国際政治力学の流動化7(FTA→TPPヘ2)

日本は農産物さえ守ればやって行ける国でないことが明白なのに、農産物保護を頑に主張して貿易自由化に何でも反対する政治家は内実は反日的・・「日本死ね!」と内心叫んでいた政治家だったのでしょうか・・。
最初ブルネイやニュージーランドなどの関税同盟が出来ても大したことがないと静観していた(農産物の関税撤廃は日本にとってマイナスが大きい割合に同国への工業製品の輸出量は大したことがないなど)ところまでの反対は合理的でした。
しかし、アメリカやカナダの外日本の主要輸出先の東南アジア諸国がドンドンドン参加して行くイキオイが出ているときに、、アメリカから日本も参加して新しい貿易秩序をを作って行かないか?と根回し・勧誘を受けても,農産物保護を主たる理由(そのたアメリカで裁判されるとか保険制度を守れとかいろんな理由は勿論ありますが・・)に参加反対を主張し続ける政治家は国家の存立にどう言う意見を持っていたのでしょうか?
民主党政権はアメリカの作る新秩序・知財等の保護強化策に逆らっても中国と仲良くさえしていれば何とかなると言う意見だったのでしょうか?
韓国は露骨にこれを事実上表明していました・・それでも対米FTAと言う保険をかけていたのですが、日本にはそれもありません。
日本が東南アジアとの海外進出先へ部品輸出が出来なくなると死活問題になりますが、これを悟られないようにアメリカが最後まで参加する本音を隠していたのか、この時点になっても民主党政権が大変なことになると言う現状認識がなかったのか?危機感があっても国民に言わなかったのかどちらでしょうか?
東電の原子炉炉心溶融公表遅れに関する調査報告書が数日前に出ましたが、これによると政府からの指示で公表を出来なかったと言う報告が出ています。
当時の政府=民主党管政権ですが、重要な危機事実を国民に伏せる体質が出ています。
TPP交渉では後発参入の場合、合理的根拠の有無にかかわらず既存メンバー全員の同意が必須=拒否権が設けられ、しかも後からの参加国はそれまで決まった内容に異議を言えない仕組みを設けておくなど、(無条件降伏的参加しかない)後からの日本参入を困難化する制度設計までしています。
参加表明が遅れれば遅れるほど日本ハム条件咲かし出来ない不利な状態になりますが、もしも日本不参加のままでまとまっていた場合(現在はまとまっていて各国の批准を待つだけです)、日本が東南アジア等進出先との貿易を遮断されるリスク..恐るべき結果を予定していたことがわかります。
日本は現地生産化しながらも貿易黒字を稼げているのは、日本からの基幹部品輸出出来ているからです。
日本は食糧(工業輸出を犠牲にして国内農業を守っていても輸入しなれば不足する点は変わりません)・原油その他原材料・生活必需品の輸入代金を賄うために輸出代金を得て成り立っています。
TPP成立によって100%(まではいかないまでも)部品まで現地生産するしかなくなると輸出代金激減し、食糧その他の輸入代金をどうするかの問題に直面します。
海外進出している企業の純利益だけで国民を養える訳がない・・仮に資本収益でやって行けるとしても、国内産業がなくなると長期的に見れば、海外進出企業もジリ貧でしょうし、もしも国内線生産が国内消費分だけになってしまい、今の国内生産量が激減して行くと国民の足腰が弱り、日本経済・勤勉性が衰亡し国家民族の破滅です。
国民が長年働かないでいるとどうなるかの例としてナウール共和国の例を紹介したことがあります。
部品輸出閉め出しを受けてしまう直前、首の皮1枚の際どいところでイキナリ日本参加可能になり、日本も参加意欲を示すようになったのは、日本の政権交代が大きな転換点だったように見えます。
アメリカが国際政治上欧州との関係が悪くなり、自由競争では相容れない点に目をつぶり、日本外しの方針を転換したことが重要ですが、これは自然になったのではなくアメリカがそうするしかないようにして行った日本人の長年の努力(アメリカ進出企業の現地同化努力)や外交努力によるところが大きいと思われます。
中国が海外進出すると威張るので嫌われますが、日本企業の場合現地人を大事にするのでそう言う争いは起きません。
アメリカで暴動が起きると真っ先に韓国人がターゲットになると言われています。
日本がTPPに入ると韓国が個別FTAで培って来た優位性が失われるので、今や韓国が焦る番になって参加方向へ方針転換して行く様子が報道されています。

