中国の脅威4(細胞浸透作戦+取引国に対する言論規制)

中ソ対立の原因端緒を9月27日に見ておきましたが、ソ連がスターリン批判で路線修正したのに毛沢東中国がスターリン路線修正に反対して路線対立になったものです。
中国共産党は旧スターリン主義を良しとして当時圧倒的軍事力格差のあるソ連に楯突つく・・戦車隊による蹂躙される危険を冒してまで守って来た粛清思想その他スターリンの政治性姿勢を守ってきた国ですから、中国の改革解放後もあくまで同調を拒否して従来型共産主義政治を墨守すると宣言して現在に至る北朝鮮の独裁・恐怖政治体制と本質的同一性があります。
中国の改革開放政策はスターリン主義を守りながら表面上西側諸国を油断させるためにいわゆる韜光養晦政策をとっているだけであって、スターリンの本質的野望を捨てていないと見るべきでしょう。
ネット上で中国を大朝鮮と言う呼称がある所以です。
中国がフルシチョフのスターリン批判を受け付けない・・このためには、圧倒的軍事力を誇るソ連との戦争さえ辞さないということは、スターリン政治の一部だけの否定ではない・・スターリンの国際的に相手国内工作していく国際政治運動方式を承継していることになると読むべきでしょう。
スターリンはトロツキーの世界同時革命論から1国共産主義革命主義に変更したと表向き言われていますが、まずは資本主義国同士を戦わせて疲弊させる戦略上、資本主義国を欺く方便に過ぎなかったことは明白です。
スターリンに関するウィキペデアの記述では以下の通りです
「スターリンはドイツと米英仏が戦争で疲弊した後ドイツを滅ぼせば一気にヨーロッパを共産化できるものと考え、ドイツにヴェルサイユ条約が禁止する航空機・戦車部隊の技術提携、バルト海沿岸の港の使用やイギリス空爆のためのレーダー技術の提供などを行い、さらにソ連に亡命してきたドイツの共産主義者を強制送還までさせてヒトラーの侵攻を擁護した。」
「不可侵条約締結後のカクテルパーティーでドイツの外務大臣のリッベントロップに対し「名誉にかけてソ連はパートナーを騙すようなことはしない」と誓ったスターリンだが、ドイツとの蜜月が長くは続かないとも考えていた[97]。上記のバルト諸国やポーランド東部占領で領土を広め首都モスクワと距離を広げ、ドイツと接する国境付近の兵力は増強され続けた」
日米戦争もこの戦略によって、ルーズベルトに接近してけしかけたものです。
いわゆる漁夫の利を狙う戦略で欧州戦線では戦争が終わってみれば中東欧諸国のほとんどを占領し、日本がポツダム宣言受諾後ソ連に対する防衛意欲を99%喪失後の数日間にいきなり参戦して満州から樺太千島まで奪ったのです。
以下の通り公式にはコミンテルンは解散していますが、ソ連共産党の指導力は隠然たるものがありました。
http://www.y-history.net/appendix/wh1501-108.htmlからの引用です
「独ソ戦の激戦が続くなか、スターリンは、コミンテルンの解散を決定した。それは、連合国と協調する上で、従来資本主義諸国のなかに、ソ連共産党がコミンテルンをつうじて共産主義革命を起こすように仕組んでいると考えられ、ソ連に対する敵視の原因を除去する必要があると判断したからであった。しかしその裏の事情には次のような指摘もある。」
後に紹介するホーチミンのスターリンへの拝謁?で象徴されるように、日本の共産主義者幹部を含めて世界中の共産主義者がスターリンと面会拝謁?出来ることが最大の栄誉でした。
面会したという名誉だけではなく各国共産党指導者に対しその国での浸透資金が出ていたとことが、公然の秘密・・性質上証拠はないでしょうが・・何かで読んだ記憶です。
フルシチョフのスターリン批判に関しては、September 16, 2017に詳細を引用しておきましたが、日本人にとってはシベリア抑留被害と相まって、粛清政治の恐怖感が行き渡っていた結果日本人にとってはようやく粛清政治が終るのだなあ!と言う実感が強烈・メデイア戦略に違和感ががなかったのです。
