々共産党がお目付役的に存在していたのですが、政府と党の役割が次第に分離させて来たのがこの20年の歩みでしたが、習近平氏への権力集中化によって、政府が実務の分らない党指導に直接従属する逆行性が顕著になって来ました。
この記事は5月のサミットの頃に書いていたものですが、政府関与に留まらず個別企業運営にまで党の意見を直截反映させるようになってきたようです。
国有企業内に委員会があるのは元からですが、「国有企業の重要事項決定には共産党委員会の意見による」とする定款改訂が進んでいるとの情報が出ています。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20160720.htmlからの引用です。
2016-07-20 03:27:03
中国、「共産党」国有企業の日常業務まで監督強化する理由は?
ブルームバーグ』(7月12日付)は、「中国共産党、国有企業の監督強化、日常業務にも介入強める 」と題して、次のように伝えた。
(1)「習近平国家主席は、『国有企業』の『国』の部分を一段と強めつつある。乗用車メーカーの一汽轎車(FAWカー)や化学繊維メーカーの中材科技、鉱業の西蔵鉱業発展は最近、経営上の決定に対する中国共産党の監督強化を認める方向に定款を変更した。例えば、これら企業の取締役会には今後、主要な決定前に社内の共産党委員会の意見を聞く義務が生じる。中国のほぼ全ての国有企業の社内には共産党委員会があり、多くの企業では会長が委員長を兼任している。国有企業の幹部の多くは中国共産党中央組織部によって選ばれている」

政府内に浸透するに留まらず企業経営にまで党の意見を聞かないと何も出来ないようにしていることが分ります。
金融・財政政策は政府の専権事項であって党が直截口出しするのはどうかと思われているのですが、個別民間事業の個別運営にまで党が直接口出しするとすれば文字どおり「世も末」です。

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