外貨準備とスワップ2

私が日頃から書いているように中国が外資導入で成り立っていることは明らかで、(外貨準備の実質がない?)外資が中国の健康診断なしでも、闇雲に投資してきたのは中国の成長期待によるもの(20代の若者を雇用すればすぐ働けるのが普通)です。
この期待が薄れてくるにつれて体温計等のデータが外資にとっても欲しくなる状態になってきている・体温計や脈拍数、各種健康診断結果の公開を拒否したままでは、不安に感じる外資が増えつつあるのを無視できないでしょう。
5月13日の日経新聞朝刊6pに「中国マネーの巨象と虚像」という大きな見出しで、国際収支が怪しいというイメージ程度?記事が出てきました。
15年以降の国際収支発表によれば誤差脱漏が2000億ドルもあることを指摘しています。
項目記載であればその項目の動き等をある程度チェックできますが、項目不明なのでいわばブラックBOX化=チェック拒否です。
不明金が毎年二千億ドルもある・・企業でいえば収支不明金(収入源不明)が2000億ドルもある会計帳簿であったということです。
もともと項目別の数字自体が怪しいというのがもっぱらの噂の上に、もともとブラックボックスになっている数字が年間2000億ドルあるのでは、4〜5年の累積で約1兆ドルの誤差です。
中国贔屓が強いと言われる日経も国民関心を無視できなくなったのでしょう。
韓国経済に戻りますと韓国その他新興国の場合、内部の経理処理の透明性が低いのですが、その代わり自由化に踏み切った国では市場の反乱というか、投機筋の売り浴びせと隣り合わせのリスクがあります。
突如の大暴落が恐ければ日常的に透明な会計処理をしていればいいのですが、それはしたくないが暴落は嫌という得手勝手な論理です。
(エンロンだって粉飾に手を染めていなければ、いきなりの大規模倒産にならずに早めに修正できたでしょうし、仮に方向転換失敗しても小型倒産で済んだでしょう)
長期支配体制を確立していた独裁者がある日突然暴動の嵐が起きて一族皆殺しになることが多いのですが、これが嫌ならば国民支持が日々反映されるようにして選挙で負ければ退陣するシステムにしておけば大きなリスクを免れられるのと同じです。
大型スワップ協定を完成させて、経済データ不透明性行き過ぎに対する市場の反乱・通貨の売り浴びせをできなくすれば、市場是正機能が働きにくくなります。
デモが起きたら、必ずデモ隊の数倍のカウンターデモ動員協力システムを作ったようなものです。
デモの場合カウンターデモの方が多くても、正規のデモ参加者に損がありません・・規模が大きくて目立てば目立っただけメリットがあるでしょうが、投機筋の通貨売り浴びせの場合、買い支え筋に負けるとつぎ込んだ巨額資金が全部パーになるリスクがあります。
(普通は空売りですので、仕手戦に負ける・・想定通り下がらないと大変です)
デモ参加しただけで臓器的摘出されるのと同じ制度が為替市場にできたと言えるでしょうか?
市場の反乱は独裁国家で大暴動がいきなり広がるのと同様に急激ですが、ダムの決壊になる前に、経済指標公開によって徐々に投資家が手を引いていく結果、徐々に株価や為替が下がっていく方が合理的です。
自国通貨大暴落・・例えば(ベネズエラのように)自国通貨が5〜10割一挙に下がると輸入物価が5〜10割上がって国民生活が大変なことになりますが、数年かけて1〜2割の下落=輸入物価同率アップの場合、その間の輸出競争優位に立てた貿易上の利益の方が大きいので国民は不満を持ちません。
数年かけてじりじり下がる場合、その間の貿易上の利益の還元・・給与や残業が増える私企業も売り上げ増があるので、仕入れ代金や負債返済額アップにも耐えられます。
コントロールされた自国通貨安のメリットが大きいのでどこの国でも緩やかな通貨安誘導の誘惑があります。
中国も韓国も日本の円高逆利用の為替操作して輸出を伸ばしてきたと一般に言われますが、かといって行きすぎた大暴落は困るという実はきわどい線を歩んでいます。
こんな都合の良い際どい線を歩めたのは、韓国の場合日本による巨額スワップ保証があったから・・中国の場合、発展可能性がまだ高いという大方の想定に乗っていたからと言われています。
韓国の場合、スワップ保証がなくなるとうっかり為替操作・意図的にいじると下落が止まらなくなり本当の暴落の引き金になる危険を犯しかねないリスク隣り合わせになります。
そこで昨年秋には不景気下なのに利上げをせざるを得なかったのは、さらに景気を冷やす痛みを我慢してでも暴落リスクよりは良いという選択に至ったからのようです。
11日に紹介した日経の再紹介(引用部分は少し違います。)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38387840Q8A131C1FF8000/