国際政治力学の流動化6(FTA→TPPヘ1)

日本は、円高誘導とFTA包囲網に対して円高を利用した海外資本進出による迂回輸出と高度部品輸出で包囲網をくぐり抜けてきましたが、(EUの障壁をくぐるためにイギリスに工場を設けたり、アメリカの防壁をくぐるためにメキシコに工場を設けるなど)日本の部品輸出・・小さな穴からの輸出・・BtoBで凌いで来ました。
Tppは結果的にこの穴まで目詰まりを起こさせる試み・・包括的に日本の輸出を閉め出す目論み(部品まで規制の対象にする)がTPP推進の狙いだったかどうかは別として、結果はそうなります。
TPPの約束は、部品まで原産国基準になってTPP加盟国からの輸出でも組み入れ部品がTPP外からの輸入であれば、その分原産地規制によって高関税になる仕組みと言われています。
TPPは言わば西欧の関税同盟EECと並列していたヨーロッパ自由貿易連合(正式名称を忘れましたが・・こう言うものがありました)みたいなものですが、中韓がTPPに入っていない場合を例にすると、例えばタイがttp加盟している場合にタイからアメリカへの輸出製品に、韓国部品を組み込むとその分関税が高くなるので、同じ価格ならばTPP加盟国の日本製品を組込むようになって行きます。
上記のように、加盟していない中韓が蚊帳の外におかれるマイナスをマスコミが今になって議論していますが、実はこのTPPに参加表明していなかった日本に当てはめるとどうなっていたかのシュミレーションこそが必要です。
TPPの最低基準・・知財保護など・・要求レベルが高過ぎるので、中国が参加したくとも出来ないハードルを設けていることから、中国寄りにシフトしている韓国が中国に気兼ねして日本が参加表明しても韓国は、「元々米韓FTAで優遇を受けているのでTPP参加メリットが少ない」(知財等が共通政策に加わっただけでは)「元々米韓FTAで優遇を受けているのでTPP参加メリットが少ない」として、参加しないと表明していたのです。
と言うことは、TPP不参加による最も大きな影響を受けるのは日米FTA締結が出来ていない日本だったことになります。
安倍政権になってから、数年前に「今からで間に合うか?」と言う段階で,大騒ぎして打診し、(アメリカが同意しないと元々参加出来ない仕組みになっていました)して始まったのですが、当初日本は蚊帳の外におかれていた..あるいは日本が判断を誤って参加表明していなかったことが重要です。
そもそもニュージーランドなどアジアの仲間としてはどうかな?と思うような国々主導でこのような大規模な仕組みを提唱して始まっていたこと自体が異例で(日本の判断を誤らせる意図があった?)奇異な感じを受ける人が多いでしょう。
16年5月17日現在のウイキペデイアによると以下のとおりです。
原協定
環太平洋戦略的経済連携協定の原協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement, TPSEP)は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国の経済連携協定(EPA)として始まり、2005年7月に署名され2006年5月に発効となった。
2010年3月から、原加盟4か国にアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4か国を加えた拡大交渉が開始された。2011年時点では、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、ペルーが加盟交渉国として、原加盟国との拡大交渉会合に加わっていた。9カ国による拡大交渉は、2011年11月12日に大枠合意に至り、2012年内の最終妥結を目指していた[6]。
またTPPは原則非公開とされ全文の閲覧が行えるのは、この協定に関わる各国の3名ずつのみとなっている。
2011年11月12日、ホノルルでの2011年アメリカAPECの会合で、交渉は大枠合意に至り、米大統領バラク・オバマは今後1年間での最終妥結を目指すことを明らかにした[6]。
2012年11月12日の会合からカナダとメキシコも正式な加盟交渉国に加わった[30]。