日本メディアは中国に対してできるだけマイナスイメージ出ないように報道し、日本への共産主義細胞浸透を報道しない傾向があるので、スターリンの粛清政治を支持してソ連と対立していたかのように流布させています。
しかし中ソ対立はそんな国内政治のあり方で起きたとは思えません。
日本のメデイアがスターリンの恐怖政治の承継だけは遠慮なく報道するのは、中国政府黙認報道?になっている印象です。
中国政府は天安門事件で欧米から批判を受けた後の今でも、香港で民主化運動した人物はいつのまにか不明になるなど・公然と拉致を行うことで、支持を失う心配は一切ない・・人民の自由な言論を萎縮させるのに有効と考えている様子です。
ですから日本メデイアが中国政府の怖さを報道してくれるのは、却って好都合・・「中国に楯突くと怖いぞ!という日本に対する脅しにもなるとして黙認または推奨しているのでしょう。
欧米のような人権批判に対しては、「日本国民には遅れて追いつく国だから仕方がない」とイメージ操作すれば良いくらいに考えてると思われます。
時々日本人がスパイ容疑で捕まるのも「中国は怖いぞ!」という脅しのつもりでしょう。
知財や技術を盗む段階を卒業したこの数年では、「技術移転しないと工場進出を許可しない」という強引な方法・いわば強盗を合法化する制度設計を始めたのと平仄を合わせています。
改革開放時には国力がなかったので泥棒国家と言われても黙っていましたが、国力がついてくると堂々と公海に基地を作り国際司法裁判所判決を「紙くずに過ぎない」と豪語し、尖閣諸島の実力侵奪の意思を公然とと示し始めました。
知財剽窃が批判されると今度は国内制度上外国企業は知財や先端技術を提供しないと国内生産できないようにしてしまう・・国内制度で剽窃ではなくなったのですから取り締まる義務がありません。
主権国家を盾にどんな法制度にしよう/泥棒を処罰しないどころか技術を公開しろ」という法制度にしても勝手という論理です。
言わば開き直りに徹して来たのです。
日本人から見れば、「中国は怖い国のイメージを定着させるのは中国にとって損な政策」のような気がしますが、中国政府としては人民を日頃から脅して黙らせているように日本国民に対する脅しになると思っているようです。
例えば日産トヨタ社員などが中国赴任を命じられた時に、普段から「中国批判していると赴任した時にどういう目に遭うか分からないぞ!」というメッセージ担っているでしょう。
中国市場に参入している企業やこれから参入検討企業経営者にとっては、日頃から対中言論を慎むようにならざるを得ません。
メデイアの仕事は文字どおり情報収集が職務ですから、いつでもスパイ容疑で検挙されても誰も驚かないでしょうから中国に睨まらたら最後・身の危険があります。
中国関連報道は中国政府「よいしょ」の記事しか書けない仕組みです。
日韓が緊張していた数年前に産経ソウル支局長が言いがかりで刑事起訴されたことがありました。
韓国大手新聞記事を現地情勢として日本へ現地報告したのが名誉毀損になるという刑事立件ですから、表現の自由を保障する民主国家と言えるのか?不思議な事件でしたが、いざとなれば韓国の民族レベルがまだこの程度の国なのです。
幸いその後日韓合意が成立したので無罪判決になりましたが、これが現在の文政権になってからの判決だとどうなっていたか分からないところでした。
一般企業もうっかり中国の現状をありのママ日本でいうと大変ですから、コマツその他中国関連企業関係者の意見が新聞にときどき出ますが、「今の中国は力強い・・バブル崩壊は既に始まっているがうまくやっているから何も心配がない」という決まり切った方向性しか言えない仕組みです。
同じことは、欧米企業やこれを抱えている西欧政治家の中国に対する批判的発言自粛にもなっているようです。

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