韓国の外貨準備高は10月末時点で4000億ドル(約45兆円)と潤沢だ。ウォン相場も安定している。ただ、韓国当局は1997年のアジア通貨危機の際、資本流出で国際通貨基金(IMF)への支援要請を強いられたため、米韓の金利差には敏感になっている。
米国の9月の利上げ以降、外国人による韓国への証券投資は2カ月連続で純流出となった。10月は42億7000万ドル(約4840億円)の純流出。新興国株の世界的な調整の一環とみられるが、韓国銀関係者は「米国との金利差拡大の影響がないとはいえない」とみる。
利上げは減速感が強まる韓国の景気には重荷だ。統計庁が同日発表した10月の景気動向指数(15年=100、速報値)は、景気の現状を示す一致指数が98.4と、前月比で0.2ポイント低下した。マイナスは7カ月連続だ。利上げは景気をさらに冷え込ませるおそれがあり、30日の金融通貨委員会では2人の委員が金利の据え置きを主張した。

とあるようにマイナス傾向を強めつつある状況下での近来上げによって、さらなるマイナスになっても苦しいだけでなんとか乗り越えられるが、いきなりが暴落が始まったら取り返しがつかないから・・という意見が大勢を占めたということらしいです。
この辺の内情をhttps://shinjukuacc.com/20181123-01/は以下のように引用しています。

ハンギョレ新聞によると、韓国銀行の関係者は
「金利引き上げが景気に良くないとしても、0.25%の利上げが沈滞を招きはしない反面、外国人資本の流出は万が一起きれば深刻な問題になる」