TPPが当初日本の金城湯池の東南アジア諸国の市場を奪う結果になることが分らないように、ニュージーランドやブルネイなど数カ国で始め、ある程度まで進むと周辺国を増やして、東南アジア全体のイメージにするまでアメリカやカナダの参加予定を隠す「衣の下の鎧隠し」の長期計画であった可能性が高いことが重要です。
結果から見るとこうなりますが、アメリカから言えば、2010年3月のアメリカ参加のときに事前に日本にも参加呼びかけをしていたのに農産物保護を名目に(日本も韓国同様に中国に気兼ねしていたのか?)・・アメリカやカナダなどから貿易閉め出しの結果になるのが分っていながら、これに応じて来なかった当時の日本政府の自己責任だったとも言えます。
ちなみに2009年7月21日衆議院解散後民主党政権が成立し、2011年暮れの安倍政権成立までが民主党政権でした。
政治と言うのは、単純ではなくどうにでも解釈出来るように進めて行くのが原則です。

国際政治力学流動化5(ウルグアイラウンド中断→FTA)

今回のサミットの大得点は(毎年そのときのテーマ・・数年すれば忘れてしまうテーマに過ぎない多くの首脳宣言よりは)オバマ大統領の広島訪問でしょう。
被爆者代表のオバマ大統領に対する対応姿勢は、百万言を要しない、日本の蓄積して来た文化をそのまま表しているもので、日本人的に見れば完璧・・感激した人が多いでしょう。
ルーズベルト政権による戦争開始以降アメリカ国民に対してデマ報道で煽って来た日本悪玉論とその締めくくりとして強行したでっち上げ東京裁判の酷さ、このでっち上げ裁判批判から逃れるために噓の上塗りとして戦後70年にわたる日本に対する道徳批判・日本敵視政策を陰陽にして来ましたが、(中韓を煽る慰安婦や南京事件の創作後援)を1昨年頃から修正し始めたのは対日敵視政策変更の一環です。
TPPの意義について少し書いておきます。
元々自由貿易主義とは、競争優位の国にとって土足で踏み込む権利を認めろと言うのと同じですから、アメリカが国際競争上圧倒的優位だった期間中にじぶんの都合で推進してきた原理であったことが明らかです。
ところが自分の決めたルールなのに、特定分野で日本に負けるようになって来ると日米繊維交渉や電機交渉などの個別通商交渉などで日本からの輸出規制を要求するようになって来て、(スポーツで日本が勝ち進むとイキナリルールが変わるようなことが経済界でも行なわれて来ました)自由貿易主義の本家アメリカのイメージダウンが進んでいましたが。
その後、個別規制ではどうにもならないほどアメリカや西欧諸国が日本に負ける分野の裾野が広がって来ると個別交渉濫発では、自由貿易の旗手のイメージダウンが気になって来たらしく、自由貿易主義の旗印を守るために急激な円高にして日本に大幅なハンデイを負わせる方針に切り替えた(スポーツで言えば、ルール変更ではなく日本人は片手で戦えと言うようなものか?)のがプラザ合意でした。