と述べているようです。

外貨準備とスワップ1

スワップ拡大傾向の結果、スワップさえあれば政府は経済政策の失敗を隠すために安心して外貨準備やGDPの過大発表が安易に行われるようになって来たように思われます。
比喩的に言えば、真水の外貨準備が緊急時に脱出しそうな外債より500億ドル足りない時に(500億ドル分粉飾していても)スワップ協定の枠が500億ドル以上あれば安泰ですから、スワップ分だけ粉飾許容範囲が広がる仕組みです。
スワップとは、経営者相互扶助同盟のようなもので経営者が自己保身のために粉飾を重ねていてこれがバレて株暴落局面がくれば、経営者連合が買い支え資金を出してくれるので仕手筋との資金投入競争に打ち勝てる仕組みです。
言わば企業が粉飾決算しても倒産しないし責任者処罰もないように保証され、粉飾し放題になったようなものです。
流石に私企業にそんな仕組みは許されない・・これでは株式市場が成り立たないのでそういう発想をすることすら許されないのですが、国家経営の場合だけ人民がかわいそうとか、国際経済秩序大混乱を防ぐという名分で行われるようになってきたように見えます。
上記のうち大混乱を防ぐという点は企業の場合「大きすぎて潰せない」という論理と同じでしかないし、大企業ならどんな不正をしてもいいのか?という論理に勝てないのが一般的です。
企業の場合いかに規模が大きくても、国家全体の粉飾と違って法的開示義務情報が多い上に株式市場・債券市場の相場に日々反映されるので国家のデフォルトと違ってバレるまでの時間差が短いので2000年代に入ってからもエンロン粉飾等々時々世界を騒がせてきました。
リーマンショックも結局は潰すと影響が大きいとの理由では、政府が救済できないという判断でした。
この結果、企業では「大きすぎて潰せない」という過去の(大きさにあぐらをかく)変な風潮は一掃されたように思われます。
ところが国家の場合、この風潮が今だに強固に残っているので無責任な国家運営が行われ財務諸表?粉飾が横行する土台になっているように思われます。
国家を企業に置き換えれば、倒産すれば露頭に迷う従業員がかわいそうという論理でしょうか?
異民族に支配されていたならば別ですが、民族国家であればこそなおさら過去の粉飾を許し・・いわば詐欺商法でうまい汁を一緒に吸い、受益したのもその国民ですから、受益した国民が責任をとるべきでしょう。
30年以上前のことになりましたが、豊田商事という大規模詐欺商法事件がありましたが、この企業を潰すと詐欺商法に関わっていた多数従業員が可哀想だから、破産させない方がいいという意見があったでしょうか?
ベネズエラが今年1月には、何万%というインフレ率になっていると紹介しましたが、メデイア論調の主流は現政権が権力にしがみつくことに対する姿勢批判のみですが、まともに働かずに高騰した原油収入に奢って国際常識無視で突っ走る政権を支持してきたのは、その国民だったのではないでしょうか?
企業倒産の多くが積年の弊の積み重ね(過去のブランドに頼ってダラダラと働く社員が増えて)でじりじりと競争力を失い倒産するのが普通ですが(例外的に特定トップの暴走もあります)、その弊を積み重ねてきたのは従業員一人一人です。
5月11日の日経新聞2p「文在寅政権の2年」に出ていますが、ルノーサムスン工場では昨年10月から、60回以上のストライキを実施したとか、現代自動車労組の法外な?要求が代表例として紹介されています。
仮に現代自動車が倒産した場合、最大の戦犯は経営者と労組でないかと思う人が多くなるでしょう。
ルノーサムスンが、工場閉鎖し労働者が仕事を失う場合、労働者を税金で救済する必要があるかの問題に置き換えたらどうでしょうか?
国家破綻の場合も、無責任な行動を支持してきた国民が相応の責任をとるべきです。
過去の政策を支持してきた国民も一定の責任を負うとしても飢え死にするような最悪自体は別途人道的救済対象でしょうが・・。
スワップの拡大は、その限度で無責任同盟のような効能があります。
大きすぎて潰せないという言葉がバブル前に日本ではやりましたが、バブル崩壊では山一証券その他国策大手銀行も姿を消したように、国家運営破綻の場合も、影響の波及をどう防止するかの知恵をしぼるのとは別に、国家会計の明瞭化システムを国際的に整えるべきでしょう。
これに応じない国は、国際決済取引から除外される国家扱いでも仕方ないのではないでしょうか?
戦争原因の多くは国内政治・国民困窮化に由来する(トップの暴走もありますが)ものですから、経済情報を透明化して健康診断のように早期に国内経済の病根を明らかにして国際社会からノーハウ提供を受けるのが合理的です。
不都合な事実を覆い隠す口実として、国際評価を受けるのを国辱として隠蔽するため、対外強硬論や隣国非難に没頭するのは邪道です。
企業粉飾動機同様に、国家運営がうまくいかないのは指導者の無能によることが多いのですから、経営がうまく行ってない評価を市場で受けるのは政権担当者にとっては恥でしょうが、国辱ではありません。
国辱ものとメデイア総動員していきり立つのは自己責任のすり替えです。
韓国では、アジア通貨危機を乗りきれずIMF管理になったのを政治責任としないで?国辱として、これの再来防止を最大の政治目標化しているようですが、指導者責任の問題を「国辱」という民族の恥意識にずらし、国家運営管理をしたIMF支配に対する怨念に変容させているようです。
外国や国際機関の指導・支配?を受けるのは国政運営能力が1人前でないことを赤裸々にされることですから、政権担当者にとっては文字通り赤っ恥をかかされた思いでしょうが、これを国辱問題にすり替えているのではないでしょうか。
こういう争点ずらしは、日本の明治維新頃以降の李氏朝鮮の右往左往ぶり・朝鮮民族は欧米列強到来にうろたえるばかりで日韓併合に至ったのですが、一人前の政府のテイをなしていなかった結果亡国に至ったのですが、この歴史も自己反省よりは、相手批判ばかりです。
当時の世界大激変の嵐の中で、清朝の縋ったりロシアについたり、自己統治能力がないから世界中が放置できない状態になっていたのが諸外国の介入を招く原因でした。
今でも朝鮮問題が複雑化する一方なのは、自分たちの問題を自分で解決しようとしないで周辺大国を巻き込んでうまく・ずるく立ち回ろうとするから混乱するのです

この10年〜20年の動きを見ると関係国が皆辟易して手を引き始めると見捨てられるのが怖くて核兵器やロケット開発等で注意を引く小細工の繰り返しです。
最近では対米交渉が行き詰まったのでロシアを巻き込もうとして金正恩が4月末頃にロシア訪問しましたが、相手にされなかったようでした。

危機管理の事前準備・・トレーニングの必要性

トランプ政権成立以降、米国の対中政策が強硬となり、G20会議を利用して18年12月1日に米中首脳会談を行い90日間の猶予(中国の対米提案を待つ)を米国が与えた形ですが、この記事は16年5月頃に書いていた中韓の反日運動への関心シリーズの続きの原稿の続きです。
今年8月に1ヶ月間ほどサーバーの不具合で在庫の記事ばかり(無気力に?)掲載していた結果、時事問題をテーマにしたブログを書く習慣がなくなってしまい、いまだに在庫整理的掲載が続いています。
中国経済がハードランニングを恐れて時間稼ぎをすればするほど、その間に経済規模が縮小し、世界での存在を小さくして行く期待感で16年5月ころに書いていた原稿です。
2014〜5年ころからの中国経済の変調が起きると資源爆買いがおさまり、購買力が落ちている・・15年からの原油や資源値下がりの主因はこれですので、その分資源国その他への影響力が着実に下がっています。
(ただし経済縮小が始まるとじりじり犯罪目的の来日が増えるリスクがありますが・・・)
これこそが正に中国政府の言う「新常態・ニューノーマル」です。
トランプの対中高関税の脅し以来米中関係は緊張激化の一途ですが、今朝の日経新聞第一面には、「工作機械受注が10月23ヶ月ぶりに前年同月を割り込んだ。主因は中国が36、5%も減少したことだ」と書いていて、いかに中国が日本にとって大切かのトーンですが、対中輸出減を連日煽って日本にとって大変な不利益になる・・米中の争いが激化するのは日日本にとって大きな不利益だから米中間を取り持つ必要があるという長期的論調です。
中国の減速は一時的には大問題でしょうが、このように傾向が続くとチャイナプラスワンの流れが加速するだけのことであって、中長期的には中国の存在感が縮小していくはずです。
米国の対中関税強化で中国の対米輸出が減れば、その穴を埋めるために東南アジア諸国が米国向け輸出を増やす・・生産増になるでしょうから、日本は東南アジア諸国への工作機械輸出を伸ばせばいいのであって、一時の輸出減にしかなりません。
中国では債務が激増しているのに投資が増えない・・これは投資のための債務増加ではなく債務返済用の借り換え需要が中心になっていることを表していますが、こう言う状態では赤字輸出も高値で仕入れてしまった在庫がなくなれば、赤ジウhs鬱用の資源h輸入を続けれないので生産が止まるしかありません。
中国経済がガン細胞のように(ガンそのものと言う見方もあるでしょうが)ドンドン小さくなって(場合によっては四分五裂してから・・ただしこの段階で混乱を避けてかなりの灰色難民が日本へ来るでしょう・・)から、デフォルトしてくれるのが、世界経済にとって最も理想的な形です。
北朝鮮であれ韓国であれ、イキナリの大混乱は日本に迷惑だと言う現実的思惑があって、(嫌韓派が怒るでしょうが・・)韓国がつぶれそうになるとスワップ協定してやるしかないか?などと言う動きが出て来ます。
実際に海運会社「韓進」が16年だったか準備なく(無責任に)つぶれてしまい、輸送中の世界中の荷主が迷惑を受けています。
荷役や港湾利用料その他の支払い保証がないので、世界中の港湾に接岸させてもらえず荷揚げが止まっているのですが、これを救済するために?日本の裁判所が神戸港での荷揚げ命令?を出したと言うニュースが流れています。
日本の買い主が、荷物が入らないと生産活動に支障が出るから無償で接岸させろと言うのかあるいは買い主の支払い保証があるから?でしょうか?
これが国家規模のデフォルトになれば大きな迷惑が起きることは間違いがありません。これを防ぎ損害を最小化するにはニッポンが出来るだけ中韓との取引を減らしておくことです。
中韓企業の商品やサービスは半値でも注文しないなどの保険的コスト負担が必要です・・つぶれそうな会社の値引き勧誘にうっかり乗ると酷い目に遭います。
ここで中国の永続的反日戦略がいつ始まったかの関心ですが、これは・・中国の天安門事件による国際孤立による危機感が発端であると考えられます。
天安門事件に関するhttps://ja.wikipedia.org/wikiで時系列を見ておきましょう。