それまでは欧米が競争優位を前提に世界的な関税撤廃交渉・・自由貿易主義の旗印で「ガット」その他(プレトンウッヅ体制)を運営して来たのですが、日本の台頭で自由貿易主義強調による欧米の旨味が日本に奪われて来たので、戦後の自由貿易体制から日本を排除しようとして来た流れがあります。
第二次世界大戦に日本を引きずり込んだことの焼き直しです。
EUも結成目的は、戦前のブロック経済の再開の意味であったと書いてきましたが、ウルグアイラウンド.包括的関税撤廃交渉がその後全く進まなくなった原因は欧米が自由化を進めると日本が得をするほうが多く欧米にメリットが少なくなって来たので妥協しなくなったからです。
86年に始まったウルグアイラウンドでは結局合意らしき合意もなく頓挫したままになっていることは周知のとおりで、その後全加盟国に効果のある包括交渉が停滞し個別FTA交渉に移行して行ったのは偶然ではありません。
日米交渉の例で言えば、アメリカの圧力で牛肉の関税引き下げをするとアメリカより安い豪州の牛肉ばかりに輸入が増えた例がありますが、一般的関税引き下げ交渉が成功しても下がった関税で得をするのは競争力のある国です・・国際競争力の下がった欧米にとって得になる場合が少なくなくなっていたのです。
そこでみんなが恩恵を受ける一般的な引き下げ交渉よりは、特定国同士だけの引き下げ交渉・・FTAに移行して来たことになります。
プラザ合意以降欧米による日本孤立化政策の一環と言えるかどうか不明ですが、結果から見ると、WTOの包括的関税引き下げ.ウルグアイラウンドの失敗・・と言うよりは欧米による事実上推進凍結方針により個別のFTA交渉主流に転換したと見るべきです。
個別交渉になれば、自国より競争優位の国との相互関税撤廃をすれば弱い方が損に決まっていますから、いろんな分野で競争力のある日本とFTAをしたい国は滅多にありません。
たとえば、フランスやイタリアが特定ブランド品では日本へ輸出で有利としても、その何倍もの日本の工業製品が低関税で流入する場合トータルでは仏伊にとってフリですから日本とのFTAを渋ります。
その結果欧米の応援を受ける中韓は、ドンドンFTAを締結して輸入関税を逓減しているのに対して、世界最強競争力を持つ日本だけどこからも殆ど相手にされない孤立化政策にはまっていました。
円高政策とFTA包囲網造りが進んだことが失われた20年と言われる基礎状況でした。
米韓は別にFTAを結んでいますし中韓FTAも締結していますが、世界中が日本に対して表向きFTAを拒否しないものああだこうだと言いがかりをつけられてはFTAを殆ど締結出来ていません・・。
最近韓国で日産車の燃費偽装の有無が問題になっていますが、報道によると英国生産品だったことが分ってきました・・隣の韓国へ輸出するのに英国で作らねばならない・・日本製を輸出出来ない仕組みが世界中で張り巡らされてこれが完成していることが分かります。