「1989年6月4日(日曜日)に、同年4月の胡耀邦元党総書記の死をきっかけとして、中国・北京市にある天安門広場に民主化を求めて集結していた学生を中心とした一般市民のデモ隊に対し、中国人民解放軍が武力弾圧(市民に向けての無差別発砲や装甲車で轢き殺した[1][2])し、多数の死傷者を出した事件である。」
江沢民に関するウイキペデイアの記事です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%B2%A2%E6%B0%91
対日関係
天安門事件直後の1989年6月21日、日本政府は第3次円借款の見合わせを通告し、フランスなどもこれに応じた。7月の先進国首脳会議(アルシュ・サミット)でも中国の民主化弾圧を非難し、世界銀行の中国に対する新規融資の延期に同意する政治宣言が発表された。円借款自体は1991年8月の海部俊樹首相の訪中によって再開されたものの、中国が国際的孤立から脱却するには天安門事件のイメージを払拭する必要があった。そのために江沢民政権は、1992年10月、今上天皇・皇后を中国訪問に招待した[31]。天皇訪中は日中関係史で歴史的な出来事だったが、西側諸国の対中制裁の突破口という側面もあった[32]。江沢民政権は1994年に「愛国主義教育実施要綱」を制定し、「抗日戦争勝利50周年」にあたる1995年から、徹底した反日教育を推進していった。同年9月3日に北京で開催された「首都各界による抗日戦争記念ならびに世界反ファシスト戦争勝利50周年大会」で江は演説し、日中戦争の被害者数をそれまでの軍民死亡2100万(抗日勝利40周年の1985年に中国共産党が発表した数値)から死傷者数を含めた上で3500万とした[33]。1998年8月には、「日本に対しては、台湾問題をとことん言い続けるとともに、歴史問題を終始強調し、しかも永遠に言い続けなくてはならない」と外国に駐在する特命全権大使など外交当局者を集めた会議で指示を出した[34]。江沢民の対日政策によって中国では反日感情が高まり、同時に日本でも嫌中意識が強まっていった。」
1997年10月、江沢民はアメリカ合衆国を訪問。ハワイ真珠湾へ立ち寄って戦艦アリゾナ記念館に献花を行い[43]、ここで日本の中国(当時の中国大陸は中華民国の中国国民党政府の統治下であった)「侵略」と真珠湾攻撃を批判した。
アメリカ合衆国との関係においては緊密な関係を築き、大統領であるビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュとも複数回にわたって会い、一緒にレジャーを過ごした事もある。ブッシュの叔父で米中商工会議所議長を務めたプレスコット・ブッシュ・ジュニアと江沢民は長年の友人[19]であるなどブッシュ家とは密接な関係を持ち、江沢民の息子である江綿恒はブッシュの弟で中国共産党入党の示唆[20]で中国国内で知られるニール・ブッシュと中国で会社を共同経営している[21]。1997年10月に訪米した際、江沢民とクリントンは両国関係を初めて「戦略的建設的パートナー」と表現して米中協調の枠組み作りを本格化させ・・・」

中国が米韓の国債を売って日本に資本投入するワケ

ところで、日本では中国スジ保有の日本社債や株式が16年も大幅買い越しになっているようです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-01-18/OJYDMR6KLVRD01
中国の対日債券投資、再び増える公算-16年の買越額は記録更新か      2017年1月18日 12:27 JS
「中国による日本の債券購入は2015年と16年1-6月(上期)に記録的規模に達したが、その後は一服していた。だが日米の金利差拡大が日本国債の魅力を再び高めることから、中国による買い入れがまた活発化しそうだ。」
中国が米国債を売り、韓国への投資を引き上げて利子配当利回りの低い日本企業へ投資する魅力・必要性は何でしょうか?
ちなみに10年もの国債の日米金利差はhttp://lets-gold.net/chart_gallery/chart_gb_yield_ja-us.phpによると以下のとおりです。
日米10年債金利の推移チャート

日米10年債金利の推移

上記のとおりの金利差があって、今後米国金利上げが始まる・・更に差が開くのに、金利の安い日本の債券を何故中国が買うかです。
その理由は以下のとおりらしいです。
MIZUHO CHINA MONTHLYみずほチャイナマンスリー2017年3月号
中国アドバイザリーの現場から
「中国企業による『Made in Japan for Chinese』の動き」
みずほの解説記事引用を省略しますが、これを読むと、中国は中間品の自製・産業構造を高度化するためには単純な日本企業の中国進出・誘致策の限界が来ている状況が論じられています。
すなわち・・最終製品が日本企業名でも中国国内生産品では消費者が買わなくなっている・・どこで作ったかが重要・・消費レベルが上がって本当の品質重視になって来たことが窺われます。
日系企業名だけでは現地企業製と大差ないと言う認識・・日本企業進出による現地生産が限界に来ているようです。
これが訪日観光客の爆買いの基礎です。
それだけ中国民族企業のレベルが上がったと言うことでしょうし、日本人が食品や衣類等を国産でければイヤと言う意味・・見た目が同じでもちょっと違うど・・その違いが中国人にも分るようになったと言うことです。
そこで、・・単純な日本企業誘致や企業買収策から、中国資本によるOEMや業務提携など日本国内生産「made in jyapan for Chinese」のブランドをつけて逆輸入政策になって来ているとなっています。
消費材・・健康食品ベビー食品や医薬品・・肌に触れる衣類や漢方薬などでは顕著らしいですが、中国企業が日本で製造することによって中国(資本)企業でありながらメイドインジャパンを名乗れるメリットに傾斜していることが、日本への投資・・日本は資本完全自由化していますのでスキなように市場で株や債券を買えます・・株主や債権を入手して徐々に企業買収のチャンスを狙っている段階です。
そのためには日本人の嫌中意識・対中アレルギーを薄めるしかありません・これが対日強硬意見が減って来た背景でしょう。
親台湾国民感情に目を付けて?台湾資本であるものの、中国政府の息のかかったホンハイによるシャープ買収はこの流れの一環でしょう。
中国としては資本流出危機があるとは言え、環境技術その他まだまだ必要とされる高度技術部品だけではなく消費者の要望を汲み取ると、身体に直に触れる・・ソフト面に広がる日本の高度技術吸収に努めるしかない実態が見て取れます。
中国政府の国際政治上の意図は別としても政府がいくら反日教育をしても、人民の日本製品に対する信用が高い・・評価力・・消費者の目が上がっていることを表しています。
消費者の目次第で中国の企業製品も向上します。
こんなわけで、資本流出危機がありながらもここ数年中国資本の日本流入・・日本の不振企業に目を付けて企業買収の前段階である資本注入に熱心になっている原因らしいですが、日本とすれば、余計な資本が入って来る分円相場が上がってしまうデメリットがあります。
企業にとっては株が上がって嬉しいでしょうが、(裏返せば公然たる「いつでも回収出来る」賄賂みたいなもので保有比率が上がると反中的言動すると、売り浴びせられると怖いので親中的になって行かざるを得ません・・)金あまりの日本全体としては、事実上の賄賂の役割を果たす外資が入って来るメリットはありません。
ただ、ホンハイによるシャープの黒字化や日産傘下(ゴーン流経営革新)に入ることによって、三菱自動車の再生が軌道に乗って来たように、「現在流御雇外国人・・違った血を入れる)違った目での運営によって生き返る・・従業員が職場を失わないで済むメリットがあります。
中国向け輸出に特化する場合、日本資本のママであっても現地責任者を中国人にするだけではなく経営トップも日本人経営者よりは中国人にした方が合理的かもしません。
国内工場・・生産維持のためには、輸出先の資本・経営者の方がニーズをつかむのに長けているので、合理的でしょう。
日本企業が中国の解放後中国へ進出したときには、日本向け野菜・餃子あるいは縫製工場等でしたが、日本市場向けである以上日本の市場動向・嗜好に詳しい日本人が行って指導した方が売り易いに決まっています。
パリでファッション製品を売るならば、パリの事情に通じた人・・パリ人を現地人の目利きによる商品を送った方が普通は良いでしょう。
中国資本による支配?を不愉快に思う人がいるかも知れませんが、それの逆張り・・中国向けに特化するならば、中国向け製品を作るのに何百人の日本人がうまく中国人をトップに使って作ると思えば良いでしょう。
源氏や平氏の貴種を地元武士団が棟梁に担いだり、親王を総大将に担ぐのと同じことです。
サッカー等で外人を監督にし、フィギアースケート等で外人コーチを頼むのと同じです。
高校野球でも関係者全員が、甲子園に出たいのであって、地元出身監督で県内のリーグ戦で負けてしまうよりは、監督が県外から来ても地元チームが甲子園まで勝ち進めた方が良いに決まっています・・武士団としてもその合戦に勝って生き残ることが先決であって、団結して勝てる旗印になるならば、お飾りの総大将など見たこともない親王サマでもは誰でも?どこから来ても良いのです。
日産や三菱自動車の例を見ても、従業員を養ってくれるならば外資でも社長が外人でも良いのです。