国際政治力学の流動化4

日本では、日本に対する煮え湯を飲まされるようなアメリカの悪行しか知られていませんが、西欧諸国に対しても資源獲得競争など日本に関係のなかった競合分野では、かなり悪どいことをして来たことが何となく分ってきました。
スエズ運河の国有化に象徴されるように英仏が徐々に中東の利権を失い、変わってアメリカが浸透して行きました。
アジアでも仏領インドシナと言われた地域そっくりアメリカと入れ替わってアメリカがベトナム戦争などを戦うようになって行きました。
地位が入れ替わって行くには、それぞれに固有の理由・名分があるでしょうが、結果的に追い払われたことに変わりがありません。
合理的な理由・相手の品質が良くて負けたならば仕方がないですが、資源力による非合理な値引きその他の強引な手法によって敗退したような場合には面白くないでしょう。
中国による爆買いをちらつかせて公共工事などを横から奪い取るやり方や無茶なダンピングによる市場席巻なども同じです。
日本から見れば欧米と一括りに見ているので分り難いですが、外部から見れば、親族の紐帯は堅いようでも「骨肉の争い」は熾烈なものです。
戦前戦後を通じて西欧が植民地支配を通じて確保して来た利権をアメリカが(今の中国の爆買いのように・・札ビラ・軍事力で強引に相手を押しのけるやり方でしょう)腕力に任せて強引に蚕食し続けて来たモノと思われます。
20世紀に入ってから約1世紀わたってアメリカに押しまくられて来た西欧にとっては、悲願としてのEU設立にこぎ着けて他方で中国と言う対抗馬が出て来たので出来れば中国支持に舵を切りたい気持ちになっていてもおかしくありません。
現在社会の力は生産力よりは市場購買力であると書いてきましたが、西欧にとっては有望で大きな市場は中国であり、アメリカはもはや棄てた市場と思っている可能性があります。
ワーゲンのアメリカ市場での売り上げ比率を6月8日に紹介しましたが、今や僅か1、8%ですから驚きです。
14日の日経新聞8pにはドイツのメルケル首相の中国訪問記事として「中国との蜜月関係に【変化」と言う中見出しで出ています。
従来と違い、鉄鋼などのダンピング輸出に苦言を呈し,南シナ海問題に言及するなど、さすがに甘い顔ばかり出来なくなったと言う報道ですが、そこには中国訪問が就任後九回目と言う事実が出ています。
この訪問回数の多さ(アメリカでのワーゲンの市場占有率が1.8%しかない現実・・)から見ても、ドイツの中国傾斜ぶりが分ると言うものです。
日米枢軸?と言っても安倍総理のアメリカ訪問は何回もないでしょう。
中国訪問に至っては、第二次安倍政権になって1回もないように思いますが・・。
中独の蜜月ぶりを下敷きにすると、中韓が頻りに「独逸を見習え」(アウシュビッツの記念館のようなもの・・【慰安婦記念館」【南京」虐殺記念館」を日本に作って反省の意志を示せと言うことでしょうが・・)と言う理由も分ります。
アメリカの出身母体で本来絶対的与国であるべき西欧諸国や豪州が、米中対立に関して何かにつけて中国寄りに軸足を変えて来たので、アメリカにとって今や安心出来る有力与国は世界で日本しかいなくなってしまったのが現実です。
これまでのように日本に対して裏で最大のイヤガラセをしながら、白人ではないが【名誉白人」として欧米クラブの「仲間に入れてやるから・・」「これ以上苛めないから・・」と言うだけでは間に合わなくなって来ました。
バレバレの陰での嫌がらせを少しは反省するフリを示すしかなくなって来たのが現状で、「今まで酷いことをして来たね!と反省の姿勢を、戦時中の各種書類公開解禁等によって、(政府関与の証拠がないと言う慰安婦報告もその一環ですが・・)徐々に示すようになってきました。
日本人は韓国のように相手が非を認めると居丈高に謝罪や賠償をトコトン要求する国民性でないことを良く知っていることも関係します。
日本人は、アメリカに散々煮え湯を飲まされてもそれはそれとして簡単に主従関係を変えない犬みたいな習性があります。
昨年の安倍総理のアメリカ議会演説を皮切りに戦時中の日本兵が如何に勇敢であったか、武士道的だったかなどの報道がじわじわと流れ出るようになり、他方でルーズベルトが如何に日本に対して酷いことをしていたかのアメリカ報道が増えた・・「戦争責任を謝るべきはアメリカの方じゃないか?」の報道が増えて来たのは、政府が公式に謝らない代わりの懐柔策と見るべきでしょう。
その中間締めくくりが、今回の広島訪問になったと見ることが出来ます。
日本人は「謝って欲しいと言いません」が、自然にそう言う流れになって来た・・高騰戦略の勝利です。
この辺の変化は「覇道の限界と日本の補完性7」 February 28, 2016 まで書きました。