民度を上げる→外貨準備減少2

高度成長期以降の地価高騰で潤った千葉の近郊農家の結果を見ると(全部を知っているわけではありません知っている人だけのことです)多くの農家では一時的に羽振りが良かっただけで元の木阿弥になっている印象です・・。
地方に大手工場などが進出した場合、その中で技術を磨いて地元で創業出来る人がいるかと言うとなかなかそうは行きません。
とは言え、日本のゴールドラッシュ時代の安土桃山時代・・今考えると金の大流出・・貿易大赤字時代があってこそ、絢爛豪華な時代の幕が開いたのですが、みんながみんな等伯や永徳、宗達のような芸術家になったのではなく、裾野が広がった結果とすれば、傑物はひと握りで良いのです。
消費生活向上・・遊びの中から、工夫や新しい芸術や新製品が生まれる関連があることは確かでしょう。
日本の現在の世界的評価は、安土桃山の後を受けた江戸時代に庶民の消費生活が世界に先駆けて充実していた結果によると思われます。
消費経験が将来の民度にどう言う影響が出るかは別として、(私なりに最大限中国寄りの意見を書くとすれば)兎も角外貨準備が底をつくまで歯を食いしばってでも人民に消費経験させない限り前に進まないと覚悟を決めたのが中国ではないでしょうか?
雄安新区建設の新バブル構想が今朝の日経新聞にも出るようになりましたが、箱物や土木工事で貴重な資金を使い、人民も金儲け・投機的売買にうつつを抜かしていて健全な消費者が育つかの疑問がありますが、日本でも豪壮な城郭建築が豪華なふすま絵を誘発した例があります。
ところで北京に関しては私は元々北方民族・・女真族が南下したときに侵入した入口に当たる場所・北京を首都としたのは合理的だったでしょう。(北条氏が関東へ進出したときに入口の小田原を本拠地にしたのと同じ)
しかも清朝の支配は、遠くの異民族が服属意思表明していただけで直截支配していなかったので全体の端っこに首都があっても間に合っていました・・。
対外経済中心時代で且つ直截支配下に置く現在国家の首都としては、北京は地理的に偏り過ぎている外、国際交易にも不便・・このママでは無理があると言う意見を元々持っていました。
習近平は鄧小平の深圳特区・江沢民の上海特区の向こうを張って、これに負けないレガシーを残すために雄安親区を計画したもので、(ネット報道だけではなく日経新聞がが報道するようになった以上は)早速権力に媚びる多くの関係者が動き出した模様です。
深圳特区や上海開発は相応の地の利を踏まえて開放政策にマッチしたので成功したものですが、新首都?雄安親区は北京から更に内陸に入っていますから、経済原理からして・・今時可能なの?と言う第一印象を抱くのは私だけでしょうか?
この種の意見は、これまでネットでも出ていませんし、日経新聞にも出ていません・・当面世界的な関心は新バブル創出がうまく行くのか?そんなことばかりで中国経済の先行きがどうなるのか?ひいては世界経済に与える影響に関心であって、外野にとっては「地の利がどうの・・」と言う先のことまで心配してやる必要のないことはそのとおりです。
話題を外貨準備減少に戻しますと、日本のゴールドラッシュのような蓄積がないのが中国の苦しいところで、そのために気前よく使い切れない・・その間の人民元防衛策に必死ですが、内需拡大→貿易赤字ですから、人民元は下がるしかない・防衛するのは元々無理があります。
貿易黒字とは何か?ですが、難しい説明は専門家に御任せするとして、あっさり言えば、国内利用以上のもの生産している国と言うことでしょう。
これを売るのに忙しく折角作ったものを自分が充分に消費出来ていない社会とも言えます。
アメリカの場合巨額貿易赤字を続けて来た・・働くより消費優先だからこそアップルその他新しいものが生まれているとも言えるでしょう。
医者の不養生といいますが、他人の医療に忙しくて自分の健康管理する暇がない状態です。
植民地支配経済・・宗主国向け生産をさせるが植民地下の奴隷的労働階層は自分の作っている物を消費する権利がない・・解放当初の中国は日本の植民地ではないのに日本向け輸出製品専用工場を誘致していました。
多くの後進国政府が外資進出許可するときに、「先進国企業が国内市場を席巻してしまうと困る」と言う理由で国内販売を許可しないか、許可するときには外資の比率を半分以下の合弁しか認めないなどと制限して民族資本が学ぶ機会を与えろと言う条件付きで許可しています。
リーマンショック後の中国の内需拡大政策は、今後は自分が作っているものを自分も消費したいと言う意欲表明とすれば合理的です。
中国が内需拡大に舵を切った以上は、黒字が縮小し外貨準備・蓄えが減って行くのは仕方ないと言うか自分で選択したことです。
内需拡大をやめて経済パフォーマンスを良くしない限り奇策や規制では一時しのぎでしかない・・基礎にある人民元安の流れを止めない限り資本流出圧力をいつまでも塞き止めることは出来ません。
ところで以前出血輸出の構造を書いたとおり、出血輸出をるのは仕入れ資源輸入代金を払うしかないので、付加価値をつけた人民の労賃を減らすしかないので出血輸出などしていられません・・内需拡大=人民に豊かな消費をさせる以上は、貿易黒字が減るのは当然の帰結です。
外貨準備の続く間に消費生活を充実させて消費材を作れる民度に引き上げる・・民度レベルアップ・・これが間に合うかのテスト中と言うところでしょうか?
この覚悟をすれば中国の外貨準備急減を騒ぐことではありません。
転売目的のマンションや鉄道ばかり作っていて民度が上がるかの心配があるでしょうが、この後で書くようにこの数年で中国消費者の消費レベルが上がり・・日本国内製品でないと信用出来ない・・と言う選好が増えて来たことから見ると、短期間に民度アップ出来る可能性がないわけではありません。
この間の食いつなぎ・・外貨準備のうちで(ベネズエラ債?のように売るに売れないものが多いので)市場で売れるものから売って換金するしかないと言う姿勢ではないでしょうか?
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20170107/Recordchina_20170107010.html
2017年1月4日、韓国金融監督院が発表した統計から、2016年1~11月末に中国人投資家が韓国の株式市場で売却した株式の総額が1兆5000万ウォン(約1500億円)に上ることが明らかになった。環球網が伝えた。」
表向き韓国のサード配備に対する嫌がらせっぽいですが、韓国には義理を欠いても失うものが少ない・・(韓国の中レベル技術移転はほぼマスターした・今後は韓国企業は競争相手でしかないと言うゲンキンな読みで)と言う切り捨て対象にしただけ・5月6日に書いた北朝鮮切り捨て政策と同じ文脈で見るべきでしょう。
中国は民度レベルアップ→内需拡大による貿易黒字減少は仕方がない・この間のつなぎとしては、換金可能で今後技術移転の旨味のない国の外貨から順に売れるものから売りたいだけではないでしょうか。

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