国際政治力学の流動化3

元々慰安婦や南京虐殺騒動の大もとはアメリカのでっち上げ資料に基づく・・東京裁判の正当化のために中韓に対する唆しで始まったことは世界の常識になっているでしょうが、その手足として動いたのは中韓両国でした。
これのタイミングを見計らって決定打を与える目的で如何にも中立っぽくアメリカによる慰安婦の実証調査(アメリカは日本敗戦時に軍関係資料を収集していて手元に持っています・・)が反日に凝り固まっていたクリントン政権時代から開始してていました。
タイミングを見計らって、日本不利の決定打となる調査報告を出して日本に全面謝罪させるスケジュールで動いていた筈でしたが、途中でアメリカの反日方針が変わったからか?あるいはいくら探しても慰安婦関連証拠が出て来なかったからか?
調査報告は逆に日本政府関与証拠が全くないと言う結果になってしまいました。
調査担当の高官だったかが資料が見つからないことに「失望した」と言う表現をしたことが日本で評判になりましたが・・。
慰安婦問題を大きくしたいからか、日本マスコミは殆どこれを報道していませんが、報道の公平性・中立性に疑問があります。
そもそもマスコミの中立性とは国内の論争に対する中立であって、日本と外国との対立に日本マスコミ・・とくに国営?のNHKが対外的に中立などと言うことが、想定されているのでしょうか?
日中,日韓紛争に関して政府官僚は中立ですと宣言しているようなものです。
官僚やマスコミは国内論争に中立を守ってより良き国論の発展阻害しないことが大切ですが、相手国との中立を主張する官僚など許されません。
慰安婦の強制性の有無は日本国民共通の利害であって、強制性があったと言う主張する事自体国益に反することが明らかです。
以下は産經新聞ニュースからです。
http://www.sankei.com/world/news/141127/wor1411270003-n1.html
「米政府がクリントン、ブッシュ両政権下で8年かけて実施したドイツと日本の戦争犯罪の大規模な再調査で、日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的 な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の文書は一点も発見されなかったことが明らかとなった。戦時の米軍は慰安婦制度を日本国内の売春制度の単なる延長とみていたという。調査結果は、日本側の慰安婦問題での主張の強力な補強になることも期待される。」
アフガンゲリラを育てると、今度はアメリカに向かって来るなどアメリカの戦略?は目先の見え透いた行動が基本ですから、10〜20年周期で今まで協力して来た国々を敵に着回してしまうようなことばかりでは、その咎めがあちこちで出て来るのは当然で、アメリカの国際戦略・信用がぐらついてきました。
スパーンの短さは最近だけのことではなく対日戦争目的も同じです。
当時の世界史的争点は資本主義対共産主義体制の争いだったのですが、(民主主義か否かの争いはありませんでした)アメリカはこれを対日人種戦争目的で理解して日本を戦争に追い込んで行ったのです。
アメリカは対日戦争開始は民主主義を守る戦いであったと虚偽宣伝していますが、ピカソのゲルニカで知られるように超右翼であり残虐な弾圧を返したスペインのフランコ政権が戦争対象になっていない上に、ソ連や中共が民主主義政権でないのにこれらの応援をしたことからみれば、アメリカの戦争目的はこじつけに過ぎないことは誰の目にも明らかです。
戦争が終わってみればソ連が中東欧を支配下に収めアジアではモンゴルや中国北朝鮮やベトナムなど共産主義化して実質勝者をソ連にしてしまいました。
戦後直ぐの朝鮮戦争を経て漸く共産主義の浸透が問題であると気が付いて米ソ対決に変化しますが、中東で言えばアメリカはイランのパーレビ体制を支持してきましたが、あるとき(カーターのときに)イキナリ人権を言い出してイラン革命を引き起こしたかと思うと(革命政権それまでアメリカがパーレビ体制を支持的たことの怨恨もあって、反アメリカ的である上に暴徒が大使館に乱入したことなどを理由に)革命政権を敵視してここと30年ほど何やかやと理由を付けては封じ込めをしてきましたが、ここに来てIS対策でイランの協力が必要になるとイキナリ制裁解除に動き、アメリカの手先になって来たサウジやイスラエルを怒らせています。
先の読みが悪過ぎると言うか、目先の利害に追われ過ぎる傾向があります。
世界中が日本並みに数百年・千年単位とまでは行かないまでも、長寿社会になってある程度のスパーンでものごとを考える人が増えて来ると20年周期で失敗がはっきりしてその都度敵・標的を取っ替え=それまで利用して来た味方が敵に入れ替わるオセロゲーム的アメリカ戦略の底の浅さが浮かび上がってきました。
過去の忠実な部下が役に立たなくなってもそれまでの功績を大事にする日本社会・・将棋の駒的利用法とオセロゲームしか知らない社会との大きな違いです。
こんな馬鹿げたことばかりを繰り返していても破綻せずに来られた(イキナリ方向を変えては、それまで協力して来た国を切り捨てて「今度はお前を味方にしてやるぞ!」とこれまで敵視していた国味方に入れ替える・・御都合主義でもみんながついて来た)のは、豊富な資源(量)があったに過ぎません。
今後大量消費的資源(鉄鉱石や石炭石油など)の比重が下がると、アメリカ1強時代が終わる可能性があります。
食料品でさえも量で勝負する時代からおいしいトマトや豚肉など品質で勝負する時代に変わりつつあります。

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